♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.253 J.S.バッハ:「ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ」 by パンク&アールグリム他

J.S.バッハの「ヴィオラ・ダ・ガンバチェンバロのためのソナタ」。
今までCDラックで幾度も目に付きながら
10数年以上眠らせたままだったディスクの一枚です。
長い間、CDラックの中のバッハのディスクのほとんどは
眠り続ける運命を辿ることになっていた年月。
最近では次々と叩き起こされる羽目に陥っています。

叩き起こされてやっと陽の目を見たディスク。
ジークフリート・パンクのヴィオラ・ダ・ガンバ
イゾルデ・アールグリムチェンバロの一枚です。

第1番から第3番を聴き、予想を遥かに超える作品。
一曲一曲惹かれます。
特に第2番はお気に入りになりました。

早速、手元にある他の2種のディスクも聴いてみました。
レナード・ローズ&グールド
アンナー・ビルスマ&ボブ・ヴァン・アスペレン の演奏です。

意図して求めたのではないのですが
本来のヴィオラ・ダ・ガンバの演奏であるバンク&アールグリム
チェロ版のローズ&グールド
チェロ・ピッコロを使用したビルスマ&アスぺレン3種の演奏を聴くことができました。


          J.S.バッハヴィオラ・ダ・ガンバチェンバロのためのソナタ
                     バンク&アールグリム


                   253バッハ ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ パンク(GAMB)アールグリム(HC)

                        J.S.バッハ
            ヴィオラ・ダ・ガンバソナタ 第1番 ト長調 BWV.1027
                        ソナタ 第2番 ニ長調 BWV.1028
                        ソナタ 第3番 ト短調 BWV.1029

                  ジークフリート・パンク(Gamb)
                  イゾルデ・アールグリム(Cem)


                       ローズ&グールド

                 235バッハ:チェロ・ソナタ集 ローズ(vc)グールド(p)

                      レナード・ローズ(Vc)
                      グレン・グールド(P)

                 (録音:1973年11月、1974年5月 トロント
                      イートンズ・オーディトリアム)



                      ビルスマ&アスぺレン

                    253バッハ:チェロソナタ集ビルスマ

                アンナー・ビルスマ(チェロ・ピッコロ)
                ボブ・ヴァン・アスペレン(ポジティフ・オルガン)

                     (録音:1990年5月) 

 
作曲年代についてはバッハの多の器楽作品同様に
3曲ともに確実なことは分からないとのことです。
推定では3曲ともにケーテン時代の1717年から1723年の間の
1720年の説が有力とのこと。
根拠としては
当時、バッハの指揮下にあったケーテン宮廷楽団には
有名なガンバ奏者でクリティアン・フェルディナント・アーベル(1682-1761年)
が いたそうです。
ケーテンのレオポルト公自身が大のガンバ・ファンでもあったようです。
アーベルの息子カール・フィリードリヒ・アーベルは作曲家でもあり
音楽史上最後のガンバの名手だったそうです。

              253バッハ・ガンバソナタ~カール・フリードリヒ・アーベルAbel mit Viola da gamba
                     Carl Friedrich Abel
              (1723年12月22日-17887年6月20日)

音楽史上最後のガンバの名手カール・フリードリヒ・アーベルが
1787年に死去した後にヴィオラ・ダ・ガンバは忘れ去られ
一時は完全に姿を消してしまったそうです。
19世紀末になり16-18世紀の音楽、古楽器の研究が進み
ガンバは再び脚光を浴びるようになったとのことです。

寄り道になってしまいましたが
この曲がケーテン時代の作曲とされるもう一つの理由としては
チェンバロを重用していることだそうです。


曲について。
全3曲を聴き特にお気に入りになった第2番を中心に。

第1番 ト長調 BWV1027
この曲はオリジナル作品ではないとのことです。
以前に作曲された「2つのフルート・トラヴェルソと通奏低音のためのトリオ・ソナタ」
ト長調BWV1039の編曲と考えられていたそうですが
更にそれ以前に作曲されていた「2つの鍵盤楽器と通奏低音のためのソナタ」
からの編曲と推定されるとのことです。
バッハのお気に入りの音楽だったようです。
4楽章構成で
第1楽章アダージョでゆっくりと始まる第1番。
純朴な趣を感じます。
第2楽章のリズミカルな軽やかさ
曲を聴きつつ綴っているとこの曲も魅力溢れるものがあります。


