♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.259 シューベルト:「4つの即興曲」D.899 by シフ

今夏以降、更新が滞ることが多く
学校をズル休み、無断欠勤をしている心境になってきました。

ズル休み中(?)、無断欠勤中(?)は他の作品を聴く心境になれずに
決まってブラームスのヴァイオリン協奏曲やクンツの歌声ばかりを
聴いてしまいます。
もし、ブログがなかったら・・・今でもブラームスのヴァイオリン協奏曲を
聴き続けているかも知れません。
ブログの存在の大きさに初めて気付かされたように思うこの頃です。

さて、再びシューベルトです。
シューベルトのピアノ小品については
特別に関心を抱くこともなく
ディスクを求めることもなく年月が経っていました。
最近になりやっとピアノ小品のディスクを求めては耳を傾けるようになりました。
ピアノ・ソナタ同様にピアノ小品にも魅力を抱き始めたこの頃です。

初めて求めたシューベルトのピアノ小品のディスク。
シフの演奏で「シューベルト~ピアノ作品集」です。
ディスクを手にして最初に耳を傾けた時には
特に惹かれるものがなかった「4つの即興曲」D.899 。
時間を経て今は、しみじみと心に響いてきます。
特に第1曲、第3曲は心の琴線に強く触れるものがあります。
D.935の「4つの即興曲」よりも気に入り耳を傾けています。

4曲ともかつて自然に耳に入って来ていたようで
また有名な旋律も。

               シューベルト:4つの即興曲 D.899

                259シューベルト:ピアノ作品集「楽興の時」シフ

                        (収録曲)

              (ディスク 1)
              ハンガリー風のメロディー ロ短調 D817
              4つの即興曲 D899, op.90
              6つのドイツ舞曲 D820
              楽興の時 D780, op.94
              グラーツのガロップ ハ長調 D925

              (ディスク 2)
              アレグレット ハ短調 D915
              3つの小品 D946
              12のドイツ舞曲 D790 op.171
              4つの即興曲 D935, op.142

                 アンドラーシュ・シフ(P)

         (録音:ディスク1;1990年、ディスク2;1988年
             ウィーン、ムジークフェライン・モーツァルト・ザール)


          第1曲アレグロ・モルト・モデラートハ短調4分の4拍子
          第2曲アレグロ変ホ長調4分の3拍子
          第3曲アンダンテ変ト長調2分の4拍子
          第4曲アレグレット変イ短調4分の3拍子


作曲されたのは1827年とのことです。
この年の3月にシューベルトが敬愛するベートーヴェンが亡くなり
葬儀に出向いたシューベルト。
ベートーヴェンの死はシューベルトの内面に深い影響を及ぼし
後の作品にも影が落とされているとのことです。

1827年、この時期には2月から10月にかけ歌曲集「冬の旅」や
ヴァイオリンのための「幻想曲」、2曲のピアノ三重奏曲
そして数々の代表的な「即興曲」が書かれた年だったそうです。
これら創作の充実した実りについて前田昭雄氏は次のように記述されています。

 「シューベルトの場合はこの充実が
  すでに悲しいまでの終局的な完成を示すのだ。
  31歳にして世を去った天才にして初めて可能な
  一種超越的な悲しみが、どの作品からものぞいている」

この年、1827年にはピアノ・ソナタは書かれることがなく
D.899 と D.935 の2組の即興曲が書かれたそうです。
翌1828年、シューベルトが自らの死を迎える年には
3曲1組の即興曲が書かれたそうで
シューベルトは晩年に11曲の即興曲を作曲したとのことです。

また前述の前田昭雄氏のシューベルトの即興曲についての記述を
引用させていただきます。

 「考えればこの愛すべきジャンルほどシューベルトらしいものは少ない。
  そこには美しく純粋な音楽の何のこだわりもない自然な流れがある。」

シューベルトの即興曲はメンデルスゾーン、シューマン、ショパンやリストたちの
詩的幻想的ピアノ曲へと展開したとのことです。

出版されたのは
1827年12月10日に初版譜はピースとして第1曲と第2曲が
T.ハスリンガーより出版されたとのことです。
第3曲と第4曲はシューベルトの死後、30年近くを経た1857年に
K.ハスリンガーより同じくピースとして初版出版されたとのこと。
この出版に際して第3曲の変ト長調はト長調に移調されてしまったそうですが
全集版で元に戻され今日の演奏も原典に従っているとのことです。


因みにD.935について覚書として。
D.899 と同時期に書かれたD.935 の「4つの即興曲」については
D.899 でハスリンガーの案で「即興曲」名付けられた名称を
シューベルトも気に入ったようで
D.935 ではシューベルト自身がこの「即興曲」という名称を使っているそうです。
4曲には第5番から第8番の番号が付けられ
D.899 の続編との意図が伺えるとのことです。
この点についてシューマンは次のように記述しているそうです。

 「自ら≪即興曲≫と名付けたとは信じ難い。
  第1番はソナタの第1楽章であり、完璧だ。
  第2番も調性や曲想から見て同じソナタの第2楽章だ。
  終わりの2つの楽章がどこへ行ってしまったかは、
  シューベルトの友人たちなら知っているだろう。
  第3番は別の曲だ。
  第4番はもしかするとこのソナタのフィナーレかも知れない」

