♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.321 リスト:「詩的で宗教的な調べ」 by チッコリーニ

リストの作品を聴きたいと思いディスクを求めたのは
遥か昔々のLP時代のことです。
リストの曲を聴きたいと思うことなく云十年が過ぎました。
過日、何気なく耳に届いた旋律に惹かれるものがありました。
作曲家も曲名も知らずに聴いていましたがリストのピアノ曲で
「詩的で宗教的な調べ」の中の一曲であることを知りました。

「詩的で宗教的な調べ」は10曲から成るピアノ曲集とのことです。
全曲を聴きたくなるほどに惹かれディスクを求めてみました。
アルド・チッコリーニのピアノです。
チッコリーニの演奏を聴くのも初めてです。


            リスト:ピアノ曲集「詩的で宗教的な調べ」(全10曲)
                           by
                      アルド・チッコリーニ


                321リスト:詩的で宗教的な調べ チッコリーニ
                        (収録曲)

              (CD 1)
          1 詩的で宗教的な調べ「祈り」
          2 詩的で宗教的な調べ 「アヴェ・マリア」
          3 詩的で宗教的な調べ 「孤独のなかの神の祝福」
          4 詩的で宗教的な調べ 「死者の追憶」
          5 詩的で宗教的な調べ 「パーテル・ノステル」
          6 詩的で宗教的な調べ 「眠りから覚めた御子への賛歌」
          7 詩的で宗教的な調べ 「葬送」1894年10月
          8 詩的で宗教的な調べ 「パレストリーナによるミゼレーゼ 」
          9 詩的で宗教的な調べ 「アンダンテ・ラクリモーソ」
         10 詩的で宗教的な調べ 「 愛の賛歌 」

              (CD 2)
          1 2つの伝説曲 S.175 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ
          2 2つの伝説曲 S.175 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ
          3 コンソレーション 第1番
          4 コンソレーション 第2番
          5 コンソレーション 第3番
          6 コンソレーション 第4番
          7 コンソレーション 第5番
          8 コンソレーション 第6番
          9 グノーの「ファウスト」からのワルツによるパラフレーズ
         10 ヴェルディ:「シモン・ボッカネグラ」の回想によるパラフレーズ
         11 ヴェルディ:「トロヴァトーレ」ミゼレーレによるパラフレーズ
         12 ヴェルディ:「リゴレット」による演奏会用パラフレーズ

                  アルド・チッコリーニ(P)
               (録音:1968年11-12月 パリ)


作曲されたのは1845年から52年頃までに
主にワイマールにおいて書かれたそうです。
1945年に初稿が書かれ、1847年と1853年に改訂され
現在の形になったとのことです
献呈はカロリーネ・ザイン=ヴィトゲンシュタイン侯爵夫人に。

             321リストAlphonse Marie Louis Prat de Lamartine
           Alphonse Marie Louis Prat de Lamartine
             (1790年10月21日-1869年2月28日)

作品のタイトルは当時フランス・ロマン派の詩人たちを代表する一人として
挙げられるラマルティーヌの代表作で1830年に刊行された詩集「瞑想詩集」に
1834年に作曲しリストが主宰するパリ音楽新の付録として発表されたとのこと。
現在の曲集ではなく単一の楽曲だったそうで
曲集第4曲の「死者の追憶」の原型だったとのことです。
この第4曲はラマルティーヌに捧げられたそうです。

全10曲のうち単独で取り上げ演奏されることが多いのが第3曲と第7曲だそうです。
第7曲は1849年10月に書かれ副題が『1849年10月』となっているそうです。
ショパンの死への哀悼として書かれたとのエピソードもあるそうですが
木村重雄氏の記述によると
1849年10月6日、オーストリアのメッテルニヒによる反動政策に反抗して立ちあがり、失敗して処刑されたリストの祖国ハンガリーの人々で、特に親交が深かったバッティヤ二ー伯、リヒノフスキー侯、ティレキ―男爵を悼み書かれた曲とする説が悲痛なこの曲には相応しく思える、とのことです。

第9曲は無題とのことで速度記号での表記。
最後の第10曲「愛の賛歌」はリストの好みの曲だったそうで
各地で演奏したとのことです。

全10曲の中で気に入ったのが
第3曲「孤独のなかの神の祝福 」 、4曲「死者の追憶」 、5曲「パーテル・ノステル」
第6曲「眠りから覚めた御子への賛歌」です。
特に第3、6曲は10曲の中では大のお気に入りになりました。


