♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.300 シューベルト:歌曲「さすらい人」 by ディースカウ&ムーア

記事の通し番号が 300 になりました。
番号を付けていない記事もありましたので正確な数字ではありませんが
今回で300回記念?を迎えたことになります。
ほぼ週一回の更新ですので毎日更新しているとすれば
10ヶ月程度続いているにしか過ぎないのですが
当ブログ誕生以来の約7年2ケ月を思うと感慨深いものがあります。

シューベルト歌曲に支えられてきたこの拙ブログ。
シューベルト歌曲がなければ、4年前にすでに消え去っていた筈のブログ。
このブログにとっては大切な大切な「恩人」です。
が、すっかりシューベルト歌曲に疎遠の月日になってしまいました。
今年のブログのスタートがシューベルト歌曲「夜咲きすみれ」でした。
それ以来・・・9ヶ月目のシューベルト歌曲、「さすらい人」です。

シューベルトのピアノ独奏曲「さすらい人幻想曲」を偶然に耳にしました。
今まで、「さすらい人幻想曲」にじっくりと耳を傾けることがありませんでした。
今回はじっくりと耳を傾けてみました。
第2楽章は歌曲の「さすらい人」からの引用されたとのことで
歌曲の方も聴いてみました。
歌曲の方はしばしば聴いていたのに曲とタイトルが一致せずのままでした。
昔々、LP時代にシューベルトの歌曲を聴いた時に耳にしていた曲。
しばしば耳にする機会が多い曲。
久々振りに聴くシューベルトの歌曲、そしてディースカウの歌声。

いつものディースカウのディスクです。

             シューベルト:歌曲「さすらい人」D.493
            ディースカウ:シューベルト歌曲全集より


               シューベルト歌曲全集byディスカウ

                   D.F=ディースカウ(Br)  
                   ジェラルド・ムーア(P)  

             (録音:1966-68年 ベルリンUFA-Ton-Studio)


この歌曲が書かれたのは1816年10月だそうです。
前回登場したシューベルトの交響曲第4番と同じ年
シューベルト19歳の時の作曲になるのですね。
この年には歌曲は100曲以上、145曲以上とも言われるほど
多くの歌曲が誕生した年だったとのこと。
尚、シューベルトの「さすらい人」には2曲あるそうです。
今回聴いたD.493 はシュミット・フォン・リューベックの詩への付曲
もう一曲は D.649 でフリードリヒ・シュレーゲルの詩への付曲
とのことです。

曲の指定は
嬰ハ短調 2分の2拍子 通作形式 「非常にゆっくりと」

              300:シューベルト「さすらい人」Georg von Lübeck
               Georg Philipp Schmidt von Lübeck
               (1776年1月1日-1848年10月28日)

歌詞は1821年に公開された医師シュミット・フォン・リューベックの詩。
シューベルトはこの曲を一晩で書き上げたと伝えられているそうです。
作曲当時の人々にも親しまれた曲とのことです。


ピアノの低く暗鬱な響きで始まる前奏。
1節ではディースカウの声にも漂う暗さ。
希望を失ったさすらい人の疲弊が切実と伝わってくるようです。
疎外感、孤独感が切々と歌われる第2節。
一転して第3節、4節では希望の国を求めるさすらい人の心情を
垣間見る思いがします。
テンポも速まり生き返るかのように一抹の明るさが芽生えるようです。
ディースカウの声も生気を帯びピアノも弾む心を感じさせるようです。
特に第4節
 「僕の友たちが生活し、
 僕の死んだ友たちも生き返り、
 僕の言葉が話される地、
 ああ、その地は何処にあるんだ? 」
と歌われるこの部分には心を打たれ共鳴するものがあります。
聴いていてジーンとしてしまいます。
最後の第5節では再び曲の初めの孤独な寂しいさすらい人に。
最後の2行は低い音程で暗い絶望感が歌われ
静かに終わる「さすらい人」。


良い歌と感じつつ、何気なく聞いていただけのこの「さすらい人」。
今回、聴き返してもこの第3節の明るさが救いのように感じられます。
じっくりと耳を傾け・・・。
詩にも惹き込まれ、ディースカウの歌唱にも惹き込まれていました。
ディースカウの表現力の豊かさはいつものことながら
歌声を聴きつつ詩の一句一句に込めたれた想いに感銘してしまいます。
この詩への付曲のシューベルトの豊な感性。
その感性が生き写しにされたように歌い上げるディースカウ。
この歌曲には純化されたものが感じられるようです。

ディースカウが逝去されたのは2012年5月18日でしたでしょうか。
3年が経ったのですね。まだ、3年・・・そのような感覚です。
この曲を聴きつつ、ディースカウの歌の素晴らしさ、偉大さを
自分は本当に解っていたのだろうか、と自問をしてしまいました。
もしかしたら、今でもまだ半分も解っていないのかもしれません。

「さすらい人幻想曲」の方は日を改めて、と思っています。

      ライン


              「さすらい人」:Der Wanderer D493
             (歌詞: シュミット・フォン・リューベック)

僕は山々を越えてやって来た。
谷は霧が立ち込み、海は荒れ狂っている。
僕はひっそりと彷徨う、喜び少なく、
そして常に溜め息まじりに問いかける、「何処に?」

陽はここでは僕にはやけに冷たく、
花は枯れて、世の中は古びてしまった、
そして話される言葉は虚しく響く、
僕は何処に行ってもよそ者なんだ。

何処にあるんだ、僕の愛する地は?
探し求め、想像し、そして決して見出せない地は!
その地は希望の芽生える地、
僕野バラが咲き乱れ、

僕の友たちが生活し、
僕の死んだ友たちも生き返り、
僕の言葉が話される地、
ああ、その地は何処にあるんだ?

