♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.216 チャイコフスキー:「ヴァイオリン協奏曲」 by ハイフェッツ;ライナー&シカゴ交響楽団

昨今、特に聴いてみたいと思う作品の一つにチャイコフスキーとドヴォルザークの
ヴァイオリン協奏曲があります。
先ずはチャイコフスキーの方から聴いています。
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲はLP時代から好きな作品でしたが
CDになってからすっかり縁遠くなってしまっています。

昔々のLP時代の愛聴盤は
フェラス(Vn)、シルヴェストリ&フィルハーモニア管弦楽団
また
フランチェスカッティ(Vn)、シッパース&ニューヨーク・フィルでした。
2枚とも廉価盤でしたが、半年足らずの間に求めたようですので
例え廉価盤であっても同曲異演のLPを求めることができたのは
お小遣いのギューギュー生活の私にとってはこのチャイコフスキーだけでした。
当時、とてもお気に入りの曲だった証拠かもしれません。

今日は目下お気に入りの演奏の一つで
ハイフェッツとライナー&シカゴ交響楽団です。

               ハイフェッツ:ヴァイオリン協奏曲名演集より
          チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35


                  216ハイフェッツ、ヴァイオリン協奏曲名演集

                     ヤッシュ・ハイフェッツ(Vn)
                     フリッツ・ライナー指揮
                     シカゴ交響楽団

                       (録音:1957年)


           第1楽章 アレグロ・モデラート―――モデラート・アッサイ
                            ニ長調4分の4拍子
           第2楽章 カンツォネッタ アンダンテ ト短調 4分の3拍子
           第3楽章 アレグロ・ヴィヴァチッシモ ニ長調 4分の2拍子



作曲は1878年4月。
チャイコフスキーはラロがスペイン民謡を用いてが作曲した「スペイン交響曲」に
触発されてこのヴァイオリン協奏曲を作曲したそうです。

作曲の前年、1877年7月に結婚をしたチャイコフスキーは結婚生活に疲労困憊をしていたようです。
相手はモスクワ音楽院のかつての教え子アントニーナ・イワーノヴナ・ミリュコーヴァとのこと。
チャイコフスキーは彼女の知性が乏しく低俗な女性だったことを
結婚をして初めて知ったそうです。
その結婚生活に絶望し精神的に疲れ果て強度の神経症を病んでしまったとか。
彼女との生活で心身ともに疲れ果ててしまったチャイコフスキーは
モスクワを発ち弟のアナトーリの住むペテルブルクに逃避したとのことです。

アナトーリは兄、チャイコフスキーを連れスイスに転地療養に出かけたそうです。
ジュネーブ湖畔のクラレンスに約1ヶ月滞在する頃には
チャイコフスキーの状態は回復に向かったとのこと。
そしてパリや、フィレンツェ、ローマに旅行をして翌年3月初めに
クララン戻ったチャイコフスキーはヴァイオリン協奏曲の作曲に打ち込んだそうです。

クラランにはチャイコフスキーの友人でヴァイオリニストのコチェークが滞在していたとのこと。
コチェークからいろいろと刺激を受けて作曲の筆も進んだそうで
1ヶ月足らずの間に曲が完成したそうです。


               216
                      Leopold von Auer
                 (1845年6月日-1930年7月15日)
      

チャイコフスキーは完成した曲の草稿をすぐにレオポルド・アウアーに送ったそうです。
アウアーは当時ロシアのヴァイオリン界で絶大な勢力を持ち
ヴァイオリン教師、指揮者でもあったとのことです。
チャイコフスキーはこの曲をアウアーに献呈し
彼に初演してもらうことを考えていたとのこと。
アウアーは送られてきた楽譜を調べ「技術的に演奏不可能」と断言したそうです。
但し、第2楽章にだけは称賛の言葉を惜しまなかったそうですが。
アウアーの評価によって、この曲をペテルブルクでは初演できなくなったとのことです。
以来、この作品は初演まで3年間陽の目を見ることがなかったそうです。
余談ながら、今回聴いた演奏のハイフェッツはサンクトペテルブルク音楽院で
このアウアーに師事したそうです。


               216アドルフ・ブロンスキー
                        Adolph Brodsky
                  (1851年4月2日-1929年1月22日)


完成してから3年間演奏をされることもなく眠っていたこの作品に目を向けたのが
当時ライプツィヒ音楽学校教授であったロシアのヴァイオリニスト
アドルフ・ブロズキーだったそうです。
ブロツキーにより初演に漕ぎつけたこの曲。
初演は1881年12月4日にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会にて行われたとのこと。
ヴァイオリン独奏がブロズキー。
指揮はワーグナー門下の名指揮者だったハンス・リヒターだったそうです。
指揮者のハンス・リヒターやウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の楽員たちは
この曲に好感を抱かず演奏に少しも身を入れることがなく初演は散々だったそうです。
それに加え、当時オーストリア音楽界の批評家ハンスリックの酷評は次のようなものだったとのこと。