第1曲の「祈り」、ディスクが鳴り始めた途端に驚きました。
ピアノの低音域の響きがまるで怒涛・・・と言うと大袈裟なようですが
通常音楽を聴く時の音量でさえ身体に響く感じがします。
このような体験は遠い昔にベートーヴェンの第九をリストが2台のピアノのために編曲をしたディスクを聴いた時にも感じたものでした。
演奏はリチャード&ジョン・コンティグリア兄弟でした。
彼らが使用しているピアノはボールドウィン(SD-10)。
チッコリーニのピアノに彼らの演奏を聴いた時の感動に似た、それ以上の驚愕に近い感動を受けました。
他の曲からも低音域からは同様の驚きを感じつつディスクに耳を傾けてしましました。

気に入った曲の感想だけになってしまいますが
第3曲の 「孤独のなかの神の祝福」 。
15分53秒と曲集の中では長い曲です。
ゆったりとゆったりと流れる時を刻むような調べです。
右手に簡素な伴奏にのり左手は瞑想的な調べを紡ぎだしているよう。
静寂の中でピアノが静かに呟いているような趣を経て親しみを感じる調べが耳に。
静かな調べの中に微かに光が注いでいるような。
いつまでも聴き続けていたいと感じてしまう曲です。

第4曲「死者の追憶」は重々しく厳粛な旋律。
素朴に静かに対話する左手と右手の各パート。
中間で力強い華麗さになり低音域の例の震撼するような重厚な響き。
美麗な趣も漂う曲のように感じられます。

第5曲「パーテル・ノステル」。
克明に刻まれる和音はまるで言葉のようです。
素朴にピアノが唱える主の祈り(?)でしょうか。
印象に残る曲です。

第6曲「眠りから覚めた御子への賛歌」。大好きになった曲です。
タイトルのままの情景が目に浮かぶようです。
静かで優しい旋律。素朴な抒情性も漂っているようです。
心が和み親しみを感じる調べも。
御子の愛くるしさを語り紡ぐようなピアノ。
御子へ注がれる優しい眼差し、爽やかさを感じさせるチッコリーニのピアニズム。
第3曲とともに繰り返し聴いています。


こちらのディスクは2枚組なのですが1枚目ばかりを聴いてしまい
2枚目は1回しか聴いていないのですが。
「2つの伝説曲」も叙情的で愛らしさや繊細さも感じられ魅力的かと思います。
オペラ・パラフレーズ集の4曲は愉しく耳を傾けることができました。
1枚目ばかりを聴いていないで改めて2枚目を聴き直してみたいと思います。

チッコリーニの使用しているピアノは何なのでしょう?
低音域にも驚きましたが中高音域は透明で濁りのない響きに感じられました。
チッコリーニの演奏からとても繊細に一音一音が伝わってくるようです。
使用楽器をブックレットに記載されることを常々望んでいるのですが。
因みに彼は1991年の録音からイタリアの Fazioli を使用したと言われているそうです。
チッコリーニは1年前、2015年2月1日に逝去されているとのことですね。

蛇足。井戸端会議のオバサン話になりますが。自分のメモとして。
チッコリーニが1991年以降の録音に使用をしていたと言われる ファツィオリ。
かのジュリアード音楽院では名器としてスタインウェイしか納入を認めないとの体制を1924年からとっていたそうで。
音楽院内には300台弱のピアノがあるそうですがそのすべてがスタインウェイとか。
2010年になりスタインウェイの納入しか認めない体制が解除され Fazioli を名器として認定し納入を始めたとのことです。


                   

Comment

Re: 「詩的で宗教的な調べ」、渋いですねぇ

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

「詩的で宗教的な調べ」をやはりチッコリーニのディスクでお持ちなのですね。
リストやショパンの作品には「ちょっと・・・」と引いてしまうものがあったのですが、「詩的で宗教的な調べ」のお陰で気分的に払拭されるものがありました。
いつもの私の食わず嫌いだったようで、聴いてみると良いと感じる作品があるのですね。

リストの他の作品でお挙げくださいましたピアノ・ソナタと「巡礼の年」も聴いたことがなくて・・・。
ピアノ・ソナタはルービンシュタインの演奏が見つかりましたので早速聴いてみたいと思います。
「巡礼の年」もディスクを探してみますね。
未知未聴の曲との出合いにはいつも嬉しさを感じてしまいます。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2016.02/08 19:38分
  • [Edit]

「詩的で宗教的な調べ」、渋いですねぇ

リストの「詩的で宗教的な調べ」とはまた渋いですねぇ。
チッコリーニ盤は僕も持っていますが、一回くらいしか聴いていませんでした。
改めて聴いてみると、聴き応えありますね。じっくりと味わい深く聴かせてくれますね。

リストのピアノ作品では、他にピアノ・ソナタと「巡礼の年」も聴き応えがありますよ。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2016.02/07 19:15分
  • [Edit]

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特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
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