僕はひっそりと彷徨う、喜び少なく、
そして常に溜め息まじりに問いかける、「何処に?」
何か得体の知れないものが僕に囁き返す、
「お前のいない所、そこに幸福はあるのだ!」
                       
                              (若林氏訳、引用)


(原詩引用)
Ich komme vom Gebirge her,
Es dampft das Tal, es braust das Meer.
Ich wandle still, bin wenig froh,
Und immer fragt der Seufzer: wo?

Die Sonne dünkt mich hier so kalt,
Die Blüte welk, das Leben alt,
Und was sie reden, leerer Schall,
Ich bin ein Fremdling überall.

Wo bist du, mein geliebtes Land?
Gesucht, ― geahnt, ― und nie gekannt!
Das Land, das Land so hoffnungsgrün,
Das Land, wo meine Rosen blühn,

Wo meine Freunde wandelnd gehn,
Wo meine Toten auferstehn,
Das Land, das meine Sprache spricht,
O Land, wo bist du?

Ich wandle still, bin wenig froh,
Und immer fragt der Seufzer: wo?
Im Geisterhauch tönt's mir zurück:
"Dort, wo du nicht bist, dort ist das Glück!"

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Comment

Re: おめでとうございます

rudolfさま、こんばんは。
いつもありがとうございます。
私の方は押しかけコメントばかりで失礼しています。

ブログ仲間の御方がブログの世界から他の世界に・・・寂しいことですね。
たとえコメントのやり取りはなくとも、拝読をさせていただいたブログが消え去ったり、更新が止まってしまったりしていると
本当に寂しく感じてしまいます。

「継続は力なり」・・・そうですよね。
私自身、精神的に辛い時期にブログを止めようと思った時もありましたが・・・。
続けてこられたことに感謝です。
rudolfさまがおっしゃって下さるように「続けられるところまで続ける」。
そのように思うと気分的に楽になります。
できるだけ長く続けられるように、と自分自身に望んでしまいます。

「さすらい人幻想曲」はお好きなのですね。
遅ればせながらシューベルトの曲でお気に入りが一つ増えました。
歌曲、ピアノ独奏、それぞれに良さを感じますが
ルービンシュタインのピアノを聴き「幻想曲」に魅了されつつあります。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2015.09/12 20:24分
  • [Edit]

おめでとうございます

luminoさま
ブログ 300回 おめでとうございます

拙ブログにコメントいつもありがとうございます。なかなかコメントできずに申し訳ございません。

数多くおられたブログ仲間の方々も TWが隆盛になった頃からか、一人、また一人と、 だんだんブログの世界から、他の世界に行かれた方も多いですね

拙ブログは「継続は力なり」と続けていますが…爆
「さすらい人幻想曲」は好きでよく聴いていますが、歌曲の方は久しく聴いていません
CD探しをしますか… 爆

続けられるところまで続けていってくださいね…
ミ(`w´彡)
  • posted by rudolf2006
  • URL
  • 2015.09/12 04:25分
  • [Edit]

Re: 300回記念、おめでとうございます

burleskeさま
いつもいつも本当にありがとうございます。

7年以上、ということは「古典派サロン」に出会って7年2ケ月も経ってしまいました。
「サロン」で誕生したこのブログ。「サロン」の存在はとても大きいものがありました。
音楽鑑賞人生が変わったと言っても過言ではないくらいです。
「サロン」から引き続いている今現在。
お寄せいただくコメントはとても励みになっています。
また、自分の狭い音楽の世界(好きな曲ばかり聴いて)も広がりつつあります。
万年クラシック音楽ビギナーですがこれからもどうぞよろしくお願いします。

「さすらい人」は歌曲もピアノ独奏もお気に入りになりました。
デイースカウの「さすらい人」をお聴きくださったのですね。
ディースカウ、やはり良いですよね。そして、シューベルト・・・「どうしてこんなに惹きつけられるのか」と自問をせずにはいられないくらいに。

本当に月日が経つのは早いですね。年々、加速をしていくようです。
音楽を思うとき、いつも思い出されるのが「芸術は長く、人生は短し」です。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2015.09/07 19:41分
  • [Edit]

300回記念、おめでとうございます

300回記念おめでとうございます。
もう7年以上続いているのですね。
luminoさまの記事を拝読するのが、すっかり僕の週末のお楽しみになっています。
これからも、末永く続けてくださいね。

『さすらい人幻想曲』は好きな曲なのですが、歌曲の方は聴いたことがありませんでした。
早速、ディースカウで聴いてみましたが、いつもながら聴き惚れてしまいます。やっぱり、ディースカウは凄いですね。

ディースカウが亡くなられてもう3年ですか。
最近月日の経つのが、益々早く感じられてしまいます。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2015.09/06 19:46分
  • [Edit]

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特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
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