♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

Entries

Op.301シューベルト:「さすらい人幻想曲」 by ルービンシュタイン

今朝は地震で目が覚めました。当地は震度4。
目覚まし時計が鳴っても「まだ、もう少し・・・」の気分なのですが。
今朝ばかりは・・・。
家族の2羽のコザクラインコは隣室で静まり返っていました。
驚きのあまりにフリーズ状態になってしまう彼らです。
すぐにケージのカバーを開けて声をかけ。
彼らから言わせれば「地震よりもマンマの方が怖い!」。
歓迎をしたくない目覚まし地震です。

さて、前回のシューベルト歌曲「さすらい人」D. 493 に続いて
今回はピアノ独奏の「さすらい人幻想曲」を。

           シューベルト:幻想曲 ハ長調 D.760 「さすらい人」
       ルービンシュタイン~コンプリート・アルバム・コレクションより


               301シューベルト「幻想曲さすらい人」ルービンシュタイン コンプリート・アルバム・コレクション

                        (収録曲)

               リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調
               シューベルト:幻想曲 ハ長調「さすらい人」D.760

                アルトゥール・ルービンシュタイン(P)

                      (録音:1965年)


  第1楽章:アレグロ・コン・フォーコ・マ・ノン・トロッポ ハ長調 4/4拍子
  第2楽章:アダージョ 嬰ハ短調 4/4拍子
  第3楽章:プレスト 変イ長調 3/4拍子
  第4楽章:アレグロ ハ長調 4/4拍子


1822年11月の作曲で
前回の歌曲「さすらい人」D. 489 の6年後に書かれたそうです。
シューベルト自身が「幻想曲」と名付け
第2楽章に歌曲「さすらい人」の第2節の旋律を
引用していることから「さすらい人幻想曲」として親しまれているとのことです。

この曲はエマニュエル・フォン・リーベンブルクに献呈されたそうです。
リーベンブルクはアマチュアでありながらもフンメルに師事した名ピアニスト
だったとのこと。
また彼の援助で作曲後3カ月ほどで出版をされたそうです。
この曲の作曲ののちにはピアノの大作が並ぶことになったとのこと。

シューベルトのピアノ曲の中でも異彩を放つ曲で
他のピアノ・ソナタとは異なった性格を持っているそうです。
作曲形式については多くの研究者が4楽章ソナタであると指摘し
各楽章は切れ目なく演奏されるとのこと。
調性、速度表示により各楽章は明確に区別されているそうです。
他のソナタと異なる点は全曲が一つの素材によって統一されていること
などがあるそうです。
平野昭氏によると、各楽章の主題を統一するという構成原理は
一種の循環形式に基づいている、とも考えられるとのこと。
この曲は新しいピアノ・ソナタの世界を拓く作品であるということができる
とのことです。

この曲の有名なエピソードとして
シューベルト自身がこの曲を弾きこなすことができなかったそうで
「こんな曲は悪魔にでも弾かせろ」と叫んだとか。


           301Carl Maria von Bocklet
                   Carl Maria von Bocklet
               (1801年1月30日―1881年7月15日)

初演はシューベルトの死後、1832年にウィーン楽友協会ホールで
ボクレットのピアノで行われたそうです。
ボクレットはシューベルトの友人のピアニスト、ヴァイオリニスト兼作曲家で
シューベルトのピアノ曲の普及に大きな役割を果たしたそうです。

出版は作曲の翌年、1823年2月24日にCappi & Diabelli より。


初めてじっくりと耳を傾けて聴く「さすらい人幻想曲」。
第1楽章は明瞭な和音が力強く打ち出されダクチュル音型での始まり。
この音型は歌曲「さすらい人」の伴奏動機を引用したものとのこと。
このリズムが持つ軽快さと活気が感じらます。
覇気のある力強さと時折顔を出す抒情的な調べ。
ダクチュル音型が大活躍する活き活きとした楽章。
速度が遅いくなり、第2楽章に。

第2楽章は5つの変奏曲からなる変奏曲形式になっているとのことです。
この主題が「さすらい人」の主人公が理想の国を求めて歌う
第2節の旋律からの引用とのこと。
執拗になりますが引用元となった歌曲「さすらい人」の第2節の詩を。
 
