♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.213 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 「 クロイツェル」 by パールマン&アルゲリッチ

パールマン&アルゲリッチの演奏するベートーヴェン
ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」。
「これぞ、『クロイツェル』という凄い演奏!!」との感想を耳にしました。
是非、聴いてみたく思い求めてみました。

ベートーヴェンヴァイオリン・ソナタで初めて聴いた曲が「クロイツェル」でした。
LP時代の昔々のことになります。
1974年の録音になるものでヴァイオリンは偶然にもパールマンでした。
ピアノはアシュケナージ。
今回、聴いたアルゲリッチとの演奏のような強烈な印象はなかったものの
長い間お気に入りの作品であり演奏でした。

遅ればせながら聴いたパールマン&アルゲリッチの「クロイツェル」。
曲が鳴り始めた瞬間から強烈な衝撃を受ける演奏でした。
「凄い演奏!」であるとは聞いていたものの・・・想像以上の素晴らしさでした。


              ベートーヴェンヴァイオリン・ソナタ第9番
                         by
                  パールマン&アルゲリッチ


                 213 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番

         ベートーヴェンヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調 op.47「クロイツェル
         フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ短調

                    イツァーク・パールマン(Vn)
                    マルタ・アルゲリッチ(P)

                (録音:1988年7月30日 ライブ
                    Saratoga Performing Arts Center) 
 

         第1楽章 アダージョ・ソステヌート プレスト イ長調 4分の3拍子 
         第2楽章 アンダンテ・コン・ヴァリアツィーニ 4分の2拍子
         第3楽章 フィナーレ プレスト 変イ長調 8分の6拍子 


いつものように備忘録として。
作曲は1802年から3年。
交響曲第3番が書かれた同じ年の1803年に完成したそうです。
ベートーヴェンが運命を克服し第二の人生へと力強い第一歩を踏み出した頃とのこと。

曲の名称「クロイツェル」はベートーヴェンが敬愛していたフランスの
名ヴァイオリニストのルドルフ・クロイツェルに捧げられたことに由来するそうです。


初演は1803年5月24日。5月17日との説もあるとか。
ウィーンのアウガルテンにてヴァイオリンがブリッジタワー
ピアノがベートーヴェン自身により行われたそうです。

              
                        クロイツェル
                   213 ルドルフ・クロイツェル
                       Rudolf Kreutzer
                 (1766年11月16日-1831年1月6日)


                       ブリッジタワー
              213George Bridgetower
            George Augustus Polgreen Bridgetower
              (1778年10月11日-1860年2月29日)


ブリッジタワーは当時イギリスの皇太子に仕えていた24歳のヴァイオリニストであり
作曲家だったそうです。
ドレスデンやウィーンで演奏会を開き好評だったとのこと。
ベートーヴェンはこの曲の初演でブリッジタワーの腕前に惚れ込み
知り合いの貴族に彼を推薦したこともあったそうです。
この曲の最初の草稿にはブリッジタワーへの献辞も記されていたそうですが
初演後に些細なことで仲違いしたことで献呈を取り止めて
クロイツェルに献呈されることになったとのことです。


       213ウィーン、アウガルテン
        「クロイツェル」が初演されたアウガルテン・コンサート・ホール

この曲が初演されたアウガルテンはレストランだったそうです。
広大な庭園ではモーツァルトの時代から定期的に演奏会が開かれたとのことです。
ベートーヴェンの時代にはイグナーツ・シュパンツィヒの指揮によるオーケストラ演奏会も開かれていたとのこと。
現在、アウガルテンは陶器会社になっているそうです。

「クロイツェル」は当時から高く評価をされていたとのことで
1805年には次のような批評が出たそうです。

 「この曲では誰もがベートーヴェンの芸術に圧倒されるし、
  彼に対して無条件に好きにならざるを得ないだろう。
  このソナタは、演奏のために困難を感じないという技巧だけではまだ足りない。
  勉強次第では、このような作品を書くこともできるぐらいの天分と能力のある
  二人の優れた演奏家のために作曲されたもので、効果に富んだプレスト、
  美しいアンダンテの主題による変奏曲、最後の奇妙なプレスト・・・・。
  われわれはここに無類の喜びを覚えるのである」


ベートーヴェンの「クロイツェル」と言えば
トルストイの中編小説「クロイツェル・ソナタ」が付きまとうようで。
昔々、この曲を聴いて感銘を受けた当時にトルストイの
「クロイツェル・ソナタ」を読んでみました。
私の特技にて内容についてはほとんど忘れ去りました。
個人的な感想になりますが。
当時、小説を読みベートーヴェンの「クロイツェル」に結び付くものは
まったく感じられることがなかったような。
逆に音楽から受ける感動に異物、不純物が混入するような
不快感を抱いたことだけは記憶に残っています。

