♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.317 シューベルト:「春に」D.882 by シュワルツコップ&E.フィッシャー

松の内も過ぎ、今年もまた一年が駆け足で過ぎ去ってしまいそうな気配です。
遅くなりましたが
今年もどうぞよろしくお願いいたします

新年のスタートは今年もまたシューベルト歌曲で。
シューベルト歌曲の中で5本の指に入る大好きな「春に」D.882 です。
既にこの曲は2011年にディースカウの歌で一度、登場していました。
今回はシュワルツコップ&E.フィッシャーで聴いてみました。

              シューベルト歌曲集~シュワルツコップ

              317シュワルツコップ:シューベルト歌曲集

                        (収録曲)

                   1 楽に寄す D.547
                  2 春に D.882
                  3 悲しみ D.772
                  4 ガニュメート D.544
                  5 緑野の歌 D.917
                   6 糸を紡ぐグレートヒェン D.118
                  7 恋人のそばに D.             
                  8 若い尼僧 D.828
                  9 シルヴィアに D.891
                 10 水の上で歌う D.774
                 11 夜のすみれ D.752
                 12 ミューズの子 D.764

                エリザベート・シュワルツコップ(S)
                エドウィン・フィッシャー(P)
             (録音:1952年10月4-7日 アビー・ロード )


5年前のこの曲の記事と重複する点もありますが。
曲が書かれたのは1826年3月。


              317:シューベルト「春に」 エルンスト・シュルツェ
               Ernst Conrad Friedrich Schulze
              (1789年3月22日-1817年6月29日)

詩はドイツの詩人エルンスト・シュルツェ。
3節から成る詩に変奏曲風に付曲されたものだそうです。
ディスクの解説によると
シュルツェは花が香り、鳥は歌い、泉湧く春の丘で失われた恋の想い出を
嘆きよりは寧ろ懐かしさを込めて回顧している、とのことです。

シュワルツコップの歌声との初めての出会いはLP時代に遡ります。
声を聴いたこともないシュワルツコップの「シューベルト歌曲集」のタイトルに惹かれて求めたように記憶しています。
LPを求めたものの数回位しか聴かず・・・あまり関心を抱くことなく過ぎてしまいました。
あれから云十年。
改めてCDを手にしシュワルツコップの歌うリートにこれほどじっくりと耳を傾けたのは初めてのことです。
また、シュワルツコップの歌うリートの素晴らしさに初めて感じ入るものがありました。

繰り返し聴きつつ、聴く毎に新しい発見があるように感じています。
シュワルツコップの歌唱に耳を傾けつつ
発音の明瞭さ、表現力の豊かさの中にも抑制のある節度、言葉を慈しむかのように歌われる一曲一曲。
それらの一つ一つがディースカウと共通しているように思われました。

シュワルツコップは言葉のニュアンスを理解せずに歌うことを嫌い
自身も外国語の歌唱には慎重だったそうです。
そのようなシュワルツコップに好感を抱きました。
最近聴いた某ソプラノ歌手とは対照的なようで。
因みにシュワルツコップはディースカウを「神のような存在」としていたそうです。

録音は1952年とのことですのでシュワルツコップは37歳頃でしょうか。
一曲目に収録されている「音楽に寄す」が耳に届いた時に
ソプラノではなくアルトのように感じられてしまいました。
シュワルツコップは最初はコントラルトとして出発しソプラノに転向したそうですが
この曲を聴いているとコントラルトの面影を強く感じます。
ソプラノに転向しオペラでは当初コロラトゥーラの役だったそうですが
後にリリックの役に変わったとのことです。
曲に戻り、厳かな趣が漂う素晴らしい「音楽に寄す」に出合うことができたように
思います。

次の2曲目が今日の主役、「春に」。
フィッシャーの奏でるピアノが春の喜びの足音を連想してしまいます。
簡潔で親しみやすい旋律です。
シュワルツコップは明るいリズムに乗りながらもじっくりと聴かせてくれる歌唱。
心情が伝わってくるようです。
ピアノ伴奏も印象に残るものがありました。
詩の第1節から2節にかけてのピアノだけのパートと第2節全体に
ピアノの煌めくような響き。
水面に太陽が反射するような明るい煌めきを感じさせるピアノが印象的です。
最後の “Den ganzen Sommer lang. ” が繰り返されて歌われ
ピアノとともに消え入るように静かに終わるこの歌。
シュワルツコップ&フィッシャーの「春に」、とても気に入りました。

続いて3曲目の「悲しみ」も語りかけるような歌唱で心情が
ひしひしと伝わってくるようです。
4曲目の「ガニュメート」。お気に入りの歌曲です。抒情性と抑制の効いたドラマティックな歌唱に好感を抱きました。
5曲目の「緑野の歌」。春の喜びを素朴にじっくりと歌い込まれているようです。
他「恋人のそばに」「シルヴィア」「水の上で歌う」「夜のすみれ」「ミューズの子」など
嘗てこの拙いブログに登場した曲を耳にすると懐かしさが込み上げてくるようです。

収録曲、最後の「ミューズの子」。
明るく軽やかに、そして愉しく歌われ聴いていても愉しい気分になります。
抒情的な曲が主で選曲も素晴らしく思います。
ディースカウとともにシュワルツコップの歌うシューベルトも
心に染み入るものがあります。
2016年、座右のディスクの第1号になりました。

