♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.323 ベートーヴェン:「ピアノ・ソナタ第20番」 by シュナーベル

ベートーヴェンの作品の中であまり耳を傾ける機会が少ないのがピアノ・ソナタ
ですが他の御方のブログを拝読するととても聴きたくなるのもベートーヴェンピアノ・ソナタです。
昔は分売になっていたバックハウスのLPを一枚づつ買い求め
すべてのディスクが揃った時には嬉しかった懐かしい想い出があります。

珍しくベートーヴェンピアノ・ソナタを聴いてみたくなりました。
が、いまだ曲番と旋律が不一致のままという有様。
七重奏曲と同じ旋律が使われているとのことでシュナーベルのピアノで第20番を聴いてみました。
続いて29番、30番、31番。
ピアノ・ソナタがこのように身近に感じられるのは初めてのことです。
特に第30番にはグイグイと引き込まれてしまっています。

今回ベートーヴェンピアノ・ソナタに嵌り込む(?)キッカケを与えてくれた第20番。
ピアノ・ソナタは当拙ブログに登場するのも初めてかと思います。
この愛らしい曲とシュナーベルに感謝しつつ今日は第20番を。

                  ベートーヴェ:ピアノ・ソナタ第20番
            シュナーベルベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集より 


             323ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第20番シュナーベル
                         (収録曲)

              ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番 Op.31-2
                        ピアノ・ソナタ第18番 Op.31-3
                        ピアノ・ソナタ第19番 Op.49-1
                        ピアノ・ソナタ第20番 Op.49-2

                   アルトゥール・シュナーベル(p)
                      (録音:1932-35年
                          第20番、1933年4月)


           第1楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ ト長調 2/2拍子
           第2楽章:テンポ・ディ・メヌエット ト長調 3/4拍子


シュナーベルのピアノ・ソナタ全集はLP時代に求めたいと思いつつも
諦めていたものでした。
昔々の憧れのディスクです。
1930年代の録音だそうですがまったく不満を感じることはありません。
ヘッドフォンで聴くとノイズが少なからずあることは否めませんが
それでも鑑賞に影響は感じません。
今のところシュナーベルの演奏が一番、心にしっくりとするものがあり
聴いていて安堵感、落ち着きを感じます。

作曲は1795年から97年にかけて作品49として2曲が書かれたそうです。
作品49-1、第19番は1797年
作品49-2、第20番は1796年に作曲されたと推定されるとのことです。
第20番のほうが先に完成したとのこと。

1805年1月に出版され初版のタイトルは「2つのやさしいソナタ」(“Deux Sonates faciles”)と付けられたそうです。
2曲とも献辞がなく、簡素で演奏が容易なことからセイヤーなどは
弟子の練習曲として書かれたものと考えているとのことです。
現在でもこれら2曲は初心者の練習用として弾かれているそうです。

2曲とも8分弱の短いものですが
第20番の愛らしさ、美しさ、親しみ易さ。
初版で「2つのやさしいソナタ」と付けられたそうですが
優しい調べの「優しいソナタ」第20番。


第1楽章の明るい第1主題、明朗な旋律での始まり。
第1主題と似た趣の第2主題も愛らしく可憐な雰囲気。
一点の翳りもない晴天のような旋律が次から次へと。
音符たちは無邪気に愉しく戯れているような。
軽やかで明朗、愛らしい楽章。

前述と重複しますが第2楽章の主題は七重奏曲の第3楽章の主題と同じだそうです。
七重奏曲は1800年4月2日公開演奏直前に完成。
1796年に作曲と推定されるこの第20番は未出版であることから
この第20番の旋律を七重奏曲に転用したとのことです。
馴染みのあるお気に入りの旋律で始まる第2楽章。
明快なロンド主題。
いつ聴いても溌剌で生き生きとしてまた可憐な趣も。
この楽章に漂う明るさ、優しさ、愛らしさは和みの旋律でしょうか。
軽やかに愛らしく曲の終わりに。


