♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.201 ブラームス:「クラリネット五重奏曲」 by ウラッハ&ウィーンコンツェルトハウス四重奏団

ウエストミンスター・レガシーの室内楽コレクションBoxからの一枚です。
モーツァルトとブラームスの「クラリネット五重奏曲」のカプリング。
先日、ブラームスの室内楽では「クラリネット五重奏曲」も名曲との
コメントをお寄せいただきました。
是非、聴いてみたく思いブラームスから聴くことにしました。


            ブラームス:クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115
                          by
        レオポルド・ウラッハ&ウィーンコンツェルトハウス四重奏団

                (HMV)モーツァルト&ブラームス:クラリネット五重奏曲 レオポルト・ウラッハ、ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団

                   レオポルト・ウラッハ(Cl)
               ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団
                  アントン・カンパー(第1Vn)
                  カール・マリア・ティッツェ(第2Vn)
                  エーリッヒ・ヴァイス(Vla)
                  フランツ・クヴァルダ(Vc)
 
             (録音:1952年 ウィーン・コンツェルトハウス
                       モーツァルトザール )


              第1楽章 アレグロ ロ短調 8分の6拍子
              第2楽章 アダージョ ロ長調 4分の3拍子
              第3楽章 アンダンティーノ~
                  プレスト・ノン・アッサイ・マ・コン・
                  センティメント ニ長調 4分の4拍子
              第4楽章 コン・モート ロ短調 4分の2拍子



1891年夏にバード・イシュルにて作曲が完成されたとのことです。
尚、クラリネットの代わりにヴィオラを使っても良いと記されているとのことです。

              Bad Ischl um 1855
                   1855年 バード・イシュル



この「クラリネット五重奏曲」について門馬直美氏は次のように記述されています。

  「ピアノ五重奏曲作品34が青年ブラームスのエッセンスを示すなら
   このクラリネット五重奏曲は老年のブラームスの創作の頂点であり
   最も本質的なものを示すと言えよう。」


作品が完成されたこの年1891年の3月にブラームスは
芸術上の友人であったマイニンゲンのゲオルク公夫妻を訪問した折に
マイニンゲン宮廷楽団の優れたクラリネット奏者であった
リヒャルト・ミュールフェルトと知り合ったそうです。

ミュールフェルトは初めヴァイオリン奏者として宮廷楽団に入り
後にクラリネット奏者に転じたとのこと。
ヴァイオリンの奏でる豊かな表情をクラリネットでも同じように表現しようと
努力をしていたそうです。
ブラームスは彼の演奏するモーツァルトなどの「クラリネット協奏曲」を聴き
彼のクラリネットの音色と妙技に深く心を動かされたとのことです。
ブラームスはミュールフェルトのことを「クラリネット嬢」或いは
「優しいナイチンゲール」などと呼び
ブラームスが死ぬまで交友があったそうです。

                    リヒャルト・ミュールフェルト
             201ミュールフェルト
                      Richard Mühlfeld
                  (1856年2月28日-1907年6月1日)


        201ミューフェルト2
            マイニンゲン公園墓地のミュールフェルトの墓


1890年5月に57回目の誕生日を迎えたブラームスは
友人のマンディチェフスキー宛ての手紙に次のように記していたそうです。

  「わたしは近頃、交響曲を含めて幾つかの作品を手掛けたが、
   どれもうまい具合には進まなかった。
   年も年だしするので、もう努力の要る作品を書くのは止めようと思う」

そして書き溜めてあった草稿の整理を始めていたとのことです。
1891年の5月には遺言書の作成準備に取り掛かったブラームスだったそうで。
そのような彼がその年に室内楽曲の傑作を続けて2作品の作曲。
1曲はクラリネット、チェロ、ピアノの「クラリネット三重奏曲」
次に「クラリネット五重奏曲」を書き上げることに。
前作の「クラリネット三重奏曲」が書き上げられた時に祝辞を述べる友人の
マンディチェフスキーにブラームスは

  「実はこの作品のほかにもう1曲『愚作』に取り掛かっている。
   この三重奏曲はその双子の片割れなのだ」と。

もう1曲の愚作とブラームスが称したのが「クラリネット五重奏曲」
だったとのことです。
この2曲は同時期に双子のように着想されて同じ月に完成しているそうです。

大曲の創作はしない。
また、遺言書の作成準備にまで取り掛かっていたブラームスだったそうで。
そのような彼の創作意欲に火を燃え上がらせたのがミュールフェルトとの
出会いだったとのことです。


「クラリネット五重奏曲」の初演は1981年11月24日に
ヨアヒム、ハウスマン、ミュールフェルト それにマイニンゲンの
音楽家二人を加えてマイニンゲンの公爵夫人邸での社交の集いに於いて
行われたそうです。

