♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.206 シューベルト:歌曲「月に寄す」D.193 by ディースカウ;アメリンク

ブラームスの室内楽を聴くことが多かった今夏。
親しみ易く口ずさみたくなるような旋律に出合うことが多々ありました。
そのような調べに出合うとシューベルトを思い出してしまいます。
心の古里のように懐かしい想いを感じるシューベルト歌曲
久し振りにシューベルト歌曲に耳を傾けたくなりました。

月に寄す」D.193 です。
詩はヘルティ。              


                   「チェロで弾くシューベルト歌曲

                 206


この歌曲を初めて聴いたのはアレクシス・デシャルムのチェロ
セバスティアン・ヴィシャールのピアノ演奏による
「チェロで弾くシューベルト歌曲」の中に収録されているディスクでした。
この3年来で入手したディスクの中では一番のお気に入りになっています。
以来、もっとも耳を傾ける時間も多く親しんでいる一枚です。

この歌曲を声楽で聴くのは初めてになります。
いつものディースカウ
他にエリー・アメリンクで聴いてみました。
            

作詞者のヘルティについてはシューベルトの歌曲にて
以前綴ったことと重複する点もあるかと思いますが。

                206
                 Ludwig Christoph Heinrich Hölty
                 (1748年12月21日-1776年9月1日)


ドイツの詩人、ルートヴィッヒ・ハインリッヒ・クリストフ・ヘルティ
マリーエンゼ―の牧師の家に生まれたそうです。
ゲッティンゲンで神学生の頃に青年詩人たちとともに
「森の詩社」を創設したとのことです。
家庭教師やイギリス文学の翻訳で生計を立てていたそうですが
生活苦と肺疾患のために28歳で早逝。
ヘルティの詩は生と自然への愛を
時には悲哀を込めて、時には純朴な民謡調で詠っているとのことです。


シューベルトの付曲は1815年5月17日。
シューベルト18歳。
歌曲では「野ばら」「魔王」
交響曲では第3番が誕生したのがこの年だそうです。


ヘ短調 8分の12拍子
「ゆっくりと、物悲しく」との指定で。
出版は1826年4月6日にウィーンのタッデーハウス・ヴァイクルから。


先ず、いつものディースカウです。

             ディースカウ:シューベルト歌曲全集

              シューベルト歌曲全集byディスカウ

             ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
             ジェラルド・ムーア(P)
               

曲の前奏でのピアノ、右手パートを聴いていて
「何処かで聴いたことがあるような・・・」と。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「月光」に似ているような・・・気がしますが。
印象付けられるようなピアノです。

第1節と第4節では
緩やかな調べで月に語りかけるディースカウの歌声は
あたかも独り言のように淡々としているようです。
それが至って詩に込められている悲哀感を強調することなく
自然に伝えてくれるように感じられます。 

中間部の第2節と第3節でのテンポの速まりにも
過ぎた日を想う悲哀は拭われることなく
深い悲しみの情がヴェールに覆われているかのように感じさせられます。

1960年代の若きディースカウの歌唱で初めて聴いた「月に寄す」。
歌全体を暗く覆っている悲しみが心に沁みる「月に寄す」でしょうか。


次に聴いたエリー・アメリンクにも魅了されました。

             シューベルト歌曲全集~60名の歌手たち

               シューベルト歌曲全集~60名の歌手たち

                   グレアム・ジョンソン(P)
                   エリー・アメリンク(S)


曲に耳を傾けるというよりアメリンクの歌声に耳を奪われてしまいます。
透明で清楚、また落ち着きのある声質で歌われるこの曲。
惚れぼれとしてしまいました。
簡潔で素直な旋律を穏やかに歌うアメリンク
その歌声は天空から舞い降りてくる美しい歌の調べでしょうか。
静寂に包まれた夜に聴くアメリンクの歌うこの歌。
この世を忘れさせるかのように心に響きます。
夢幻的な趣を感じる「月に寄す」でしょうか。


