♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

Entries

Op.208 シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」 by ハーゲン四重奏団;ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団

9月に入り秋の空気を感じる頃に。
今日は白露だそうですね。
例年は夏が過ぎ去るのが残念に感じていましたが
今年は 待ちに待った秋の到来! に、ホッとする気分です。
ですが、来週にはまた夏日が復活しそうです。

前回聴いたシューベルトのピアノ五重奏曲「ます」とは打って変わっての作品。
有名な弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」。
耳にする機会が度々ありながら共鳴することが少なかった作品です。
どうも、この作品に漂う暗さに呑みこまれてしまうようで
耳を傾けることを意識的に避けていたと思います。
シューベルトの歌曲が大好きなのですが
歌曲ですら「死と乙女」は聴きたい気持ちが起きないまま今日に至っています。

前回、シューベルトのピアノ五重奏曲を聴いていた際に
ディスクのカプリング曲、ハーゲン四重奏団の演奏で
死と乙女」が自然に耳に入ってきました。
聴くとはなしに・・・ハッとするものを感じる演奏でした。
弦楽四重奏曲の「死と乙女」を聴いてみたい・・・。
と、当拙ブログに綴っていながら
3年目にしてやっと聴いてみる気持ちになりました。
例外的に以前、マーラー編曲の弦楽合奏版を聴き気に入ったものでしたが。


手元にウィーン・コンツェルトハウス四重奏団のディスクがありましたので
ハーゲン四重奏団と共に聴いてみました。



           シューベルト弦楽四重奏曲第14番「死と乙女
                   二短調 D.810


                207

            第1楽章 アレグロ 二短調 4分の4拍子
            第2楽章 アンダンテ・コン・モート ト短調 2分の2拍子
            第3楽章 スケルツォ アレグロ・モルト 二短調 4分の3拍子
            第4楽章 プレスト 二短調 8分の6拍子

                     ハーゲン四重奏団

              (録音:1990年10月 ミュンヘン
                  ブレナーザールでのデジタルセッション)


自筆譜は一部分しか残されていないとのことで
作曲時期については1842年3月と推測されるようです。
残されている自筆譜は第1楽章及び第2楽章第1-142小節の一部分で
ニューヨークのピアポント・モーガン図書館に所蔵されているそうです。
              
作曲時期についての根拠となっているのは
シューベルトが友人のクーペルヴィーザーに宛てた1824年3月31日付けの
手紙だそうです。
シューベルトは手紙に「弦楽四重奏曲を2つ作曲した」と綴っているとのこと。

               209Leopold Kupelwieser
                      Leopold Kupelwieser
                (1796年10月17日-1862年11月17日)


シューベルトはレオポルト・フォン・クーペルヴィーザー(1796-1862年)に
シュパウンを通じて知り合ったそうです。
才能のある画家でシューベルトは彼に信頼を寄せていたとのこと。

この年1824年、シューベルト27歳。
精神的、肉体的にもかなり健康を取り戻したそうですが
手紙や日記には苦悩と葛藤が綴られているとのことです。

当時、シューベルトがノートに書き残したメモに次のような記述があるそうです。

 「3月25日 
  苦しみは理性を研ぎ澄まし、心を強くする。
  しかし喜びは、理性などに構いはしない。
  また心を女々しくし、つまらないものにしてしまう。」

 「3月27日 
  他人の苦しみを理解し、他人の喜びを理解する者など誰もいない。
  人は互いに求めあうと信じながら、実はたがいにすれ違っているのだ。
  おお、このことを思い知ったものには悩みがある。
  僕が生み出す作品は、音楽への能力と、僕の苦しみとから生まれてくる。
  それも苦しみから生まれた作品の方は、一向に世の中を喜ばせないようだ」



作品の初演は
私的初演が1826年2月1日にウィーン、ヨーゼフ・バルト邸にて行われ
公開初演は1833年3月12日、ベルリンに於いてカール・モーザー四重奏団の演奏で。
1831年にヨーゼフ・ツェル二―より出版されたとのことです。

尚、この年1824年の夏から秋にかけてシューベルトはハンガリーのツェレスに滞在。
秋以降は父の家、ロッサウに戻っていたとのことです。

この年に作曲された他の作品には
八重奏曲D.803 や アルペジォーネ・ソナタD.821があるそうです。
久しく聴くことがなかった「アルペジォーネ・ソナタ」が懐かしくなりました。