 「われわれは荒々しく品のない顏ばかりを見、粗野などなり声を聞き
  フーゼル酒の匂いを嗅ぐばかりである。
  フィードリヒ・フィッシャーはしまりのない描写絵画を批評する時
  『見ているとにおいを発する絵画がある』と言ったが
  チャイコフスキーの曲は音楽作品にも聴くと匂いを発する作品があるという
  恐ろしい考えを初めてわれわれに起こさせた・・・」


曲に対するこのような批難や酷評に屈することなく
ブロズキーは演奏旅行のたびごとに各国でこの曲を演奏し
ようやくこの曲が認められるようになったそうです。
チャイコフスキーはブロズキーにこの曲を献呈したとのことです。

因みに前述したアウアーは後に考えを改めて
積極的に演奏会で取り上げるようになったとのこと。
また、弟子たちにも熱心にこの曲を教えたそうです。



第1楽章の導入を耳にして懐かしい想いが湧き上がります。
大好きだったこの曲をしばしば聴いていた昔々のひと時が甦ってきます。
独奏ヴァイオリンの活き活きとした第1主題。
第2主題でのオーケストラの叙情的な調べ。
華麗に奏される独奏ヴァイオリン。
展開部でのオーケストラの第1主題には胸を突かれる想いです。
勇壮で華麗。
オーケストラと独奏ヴァイオリンから渾身の演奏が熱く伝わってきます。


第2楽章の静かなオーケストラの序奏。
加わる独奏ヴァイオリン。
例の有名な美しく哀愁を帯びた調べ。
回顧的な思いを抱かせられるようなオーケストラと独奏ヴァイオリン。
物思うヴァイオリンの調べは果てることがないように感じられます。
オーケストラが奏でる静かに追憶するような旋律にウットリとしていると・・・。

アタッカで管弦楽の最強奏で始まる第3楽章に我に返ります。
主題がロシア民謡舞曲とのことで活気に溢れた明るい旋律。
独奏ヴァイオリンの穏やかな調べから一転してリズミカルさへと目まぐるしい変化。
極端とも思える対比に気迫を感じさせられます。
ハイフェッツの力量に圧倒されます。
楽章の後半から終結部にかけてのオーケストラと独奏ヴァイオリンの
掛合いからは壮絶とも言える緊迫感にも息を呑んでしまいます。


聴いていて大袈裟な表現になりますが呼吸をするのを忘れるほどの演奏。
オーケストラの壮大な響き。
独奏ヴァイオリンの変幻自在さ。
素晴らしいチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聴くことができたとの充足感を抱いています。
手元にあるこの曲では最も緊張感が強い演奏のように思われました。
云十年が経過しても昔と変わることなくこの作品の虜になっている自分。
云十年振りにLPのフェラス、フランチェスカッティも
改めて聴いてみたい思いに駆られます。


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Comment

Re: ごめんなさい。まちがえました

burleskeさま、こんばんは。

burleskeさまはディスクを沢山お持ちでいらっしゃいますし
また多々の作品をご鑑賞なさっていらっしゃるいますものね。
私など少ないディスクでありながら・・・覚えられず、勘違いはいつも、です。

ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲での往年の演奏でご推薦をくださいましてありがとうございました。
スークとミルシテンのディスクをショップで探してみました。
やはり、いつまで経っても往年の演奏家に惹かれてしまいます。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2013.11/04 19:30分
  • [Edit]

ごめんなさい。まちがえました

ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲のお気に入り、ヤンセンって書いてしまいましたが、ユリア・フィッシャーの勘違いでした。
以前自分の記事で紹介していたのに、とんだ間違いでお恥ずかしいかぎりです。
ちなみに、ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲の往年の演奏では、スーク、ミルシテンが良いです。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2013.11/03 20:40分
  • [Edit]

Re: ハイフェッツは僕もお気に入りです

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を最近の演奏者で聴いていないのですが
「昔の演奏の方がしっくりくる」とのことですね。
お挙げくださったミルシテイン、オイストラフ、スターンを聴いていないのですが、少しづつ聴いてみたいと思います。

ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲は以前、burleskeさまが記事になさっていらっしゃいましたね。
記事を拝読させていただき、聴きたい思いを抱きました。
チャイコフスキーが先になってしまいましたがドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲も是非、聴きたく思っています。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2013.11/03 19:47分
  • [Edit]

ハイフェッツは僕もお気に入りです

ハイフェッツのチャイコフスキーは良いですね。
僕もお気に入りです。
フランチェスカッティも愛聴しています。
他に、ミルシテイン、オイストラフ、スターンと、往年の巨匠の演奏はどれも味があって、気に入っています。
最近の演奏では、ハーン&ペトレンコが面白かったのですが、どうもチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は昔の演奏の方がしっくりくるように思えますね。

ちなみに、ヴォルザークのヴァイオリン協奏曲だと、ファウストやヤンセン、シュタインバッハーなど、最近の女流の演奏家が気に入っています。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2013.11/03 16:43分
  • [Edit]

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