♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.204 ブラームス:弦楽六重奏曲第2番 by ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団

夏が好きとは言え
いくら夏とは言え、とにかく暑い。
猛暑、の文字を目にするだけで暑くなってしまいます。
残暑であるにも拘らず 暑中お見舞い申し上げます と言いたくなります。
厳しい暑さの日々、どうぞご自愛くださいませ。

この拙ブログは、シューベルトの歌曲シリーズになりましたり
目下、ブラームス・シリーズになってきたようですが。

前回のブラームス「弦楽四重奏曲第1番」に引き続き第2番を聴いてみました。
演奏も前回の第1番と同じくウィーン・コンツェルトハウス四重奏団です。

第1番と同じくお気に入りになりました。
第1番よりも一層軽快で楽し気な曲のように感じます。

              ブラームス弦楽六重奏曲第2番 ト長調 作品36

                 204

                 ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団
                 フェルディナント・シュタングラー(Vla)
                 ギュンター・ヴァイス(Vc)

               (録音:1954年 ウィーン、コンツェルトハウス
                         モーツァルト・ザール)


           第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ ト長調 4分の3拍子
           第2楽章 スケルツォ アレグロ・ノン・トロッポ ト短調 4分の2拍子
           第3楽章 ポーコ・アダージョ ホ短調 4分の4拍子
           第4楽章 ポーコ・アレグロ ト長調 8分の9拍子



作曲の完成は1865年とのことです。
作曲中の同年2月2日にブラームスの母親が死去したそうです。
この作品に着手を始めたのはかなり以前の1855年と推定されるようです。
すでに第3楽章の一部についてはクララ宛の1855年1月5日と2月7日の書簡中に
記されていたそうです。
また1859年11月にさらに別の一部分をクララに送っていたとのことです。

この頃、ブラームスはアガーテと親しく交際していた時期。
この作品は「アガーテ六重奏曲」とも言われることがあるそうです。
尚、第1楽章にブラームスはで第1、2ヴァイオリンの声部に
彼女の名前アガーテ、A-G-A-(T)H-E を織り込んだとのことです。


                (wikiドイツ)204Der junge Johannes Brahms (um 1866)
                       ブラームス 1866年 


いつもの寄り道になります。
ブラームスが婚約までしたゲッティンゲン大学教授の令嬢で
アガーテ・フォン・ジーボルト(1835-1909年)。
昔々、学校で習った鎖国の江戸時代に長崎にやって来た医師のシーボルト。
今回初めて知りましたがアガーテはシーボルトの従兄弟の娘だったそうです。

前回、弦楽六重奏曲第1番に登場したブラームスの友人ユリウス・オットー・グリム。
彼が1858年夏にブラームスにアガーテを紹介したとのことです。

二人は指輪の交換もし婚約を発表する段階に至って
ブラームスがアガーテに書いた一通の手紙が破綻を招くことになった由です。
手紙には次のように綴られていたそうで。

 「僕は貴女を愛しています。
  もう一度お目にかからなければなりません。
  しかし、僕は束縛されるわけにはいかないのです。
  貴女を僕の腕に抱き、口づけし、貴女を愛しますと言うために
  戻って行くべきかどうか、すぐご返事をください」

決断をする立場にあったブラームスが
アガーテに決断を委ねてしまったそうです。
この手紙にてアガーテは1859年1月に婚約を破棄したとのこと。
彼女にとっても痛手は大きく次の結婚に至るまで10年の月日が掛かったとか。

彼女はブラームスの想い出を回想録に
 「恋の栄光によって清められた美しい夏の日々」
と綴り、回想録は次の言葉で結ばれているそうです。
 「大きな愛をもってしても、彼の生は満たし得なかっただろう」


片やブラームスはブラームスで
アガーテとの日々の楽しさや
別れのために負った心の呵責と苦悩からの解放を
この曲で表そうとしたとのことです。
ブラームスは曲の完成の前年にアガーテの住んでいた町の
城門の傍にある家と庭を訪れたそうです。
ブラームスは友人のゲンスバッハに次のように語ったそうです。
 
  「この曲で私は最後の恋愛から自分を解放した」


作品の編曲としては
ブラームス自身によるピアノ4手用編曲 及び 
当時ドイツ楽壇会の重鎮の一人であった作曲家、指揮者の
テオドール・キルヒナーによるピアノ三重奏用編曲
の2種があるそうです。

ウィーンでの公開初演は1867年2月3日に
ヘルメスベルガー四重奏団により行われたそうです。
初演の頃には、あまり親しまれなかったとのこと。
その理由として門馬直美氏は以下のように記述されています。
   
  「第1番が単純で民謡風で親しみ易く、若々しさに溢れ力強いのに対して
   この第2番は繊細、芸術的で個性的でありブラームス自身というものを
   はるかに明瞭に浮かびださせている」


