♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.289 ドヴォルザーク:「チェロ協奏曲」 by フルニエ;クーべリック&フィルハーモニアO.

昔からとても好きな曲。
ドヴォルザークの作品の中では最も好きな曲かも知れません。
久しく、久しく耳を傾けていませんでした。
年数を経て今改めて聴き・・・以前よりも一層、惹かれるようになりました。

早々、寄り道になります。
ドヴォルザークの生涯を綴ったカレル・V・ブリアン著「ドヴォルジャークの生涯」
に出合いました。
生き生きとドヴォルザークの生涯が伝わり感銘を受けた書です。
この書籍よりチェロ協奏曲に関連する個所の引用を。

「2年前大西洋の向こうへ行った時、ドヴォルジャークが感じていたのは少年のような渇望だった。今またアメリカの地に来て胸にあるのは幾多の名状しがたい悲しみで、それは一年経てば故郷に戻り、そこにずっといられる、と考えても晴らすことのできないものだった。
 彼は心の中に望郷の念に満ちたチェロの声を聞いた。それは孤独な魂いの、何か奇妙な歌のとりとめもない断片で、その歌は独奏楽器の中で具体的な形を現した。オーケストラの楽器を響かせる声は、その歌との対話を織り出し、喜びと幸福感を取り戻してやろうと努めていた。だがこの孤独の声は、恰もどこかへ逃れ行くかのように、静けさと終局の憩いを望むかのように・・・。
 生まれつつある作品のモチーフとテーマは、ニューヨークの秋の湿っぽく冷たい霧をも通して、はっきりした姿を見せ始めた。人気のない中央公園を独り散歩していると、白い霧の中からアントニーンの眼の前に、別の時、別の所で生きていた人々の姿や出来事が浮かんで来た。この顔はみんな知っている。何と優しく身近に感ずることか! 思い出だけが顏に置くことのできる表情をしていた。
 冬の12週を費やしてチェロ協奏曲ロ短調が書き上げられた。何びともこの曲を前にして、はっと目を見張るような、またとない音楽的美しさを持った作品。人間の幸福と苦しみ、魂の炎と氷である果てしない憧れを映し出す男らしい感情の漲る長大な悲歌。」
(引用:カレル・V・ブリアン著
「故郷の音楽=作曲家アントニーン・ドヴォルジャークの生涯よりの断章」より
訳:関根日出男)


目下のお気に入りの演奏は
フルニエクーべリックフィルハーモニアO. です。


             ピエール・フルニエEMIレコーディングスより
                  ドヴォルザークチェロ協奏曲


                (289)ドヴォルザーク:ピエール・フルニエEMIレコーディングス

                         (収録曲)

            ドヴォルザークチェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
            サン=サーンス:チェロ協奏曲 イ短調 Op.33
            チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲 イ長調 Op.33

                   ラファエル・クーべリック指揮
                   フィルハーモニアO.

                    (録音:1948年5月18-19日  
                        ロンドン アビーロード・スタジオ)


            第1楽章:アレグロ ロ短調4/4拍子
            第2楽章:アダージョ・マ・ノン・トロッポト長調3/4拍子
            第3楽章:アレグロ・モデラートロ短調2/4拍子


作曲されたのは1894年11月から翌1895年2月だそうです。
1892年9月に、51歳のドヴォルザークはニューヨークのナショナル音楽院の
校長としてアメリカに赴任。
ドヴォルザークはアメリカ滞在中、いつも故郷への想いを抱いていたとのこと。
約3年の滞在期間を終える頃、プラハ音楽院長として帰国する直前に
作曲されたのがこのチェロ協奏曲だそうです。
曲の完成後、1895年6月に終楽章のソロ・パートに若干の変更を加えたとのこと。

この曲は同郷の友人でチェリストの、ハスシュ・ヴィハーンに捧げられたそうです。

             289ドヴォルザーク:チェロ協奏曲(wikiドイツ)289ドヴォルザーク「チェロ協奏曲」 Hanuš Wihan
                 Hanuš Wihan (左から2人目)
               (1855年6月5日-1920年5月1日)
             ボヘミアン弦楽四重奏団のメンバー 1895年
              (左から カレル・ホフマン、ハスシュ・ヴィハーン
                    オスカー・ネドバ、ヨーゼフ·スーク)

ドヴォルザークは渡米前にヴィハーンとボへミヤ地方に演奏旅行をし
それがこの作品の作曲に間接的な動機にもなったと言われているそうです。

ブラームスはこの曲に嘆息をしたそうです。
 「こんなチェロ協奏曲が人間の手で書けるということを、私はどうして気が付かなかったのだろう?もし気が付いていたら、とっくに私自身が書いていただろうに!」

初演は1896年3月19日にロンドン・フィルハーモニー協会の演奏会に於いて
当時イギリスを代表するチェロの名手であったレオ・スターンの独奏で
ドヴォルザーク自身の指揮、ロンドン・フィルハーモニーにより行われたそうです。
大成功を収めたとのこと。


