2010.02/02(Tue)

Op.25 トスカニーニ・ラスト・コンサート

             トスカニーニ・ラスト・コンサート
                    

              ワーグナー:管弦楽曲集
        《ローエングリン》第1幕への前奏曲
        《ジークフリート》~森のささやき
        《神々の黄昏》~ジークフリートのラインへの旅
        《タンホイザー》~序曲とバッカナール
        《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第1幕への前奏曲
        《神々の黄昏》~ジークフリートのラインへの旅より(リハーサル)
 
             アルトゥーロ・トスカニーニ
             NBC交響楽団

          (1954年4月4日 カーネギー・ホール ライヴ録音)



  
           miho


目下、心を独占している指揮者はアルトゥール・トスカニーニです。
あとは、シャルル・ミュンシュ。
と言いましても、まだまだ何も解かってはいない有様です。
昨年末に、やっと、やっと トスカニーニに心を揺り動かされた。
ただ、それだけなのですが。

昨年末はもしかしたら、自分にとっての音楽鑑賞?の転機点であったようにも思います。
その起爆的存在になりましたのが、カラヤン。
カラヤン、1977年録音のベートーヴェン交響曲第9番のCDとの出会いでした。

心を占める音楽家に出会いますと、いつものパターンで「もっと、知りたい!」に。
トスカニーニについて、知りたい・・・。
書籍で、CDで・・・。

私がトスカニーニについて知っていることは、
イタリア人であった・・・ということだけ。
と何ともお粗末な話です。
あと、一つは、昔々・・・ベートーヴェンの第9番のLPをいろいろと購入し、
訳も解からず、漠然と購入したLPの中にトスカニーニ&NBC交響楽団の一枚があったことだけです。
その当時、そのLPで初めてトスカニーニを聴き、音質の悪さに辟易しまして1回、レコード針を通しただけでお蔵入りに。
音楽の良し悪しが解からずに、クラシック音楽を聴き始めました頃は音質で「良し悪し」を決めてしまっていました。
と言いましても、現在に至っても音楽の本質、「良し悪し」が解かっているのかと言うと・・・解かってはいないのですが。
何ともトスカニーニに申し訳ないことを・・・と、今、痛感。
CDを聴いて 感激 をしますと、「アナログ・レコードで聴いてみたい」と時代に逆行する現在。
昨年末にCDでベートーヴェンの第9番をトスカニーニ&NBC交響楽団で聴きまして以来、
お蔵入りにしてしまったトスカニーニのLP探し・・・。
見つからずで非常事態に陥っています。

LP探しを諦め?まして、
中川右介著「巨匠たちのラスト・コンサート」(2008年発行)を入手してみました。
10人の音楽家の 最後のコンサート を描いた物語・・・だそうですので。
取り挙げられていた音楽家のトップがトスカニーニでした。
他にも、バーンスタイン、フルトヴェングラー、カラヤン、C.クライバーを取り挙げられていますので、
知らないことを知りたい! の思いでいっぱいです。

ラスト・コンサートに重点を置いて書かれたこちらの書籍でトスカニーニに関しての項目
“衰え始めた記憶力”
“これが最後のリハーサルなのか”
“指揮をやめ片手で両眼を覆った”
“《マイスタージンガー》の途中でステージを去る”

と読み進むうちに、
トスカニーニの「ラスト・コンサート」をせめて一度この耳で聴きたい・・・。

そのように思い始めました矢先の先月末近くに、ミュージック・バードでのOAがありました。
   
     ワーグナー管弦楽曲集:「トスカニーニ・ラスト・コンサート」


「巨匠たちのラスト・コンサート」からの引用です。

《タンホイザー》が終わると、トスカニーニは指揮台から降りて、
ステージを去ろうとした。
しかし、楽団員から「まだ《マイスタージンガー》があります」と言われた。
こうして、最後の曲が始まった。
チョチノフによると、
トスカニーニは「指揮棒を高く挙げて力強く拍ちおろし、全員を率いて」《マイスタージンガー》の前奏曲を始めた。
だが、またも最後近くになって、腕がグラつき、やがて動きが止まってしまった。
トスカニーニはうなだれたままステージを去った。
オーケストラは演奏を続けた。
そして「最後の熱狂的な絶叫のようなハ長調の歓呼を氏の後ろから響かせた」。
チョチノフには、あたかも「全世界の与える賞賛の声であるかのように」聞こえたという。
放送は、「拍手が続いています。オーケストラは沈黙したままです。
マエストロ・トスカニーニが再び現れるのを待ちましょう」と言うアナウンスで終わった。
しかし、トスカニーニはついに聴衆の前には姿を現さなかった。(以上、引用)

OAされましたこちらの演奏を取り敢えずはエア・チェックをしました。
以来、毎夜聴いています。
気に入った作品ですと、連日、聴き続けるのですが、
特定の音楽家の演奏をこれ程繰り返し聴くのは初めてです。

収録曲、1曲目の《ローエングリン》
曲の開始、ヴァイオリンが奏でる旋律・・・何と「悲しみ」に満ちているのでしょうか。
天使が運んできた聖杯のイメージだそうですが・・・。
これ以上の悲しみはない 究極の悲哀 だけが伝わります。
トスカニーニの最後のコンサートとの思い入れからでしょうか。
そのような思い入れを排除しても、深い悲しみだけ。
ヴァイオリンはすすり泣いて・・・。
とにかく、このような深い悲しみを湛えた旋律、ヴァイオリンの音色。
《ローエングリン》の第1幕前奏曲がこれほど胸に染み入る事は初めてです。
《ローエングリン》をまだ全曲聴いたことがありませんので、全曲を・・・できれば、トスカニーニで聴きたかったです。