弦楽六重奏曲の第1番がお気に入りになり
大いに期待をして耳を傾けてみた第2番。
期待以上に惹かれるものがありました。

第1楽章のゆったりとした始まり
また、この楽章自体が壮大な趣のシンフォニーのようにも感じられます。
殊にこの第1楽章と第4楽章では楽器編成による重厚さや
各声部が豊かに表現されているようにも感じられます。

第1チェロで始まる第2主題にはハッとさせられます。
抒情的でとても美しい調べを持つ「歌」のよう。
懐かしさを呼び覚ますような旋律が心に染み入ります。

仄暗さが漂う旋律の第2楽章の開始。
一転して軽快に。
まるで心に陽が射し込むような感じがします。
人々が楽しくダンスをしている光景を思い描いてしまいます。
若々しい生気が漲るリズミカルで活発な印象を強く受ける楽章でしょうか。

第3楽章は主題と5つの変奏から構成されているとのことです。
解説によると主題はブラームスの全変奏曲のうちで
最も込み入ったものの一つだそうです。
不安な朦朧とした心の空漠とした状態を示した後に
平和な光り輝く希望に満ちた状態に発展していく過程を変奏で示そうとしたために
込み入ったものになっているとのことです。
そのような小難しいことは解りませんが。

曲は重々しく不安定さを感じさせるような調べで始まるものの
一転して第2変奏では吹っ切れた気分を感じさせます。
軽快さやリズミカルな旋律の出現。
そして静かな心を取り戻したかのような穏やかな調べのうちに
終結する第3楽章。
 
第4楽章はこの曲の中で最も軽快で楽しい気分に溢れているようです。
前述したブラームスの言葉が脳裏を過ぎるようです。
 「この曲で私は最後の恋愛から自分を解放した」

また第1楽章同様に重厚でスケール感もあり
弦楽六重奏以上の楽器編成を感じさせられるようです。
情熱から平静さへの移ろい。
優雅に踊るような旋律。
軽やかに飛翔するような趣を感じる楽章でしょうか。


作品に耳を傾けるうちにブラームスの心の声を聞いているような気分になりました。
ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団
そして加わるチェロとヴィオラ。
楽器を通して各メンバーの一人一人がブラームスの心の仲介者として
ブラームスの心の変遷を語り聴かせてくれるようにも思われました。

さて、編曲版に興味津々になってまいりました。
キルヒナーがピアノ三重奏用に編曲したものでは
弦楽六重奏曲第1番、第2番のディスクと
第2番ではアッテルベリ編曲の弦楽合奏版のディスクが目に付きました。
機会がありましたら是非、聴いてみたい演奏です。


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Comment

Re: 暑いですねぇ。

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

弦楽六重奏曲の第2番・・・1番もお気に入りになりましたが
強いて言えば第2番の方が好みになりました。
それにしても、第1番も第2番も本当に良い曲で大好きになりました。
聴いていて、或る旋律にシューベルトに通じるような趣もあるように感じていますが・・・。

ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団の演奏はウェストミンスター・レガシーで聴くようになったばかりですが・・・。
シューベルトはまだ聴いていないのですが、そうですよね、彼らの演奏には「何とも言えない味」があるようですね。
今度こそシューベルトの弦楽四重奏曲第13番を聴いてみたいと思います。
burleskeさまもウェストミンスターの室内楽シリーズのBoxを
お求めになられたものと、いつもの早トチリをしていました。
室内楽シリーズとして発売される以前に多々お求めになられていらしゃったのですね。
ブラームスの弦楽六重奏曲は現在、単売がされていないとのことで・・・。
再発売がされると良いですよね。

当地に比べ御地のほうが気温が高いようですので
burleskeさまもどうぞ熱中症等、お気をつけくださいね。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2013.08/12 20:16分
  • [Edit]

暑いですねぇ。

ほんとに暑いですねぇ。
luminoさまも熱中症にならないよう、気をつけてくださいね。

ブラームスの弦楽六重奏曲第2番もアマデウスとアルバン・ベルクで持っているのですが、第1番ほどの印象がありません。
改めて聴いてみたいと思います。

ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団のシューベルトの弦楽四重奏曲第13番《ロザムンデ》を久しぶりに聴いてみたのですが、良いですねぇ。
なんともいえない味があって、聴き惚れてしまいました。
《死と乙女》、第15番、それに弦楽五重奏曲も聴いてみたいと思います。
でも、ウェストミンスターの室内楽シリーズは昔、バラ売りの国内盤で購入したので、ブラームスの六重奏曲は持っていないんですよねぇ。
今はボックス・セットか中古でしか入手できないみたいですね。
こんなことなら昔に買っとけばよかった・・・
  • posted by burleske
  • URL
  • 2013.08/12 18:50分
  • [Edit]

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