2013.08/17(Sat)

Op.205 ブラームス:「弦楽五重奏曲第1番」 by ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団

ブラームス室内楽に対する魅力が深まりつつある日々です。
弦楽五重奏曲第1番」を聴き、またまた、ブラームスの世界に
ドップリと嵌り込んでしまいました。
ディスクは前回の「弦楽六重奏曲第2番」とのカプリングです。

明るく、愛らしく、清々しく、爽やかな春の訪れを感じさせるような曲。
この曲に限らずブラームス室内楽に耳を傾けていると
晴々とした気分になってきます。
今迄、ブラームスに対するイメージは秋でしたが
室内楽を聴くうちに 春 或いは 夏 をイメージするように
なってきた今日この頃です。

ブラームスの作品で初めて聴いたのはヴァイオリン協奏曲でした。
初めて聴いて即、感銘を受けたのはもう昔々のこと。
ヴァイオリンがミルシテイン、ヨッフム指揮、ウィーン・フィルのLPでした。
当時から現在に至るまでお気に入りのヴァイオリン協奏曲は
ベートーヴェンとブラームス

耳を傾けることなく長い年月が経ってしまったヴァイオリン協奏曲も
改めて聴いてみたくなりました。
嘗て聴いた時とは違う印象を受けるような予感もしてきました。



                  弦楽五重奏曲第1番 作品88
                204

                ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団
                フェルディナント・シュタングラー(Vla)

              (録音:1950年 ウィーン、コンツェルトハウス
                       モーツァルト・ザール)

             第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ・マ・コン・ブリオ
                              ヘ長調 4分の4拍子
             第2楽章 グラーベ・エド・アパッショナート
              第3楽章 アレグロ・エネルジコ ヘ長調 2分の3拍子



作曲は1882年の春とのことです。
ブラームス、49歳頃でしょうか。
作曲中であった「ピアノ三重奏曲」作品87を中断して
この作品の作曲に着手したとのことです。

この頃のブラームスは夏の間に2曲または3曲を規則的に作曲していたそうです。
また、新しいオーケストラ作品を構想している時に
室内楽を書く習慣もあったとのこと。
この作品も交響曲第3番の構想をしている時期であったとか。

弦楽五重奏曲で残っているのは2曲だそうです。
他に1曲書いたとのことですがブラームス自身が気に入らずに
ピアノ五重奏曲に改作。
ブラームスはヴィオラを愛好していたとのことで
この作品ではヴィオラを2艇にしての作曲。

作曲の動機としてはブルックナーの「弦楽五重奏曲」の存在があった、と
言われているそうです。
この作品の総譜を見る機会があったブラームスの友人テオドール・ビルロート。
彼とは幾度かイタリア旅行を共にし
弦楽五重奏曲が作曲された1882年には3回目のイタリア旅行。
その前年1881年の春にもイタリアへ旅行をしていたそうです。
ビルロートはクララ・シューマンに曲の印象をいろいろと述べ
   「各楽章は春に書かれたものだけに、みな春の雰囲気を持つ」
と伝えていたとのことです。

私的初演は1882年8月18日に
ブダペストのラディスラウス・ワーグナー教授宅で行われたそうです。
公開初演は同年、1882年12月29日に
フランクフルト・アム・・マインで行われたとのことです。


              205Paul Klengel
                       Paul Klengel
                (1854年5月13日-1935年4月24日)


作品の編曲としては1883年にジムロック社から出版された
ピアノ4手用の編曲版があるそうです。
また同年、ドイツの指揮者であり作曲家であったパウル・クレンゲルの
ピアノ独奏用編曲もジムロック社から出版されたとのことです。


この作品についての三宅幸夫氏の記述が目に留まりました。
  「自己批判の強いブラームスにしては珍しく水準以下の出来で
   満足してしまった」
と・・・どうなのでしょう?。
水準以上とか以下ということは私には解りませんが。
まぁ、誰がどのような評価を下そうともお気に入りの作品になりました。