     2016 317ライン イラスト

                Im Frühling :「春に」D.882
                      (詩:エルンスト・シュルツェ)


           わたしは丘の斜面にひっそりと腰をおろす
           空は雲もなく澄み渡って
           そよ風が緑の谷で戯れている、
           その谷で わたしは早春の日差し浴びて
           かつてはあんなにも幸福だったものだ。
           わたしはあの人に寄り添って歩いた、
           あんなにぴったりと、あんなに睦まじく
           そして暗い岩間の泉の深い底に
           美しく澄んだ青空を眺め、
           その空の中のあの人を眺めた。

           見るがいい、すでに蕾や花の中から
           煌びやかな春が姿を現しているのを!
           わたしにとってはどの花も同じというわけじゃない
           わたしが最も好んで摘むのは、あの人が
           昔摘んだ枝に咲いている花だ!
           なぜなら 咲く花も緑の野も、
           みんなあの時のままなのだから。
           陽の光の明るさが減ったとはわたしには思えない、
           泉に浮かぶ青空の映像が
           よそよそしくなったとはわたしには思えない。

           移ろうのは、ただ、人の心、
           喜びと諍いとが場所を変える
           愛の幸せは遠く消えてしまった、
           愛だけが今も残っている、
           愛と、そしてああ、悩みだけが!
           おお、あそこの草原の斜面にいる
           一羽の小鳥がわたしであったなら
           わたしはいつまでもこの丘の枝に止まって
           あの人の想い出を甘く歌っていたい、
           長い夏の日が終わる時まで。
                                   (訳引用:西野茂雄)


             (原詩引用)
           Still sitz' ich an des Hügels hang,
           Der Himmel ist so klar,
           Das Lüftchen spielt in grünen Tal,
           Wo ich beim ersten Frühlingsstrahl
           Enst, ach, so Glücklich war,
           Wo ich an ihrer Seite ging
           So traulich und so nah'.
           Und tief im dunkeln Felsenquell
           Den schönen Himmel blau und hell,
           Und sie im Himmel sah.

           Sieh', wie der bunte Frühling schon
           Aus Knosp' und Blüte blickt!
           Nicht alle Blüten sind mir gleich,
           Am liebsten pflückt' ich von dem Zweig,
           Von welchem sie gepflückt.
           Denn alles ist wie damals noch,
           Die Blumen, das Gefild,
           Die Sonne scheint nicht minder hell,
           Nicht minder freundlich schwimmtim Quell
           Das blaue Himmelsbild.

           Es wandeln nur sich Will' und Wahn,
           Es wechseln Lust und Streit,
           Vorüber flieht der Liebe Glück,
           Und nur die Liebe bleibt zurück,
           Die Lieb' und ach, das Leid!
           O wär ich doch ein Vöglein nur
           Dort an dem Wiesenhang,
           Dann blieb' ich auf den Zweigen hier,
           Und säng' ein süßes Lied von ihr
           Den ganzen Sommer lang.


                       
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Comment

Re: ちょっと遅いですが、あけましておめでとうございます

burleskeさま、すでに11日になってしまいましたが
 明けましておめでとうございます。
私の方こそ、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年もまたスタートはシューベルトの歌曲になりました。
シューベルトの歌曲がなかったら既に5年前にこのブログは消え去っていたのですし、思い入れの強いものが・・・。
やはりシュワルツコップ&フィッシャーのディスクをお持ちだったのですね。
確か数年前にburleskeさまがブログでお取り挙げになっていらっしゃいましたよね。
とても素晴らしい歌唱でシューベルトの歌曲の心を伝えてくれますね。
シューベルトの歌曲ではディースカウが最も気に入っていましたが、シュワルツコップもディースカウと双璧ですね。

burleskeさまのお気に入りでマーラーの「子供の不思議な角笛」でシュワルツコップ&ディースカウの共演があるそうですね。
マーラーの歌曲ではLP時代にディースカウで「亡き児を偲ぶ歌」を聴いたのですが・・・難しい、解らない、になったまま今日に至ってしまいました。
シュワルツコップのシューベルト歌曲もLP時代と今回では受ける印象が自分で驚くほど変わっていました。
もしかしたらマーラーも・・・自分の耳に期待をして歌曲集「子供の不思議な角笛」を機会がありましたら聴いてみることにしますね。
マーラーは昨年も一歩もその作品に近付くことができずでした。
今年(毎年かも)は一歩でも近付きたいと思っているのですが。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2016.01/11 19:44分
  • [Edit]

ちょっと遅いですが、あけましておめでとうございます

luminoさま、あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。

新年最初がシューベルトの歌曲というのはluminoさまらしくて良いですね。
このシュヴァルツコップ&フィッシャーのディスクは僕も持っていますが、聴き惚れてしまいますよね。

ちなみにシュヴァルツコップとフィッシャー=ディースカウが共演しているディスクにマーラーの歌曲集「子供の不思議な角笛」があって、僕のお気に入りの演奏です。
機会があれば聴いてみてください。マーラー入門によいかもしれませんよ。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2016.01/10 19:25分
  • [Edit]

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特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
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