♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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武川寛海著~「『第九』のすべて」 より(続き)

             bd

武川寛海著 「『第九』のすべて」より 前回の続きになります。

シラーの「歓喜に寄す」がボンに入ってきたのが1786年。
それ以前にもシラーの作品「群盗」「フィエスコの反乱」がグロスマン劇団に依り、上演されていたそうです。
そのグロスマン劇団の楽長が、ベートーヴェンが1782年から教えを受けたドイツの
指揮者、オペラ作曲家、宮廷オルガニストのクリスティアン・ゴットロープ・ネーフェであったとのこと。
故に、シラーの作品を少年であったベートーヴェンは上演されたものを、すでに観ていたそうです。

1792年、青年になったベートーヴェンに、
歓喜に寄す」を作曲する動機ともなった、一つの出会いがあったようです。
登場するのは、ボンの大学の法学教師として、やって来たルートヴィッヒ・フィッシェニヒ
彼はシラーと親交があったそうです。
1792年にベートーヴェンフィッシェニヒが知り合うことで、
ベートーヴェンは彼に、
  シラーの詩「歓喜に寄す」の全部を作曲しようと思う
と言ったそうです。
翌年にフィッシェニヒシラー夫人に
ベートーヴェンが「歓喜に寄す」を作曲することを便りにしたためたそうです。

フィッシェニヒのその便りには、
  
  『焔の色』(作品53「八つの歌」52曲目)の作曲されたものをお目にかけます。 
  ご批評をお聞かせください。
  この度、選帝侯はその青年を、
  ウィーンのハイドンの所にお遣わしになりました。
  その青年はシラーの『歓喜』を、
  それも各節とも作曲することを企てています。

シラー夫人からの返信には、
  
  私はこの作曲家に大いに期待いたしますし、
  彼が『歓喜』を作曲することを嬉しく存じております

この時から、「歓喜に寄す」の作曲のことがベートーヴェンの頭から離れなかったと。

ベートーヴェンの「第九」の誕生にまつわる逸話を通して、
彼が崇拝するシラーの賛歌「歓喜に寄す」に寄せるベートーヴェンの並々ならない熱い思いが伝わってきました。
ベートーヴェンの心を射止めたシラーの詩を
いつになく、心静かに読み・・・
今年の「第九」は、今までとは一味違うものとして心に響くようです。


          音符のイラスト:天使と音符ブルー(左)M
    
   『歓喜に寄す』
  ヨハン・クリストフ・フリートリッヒ・フォン・シラー


歓喜よ 美しい神々の火花よ
至福の島の娘よ
われわれは火のように酔って
神聖なところ 汝の神殿に登る
汝の不思議な力は時流がきびしく分けたものを
もう一度結びつける
汝の優しいつばさの覆っているところでは
すべての人が兄弟になる
 (リフレイン)
抱き合おう 数百万の人々よ
この接吻を全世界に
兄弟よ 星空の上には
一人の愛する父がいるに違いない

大きな成功を遂げて
ひとりの友の友となり得た人は
一人のしとやかな女を得たものは
自分の歓呼の声を加えよ
そうだ たった一つの心をも
この世で自分のものといえる人は だ
そしてそれが全く出来ない者は
泣きながらこの仲間からは 外れているがいい
   (リフレイン)
大きな環の中に住んでいる者は
共感を誓うことだ
共感は星のところへ
未知の人の支配しているところへ導く

あらゆる存在物は歓喜を
自然の乳房から飲む
あらゆる善人も あらゆる悪人も
自然のバラ色の足跡を追う
自然はわれわれに接吻と葡萄と
死の試練を経た一人の友を与えた
快楽は虫けらのような奴等に与えられ
光の天使は 神の前に立っている
    (リフレイン)
汝らは躓くか 数百万の人々よ
世界よ 汝は創造物を予感するか
星空の上にいる彼を捜せ
星空の上に彼はいるに違いない

歓喜は永遠の自然における
強力なゼンマイである
歓喜は大きな世界の時計の
歯車を動かしているのだ
歓喜は花を蕾から呼び出し
もろもろの太陽を蒼空から呼び出して
天文学者の望遠鏡の知らない空間で
歓喜は もろもろの太陽を回転させる
    (リフレイン)
天の壮麗なる荒野を通って
喜ばしく太陽たちが飛行するように
兄弟たちよ 自分たちの道を進め
勝利を目指す英雄のように

