♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.263 ブラームス:「ピアノ・ソナタ第1番」 by ウゴルスキ

長年、お気に入りの作曲家、お気に入りの作品ばかりに
耳を傾けることが多かった功罪でしょうか
まだまだ聴いていない作品が数多くあります。

最近、お気に入りの作曲家の一人になったブラームス
ブラームスピアノ・ソナタにも耳を傾けることなく長い年月が経ちました。
ブラームスピアノ・ソナタは?
自分勝手にイメージを作り上げてみました。
いざ、実際に聴いてみるとまったくイメージとは程遠いピアノ・ソナタ

第1番から聴いてみました。
ピアノはアナトール・ウゴルスキです。
前回同様のブラームス・コンプリート・エディションからです。
このBOXを持っていなかったなら、たぶんまだ聴くこともなかったかと思います。

              ブラームス・コンプリート・エディションより
                      ピアノ・ソナタ第1番
                           by
                    アナトール・ウゴルスキ


                 262:ブラームス:ピアノ・ソナタ第1番

                          (収録曲)

                  ピアノ・ソナタ第1番ハ長調Op.1
                  ピアノ・ソナタ第2番嬰へ短調Op.5
                  J.S.バッハ:シャコンヌ

                    アナトール・ウゴルスキ(P)

                    (録音:1996年 ベルリン
                        イエス・キリスト教会)

           第1楽章:アレグロ ハ長調 4分の4拍子
           第2楽章:アンダンテ ハ短調 4分の2拍子
           第3楽章:スケルツォ アレグロ・モルト・エ・コン・フオーコ
                         ホ短調 8分の6拍子
           第4楽章:アレグロ・コン・フオーコ ハ長調 8分の9拍子


作曲は1852年から始め1853年に完成したそうです。
ブラームスの手書きのスコアには「ソナタ第4番」との書き込みがあるそうです。
出版の都合が主な原因で 作品1 となっているとのことですが
ブラームスの最初のソナタではないそうです。
ピアノ・ソナタ第2番作品3 や 作品4 のスケルツォより後に
作曲されたものになるとのこと。

作曲は1852年終わり頃にハンブルクで第2楽章が書かれたそうです。
翌1853年の春にブラームスがヴァイオリン奏者のエデュアルト・レーメニと
演奏旅行に出る前に他の3つの楽章が完成したそうです。

公開初演は1853年12月17日にライプツィヒのゲヴァントハウスで
ブラームス自身のピアノで行われたとのことです。
楽譜はシューマンの後援により1853年末にブライト・ウント・ヘルテル社から出版。
この曲は当時ブラームスをシューマンに紹介をしてくれたヴァイオリニストの
ヨーゼフ・ヨアヒムに捧げられたそうです。

ブラームスが遺した3曲のピアノ・ソナタは20歳前後に書かれたそうです。
3曲のうち充実している第1、第3曲は一般に演奏され愛好されているとのことです。


軽快で明朗な旋律で始まる第1楽章。
これはベートーヴェンのピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」 の
冒頭主題とリズムが酷似していることで話題になっているそうです。
和声的には遥かに豊なものになっているとのこと。
第1主題の勇壮で律動的な旋律からは微塵の愁いもなく
力強さや自信が伝わってくるようです。
この主題を聴いていると人生の輝かしいスタートを祝福するかのような
喜び溢れるものを連想してしまいます。
第2主題になり静かな調べに漂う憂愁。
ホッとする安らぎを感じます。
再び第1主題が強い打鍵で現れ抒情に浸っていたひと時から覚醒。
第1主題と第2主題を奏する右手と左手の活発な対話には
耳を奪われる面白さがあります。
そのうちに夢見るような甘美な調べが耳に届き
再び夢想の世界に誘われるようです。
次第に情熱的になる旋律。
左手の低音域の豊かな響きに右手パートが華やかな彩りを添えて。
再び第1主題の登場で雄大な力強さが戻り
迎えるこの楽章の終わり。
趣がまったく異なる第1主題と第2主題の応答に息を呑む楽章でしょうか。
第2主題は印象的であり心を虜にさせる魅力を感じます。

第2楽章は自由な変奏曲形式で主題と3つの変奏曲からなっているそうです。
この楽章にブラームスは「古いドイツのミンネ・リートによる」と
補注をしているとのこと。
最初の12小節にはその歌詞が書き加えられているそうです。
歌詞はシューマンと交際があったツッカルマーリオとクレッチマーが編集し
1838年に刊行された「ドイツ民謡集」から取られたものだそうです。
ブラームスはこの歌詞にテノール独唱と男声4部合唱が歌うようなものとして
付曲をしたとのことです。
因みに歌詞の大意は次のようなものだそうです。