先ずは 目(耳)から鱗 の演奏を聴かせてくれたハーゲン四重奏団

ストレートな感情表現とでも言うのでしょうか。
ドラマティックであり気迫を感じさせる演奏です。
第1楽章早々から激しい劇的な演奏に耳が釘付けになってしまいました。
第2楽章での歌曲「死と乙女」の主題による旋律には
胸が震える思いがするようです。
聴き込むうちに妙に親しみすら湧いてきました。
楽章の後半では息を吹き返したかのような「生」を感じさせられます。
第3楽章の力強さ そして 緊張感に息を呑む演奏です。
第4楽章ではエネルギッシュで疾風怒濤の渦の中にいるようです。
まるでシンフォニーの世界のようです。
凄い楽章であり凄い演奏であると痛感しました。

              
次に聴いたのがウィーン・コンツェルトハウス四重奏団の演奏です。
ウェストミンスター・レガシーの室内楽コレクションからのディスクです。
 
                208ウェストミンスター 

               ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団

              (録音:1950年 ウィーン
                  コンツェルトハウス・モーツァルト・ザール)


落ち着いた気分で耳を傾けることができる演奏のように感じられます。
悲劇性や激情を前面に押し出すことなく
感情が抑制されている演奏でしょうか。
シューベルトの心に寄り添うかのように
温もりを感じさせる演奏のようにも思われました。
また時として光明が射すような演奏で救われるような気分にも。
録音年は1950年とのことですがまったく気になる点もなく
魅力ある演奏に惹き込まれます。
ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団の演奏を聴き
前田昭雄氏の記述の一文が心に。

 「これら4つの楽章の全体を通じて、
  或る一つのものが追及され主張されている。
  苦悩に鍛えられた音楽の肯定」

これを機に
今迄、聴くのを避けていた歌曲「死と乙女」を聴くことができそうです。


                  にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
関連記事

Comment

Re: 《死と乙女》、お聴きになられましたか

burleskeさま、こんにちは。
コメントをありがとうございます。

ウェストミンスター・レガシーの室内楽コレクションのお目当てが
シューベルトとヴェーとーヴェンの弦楽四重奏曲だったのですが
やっとシューベルトから聴き始めることができました。
聴き始めの最初の弦楽四重奏曲が苦手な「死と乙女」になり・・・。
じっくり耳を傾けてみると魅力的であり、素晴らしい作品であることに気付かされました。
burleskeさまもウィーン・コンツェルトハウス四重奏団の演奏もお聴きになられたのですね。
こちらの四重奏団にしても、往年の演奏家には惹かれるものを感じてしまいます。
burleskeさまがお気に入りの演奏の一つ、ライプツィヒSQを機会がありましたら聴いてみたいと思います。

このディスクのカプリングが「ロザムンデ」でした。
「死と乙女」の方ばかりを集中して聴いていましたので、じっくりと「ロザムンデ」にも耳を傾けてみますね。
シューベルトの弦楽四重奏曲はまだ聴き始めたばかりで第15番も未聴ですので聴いてみたいと思います。
早く全曲を聴くことができると良いのですが。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2013.09/09 10:47分
  • [Edit]

《死と乙女》、お聴きになられましたか

ハーゲンQの《死と乙女》は僕もお気に入りです。
斬新で刺激的ですね。
ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団盤は久しぶりに聴きましたが、語り口が魅力的で良いですね。
他の演奏では、アルバン・ベルクSQ、タカーチSQ、ライプツィヒSQなどがお気に入りです。
《死と乙女》のつぎは第13番《ロザムンデ》と第15番の弦楽四重奏曲も聴いてみてはいかがでしょうか?
  • posted by burleske
  • URL
  • 2013.09/08 20:01分
  • [Edit]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 現在非公開コメント投稿不可です。

左サイドMenu

プロフィール

lumino

Author:lumino
音楽が日々の活力源になっています。
特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
日々の生活に無くてはならないのが音楽と本です。
また2羽の小桜インコの兄弟は大切な家族です。

最新記事

lumino

右サイドメニュー

♪ こんにちは ♪

カレンダー

04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

ブログ内検索

*翻訳*