気分がホッと寛ぐような第20番。
今迄、じっくりと耳を傾けることがなかった曲です。
シュナーベルのピアノは感情移入を排した質実剛健な調べとして耳に届きます。
因みにバレンボイムのピアノでも聴いてみました。
こちらは第2楽章の速度がとても遅く驚くほどです。
シュナーベル2分58秒に対してバレンボイム4分12秒。
夢想に耽るかのような演奏でシュナーベルとは対照的に感じられます。
個人的な好みはシュナーベルになりそうです。


蛇足。井戸端会議のオバサン話はシュナーベルのこと。自分のメモとして。
ベートーヴェン弾きとして知られているシュナーベル(1882年4月17日-1951年8月15日)。
その名声は1920年代に確立されたそうです。
1927年、ベートーヴェン没後100年の年にベルリンの民衆劇場に於いての7回のリサイタルでベートーヴェンのピアノ・ソナタ32曲、全曲を弾いたそうです。
全曲演奏を初めて達成したシュナーベル。
シュナーベルはこの32曲の楽譜の校訂もして出版されたとのことです。
この1927年の後、1933年に再びベルリンで全曲演奏をし、1934年にはロンドンで。
ユダヤ系であったシュナーベルはナチス・ドイツの台頭にて、1933年スイスへの移住を経て1938年からアメリカに本拠を移しニューヨークでも全曲演奏をしたとのこと。
シュナーベルのベートーヴェンのソナタ全集の録音は当時SP盤で数十枚に及び、レッグによると全15巻のシリーズとなったそうです。価格は現在の貨幣価値で数十万円とか。
因みに全曲録音の表を見ると第20番は1933年4月の録音でした。

1932年から37年にかけて録音された史上初のこの全集は、エンジニアとの間で試行錯誤が続いたそうです。
後にシュナーベルは録音当時について「苦悩を経験し、絶望的な状態」。
その「苦しみのために死んでしまうのではないか」と思うほどだった、と語っているとのこと。
ソナタ全曲に続いて協奏曲5曲、何曲かの変奏曲などベートーヴェンの主要ピアノ曲のほぼすべてを録音したことは前代未聞だっただけでなく、楽譜に忠実な演奏という点でも画期的なものだったそうです。
ベートーヴェンのピアノ曲においてシュナーベルは楽譜に忠実に演奏することを始めた先駆けになったとのこと。
また、シューベルトのピアノ・ソナタを広く知らしめたのがシュナーベルだったとか。
面白い(?)エピソードが目に付いたので。
シュナーベルが9歳頃、1830年生まれポーランド出身のピアノの大家でベートーヴェンの孫弟子であったテオドール・レシェティツキのもとでレッスンが始まってから暫く経った頃に、作曲の勉強をした方がいいと言われたそうです。
母親と共にウィーンで高名な作曲家のもとを訪ねた時のこと。
ドアが開きはげ頭の男が出てきて「何の用だ」と。
「この子に音楽理論を教えていただきたくてお訪ねしました」と答えた母親に「私は子供には教えない」と不愛想に男は言いドアを閉めたそうです。その男がアントン・ブルックナーだったとのことです。
ブルックナーに断られたシュナーベルはブラームスの親友でウィーン楽友協会の司書でもあったオイゼビウス・マンディチェフスキーに理論を学ぶことになったそうです。これが縁となりシュナーベルはブラームスと面識を得たとのこと。
この頃、シュナーベルは作曲家も目指していたそうで、14歳の時にはウィーンの作曲コンテストに参加、最終選考まで残ったそうです。
また14歳の年、1896年にシュナーベルが公の場でプロのピアニストとしてデビューし演奏活動を始めた年だったそうです。

シュナーベルの師、テオドール・レシェティツキはシュナーベルに次のように言ったそうです。
「君は決してピアニストにはならないだろう。なぜなら、君は音楽家なのだから」

シュナーベルの言葉:「私は商品ではありません。私は楽器―音楽を伝える楽器なのです」

                    
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Comment

Re: こんにちは…

ruodlfさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。私の方こそ最近、ご無沙汰をして読み逃げばかりでm(__)m