公開初演は189年12月12日。
ベルリンでヨアヒム四重奏団とミュールフェルトの演奏で。
この時の演奏会でヨアヒム四重奏団がそれまで不文律として守ってきた
 「公開の演奏会では管楽器の加わった作品を取り上げない」
という決まりを破ったことだったそうです。
それ以後、この四重奏団はブラームスの「クラリネット五重奏曲」」を
機会のある毎に演奏し四重奏団の最も重要なレパートリーの
一つとなったそうです。

いつもの余談になりますが。
クラリネットの生みの親はニュルンベルクの管楽器製造業者の
ヨハン・クリスティアン・デンナーという人だったそうです。
1700年頃にデンナーはクラリネットの前身であるシャリュモーという
楽器を改良し今日のクラリネットの原型を作り上げたとのことです。
18世紀の半ば頃から徐々にオーケストラで使用されるようになったそうです。


さて、この作品を初めて聴いた印象です。
第1楽章冒頭の第1主題を奏でるヴァイオリンが印象深く心の琴線に触れます。
未だ嘗て耳にしたことのないようなとても繊細で透明感のある音色。
侘し気で孤高な印象すら受けます。
旋律もまた瞑想するかのようです。
クラリネットの奥深い音色、心が鎮められるような旋律。
懐かしい旧友との語らいのひと時のような親しみも感じます。

クラリネットの静かな調べで始まる第2楽章。
第1ヴァイオリンは美しく優しくクラリネットに語りかけるようです。
クラリネットとヴァイオリンが幻想的な会話をしているような魅力的な旋律。
耳を傾けていると胸が熱くなるようでもあり心に焼き付く調べです。
クラリネットが最も雄弁(?)に歌っている楽章でしょうか。
全楽章の中でも深く印象に残る楽章です。

第3楽章序奏のヴィオラとチェロが奏でる抒情的で穏やかな旋律は
ふと口ずさみたくなるような親しみを感じます。
転じて弦のピツィカートに乗って光明が射すような軽快な調べ。
ハンガリー風な趣は聴いていて楽しくもあります。
ヴァイオリンは楽しそうに語っているようです。
「暗」と「明」の対比的な旋律に耳を奪われているうちに曲は静かに終わりを。

第4楽章の主題が民謡風とのことで
この楽章も親しみを感じさせられるものがあります。
5つの変奏で構成される変奏曲形式だそうです。
各変奏は聴いていて興味をそそられるものがあります。
お気に入りは第4変奏でしょうか。
クラリネットと第1ヴァイオリンの穏和な調べは心を休めさせてくれるようです。
この作品の中でもお気に入りの第1楽章の第1主題が現れて終結。


過日、ブラームスの「ピアノ五重奏曲」を聴いた時と同様の印象を
受けました。
最初に聴いた時には特に印象的なものを感じることはなかったのですが
繰り返し聴くうちに魅力深い旋律に惹き込まれてしまいました。

ブラームスの室内楽はまだ聴き始めたばかりですが
このクラリネット五重奏曲もまた耳を傾けるほどに
胸に熱い思いがこみ上げてくるようです。
ブラームスがまた身近に感じられる作品に出合うことができたように思います。


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Comment

Re: クラリネット五重奏曲、気に入っていただけたでしょうか?

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

ブラームスの室内楽には惹きつけられる魅力があることにやっと気付きました。
先日のピアノ五重奏曲、そして今回のクラリネット五重奏曲もとても気に入りました。
クラリネットの音色も味わい深いものだと気付かされたように思います。
ご紹介いただき本当にありがとうございました。

カプリング曲のモーツァルトの「クラリネット五重奏曲」の方も聴き始めてみました。
次はこちらの作品を・・・と、予定をしていますが。
burleskeさまもやはりウェストミンスター・レガシーの室内楽コレクションをお持ちなのですね。
聴き始めたばかりで、このBoxのお目当てだったベートーヴェンやシューベルトまで聴いていないのですが。
本当に魅力ある作品と演奏の宝庫のようですね。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2013.07/22 19:38分
  • [Edit]

クラリネット五重奏曲、気に入っていただけたでしょうか?

ブラームスのクラリネット五重奏曲は、聴けば聴くほど味わいが増しますね。
ウラッハ&ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団盤は、名盤として有名なもので、僕も愛聴してます。
なんともいえない深みがありますね。

最近の演奏では、ヴィトマン&ハーゲン四重奏団の濃密な表現が印象的で、気に入ってます。

ウラッハ&ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団盤はカップリングのモーツァルトも絶品ですね。

ウエストミンスターの室内楽にはウィーン・コンツェルトハウス四重奏団のシューベルトやバリリ四重奏団のベートーヴェンなど、素敵な演奏があって良いですね。
久しぶりに聴きなおしてみたいと思います。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2013.07/21 20:22分
  • [Edit]

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特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
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