第2番 二長調 BWV1028

   第1楽章:アダージョ ニ長調 4分の3拍子
   第2楽章:アレグロ ニ長調 4分の3拍子
   第3楽章:アンダンテ ロ短調 8分の12拍子
   第4楽章:アレグロ ニ長調 8分の6拍子

3曲の中では最も印象に残る曲です。
4楽章構成で3曲中で最もガンバ的な要素が強いものだそうです。
通常の6弦のガンバで低音弦を一本付け加え7弦ガンバでないと
弾けない部分があるとのこと。
普通の6弦ガンバでもオクターブ上げて弾く方法でも不都合はないそうです。
曲は他の2曲に比し地味とのことです。

第1楽章の愛らしく始まり
2つの楽器が延々と語りあいを続けているようにも感じられますが
飽きることなく耳を惹かれます。
第2楽章では活発な感じ、華やかさも感じられるようです。
第3楽章の瞑想的な調べ。耳に馴染んでいたような親しみも感じます。
第4楽章リズミカルで生き生きとした旋律。
第1、3楽章には魅了されるものがあります。

第3番 ト短調 BWV1029
3曲の中では美しく独創性に富んだ作品だそうです。
構成が3楽章形式であり協奏的性格になっているとのこと。

第1楽章の始まりがヴィヴァルディの作品を連想してしまいます。
第2楽章のアダージョはゆったりとした調べが美しく流れ
耳を奪われるようです。
この第3番はバンク&アールグリムの演奏で
曲の美しさが輝いているように思われます。
アールグリムのチェンバロの音色が大いに貢献しているのでしょうか。


聴いた3種の演奏ですが。

バンク&アールグリム。
こちらのディスクは2000年、バッハ没後250周年
ドイツ・シャルプラッテン・シリーズで 当時求めたものです。
ガンバ奏者のバンクはライプツィヒ音楽大学でチェロを学び
1954年に卒業後、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団に入団し
56年頃よりガンバの演奏を始めたとのことです。
1995年にはライプツィヒで古楽アンサンブルを結成しているとのことです。

曲も良いのですが演奏も気に入りました。
ヴィオラ・ダ・ガンバのバンクは自然体
アールグリムのチェンバロは煌めくような華麗な感じがします。
透明感のある爽やかな音色として耳に響いてきます。
最近はチェンバロの音色が耳に快く感じられなくなってきましたが
アールグリムのチェンバロは
硬質ではなく温もりを感じさせてくれるようです。
生き生きとして華やかさのある演奏ながらも落ち着いた演奏かと思います。

ローズ&グールド
生き生きと溌剌とした演奏。
伸び伸びとして明朗なチェロ
ピアノも活気があり聴いてい気持ちが明るくなるようです。
こちらの演奏で印象に残ったのは第2番の第1と第3楽章です。
グールドのピアノからは哀愁美のようなものが感じられるようでした。
この演奏で聴き第2番がお気に入りになりました。
3種のディスクの中では一番のお気に入りに。

ビルスマ&アスぺレン。
こちらのディスクは以前バッハの「無伴奏チェロ組曲」に対し
コメントをお寄せくださいましたお方が
気に入られているディスクとしてご紹介くださったものです。
聴いてみたくなり求めたディスク。
生き生きとして、リズムも明快ながらも
質素な趣が伝わってくるようです。
印象的だったのは第3番の第2楽章。
長閑なゆったりとした調べに耳を奪われるものがありました。
連想をするのは広々とした田園。
心地良い風のように耳に届いてくるようなバッハの音楽でしょうか。

最後にまた余談になります。
ビルスマ&アスぺレンの演奏を聴きつつ使用楽器について好奇心が湧き
知りたくなってきました。
ビルスマが使用しているチェロ・ピッコロと
アスぺレンが使用しているポジティフ・オルガン。
この2つの楽器については万年クラシック音楽ビギナーの私にとっては「?」が。
自分のメモとして以下に

先ず、チェロ・ピッコロ。
イタリア語で viola pomposa 。
別名はヴィオロンチェロ(・ピッコロ)・ダ・スパッラ とのこと。
ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ との名称は耳にしていましたが
チェロ・ピッコロのことだったのですね。
1720年代中半から1770年まで使われたそうです。