真理の燃える鏡から
歓喜は 探求者に笑いかける
徳行の厳しい丘に
歓喜は 忍耐者のために道をつけている
信仰の太陽の山の上には
歓喜の旗が翻っていて
破れた棺の割れ目から見ると
歓喜は 天使達の合唱の中に立っている
    (リフレイン)
耐え忍べ 勇気を出して 数百万の人々よ
より良い世界のために耐え忍べ
上の方の星空の上で
一人の偉大なる神が報いてくれるだろう

神々には報いることが出来ないが
神々と同じになるのは 美しいことだ
悲嘆にくれる者も 貧しい者も
喜ぶ者と一緒に 喜ぶよう申し出よ
憎悪と復讐とは忘れ去れ
われわれの不倶戴天の敵も許そう
敵に涙を押し付けるべきではない
後悔で苦しめてもいけない
    (リフレイン)
罪の記録は無効にしよう
全世界は 和解しよう
兄弟たちよ 星空の上では
われわれが裁かれたように神が裁く

歓喜は 大杯の中で溢れ
葡萄の中で黄金の血となり
飲めば食人種も温順になり
絶望した者にも 英雄的な勇気が生まれる
一杯になった盃が廻ってきたら
兄弟たちよ 席から跳ね上がって
この盃を 良き霊に捧げるために
泡を天に向かって跳ね飛ばせ
    (リフレイン)
星の発するせん音(トリル)の褒めているもの
六翼天使の聖歌の讃えているもの
その良き霊にこの盃を捧げよう
あそこの上の星空の上にいる
重い苦悩にある者には 不屈の勇気を
無実に泣く者には 救いの手を
誓われた盟約には 永遠を
友にも 敵にも 真実を
王座の前でも男子の誇りを
兄弟たちよ 財産と生命に関わるとも
功労者には冠を
嘘つきには破滅を
    (リフレイン)
聖なる輪をもっときつく締めよ
その黄金の酒に賭けて誓え
盟約に忠実であることを
これを星空の審判者にかけて誓え



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Comment

どうぞ、良いお年を!

rudolfさま、こんばんは。

いつも、ありがとうございます!
とうとう、E.クライバーの第9番を聴くことができないままに、今年も終わろうとしています。

どうぞ、良いお年をお迎えくださいませ。
来る新しい年、良い一年でありますように。(*^_^*)
  • posted by lumino
  • URL
  • 2009.12/30 19:13分
  • [Edit]

良いお年を〜♪

luminoさま お早うございます〜

第9の特集、愉しく読ませていただきました。
拙ブログにいつも来てくださり、本当にありがとうございます〜。

来年も宜しくお願いいたします。
良い年をお迎えくださいね

ミ(`w´彡)
  • posted by rudolf2006
  • URL
  • 2009.12/30 07:58分
  • [Edit]

こんばんは〜。

burleskeさま、こんばんは〜。
コメントをありがとうございます!

バーンスタインで「第九」なのですね、それもDVDで!
バーンスタインはLPの方しか持っていないのです。
久しくバーンスタインを聴いていませんでしたので、懐かしくなりました。

ベルリンの壁崩壊・・・早くも、もう20年経ったのですね。
「第九」には、多くの人々の、それぞれ一人一人の思いが籠っているのですね。(*^_^*)
  • posted by lumino
  • URL
  • 2009.12/28 20:45分
  • [Edit]

NoTitle

はっきり言って「第九」の歌詞の意味を考えながら聴いたことなんて、一度もありません。もちろんシラーの「歓喜に寄す」の詩を読んだことも...
またまた勉強させていただきました。

丁度、バーンスタインの「ベルリンの壁崩壊記念コンサート」のDVDを購入したところなんです。壁崩壊20周年の今年に聴く「第九」に相応しいのではないかと思いまして。この演奏で「フロイデ(歓喜)」を「フライハイト(自由)」に言い換えて歌ってるんです。詩の意味を考えて、じっくり聴いてみたいと思います。

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