              
第1楽章の思わず口ずさみたくなる親しみやすい主題。
何回も顔を表すこの第1主題。
楽章全体が愛らしく穏やかな風情を感じさせられます。

第2楽章の始まりは悠長たる流れのようです。
第1部の主題はブラームスが1855年に作ったピアノ用のサラバンドから
暗示を受けたと言わているとのこと。
第2部のアレグレット・ヴィヴァーチェでは足取りも軽い旋律に転じ
また愛らしい調べには耳を奪われます。
第3部での内省的なゆったりとした調べに心を和まされつつ
夢想のひと時を味わっていると
プレストに一転する第4部では目が覚める想いに。
この楽章では異質な趣を感じさせる旋律でしょうか。
再び静けさに戻っての終曲。

第3楽章の開始早々のヴィオラの駆け抜けるような第1主題。
この主題が全体を支配しているようで兎にも角にも闊達な楽章。
漲るエネルギーの迸りには緊張感すらあるようです。
息つく間もないような疾風怒濤の趣を感じます。
ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団および
加わっているヴィオラのシュタングラー。
各人の渾身の演奏が目に浮かぶようです。
プレストでフォルティシモのコーダでは息を呑んでしまいます。
演奏が終わり聴いているだけの自分が「フーッ」と深呼吸でした。


ブラームスの室内楽作品をウィーン・コンツェルトハウス四重奏団
聴き続けてきました。
この四重奏団に抱いていたイメージの別の一面
また威力を感じさせられる演奏でした。


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タグ : ブラームス 弦楽五重奏曲 室内楽 ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団

19:35  |  ブラームス  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●Re: ブラームスの弦楽五重奏曲も良いですね。

burleskeさま、こんばんは。
いつもコメントをありがとうございます。

私自身、嘗てこの作品を聴いたとしても印象に残らなかったのではないかと思います。
現在はブラームスの室内楽のどの作品を聴いてもお気に入りになってしまうという嵌り込み状態の真っ只中かも。
「良い曲・・・」と感じられる作品に出合うと本当に嬉しくなります。
ブラームスのお陰で嬉々とした日々の連続です。

確かに人によって同じ作品に対しても評価が随分違うのですね。
難しいことは解らないながらも三宅氏の評価を読み疑問疑問、状態でした。
ブルース・アドルフ氏の評価をありがとうございました。
作曲技術的にも充実している作品のように評価されているようで
ブラームスの面目も失われなくて良かったです。

> また、第1楽章のピツィカートにのってヴィオラが主題を奏でる部分の斬新なリズムとテクスチュア構成は多くの20世紀音楽の規範となっているそうです
とのことで、この主題の個所に惹かれたのですが。
20世紀音楽は自分にはまったく理解力はゼロと思っていましたが
少し希望が持てるでしょうか。
lumino | 2013.08.18(日) 20:13 | URL | コメント編集

●ブラームスの弦楽五重奏曲も良いですね。

ブラームス弦楽五重奏曲、僕もアマデウスQとブダペストSQで持っているのですが、あまり印象にありませんでした。
第1番を改めて聴いてみましたが、親しみやすくて良いですね。
三宅幸夫氏によると、水準以下の作品らしいですが、ブダペスト盤のブルース・アドルフ(訳:渡辺正)の解説によると、「純粋な形式と声部進行、対位法が達成された作品であり、その意味で作曲家が成熟期に入ったことを示している」そうです。
また、第1楽章のピツィカートにのってヴィオラが主題を奏でる部分の斬新なリズムとテクスチュア構成は多くの20世紀音楽の規範となっているそうです。
ほんとに、人によって評価が違って面白いですね。
ちなみに、僕はブダペストSQ盤が気に入りました。
burleske | 2013.08.18(日) 19:32 | URL | コメント編集

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