2015.01/17(Sat)

Op.271 チャイコフスキー:交響曲第5番 by ソヒエフ;カラヤン;クレンペラー

チャイコフスキーの作品はあまり聴くことがないのですが
ピアノ協奏曲第1番やヴァイオリン協奏曲、弦楽セレナードは
お気に入りの曲でもありしばしば聴く機会があります。
が、交響曲にいたっては 取っ付きにくい という先入観を抱いたまま
長い年月が経ちました。
その先入観を打破する突破口になったのがソヒエフ&N響による
交響曲第5番の演奏でした。
聴いてみて完全にこの曲の虜になってしまいました。
ソヒエフカラヤンクレンペラー、3種の演奏を聴き続けていた
1週間でした。


             カラヤン・シンフォニー・エディションより
                  カラヤン&ベルリン・フィル


               271カラヤン:シンフォニー・エディション

                 (録音:1975年10月 ベルリン)


            クレンペラー:ロマン派交響曲集、序曲集より
              クレンペラー&ニュー・フィルハーモニアO.


                 271クレンペラー: ロマン派交響曲集、序曲集 

                   (録音:1963年 ロンドン
                       キングスウェイ・ホール)


          第1楽章:アンダンテ アレグロ・コン・アニマ 
                序奏はホ短調 4分の4拍子
          第2楽章:アンダンテ・カンタービレ・コン・アルクーナ・リチェンツァ
                ニ長調 8分の12拍子
          第3楽章:アレグロ・モデラート イ長調 4分の3拍子
          第4楽章:フィナーレ アンダンテ・マエストーソ~
                アレグロ・ヴィヴァーチェ 
                序奏はホ長調 4分の4拍子 


作曲は1888年、チャイコフスキー48歳の6月初め頃に取り掛かり
8月26日頃に完成したそうです。
交響曲第4番から11年目に書かれたとのことです。
この間にチャイコフスキーは西ヨーロッパで生活をしていた後に
1888年3月にヨーロッパの演奏旅行から帰りロシアの定住の地として
フロロスコエ村の新居に移ったとのことです。
フロロスコエ村の家は森に囲まれた庭園のある古い荘園の邸宅だったそうで
チャイコフスキーは仕事の間に付近の散策を楽しんだとのことです。

初演は1888年11月17日、ペテルブルクでチャイコフスキー自身の指揮で
行われたとのことです。
聴衆は大喝采だったそうですが、批評家の評判は良くなかったとのこと。
チャイコフスキーは指揮に自信がなかった、とか。
特にこの第5番はその典型だったそうです。
チャイコフスキーの指揮はあまりにも弱々しく作品の特徴を
明らかにできなかった、とも。
1892年にアルトゥル・ニキシュの指揮した名演で評価が変わったそうです。

今回、 ソヒエフ 、カラヤンクレンペラーの順に聴いてみました。

この作品の虜になったトゥガン・ソヒエフ&N響。
N響1768回定期公演、2013年11月20日のサントリー・ホールでの
ライヴを収録したディスクを聴く機会に恵まれました。
指揮者のソヒエフは初耳でした。
1977年、ロシアで生まれサンクトペテルブルク音楽院で
ゲルギエフ、ビシュコフなどを育てた教師のイリヤ・ムーシンなどに
指揮を学んだとのことです。

興味津津で耳を傾け・・・「凄い!」の一言です。
気迫に満ちた疾風怒濤のような演奏。
有り余るエネルギーの爆発のようにも感じられるようです。
特に第4楽章での高揚感も印象的です。
ただ、残念に思ったのは弦の低音域が他の楽器の音を遮ってしまうかのように
大きく聴こえるようなのです。
例えば観劇をしていて前席の人の頭部に舞台が遮られてしまい
舞台がよく観ることができない、そのような感じでしょうか。
それにしても、素晴らしい作品であり素晴らしい演奏であると感じました。
チャイコフスキーの交響曲に対して抱いていた私自身の
先入観を払拭してくれた恩人的な演奏になりました。

