♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.293 エルガー:「チェロ協奏曲」 by デュ・プレ;バルビローリ&LSO(1965年)

チェロ協奏曲作品を聴くシリーズ  なのか デュ・プレ を聴くシリーズなのか
自分でも分からなくなってきましたが。
連続3回目の今回もデュ・プレです。
エルガーのチェロ協奏曲を聴いてみました。

デュ・プレの演奏を聴く日々になり
以前、いつか読んでみたい・・・と思いつつ久しく本棚で眠っていた
書籍「風のジャクリーヌ」を読み始めています。
ジャクリーヌの妹、ヒラリー・デュ・プレと
弟のピアス・デュ・プレ共著「風のジャクリーヌ ある真実の物語」です。
この本を原作として映画にもなっていたそうですが。

エルガーのチェロ協奏曲についての記述は本を読み始めて
「ピアスの回想」として間もなく出ていました。少し引用を。

「次の箱には新聞や雑誌の切り抜きが詰まっていた。
『ニューヨークの1964.5年のシーズンのでこれからも私の記憶に残るのは、ジャクリーヌ・デュ・プレであろう。・・・かの、この上なく静かで極めて英国的な作品、エルガーのチェロ協奏曲を彼女が弾き出した途端、カーネギー・ホールの聴衆は魂を奪われ、かつてない静寂さに見舞われた、演奏が終わった時、多くの人々の目が涙で濡れていた。』(ミュージック・アンド・ミュージシャン誌)」 

このピアスの回想を読みデュ・プレの演奏するエルガーの曲に
益々、関心が強くなってきました。
実際に聴いてみると・・・掴みどころがない、というのが第一印象でした。
特に第2楽章になると・・・第3楽章を聴く気分も萎えてしまったりで。
幾度か聴き返すうちにスーッと心に入ってくるものがありました。

聴いたのはデュ・プレ、バルビローリ&ロンドン交響楽団の演奏です。
曲の抜粋が多い廉価盤BOXながらも、このディスクの3曲は
全曲収録されていました。

             The sound of Jacline du Pre より
                エルガー:チェロ協奏曲


                291:ハイドン:チェロ協奏曲第1番デュ・プレ

                      (収録曲)

            エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 Op.85
            サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番 Op.33
            シューマン:チェロ協奏曲 Op.129

               ジャクリーヌ・デュ・プレ(Vc)
               サー・ジョン・バルビローリ指揮
               ロンドン交響楽団

              (録音エルガーのみ:1965年8月19日
                 ロンドン キングズウェイ・ホール)


          第1楽章:Adagio - Moderato ホ短調 9/8拍子
          第2楽章:Lento - Allegro molto ト長調 4/4拍子
          第3楽章:Adagio 変ロ長調 3/8拍子
          第4楽章:Allegro ma non troppo ホ短調 2/4拍子


曲の完成は1919年6月19日に
エルガーが戦時中に移り住んだサセックスの田舎の丘の上にある
「プリンクウェルズ」と称する気に入った山荘でこの曲を完成したそうです。
エルガーの創作活動の最盛期は1898年から1919年
41歳から62歳にかけての約20年間とのことです。
この間の1914年に勃発した第1次世界大戦はエルガーに禍ともなり
終戦の見通しがついた1918年夏以来の1ヶ年は
エルガーの創造力が最後の短い燃焼を見せた時期だったそうです。
大作として最後の作品となったのがこの「チェロ協奏曲」とのことです。


             293エルガーFelix Adrian Norman Salmond
               Felix Adrian Norman Salmond
             (1888年11月19日 - 1952年2月20日)

初演は1919年10月26日(または27日)に、ロンドンのクィーンズ・ホールにて
フェリックス・サルモンドのチェロ独奏、エルガー自身の指揮
ロンドン交響楽団の演奏で行われたそうです。
サルモンドはイギリスやアメリカ合衆国で成功を収めた英国の
チェリスト兼チェロ教師とのこと。
この初演は聴衆には深い感動を呼び起こすことはなかったそうですが。
因みにこの初演時にバルビローリはチェロ奏者の一人として
参加していたとのことです。

独奏チェロの重々しく、厳かな調べで始まる第1楽章。
独奏チェロの厳格で重厚に奏される調べに気持ちが引き締まるようです。
現れる2つの主題、柔和な趣をもった第1主題の旋律。
そして第2主題も甘美な旋律。
心に刻まれる調べです。
オーケストラが奏する第1主題の壮大さ。力強さ。
再び登場する独奏チェロの甘く美しい夢見るような旋律。
歌い続けるチェロに響きに清楚な美しさ、哀愁も感じられるようです。
一瞬、情熱的に盛り上がるオーケストラ。
再び耳に届く静かなチェロの歌。
消えるように第1楽章が終わりそのまま第2楽章に。

第2楽章の始まりが幻想的に感じられます。
忙しげに奏される独奏チェロ。
ユーモラスな印象すら受けてしまいます。
忙しく駆け巡るかのような独奏チェロ。
活躍するチェロ。
駆け抜けるように曲が進み軽く終了するこの楽章。

次の第3楽章は僅か60小節からなっているそうです。
3つの旋律で構成されているとのこと。
静かで豊かな発想を持って憧憬を秘めた旋律
跳躍のある旋律
恍惚とした旋律、の3つになるそうです。

