♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.209 ブラームス:「ヴァイオリン協奏曲」 by オイストラフ:クレンペラー&フランス放送国立管弦楽団

昔々のLP時代からヴァイオリン協奏曲でのお気に入りのトップはベートーヴェン。
次にブラームスです。
ブラームスヴァイオリン協奏曲・・・嘗ては力強さがお気に入りでした。
改めて聴いてみるると今迄気付くことのなかった美しさも兼ね備え
素晴らしいヴァイオリン協奏曲と、思うようになりました。

ディスクは数年前に求めた「オイストラフ~EMI全録音集」からの一枚です。
演奏はオイストラフのヴァイオリン。
指揮がクレンペラー、フランス放送国立管弦楽団です。
クレンペラーは特に意識をする指揮者ではなかったのですが
この演奏を聴き気になる存在になってきました。
 

            ブラームスヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
                         by
        オイストラフクレンペラー&フランス放送国立管弦楽団


                   オイストラフ:EMI全録音集より
                 206

                    ダヴィッド・オイストラフ(Vn)
                    オットー・クレンペラー指揮
                    フランス放送国立管弦楽団

                    (録音:1960年 ステレオ)

                      (カプリング曲)
                    二重協奏曲イ短調Op.102
 
                    ダヴィッド・オイストラフ(Vn)
                    ピエール・フルニエス(Vc)
                    アルチェオ・ガリエラ指揮
                    フィルハーモニア管弦楽団
                   (録音:1956年 ステレオ)

      
           第1楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ ニ長調 4分の3拍子
           第2楽章 アダージョ へ長調 4分の2拍子 
           第3楽章 アレグロ・ジョコーソ・マ・ノン・トロッポ・ヴィヴァーチェ
                 ニ長調 4分の2拍子



ブラームスヴァイオリン協奏曲を書いた直接の動機としては
1877年9月にバーデン・バーデンでサラサーテの演奏するブルッフの
ヴァイオリン協奏曲を聴いたことだったそうです。
間接的な動機としてはヨアヒムとの厚い友情があったとのこと。

作曲に着手したのは1878年のイタリア旅行の帰りに南部オーストリアの
ペルチャッハに寄った7月頃だったそうです。
ヴェルター湖畔にある避暑地ペルチャッハはブラームスが前年に交響曲第2番を
書き上げる際に滞在し気に入った処だったとのことです。
その地にブラームスは落ち着き8月末までに第1楽章を書き上げ
ヴァイオリンの独奏パート譜をヨアヒムに送り意見を求めたそうです。
ヨアヒムはブラームスに次のように返信をしたとのこと。

 「君が4楽章の協奏曲を書いているとはまったく驚きだ。
  君の送ってくれた独奏パートは丁寧に調べ幾つか訂正してみたが、
  全部のスコアを見ないことには、はっきりしたことは言えない。
  だが、できるだけのことはやった。
  その中にはまったく独創的でヴァイオリン的な音楽が沢山ある。
  ただ音楽会場で気持ち良く演奏できるかどうかは別問題で、
  やってみないと分からない・・・・」

ブラームスは初め4楽章からなる構想を持っていたそうです。
11月にヨアヒム宛ての書簡に普通の3楽章の作品として落ち着いたとのことです。

ヨアヒムは初演を翌年、1879年1月1日に手はずを決めていたそうですが
慎重なブラームスにやきもきして初演に間に合うように何回も
ブラームスに催促をしていたとか。
ヨアヒム自身はカデンツァを作り上げて張り切っていたそうです。
初演は予定通り1879年1月1日にライプツィッヒのゲヴァントハウスに於いて
ヨアヒムのヴァイオリン独奏、ブラームスの指揮で行われたとのことです。

この作品が発表された時にハンスリックが次のように評したことは有名だそうです。

  「ブラームスとヨアヒムの友情の樹になった良く熟した果実」


このヴァイオリン協奏曲については
ヴァイオリンのための協奏曲 ではなく
ヴァイオリンに逆らう協奏曲 と言われているそうです。
オーケストラ伴奏が堂々とし、響きが分厚く交響曲のように書かれていること。
また独奏部がヨアヒムの演奏を念頭に書かれたため
小さい手の持ち主には大変な難曲となっているそうです。
技巧的にもきわめて困難である割合には
独奏部に華やかさを持たせようとしていないのでヴァイオリニストにとっては
苦労して弾く割には面白味のない曲、という評価をする人もいるとか。
曲の発表当時から、だいぶ後になるまで敬遠されていたそうです。
好例としてサラサーテの次のようなエピソードが。

 「サラサーテは第2楽章で独奏ヴァイオリンが美しい主題を奏する前に
  オーボエが前もってたっぷりとこの旋律を奏することにクレームを付け
  そんなに長々と待たされるのは我慢できないと言って
  この曲を弾きたがらなかった」
とのことです。


この曲の管弦楽部分のピアノ用編曲の楽譜は
当時、フランクフルトの音楽学校で教鞭をとっていたクララ・シューマンに
送られたそうです。
初演の詳しい日時は不明とのことですが
フランクフルトにてクララ・シューマンのピアノ
ヨアヒムの高弟のフーゴー・ヘルマンのヴァイオリンで初演されたそうです。

この年、1878年前後はブラームスの創作力が充実していた時期だったそうで
大きなスケールを持った作品が次々と生み出されたとのこと。
1876年には交響曲第1番。
翌年1877年には交響曲第2番。
そしてその1年後、1877年に完成したこのヴァイオリンン協奏曲。