因みにトルストイが「クロイツェル・ソナタ」を書いたのは1889年の春
61歳の時だったそうです。
トルストイ家では文学者や芸術家の集まりが催されていたそうです。
その集まりの時にトルストイの息子のヴァイオリンと
彼の音楽教師のピアノでベートーヴェンの「クロイツェル」が演奏されたとのこと。
演奏を聴いたトルストイは大きな感銘を受けたそうです。
その年の内にこの小説が書き上げられたとのこと。



第1楽章、穏やかなヴァイオリンの調べで始まる序奏。
穏やかながらも内に秘められた緊張感のようなものが漂っているように感じられます。
主題に転じて快活明朗にヴァイオリンとピアノが語り合う旋律には
生き生きしたものを感じます。
第2主題での優しい調べの一息も束の間
第1主題の出現に緊張感も戻ってくるようです。
ヴァイオリンのパールマンの鋭い切れ味。
アルゲリッチからは打鍵の強靭さや対比的に繊細さも。
パールマンとアルゲリッチが生み出す演奏から
強力なエネルギーの迸りを感じさせられます。


前楽章から打って変わっての第2楽章。
主題と4つの変奏、コーダで構成されているそうです。
ピアノが奏で始める主題にヴァイオリンも優しく寄り添うようです。
美麗な主題。
第1変奏での軽快でリズミカルなピアノが耳に快く伝わります。
第2変奏ではヴァイオリンに代わる主役。
ピアノとヴァイオリンが語り合う穏和な調べの第3変奏は親しみも感じられるようです。
第3変奏と同様な趣の第4変奏のピアノとヴァイオリンの優しげな語り合い。
印象的なのがピアノのトリルとヴァイオリンのピツィッカート。
カデンツァでは幻想的な趣が漂い夢見るかのようなヴァイオリンとピアノの調べ。
弱音で消えるように終わるこの楽章。


第3楽章はヴァイオリン・ソナタ第6番の終楽章として作曲されたそうです。
第6番には不釣り合いとしてこの第9番に転用されたとのことです。
再び生気が蘇り軽快に息づくピアノとヴァイオリン。
跳ねるようなタランテラ風のリズムも印象的です。
華麗に疾走するピアノとヴァイオリンは楽章全体を通して
一気に駆け抜けて行くようです。
華やかであり且つエネルギッシュな演奏を聴かせてくれるアルゲリッチ&パールマン。
第1楽章と同様に息を呑む思いで耳を傾けてしまいました。


この演奏を聴きパールマンとアルゲリッチへの認識が新たにされるようでした。
カプリング曲になっているフランクのヴァイオリン・ソナタは初めて耳にする曲です。
馴染みのない作曲家ですが、ゆっくり耳を傾けてみたく思います。


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Comment

Re: 「クロイツェル・ソナタ」、良いですね

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

パールマン&アルゲリッチの「クロイツェル」の演奏を聴き、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタに改めて火が付いたようです。
アルゲリッチで他のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタを聴いてみたく思っていたところです。
コメントを拝読させていただきアルゲリッチ&クレーメルとの全集も求めてみたくなりました。
burleskeさまがお気に入りの演奏をお挙げくださった中で
オイストラフ&オボーリンは私もお気に入りです。
この曲(と言うかベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲)では古楽器の演奏も気に入っています。
古楽器ではインマゼール&ヤープシュレーダーの全集も愛聴盤になっています。
寺神戸&ヴォデニチャロフも面白いとのことですね。
寺神戸の名前を見ると演奏を聴きたくなってしまうファン(?)ですので一度聴いてみたくなりました。

フランクは馴染みの薄い作曲家でしたがヴァイオリン・ソナタを聴き
思っていたよりは親しめるような気がしてきました。
もう少しじっくりと耳を傾けてみたいと思います。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2013.10/13 19:49分
  • [Edit]

「クロイツェル・ソナタ」、良いですね

「クロイツェル・ソナタ」は僕も大好きです。
パールマン&アルゲリッチ盤はライヴらしい情熱的な名演ですね。
アルゲリッチはクレーメルとベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集を録音していて、こちらも個性のぶつかり合いが素晴らしい名盤です。
他の演奏では、オイストラフ&オボーリン、シェリング&ルービンシュタイン、ファウスト&メルニコフがお気に入りです。
古楽器の寺神戸&ヴォデニチャロフ盤も面白いです。

ちなみに、フランクのヴァイオリン・ソナタなら、デュメイ&ピリス、ティボー&コルトーがお気に入りです。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2013.10/13 17:01分
  • [Edit]

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