前楽章から一転して哀切を感じるような美しい調べで始まる第3楽章。
ゆったりとしたチェロの奏する優美な歌。
郷愁を感じさせる調べのようにも感じられます。
果てしなく夢見るような旋律でありながら
しんみりとした一面も感じてしまいます。
旋律には相反する要素が感じられ聴いていて不思議な気分になるような。
独奏チェロが弱奏で歌うときには耳をそばだててしまいます。
消え入りそうな弱奏でしんみりと歌う独奏チェロ。
荘重な雰囲気も感じられるようです。
美しい旋律で終わる第3楽章。
エルガーの世界に引き込まれる楽章であり
印象に残るお気に入りの楽章になりました。

弾むようなオーケストラに始まる第4楽章。
独奏チェロは緩やかに叙情的な調べを。
生き生きと躍動的に奏される第1主題。
オーケストラと独奏チェロは軽快に旋律を奏し
光明を感じるような明快な趣が漂っているようです。
第2主題の緩やかな美しい旋律から転じて
前楽章のように忙しげな独奏チェロとオーケストラ。
垣間見られる活気。
再び独奏チェロが導くように奏される甘美な調べ。
呼応するオーケストラも優美に。
夢見るかのように歌う独奏チェロ。
包み込むような大らかなオーケストラ。
一瞬の静かな休止の後に力強く華やかさを感じさせつつ迎える曲の終わり。


初めは掴みどころのない曲のように感じていましたが
耳を傾けるうちに魅了されたエルガーのチェロ協奏曲。
活き活きと溌剌としたデュ・プレの息吹が感じられるようです。
大袈裟な言い方かも知れませんが、チェロの偉大な力を感じさせられる
ようです。

今回聴いたのは1965年のデュ・プレ、バルビローリ&LSO の演奏でしたが
1961年の同メンバーでの演奏にてデュ・プレは国際的な名声を得たとのことを
初めて知りました。

バルビローリは英国の代表的音楽家のエルガーの作品の理解者だったそうで
また、バルビローリ自身チェリストとして音楽家のスタートを切ったとのこと。
更にデュ・プレの才能に気付いた最初のアーティストでもあったそうですね。

エルガーのチェロ協奏曲を聴き
他の作品、特にヴァイオリン協奏曲に関心を抱くようになりました。


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Comment

Re: エルガーは渋いですが・・・

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

「風のジャクリーヌ」を原作とした映画の方はburleskeさまのおっしゃる通り「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」だそうです
DVDをお持ちなのですね。
>クライマックスがエルガーのチェロ協奏曲の演奏シーンでした
とのことで、きっと感動的なシーンなのでしょうね。
本を読み終えたらDVDも観たくなるかもしれませんね。

エルガーの作品は、渋くて取っ付きにくいかも・・・とのことで。
burleskeさまのおっしゃるように、じっくり聴くと味わい深く・・・良い曲なのですね。
チェロ協奏曲は第2楽章で躓きかけましたが続けて、繰り返し聴いてみて本当に良かったと思います。
ヴァイオリン協奏曲の方ですけれど、50分もの長時間とのことだけでも尻込みをしてしまいました。
burleskeさまがお挙げ下しました演奏の中でメニューイン&エルガーのディスクがありましたので聴いてみました。
とにかく長時間ですね。そして、私には一筋縄ではいかない曲みたい・・・。
こちらも改めてじっくり、繰り返し聴いてみることにしたいと思います。
エルガーの作品では「威風堂々」しか知らなくて・・・それも曲名だけでじっくりと聴いたことがない有様です。
「エニグマ変奏曲」は比較的馴染み易いとのことですので、定番のボールト、バルビローリのディスクは手元にはないと思いますが・・・こちらも聴いてみたく思っています。
エルガーの作品をこの機会に耳を傾けてみることにしますね。

お詫びなのですが、前回のコメントの返信にデュ・プレの廉価盤BOXを求めたお目当てを、エルガーと書いてしまいましたが、シューマンのチェロ協奏曲の間違いでした。
5月でしたでしょうか、急に暑くなった時、貴ブログにコメントをさせていただきました際には「猛暑日」などと書いてしまったり・・・いつものことながら間違いばかりが多いですね。すみませんm(__)m
  • posted by lumino
  • URL
  • 2015.07/21 20:21分
  • [Edit]

エルガーは渋いですが・・・

「風のジャクリーヌ」の映画は邦題「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」でしょうか?
この映画だったらDVDを持っていますが、クライマックスがエルガーのチェロ協奏曲の演奏シーンでした。

エルガーは「威風堂々第1番」だけがやたら有名ですが、他の作品は渋くてとっつきにくいかもしれませんね。
じっくり聴くと味わい深くて良いのですけど。
エルガーの他の作品では「エニグマ変奏曲」が比較的馴染みやすいかもしれませんね。演奏はボールトとバルビローリが定番です。

ヴァイオリン協奏曲は演奏時間が50分近くあるので、ちょっと馴染みにくいかも。
演奏はメニューイン&エルガーの作曲者の自作自演盤、ハイフェッツ&サージェント盤、パールマン&バレンボイム盤あたりが良いと思います。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2015.07/20 19:45分
  • [Edit]

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