次に聴いたカラヤン&ベルリン・フィル。
第1、2楽章と第3,4楽章がディスク2枚に分割されての収録で
聴いている途中でのディスク交換には閉口をしてしまいます。
廉価盤BOXの宿命?でしょうか。
演奏は一番のお気に入りになりました。
重厚かつ大らかさがあり、抒情性と覇気、雄大さが見事に織り込まれ
メリハリ、切れの良さを感じます。
各楽器も見通しがとても良く楽器の音色を細かく聴き取ることができ
聴いていて絵画を鑑賞しているような楽しさも感じられるようです。

最後にクレンペラー&ニューフィルハーモニアO. です。
チャイコフスキーは聴くことはないけれど・・・と思いつつ
以前に求めてあったBOXから引っ張り出し初めて耳を傾けてみました。
重厚で粛々としたクレンペラー節の演奏でしょうか。
端正な姿を見せてくれる第5番
じっくりと耳を傾けたくなるような演奏のように感じられました。

三者三様にそれぞれの魅力を感じさせてくれる演奏。
この三者のあまりにも対照的な演奏に驚きつつも
この曲の魅力には抗い難いものがあります。
曲全体の主想旋律となっている暗澹とした「運命」の動機は
一度聴いたら忘れられない印象的な旋律として心に刻まれるようです。
また、第4楽章では久々振りに音楽鑑賞を通して
「感涙」という言葉を思い出させられました。

最後にこの作品の第4楽章終曲について
井上和男氏の記述を引用させていただきます。
 「この楽章は厳かな雄大な感じを持つもので、
 悲哀に打ち勝つ強い気持ちが高唱されているように思われる」


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タグ : チャイコフスキー 交響曲 第5番 ソヒエフ カラヤン クレンペラー

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 | 2018.07.16(月) 19:50 |  | コメント編集

●Re: ソヒエフは聴いたことありませんが・・・

bulreskeさま、
コメントをありがとうございます。

やっと、やっとチャイコフスキーの交響曲に目覚めました。
長い間、食わず嫌い、でしたが聴いてみると共感するものが多く良いですね。
ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルの演奏、是非とも聴いてみたくなりました。
第4・5・6番が収録されている2枚組が見つかりましたので早速、注文してみます。
カラヤンのDGへのウィーン・フィルとの晩年の演奏があるのですね。
やはり聴いてみたくなりました。

> チャイコフスキーの4,5,6番は収録時間の関係か、CD2枚組に収録されているのが多いですよね。
> お蔭で、4番か5番が2枚に分割されてしまいます。
そうだったのですね。
カラヤン盤での分割収録には、廉価盤BOXだから?などとイジケていました。
こちらのムラヴィンスキーのディスクも曲が分割して収録されているかも、ですね。
鑑賞途中でのディスク交換はシラケてしまい、仕方ないので一度PCに取り込んでからCD-R一枚に書き込んで聴くようになりました。
そうですよね、3枚組でもよいから一枚に一曲づつ・・・だと理想的ですね。

ムラヴィンスキーの演奏、今からとても楽しみにしています。
ありがとうございました。
lumino | 2015.01.19(月) 20:27 | URL | コメント編集

●ソヒエフは聴いたことありませんが・・・

ソヒエフは聴いたことありませんが、疾風怒濤の凄い演奏といえば、ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルが圧倒的じゃないかと思います。昔から名盤として有名なものなので、聴いて損はないと思いますよ。
カラヤンのチャイコフスキーの5番は僕もEMI盤がお気に入りです。晩年のウィーン・フィルを振ったDG盤も良いですよ。
他にモントゥー&ボストン響盤もお気に入りです。

チャイコフスキーの4,5,6番は収録時間の関係か、CD2枚組に収録されているのが多いですよね。
お蔭で、4番か5番が2枚に分割されてしまいます。
3枚組で、一枚に一曲づつ収録してくれた方がありがたいですよね。
burleske | 2015.01.18(日) 19:41 | URL | コメント編集

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