3曲目の《神々の黄昏》から「ジークフリートのラインへの旅」。
コンサート前日1954年4月3日のリハーサル中のトスカニーニとオーケストラの混乱について書籍に記されてありました。
トスカニーニが誤った指示をオーケストラに出し・・・違う、違うと トスカニーニ。
やっと自分の誤りに気付いたトスカニーニ。
「これが最後のリハーサルなのか」と言い残し去って行き、リハーサルは途中で終わってしまったのですね。
この、「ラインの旅」のリハーサルはディスク最後に改めて収録されていましたが、
トスカニーニ・・・恐かったです~。

そして《タンホイザー》のバッカナールの激しさ!
このバレエ音楽がトスカニーニに乗り移ったのか、
トスカニーニが音楽に乗り移っているのか、
これ以上は無いというほどの凄まじい激しさ。

この「ラスト・コンサート」を聴きまして・・・
言葉を発するのは、余りにも軽率・・・。

トスカニーニ、演奏をもっと聴きたいものです。聴きたかったです。
遺されたディスク以外にも。

アルトゥール・トスカニーニ 1957年1月16日歿。89歳。

  彼らは自らの肉体の限界を超えて、音楽と共に生きようとした。
  彼らをそうさせたものは何だったのだろうか。
  彼らは、そして聴衆は、「最後のコンサート」の瞬間に、
  何を見て、何を聴いたのだろうか。(「巨匠たちのラスト・コンサート」より)
    


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タグ : ワーグナー トスカニーニ NBC交響楽団 ラスト・コンサート ローエングリン 神々の黄昏 タンホイザー

20:59  |  ワーグナー  |  TB(0)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●rudolf2006さま、こんばんは。

rudolfさま、こんばんは〜。
コメントを拝読しまして恐縮やら・・・でも、とても嬉しいです。ありがとうございました。

トスカニーニのこちらの演奏は名演なのですね。
名演とかは解からないのですが、凄い演奏!だけは伝わってきました。
拙い表現しかできないのですが、今年に入り初めて息をつけないほどの気迫、生命力に溢れる演奏に出会うことができた喜び、幸せを感じていています。
トスカニーニと氏を支えられたNBC楽団員も素晴らしいと痛感しました。
シンフォニー・オブ・ジ・エアについての書籍の箇所を読み、彼らの心意気にも惹かれ、トスカニーニ亡き後の演奏を聴いてみたくもなりました。

こちらのコンサートが最期の録音だと思っていたのですが、まだ録音をされていらっしゃったのですね。
探してみたいと思います。ありがとうございました!
トスカニーニに驀進中になってしまっております。(*^_^*)
lumino | 2010.02.03(水) 20:36 | URL | コメント編集

●buleskeさま、こんばんは〜

burleskeさま、こんばんは〜。
コメントを本当にありがとうございます。

「トスカニーニ・ラスト・コンサート」、もう本当に凄い!と思います〜あくまで私好みの演奏ということで・・・。
一度、是非、是非、お聴きになってくださいませ。
スタジオ・レコーディング、ライヴDVDをお持ちなのですね。e-343
そちらのワーグナー作品も聴いてみたいです!
勿論、DVDで指揮をなさるお姿を拝見したいです!ですが、CDだけで精一杯でv-404、余力ができましたら是非。

「まだ聴いたことがなくて・・・」と言うのが私の第18番の台詞なのですが・・・クナパーツブッシュでワーグナー聴くことができました〜。と言いましてもトスカニーニの3日前にOAされたもののエア・チェックなのですが。
ワーグナー、大昔の若き日には自称(あくまでも)ワグネリアンを生意気にも気取っていました〜。それで、クナパーツブッシュでも是非聴いてみたくて例の非常手段のエア・チェックを。
トスカニーニが「楷書型」に例えると、クナパーツブッシュは「行書型」でしょうか?
ワーグナーに抱いているイメージはトスカニーニの演奏でしたが、本当に「音楽の面白さ」・・・チョッピリだけですが、味わえたのかも知れません。(^^♪
lumino | 2010.02.03(水) 20:04 | URL | コメント編集

●こんにちは〜

luminoさま こんにちは

マエストロ・トスカニーニのラスト・コンサート、取りあげてくださり、ありがとうございます〜(私がお礼を言うのも変ですが〜)。

私はかなり前に、ラスト・コンサートのCD、買っておりました。この演奏会で引退するとは思えないほどの名演で驚いた記憶があります。

演奏会のあとも少しは録音などもしたようです。残念なのは、ステレオ録音がほとんどないことですね〜
あれば、もっとマエストロ・トスカニーニの音楽を味わうことができたのではないかなと思っています。

ミ(`w´彡)
rudolf2006 | 2010.02.03(水) 10:17 | URL | コメント編集

●トスカニーニは好きです

こんばんは~

トスカニーニのラスト・コンサート、まだ聴いたことないんです。
luminoさんの記事を拝読していると、なんだか凄そうですね。
これは聴いてみたくなりました。トスカニーニのワーグナー、スタジオ・レコーディングとライヴのDVDだったら持ってるんですけど。ラスト・コンサートはさらに凄いような。

あとワーグナーだったらクナッパーツブッシュも一度聴いてみてください。トスカニーニとはまた違った凄さがあります。表現方法がまるで違うのに、どちらもワーグナーの凄さを満喫できるというのが、音楽の面白いところだと思いますよ。
burleske | 2010.02.02(火) 22:16 | URL | コメント編集

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