今回、久し振りにこのヴァイオリン協奏曲を聴き今迄以上に
ブラームスとヨアヒムとの友情に関心を抱きました。
備忘録として。

       209
                     Joseph Joachim
                (1831年6月28日-1907年8月15日)


ブラームスがヨアヒムと初めて会ったのは1853年5月。
ブラームスが20歳になったばかりの時だったそうです。
発端となったのは、この年1853年までに大きな旅行を経験したことが
なかったブラームスはハンガリーのヴァイオリニスト、レメー二ーとともに
演奏旅行に出たことだったそうです。
その演奏旅行の途中でレメー二ーに連れられヨアヒムを訪ねたとのこと。
当時、無名の一青年作曲家にすぎなったブラームスに比べ
2歳年上のヨアヒムはすでに一流のヴァイオリニストとして
国際的に有名な存在だったそうです。
ブラームスはヨアヒムが弾くベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聴いて
心を揺さぶられたのが15歳の時だったとのこと。
そのヨアヒムと自分が対面していると思うとブラームスの胸は喜びに高鳴ったとか。
無口なブラームスが、ヨアヒムと打ち解けて自分の悩みや抱負まで話したそうです。
ヨアヒムの方は初対面の青年ブラームスの大きな可能性に驚き
独創性に富んだ充実した作品に心を奪われたそうです。
ブラームスとヨアヒム、二人は初めて会ったにも関わらず
古くからの知己ででもあるかのように親しくなったとのことです。

このヨアヒムとの初めての出会いの4ヵ月後に
ブラームスはヨアヒムの紹介状を手にしてデュッセルドルフのシューマン家を訪ね
シューマンに才能を認められることにもなったそうです。
シューマンは若いブラームスが弾くピアノ音楽に偉大な才能を感じ
「新音楽時報」にブラームスについての感動的な論文を載せたそうです。
シューマンの論文でブラームスの名は全ドイツの音楽家たちに
広く知られるようになったとのことです。
シューマンとブラームスの間に厚い師弟関係が結ばれたことで
ブラームスはヨアヒムに恩を抱いていたようです。

ブラームスとヨアヒムとの友情は一時的な不和はあったものの終生続いたとのこと。
ブラームスは兼々、ヨアヒムの友情に報いるために
立派なヴァイオリン協奏曲を書いて贈りたいという考えを抱いていたそうです。
そして誕生したのがこのヴァイオリン協奏曲。
献呈もヨアヒムに。


久方振りにこの作品を聴いて・・・。
牧歌的な第1楽章の開始を聴き
懐かしさと気持ちが和らぐ思いがします。
昔々、初めて聴いた時に第1楽章のオーボエの哀愁漂う旋律には
一度聴いただけで忘れられない強い印象を受けたものでした。
オーボエの調べに魅了されていると全合奏の強靭な旋律。
力強いオーケストラにも惹かれます。
印象的なオーボエは哀愁の調べから優雅な調べを聴かせてくれ
オーケストラが力強く重厚に迫るさまには
いつ聴いても高揚感を抱いてしまいます。

以前は気付かなかった第2楽章に漂う美しい調べ。
穏やかなオーケストラにオーボエは第1楽章同様に奏でられる牧歌的な美しさ。
そしてまた独奏ヴァイオリンが奏でる美しい調べ。
胸に迫るものがあります。
昔々、聴いた時にはあまり印象に残らなかった楽章ですが
年月の流れの中で自分の好みにも変化があるように感じさせられた楽章です。

第3楽章については絶句です。
絶句・・・と言ってしまうと後が続かないのですが。
この楽章は元来「アレグロ・ジョコーソ」の指定だったそうです。
ヨアヒムの意見を受けて現在の指定に変えられたとのことです。

軽快な調べで始まる第3楽章。
昔も今も、とても気に入っている楽章です。
独奏ヴァイオリンとオーケストラの軽快な呼応。
一緒に口ずさみたくなるような親しみを感じたりしつつも次第に募る緊張感。
オイストラフのヴァイオリンには耳をそばだてずにはいられません。
聴いているだけでも緊張をしてしまう独奏ヴァイオリン・パート。
オーケストラからも凄まじいとも感じ取れる
気迫に圧倒され通しです。


オイストラフの力量を感じさせるヴァオリン
そしてクレンペラーとフランス放送国立管弦楽団。
惹き付けて止まない息を呑む演奏。
オーケストラの重厚な響きと
オイストラフの線の太さを感じさせる演奏。
今迄聴いてきた演奏の中では最も素晴らしく感じました。


尚、カプリング曲のブラームス「二重協奏曲」。
嘗て他の演奏で聴き気に入っている作品でしたが
今回こちらの演奏を聴き以前にも増して新たな感動を覚えました。


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Comment

Re: オイストラフ&セルのブラームスも良いですよ

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

すっかりブラームスのヴァイオリン協奏曲の虜になり
「収集」をしてみたくなって、いろいろとディスク探しを始めました。
いつものことながら暗中模索の状態でのディスク探しですので
いただきましたコメントを指標にさせていただきますね。

オイストラフはセルとの録音もあるとのことで興味津々です。カートに・・・。
ハイフェッツ&ライナーは快速テンポだそうですので演奏を想像しつつ、こちらもカートに。
早く聴きたくなってきました。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2013.09/15 19:49分
  • [Edit]

オイストラフ&セルのブラームスも良いですよ

オイストラフのブラームスはセルとの1969年盤もあって、どちらかというとこちらの方を愛聴しているのですが、クレンペラー盤も良いですね。
他に、快速テンポのハイフェッツ&ライナー盤も面白いです。
最近の演奏では、重厚なオイストラフ&クレンペラーとは対照的ですが、軽やかで新鮮なカプソン&ハーディングがお気に入りです。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2013.09/14 20:36分
  • [Edit]

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