シューベルトの歌曲を聴く度にいつも思うのですが
この曲もまた、シューベルトの付曲によって
詩に生命が与えられるように感じられました。
久し振りに聴いたシューベルトの歌曲。
古里に帰ったようなホッとした気分を味わうことができました。


               わんぱぐさん:ライン、ブルーの鳥
 
                月に寄せて:An den Mond D193
            (詩:ルートヴィヒ・ハインリヒ・クリストフ・ヘルティ


             降り注げ 愛する月よ お前の銀の光を
             幻や夢の姿が
             いつも僕の前を抜け去っていく
             このブナの緑を通して!

             姿を現わせ 僕の少女がよく座り
             また ブナと菩提樹のそよぎの中で
             黄金の街を忘れてしまった
             あの場所を僕が見つけれられるように

             姿を現わせ 彼女に涼しい風を送った
             あの茂みを 僕が楽しめるように
             そして彼女が小川に耳を澄ませていた
             どの草地にも花輪を撒けるように

             その後 愛する月よ 再びベールをつけ
             お前の友のために心を悲しませよ
             雲の帳を通して涙を注げ
             お前の友 愛を失ったものが泣いているように!

                              (訳詞:若林氏引用)

            (原詩引用)
             Geuß, lieber Mond, geuß deine Silberflimmer
             Durch dieses Buchengrün,
             Wo Phantasien und Traumgestalten
             Immer vor mir vorüberfliehn!

             Enthülle dich, daß ich die Stätte finde,
             Wo oft mein Mädchen saß,
             Und oft, im Wehn des Buchbaums und der Linde,
             Der goldnen Stadt vergaß.

             Enthülle dich, daß ich des Strauchs mich freue,
             Der Kühlung ihr gerauscht,
             Und einen Kranz auf jeden Anger streue,
             Wo sie den Bach belauscht.

             Dann, lieber Mond, dann nimm den Schleier wieder,
             Und traur um deinen Freund,
             Und weine durch den Wolkenflor hernieder,
             Wie dein Verlaßner weint!


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Comment

Re: やっぱりシューベルトも良いですね

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。
そちらは豪雨でしたそうで、本当に極端な天気ですね。
今日の当地はシトシト雨で涼しい一日でした。
が、また明日から「夏」のようです。

「月に寄す」はD.193だけだと思っていました。
> 《月に寄す》はこのD.193のほかにヘルティーの別の詩によるD.468もあるそうです。
> また、ゲーテの詩によるD.259とD.296も《月に寄す》というタイトルだそうで。
そうなのですか?! まったく気付きませんでした。
本当にややこしいですね。
D.468、D.259、D.296のディスクが手元にあるか調べて、ありましたら聴いてみたいです。
ありがとうございました。
アメリンクで「月に寄す」を聴いてすっかりアメリンクに魅了されてしまいました。
これを契機にアメリンクの他の歌も聴いてみたくなりました。

D.193のピアノ・パートについてですが、綴った後になり心配になりました。
やはり「月光」に似ているとのことで・・・ホッとしました。
シューベルト・・・同感です。やはり良いですね。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2013.08/25 20:19分
  • [Edit]

やっぱりシューベルトも良いですね

luminoさま、こんばんは。
ようやく雨が降ったと思ったら、どえらい豪雨でした。
最近の天気はほんとに極端ですね。

《月に寄す》はこのD.193のほかにヘルティーの別の詩によるD.468もあるそうです。
また、ゲーテの詩によるD.259とD.296も《月に寄す》というタイトルだそうで。
ややこしいですね。
D.193のピアノ・パートはたしかに《月光》に似てますね。
これは意図的かも?
ディースカウで聴きましたが、静かに心にしみわたるようです。
ブラームスも良いですが、やっぱりシューベルトも良いですね。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2013.08/25 19:32分
  • [Edit]

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