 (独唱)ひそやかに月は昇る、
 (合唱)青い小さな花(月を指す)。
 (独唱)白銀の小雲を縫いつ天に上がる。
 (合唱)青い青い小さな花、ばらは谷間に、
     乙女は広間に、おお、世に美しきばらよ。

この歌詞は楽章全体の性格を暗示するだけでなく
演出を指定する言葉でもある、とのことです。

門馬直美氏よると
ブラームスは少年時代から民謡を好んだそうで
民謡に対する愛情を器楽曲としてこのような形で表現したのであろう
とのことです。

主題になっている始めの12小節の
ゆったりとして静かな旋律で始まるこの楽章。
瞑想的な雰囲気も漂っているようです。
心にの残るのは第3変奏でしょうか。
微かな光明が射すような明るさ。
静寂の世界にピアノの音だけが存在するかのような
幻想的な趣も感じます。
コーダでの重々しい左手の旋律に上昇するような右手の調べ。
一瞬顔を出す強い打鍵には希望が秘められているかのような。
重々しい低音に右手の高域は星が煌めくような雰囲気を醸し出しているよう。
幻想的な調べの楽章でしょうか。

第2楽章の静けさから一転してアタッカで入る第3楽章の始まりには
前楽章に聴き入り夢想の境地でしたのでドキリとしました。
元気溌剌で 人生ばら色 の旋律の連続。
力強く、また愛嬌のある旋律も。
楽しくスキップでもしているかのような気分の高揚も。
トリオでの目まぐるしく快速な旋律。
一転して優雅な趣を漂わせる調べが顔を出し
元気溌剌の連続の中に束の間の憩い。
次第に高揚して再び力強く躍動する旋律。
前へ、前へと突き進む躍動の楽章でしょうか。

第4楽章は前楽章にも増して躍動的な始まり。
この主題の躍動と速さそして力強さ。
跳躍するピアノ。
第1副主題になり穏やかな調べに。
第2副主題では美しく優しげな趣が。
コーダで再び速くなり主題の気忙しく動き回るような旋律。
力強く途切れるかのように終わるこの曲。


各楽章に漂う表情の豊かさもさることながら
とにかく元気旺盛な曲。
野性味のある一面も感じられるようです。

初めてじっくりと耳を傾けてみたピアノ・ソナタ。
ブラームスにもこのような曲を書く時期があったのかと
ブラームスに対する愛おしさのような感情が湧いてきました。
作曲年齢に関係なく真の若さを感じさせられる曲。
元気溌剌の中に一抹の「愁」も顔を出すのも青春時代の特徴でしょうか?
このピアノ・ソナタ第1番にいつもの勝手な命名をするなら
「青春ソナタ」でしょうか。

ウゴルスキのピアノ演奏は初めて聴きました。
気迫、勢い、キビキビとしたピアニズム。
曲想ともども息をつかせないような演奏には
聴いていて緊張感を拭うことができませんでした。

可愛い孫の相手を一所懸命にして
「疲れちゃった・・・」と言う友人の言葉を思い出してしまう曲のようです。

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Comment

Re: ブラームスのピアノ・ソナタは・・・

burleskeさま、こんばんは。

ブラームスのピアノ・ソナタ全集をウゴルスキでお持ちだったのですね。
ウゴルスキで第1番を聴きつつ、「じっくりと聴かせてくれる演奏がないかなぁ」と思っていました。
リヒテルはそのような演奏とのことで、早速ショップでディスクを探しています。
12月に発売になるリヒテルのBOXに収録されているみたいですので、今から楽しみにしています。

ウッカリと気付かずにいたのですが、第3番はルービンシュタインのBOXに収録されているとのことで早速、聴いてみたいと思います。
聴き比べを楽しみにしつつ、ありがとうございました。
まだ1番しか聴いていないので、私自身も第2番、第3にもじっくりと耳を傾けてみたいと思います。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2014.11/17 20:06分
  • [Edit]

ブラームスのピアノ・ソナタは・・・

僕もウゴルスキのブラームスのピアノ・ソナタ全集を持っているのですが、まともに聴いてませんでした。
luminoさまの記事を拝読して改めて第1番を聴いてみたのですが、なかなか良いですね。
確かに第1楽章の冒頭は「ハンマークラーヴィア・ソナタ」と似てますね。
第1番のソナタは他にリヒテル盤があったので聴いてみたのですが、こちらの方はじっくりと聴かせてくれる良い演奏だと思います。

ブラームスのピアノ・ソナタはまともに聴いたことがなかったので、これを機会にじっくりと聴いてみたいと思います。
ルービンシュタインのコンプリート・セットに第3番が収録されていたので、ウゴルスキと聴き比べてみるのも面白いかも知れませんね。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2014.11/16 20:18分
  • [Edit]

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特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
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