第20番のソナタをすぐには思い付かなかったとのことで、そのようなお言葉に安心をしてしまう私です。
私自身、第20番を聴いたのも初めてですし。

rudolfさまがベートーヴェンのピアノ・ソナタをお取り挙げになられていらっしゃる記事を拝読させていただくと、聴いてみたくなりディスクを取り出している昨今になりました。
聴いてみて私には難しい・・・と、想っていた曲(後期のソナタ)が今回、急に曲の方から心の中に飛び込んで来てくれました。
とても嬉しく感じました。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタにやっとやっと目覚めたような気がしています。
弦楽四重奏曲とおなじように、いろいろな演奏で聴いてみたくなってきました。
rudolfさまが以前、記事になさりまたコメントでも名前を挙げられていらっしゃるアラウの演奏は是非、聴きたいものといつも思っているのですが、いまだ実現しない有様です。

>演奏と曲の出会いも、ふとしたきっかけかもしれませんね
確かにそうなのですね。
宝物のような出合い。大事にしたい楽しみな出合いのように感じます(*^_^*)
  • posted by lumino
  • URL
  • 2016.02/25 20:15分
  • [Edit]

こんにちは…

luminoさま こんにちは
ご無沙汰しております

ベトベンのピアノ・ソナタ
ずっと聴いてきたようにも感じていますが、このソナタ、すぐに思い付きませんでした、爆
20番はそれほど聴いていなかったと…

シュナーベルの演奏も聴いたかもしれませんが、まったく覚えていませんでした… 「セプテット」同じ旋律使われていますね
よく聴くピアニストが良く弾いているソナタ以外はあまり聴かないものですね

シュナーベルの演奏も良いですね…アラウのものを聴いてみました
色々と持っていても聴かないと意味がありませんね… 反省です
ですが、演奏と曲の出会いも、ふとしたきっかけかもしれませんね

luminoさんのブログから 聴いてみようかと思っています
ミ(`w´彡)
  • posted by rudolf2006
  • URL
  • 2016.02/25 15:36分
  • [Edit]

Re: シュナーベル、良いですね

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

>やはりタイトルが付いている作品以外は、どんな旋律だったか覚えていない作品が多いですね。
何だか、安心をしました。

第20番をシュナーベルでお聴きくださったのですね。
シュナーベル・・・本当に良いですよね。
CD時代になってから久しくブレンデルの全集と付き合ってきましたが・・・シュナーベルの演奏を聴いてやっとやっとベートーヴェンのピアノ・ソナタに目覚めたようです。
演奏者によってこれ程までに違い、シュナーベルの演奏に出合うことがなければ今でも、いつまでもベートーヴェンのソナタに目覚めることがなかったように思ったりしています。

>> ブッシュとかシュナーベルとか、戦前の録音にはなんか最近の演奏では聴かれない独特の魅力があって、惹かれるものがありますね。
私も同じなのです。何故なのかな~と、いつも考えているのですが。
戦前の録音、また往年の演奏家には惹かれるものがあります。
社会情勢も大きく影響しているのでしょうか。2つの大戦があり、第2次大戦では亡命をせざるを得なくなったり、祖国を失い、家族を奪われたりした多くの作曲家や演奏家に想いを馳せてしまいます。
すべてに於いて「必死」を迫られた時代。そのような情勢、環境が演奏に「独特の魅力」を与えているのかと・・・的外れかも知れませんが。

シュナーベルでベートーヴェンの全ソナタを是非!(^。^)
  • posted by lumino
  • URL
  • 2016.02/22 19:58分
  • [Edit]

シュナーベル、良いですね

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ、何回か全曲聴いているのですが、やはりタイトルが付いている作品以外は、どんな旋律だったか覚えていない作品が多いですね。
第20番も聴いたことはあるのですが、すぐに旋律は思い浮かびません。
第2楽章が七重奏曲の第3楽章と同じ旋律だそうで、改めて七重奏曲の第3楽章と一緒に聴いてみました。
シュナーベルで聴いてみましたが、親しみやすい旋律で、愛らしくて素敵な演奏ですね。
シュナーベルのベートーヴェンは久しぶりに聴いたのですが、やはり良いですね。
ブッシュとかシュナーベルとか、戦前の録音にはなんか最近の演奏では聴かれない独特の魅力があって、惹かれるものがありますね。
シュナーベルで他のベートーヴェンのピアノ・ソナタも聴いてみたくなりました。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2016.02/21 18:57分
  • [Edit]

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