自筆譜はライプツィヒに所蔵されており
1838年末にA.ディアベッり社から2分冊で出版されたそうです。
出版社の意向にてリストに献呈されたとのこと。

さて、D.899 の「4つの即興曲」に戻り。
第1曲目の旋律が耳に入った瞬間から惹かれます。
簡潔で短いながらも印象に残る主題。
曲は主題部、経過句、5つの変奏そして終結部で構成されているとのことです。
主題部は旋律を音域を変えたり、異なる和声付けをして
8回繰り返されているそうです。
単純な主題が七変化をする旋律には飽くことなく聴き入ってしまいます。
5つの変奏で印象に残るのは第2変奏の高揚する個所でしょうか。

しばしば耳にする有名な第2曲。
流れ落ちる水のようなピアノに始まる第2曲。
有名な旋律が顔を出し・・・哀愁を帯びているように感じられます。
左手パートからは華麗さ右手パートからは哀愁が伝わってくるようです。
再び流れるような冒頭の旋律に。
舞曲風な調べに移りドラマテッィクに。
力強さを伴って終わる第2曲。

一番気に入っている第3曲。
無言歌ともいえるような趣をもっている曲とのことです。
静かで清楚な趣のある調べに惹かれるばかり。
懐古調に漂う寂寥のようなものも感じられるようです。
清楚で静かな美しさ=寂寥、悲哀 と感じてしまう第3曲には
限りなく魅了されるものがあります。

第4曲は第2曲に似た始まりでしょうか。
16分音符で水が流れ落ちるかのように下降し
流麗さが漂っているようです。
簡素な主題も親しみある旋律として記憶に刻み込まれるようです。
トリオ部分での主題には翳りのような趣が。
このトリオからは不安や情熱が混沌として耳に伝わります。
曲の始まりの部分が現れ落ち着いた静かに迎える終曲。


4曲の即興曲の中で特に心に残るのは第1曲と3曲。
抒情的でシューベルト特有の歌を聴く想いがするようです。

シフの演奏で聴くこれらの即興曲。
雄弁な語りではなく質朴とした語りかけをしてくれるようです。
冷静に、且つ優しい眼差しで音譜と対峙しているように感じられます。
心に染み入る曲たちであり、演奏でしょうか。

シフの演奏でシューベルトの小品を聴き魅了され
ピアノ・ソナタも是非シフの演奏でも聴いてみたいとの
望みを抱き始めました。

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Comment

Re: 僕もズル休みです

burleskeさま、こんばんは。
いつもコメントをありがとうございます。

記事の下書きには少し書いたのですが私事で湿っぽくなってしまい削除して更新をしたのですが。
今夏からかなり精神的に参っていました(現在進行形)。
父亡き後、長きに渡り父親代わりとして見守ってくれていた父の2人の弟のうち、叔父の1人が闘病の末に今月亡くなりました。兄妹のように育ちましたので、私の心では 兄兼父 の大きな存在でした。
その叔父の死去から一日置いて母親のように慕っていた親戚の人が叔父の死の翌々日に心不全にて他界をしてしまいました。
亡くなる前夜には電話をくださりいつものように話をしていただけに。
死去を知らされたのは、この記事を書いていた当日でした。
相次ぐ死去に私がショックを受けるのではとの配慮から、叔父の告別式を終え時間を置いて知らせてくれたとのことで。
もうもう、びっくりもショックも通り越して・・・死去を聞かされた時には逆に感情鈍麻の状態でしたが。
精神的に参っていた今夏からブラームスとクンツが心の和みであり励みでした。
音楽の持つ偉大ともいえる力を感じた日々でした。
そして今現在は音楽は心の救いとも感じ始めています。
音楽には凄い力がありますね。

burleskeさま、いろいろな音楽、演奏に出会い充実した素晴らしい時をお過ごしの事と思います。
ブログを書いている時間よりも素晴らしい時かも、と思います。
ブログはいつか気が向かれましたら・・・ご更新を楽しみにさせていただきますね。

私事で長くなり申し訳ありません。
シューベルトのD.899ではburleskeさまも第3曲がお気に入りだそうですね(^^♪
本当に心が和む良い調べですね。
burleskeさまの愛聴盤のうちピリスで聴いてみたい気持ちです。
つい数日前にモーツァルトのピアノ・ソナタを初めてピリスで聴き気に入りました。
シフでは「さすらい人幻想曲」「幻想曲」D.934がお気に入りとのことですが
シフの演奏では「即興曲」しか聴いていませんので機会があったら是非聴きたいと思います。
(長くなってしまいまして申し訳ありません)
  • posted by lumino
  • URL
  • 2014.10/20 20:14分
  • [Edit]

僕もズル休みです

luminoさま、こんばんは。
僕の方こそブログの更新を長らくサボッてすいません。
ホントにズル休みの心境ですね。そろそろ更新しなくちゃですね。

シューベルトのD.899は親しみやすいメロディーで心が和みますね。やはり僕も第3曲がお気に入りです。
内田、ピリス、ブレンデル盤を愛聴していますが、シフ盤は聴いたことがありません。
シフのシューベルトは「さすらい人幻想曲」とD.934の幻想曲がお気に入りのディスクなので、即興曲も聴いてみたいですね。
シフのシューベルトのソナタも聴いたことはないので、こちらも聴いてみたいですね。

  • posted by burleske
  • URL
  • 2014.10/19 21:03分
  • [Edit]

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