暗く重々しいクラリネットが奏して始まる第1楽章。
この始まりの第1主題の暗澹とした趣が力強く盛り上がる部分から
いつ聴いても心を射止められてしまいます。
トゥッティになり勇壮で明快な雰囲気には晴れがましい感じがします。
ホルンの登場で吹奏される第2主題。
第1主題とは対照的で牧歌的で美しい調べ。
第2主題の哀愁を帯びた美しさ。
魅了される第2主題です。
一転して力強さが戻り現れる独奏チェロ。
雄弁なチェロが奏する主題の変形には明朗さや軽快さも感じられるようです。
独奏チェロが奏でる第2主題の調べは心に触れ刻み込まれます。
力強く雄大に終わる第1楽章。
雄大さと哀愁に彩られたお気に入りの楽章です。

木管が牧歌的なゆったりと調べを奏して始まる第2楽章。
クラリネットと独奏チェロの穏やかな対話。
田園を想わせるような長閑な第1主題。
木管と独奏楽器の和みの語り合いのように感じられます。
突如として中間部で劇的な変化。
驚くのも束の間で第2主題に。
寂寥感を漂わせつつも親しみを感じる美しい旋律。
この第2主題はドヴォルザークの歌曲、作品82の中の一曲「ひとりにして」が
基になっているとのことです
オーケストラ、木管、チェロが奏でる第2主題。
カデンツァ風に奏される独奏チェロに耳を傾けていると夢幻的な心持に。
静かに終わる楽章。
私にとって、この楽章は回想、回顧の調べでしょうか。
多々の想いが浮かんでは消えてゆきます。

第3楽章の開始は勇壮な行進を連想してしまうような覇気を感じます。
力強いチェロ。
勇壮、雄大、に繰り広げられるオーエストラと独奏チェロ。
七変化する独奏チェロ。
コーダでは楽器たちの語り合いが恰も名残を惜しむように伝わるようです。
力強くまた華々しいトゥッティで閉じられる曲。


各楽章中に独奏チェロがカデンツァ風に織り込まれ印象的です。
過去に求めたピアティゴルスキー;ミュンシュ&ボストン響から聴き始め
手持ちの6種の演奏を聴いてみました。
例え大好きな曲とは言え、この一週間、連日聴くことになってしまいました。
聴き疲れ?気味になってきたような。

今回、聴いた演奏で心に一番残っているフルニエのチェロ。
この曲は困難な演奏技巧が駆使されているとのことですが
テクニックについてまったく無知な自分です。
フルニエの演奏は優しく、時には強靭さをもって語りかけてくるように感じます。
抒情的な調べ・・・「抒情」という言葉が心に沁みる演奏のように思いました。

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Comment

Re: ひょっとしてチェロ協奏曲シリーズですか?

burleskeさま、
コメントをありがとうございます。

ドヴォルザークのチェロ協奏曲をフルニエは他にも録音をしていたのですね。
1954年のクーべリック&ウィーン・フィルとの録音もあるとのことで、こちらの演奏にも関心を抱いてしまいました。
あと、前回シューマンのチェロ協奏曲でお寄せいただいたコメントを拝読し、デュ・プレを聴きたく廉価盤BOXが目に付きましたので求めてみました。
ドヴォルザークのチェロ協奏曲は第3楽章のみの収録で残念でしたが、柔らかく優しい演奏のように感じられ安堵をして聴くことができました。いつか全曲を、と思います。
デュ・プレの演奏でお目当てでしたシューマンの方はまだ聴いていなくて、これから楽しみに。

チェロ協奏曲シリーズ・・・アッ、そうですよね、良いかも、ですね。
ハイドン、ボッケリーニ・・・良いですね。
ラロとエルガーは「いつか聴いてみたい」と思いつつ、キッカケがないままで。
それにしても手持ちのディスクがあるのかしら・・・。
burleskeさまがお好きな、作曲家名だけで尻込みを・・・せずに、一度聴いてみれば良いのかも知れません。
音楽鑑賞の世界が広くなることを期待して。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2015.06/22 19:44分
  • [Edit]

ひょっとしてチェロ協奏曲シリーズですか?

フルニエのドヴォルザークのチェロ協奏曲は、1954年録音のクーベリック&ウィーン・フィル盤と1962年録音のセル&ベルリン・フィル盤を持っています。
セル盤は定評ある名盤ですが、クーベリック盤もお気に入りです。
クーベリックとは48年にも録音していたのですね。こちらの演奏もちょっと聴いてみたいです。

シューマン、ドヴォルザークとチェロ協奏曲が続いていますが、ひょっとしてチェロ協奏曲シリーズですか?
それなら次はハイドンかボッケリーニあたりでしょうか?
サン=サーンスの第1番、ラロ、エルガーのチェロ協奏曲も面白いです。
僕の好きなのはショスタコーヴィチ、ウォルトン、ブリテンですが、このあたりはluminoさまの趣味とは違うかもしれませんね。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2015.06/21 20:01分
  • [Edit]

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特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
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