  「陽はここでは僕にはやけに冷たく、
  花は枯れて、世の中は古びてしまった、
  そして話される言葉は虚しく響く、
  僕は何処に行ってもよそ者なんだ。 」

さすらい人の旋律が静かに厳かに奏されて始まる第2楽章。
続く第1変奏では左手の低音の揺れるような伴奏にのって
右手で奏される主題のしっとりとした味わい深さ。
歌曲がまざまざと思い浮かびます。
5つの変奏ではこの第1の変奏が最も心に残ります。
各変奏で左手の伴奏部分が変化するのも印象的です。
第5変奏の後に突如として音量が落ちゆっくりと第3楽章に。

変形されたリズムの面白さに耳を奪われるようです。
主題の愛らしさ、軽やかさ、そして華麗さも感じられ親しみを抱きます。
軽やかで喜びを感じさせる楽章でしょうか。

第1楽章同様にダクチュル音型で始まる第4楽章。
左手の低音がこの音型に新鮮さを与えているようにも感じられます。
右手が加わり左手と右手が対位法で奏するダクチュル。
これもまた耳新しく感じられるようです。
そのうちに左手のダクチュルに乗って右手が生み出す華麗さ。
即興的な雰囲気が感じられます。
盛り上がりつつ力強く華麗に迎える曲の終わり。


ルービンシュタインが演奏をする「さすらい人幻想曲」は。
生気に満ち溌剌とした演奏で聴いていて爽快感を覚えるようです。
ピアノの粒立ちが明瞭で聴き取り易く
また、左手と右手の克明なピアノ・ダッチに
緻密な絵画を見るような気がします。

心に深く刻まれるのはやはり第2楽章です。
歌曲「さすらい人」の旋律が美しい抒情性と寂寥を感じさせ
心に染み入る歌を聴かせてくれるルービンシュタイン
幾度も繰り返し聴く毎に一つ一つ
新しく見出されるものがある曲、そして演奏。
現在の愛聴盤になりました。

今更ながらに、作品にじっくりと耳を傾けることの大切さを
この曲は教えてくれたように思います。

                   にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
関連記事

Comment

Re: 『さすらい人幻想曲』は好きな曲です

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

本当に最近、災害が多いですね。ありがとうございます、私の方は大丈夫です。
嘗ては地震が来ると心臓がパクパクしたものですが、地震馴れ?したのでしょうか。

「さすらい人幻想曲」はお好きな曲とのことで、いろいろなピアニストでお聴きなのですね。
burleskeさまがお気に入りの演奏の中でリヒテルだけはディスクがありましたので早速聴いてみたいと思います。
ケンプとシフも聴きたいと思いピアノ・ソナタ全集BOXにもしかしたら収録されているかと思い探したのですが、収録されていなくて残念でした。シフの演奏も聴いてみたいです。

リスト編曲によるオーケストラ伴奏の演奏もあるとのことで興味が湧き探してみました。
手持ちのカーゾンのBOXで収録されているのに気付かなかったリスト編曲版が見つかりました。
早速、聴いてみました。とても良かった!です。正に素晴らしいピアノ協奏曲ですね。
ただ、録音が1937年とのことでSP時代の録音になるのでしょうか、あまり音質が・・・。
リストの編曲版の方が好みになってきたみたいです。
できれば、もう少し音質の良い演奏も聴きたくなり、ショップ・サイトでディスク探しをしたのですが・・・ほとんどナシのようですね。残念です。いつか新しくディスクが出るのを待つことにします。
リスト編曲版を教えてくださり本当にありがとうございました!
  • posted by lumino
  • URL
  • 2015.09/14 20:02分
  • [Edit]

『さすらい人幻想曲』は好きな曲です

昨日はけっこう大きな地震だったみたいでしたが、luminoさまは大丈夫だったのでしょうか?
最近、災害が多いみたいで、なんかいやですよねぇ。

『さすらい人幻想曲』は僕の好きな曲で、この前久しぶりにポリーニを聴いたところです。
ルービンシュタインも味わい深くて良いですね。
他に、ケンプ、ブレンデル、シフ、リヒテルも気に入っています。

この『さすらい人幻想曲』には、リストがオーケストラ伴奏付きに編曲した版もあって、こちらも面白いですよ。
機会があったら聴いてみてください。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2015.09/13 19:37分
  • [Edit]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 現在非公開コメント投稿不可です。

左サイドMenu

プロフィール

lumino

Author:lumino
音楽が日々の活力源になっています。
特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
日々の生活に無くてはならないのが音楽と本です。
また2羽の小桜インコの兄弟は大切な家族です。

最新記事

lumino

右サイドメニュー

♪ こんにちは ♪

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

ブログ内検索