             253バッハ:チェロソナタ~Violoncello da spalla
               (前:初期のバロック・ヴァイオリン
                後:ヴィオラ・ポンポーザ)

モダン・チェロやバロック・チェロと比較すると弦が短いそうですが
出る音程は同じとのこと。
弦を太くしたり銀巻きの弦をしようすることにより音程を低くしているそうです。

寺神戸亮氏がこの楽器について詳細に説明されているサイトがありました。
                  ↓
       寺神戸亮:ヴィオロン・チェロ・ダ・スパッラ


次の「?」です。ポジティブ・オルガン。
オルガン工房なるサイトで次のように説明されていました。
以下、引用になります。

「パイプオルガンは大きく分けると3つの形態があります。
 1)一般的なイメージの大オルガン
 2)ポジティブ(ポジティーフ)オルガンと呼ばれるもの
 3)ポルタティフオルガンと呼ばれるもの

1)の大オルガンは大聖堂やホールに設置してあるもので、基本的にケースに入っていないため、または重量が大きいためそのまま移動する事ができないもので建築物と一体になっているものです。

2)のポジティブオルガンは、ケースに入っていて、かなり大きいものでもいくつかの部分に分けると運べるものです。1)の大オルガンが移動できないのに対して、可動的な意味合いからポジティブオルガンと呼ばれます。
宗教曲の通奏低音用オルガンとしてしばしば演奏会でも用いられます。

3)は膝に乗せて演奏できるオルガン。つまり、ポルタティフオルガンはつまりポータブルなオルガンなので、運べるオルガン、人が持ち歩けるオルガンという意味です。

ポジティフオルガンはポルタティフよりは大きくて、四角いケースに入っているので、オーケストラの中にちょっと置いて他の楽器と一緒に弾く事もできます。ストップの数もたった1つの8フィートだけのものから1ダースを超えるストップを擁した楽器もあります。」
       (引用が長くなりました)

楽器について調べているうちに
改めて ビルスマ&アスぺレンの演奏を聴き直してみたくなってきました。
今回、3種3様の演奏を聴き
どの演奏にもそれぞれの魅力を感じます。
と同時に、バッハの音楽でお気に入りがまた増えました。

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Comment

Re: 古楽器はややこしいですね

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

グールド盤はとても気に入りました。
ビルスマ&アスぺレン盤は「無伴奏チェロ組曲」でコメントをいただきました際に、burleskeさまのお気に入りの演奏の一つとしてお挙げになられていらっしゃったのを拝読し、聴きたくなり求めたものでした。
ビルスマ&アスぺレンの演奏は何か そっと優しく心に響くものがありこちらも魅力あるものと感じました。
ビルスマ&アスぺレンでは楽器の勉強(?)にもなってしまいましたが。

>ビルスマの使用しているチェロ・ピッコロと寺神戸氏が使用しているヴィオロン・チェロ・ダ・スパッラは違う種類の楽器なのでは?
そうだったのですか?! また「?」の復活です。
もう一度、調べなおしてみましたが・・・・違う種類、とのことですが、よくわからないのです。
寺神戸氏はシギスヴァント・クイケンが使用していた5弦タイプのチェロ・ピッコロを気に入りご自分でも注文をされたとか、ですよね。
で、ビルスマも5弦のチェロ・ピッコロを使用しているのですよね。
ややこしいですね~。調べても、やはり解らなくて・・・。
本当に申し訳ないのですが寺神戸氏、とビルスマが使用している楽器の違いをご教示願えますでしょうか。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2014.08/04 20:01分
  • [Edit]

古楽器はややこしいですね

ローズ&グールド盤とビルスマ&アスペレン盤は僕も持っていますが、どちらも独特の魅力がありますね。
グールド盤はピアノの方が主役のように聞こえて面白いですね。チェロのローズも意外に(?)魅力的ですね。

チェロ・ピッコロはヴィオロン・チェロ・ダ・スパッラの別名なんですね。
でも、ビルスマの使用しているチェロ・ピッコロと寺神戸氏が使用しているヴィオロン・チェロ・ダ・スパッラは違う種類の楽器なのでは?
古楽器のことは、なんかややこしくてよくわかりませんね。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2014.08/03 19:40分
  • [Edit]

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