♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.324 フォーレ:「ピアノ五重奏曲第1番」 by ダルベルト&エベーヌ四重奏団

再びフォーレに戻ってきました。
楽しみにしつつ待っていたフォーレの室内楽全集が届き早速聴き始めています。
お目当てだったのはピアノ五重奏曲第1、2番、弦楽四重奏曲、ヴァイオリン・ソナタでした。
こちらのディスクはコメントをお寄せ下さいました際にご紹介いただいたものです。
フォーレの作品でできるだけ多くを聴いてみたいと望んでいた私には
理想的な全集でした。

最初に手にしたのはやはり弦楽四重奏曲。
始めてフォーレの弦楽四重奏曲を聴き想像以上に惹かれる曲でした。
次に2曲のピアノ五重奏曲を聴いてみました。
第1番には心酔してしまいました。
今日は強い印象を受けた第1番にじっくり耳を傾けつつ。


                  フォーレ:ピアノ五重奏曲第1番
                   フォーレ室内楽全集より
            324フォーレ室内楽作品全集 カプソン兄弟、ダルベルトエベーヌ四重奏団etc.
                        (収録曲)

               ピアノ五重奏曲第1番ニ短調 Op.89
               ピアノ五重奏曲第2番ハ短調 Op.115
               2台のチェンバロのための初見視奏曲

                     ミシェル・ダルベルト(P)
                     エベーヌ四重奏団
                       (録音:2010年)

           第1楽章:モルト・モデラート ニ短調 4/4拍子
           第2楽章:アダージョ ト長調 12/8拍子
           第3楽章:アレグレット・モデラート ニ長調 2/2拍子


曲の着想は1891年だったそうですが中断をし
フォーレ、58歳の1903年8月にスイスに滞在するようになり再着手され
3年後の1906年夏にチューリヒのシュテルンヴァルテ荘で完成したそうです。

曲は当初、ピアノ四重奏として構想されていたそうですが
書き進めていくうちに楽想が四重奏には収まりきらなくなり
五重奏の形を成していることに気付き中断したとのことです。
再着手をした1903年、フォーレは聴覚範囲が狭まるという
深刻な耳疾患に見舞われたそうです。
この疾患はフォーレの死に至るまで悪化する一方で
耐え難い苦悩を強いるようになったとのこと。
この逆境に打ち勝った記念碑がこのピアノ五重奏曲第1番だそうです。
丸山茂氏によると
「再着手から完成までの3年という長さはフォーレの苦悩を物語る」
との記述がありました。

曲の献呈はベルギーのヴァイオリニストで作曲家、指揮者のウジェーヌ・イザイに。
因みに、イザイはブリュッセルに於いて1888年と1889年に
フォーレのヴァイオリン・ソナタ第1番およびピアノ四重奏曲第1、2番を
イザイ自身が率いるイザイ弦楽四重奏団とともにフォーレと共演していたそうです。

初演は1906年3月23日、ブリュッセルに於いてイザイ弦楽四重奏団と
フォーレ自身のピアノにより行われたとのことです。
パリでの初演は1906年4月30日、ブリュッセルでの初演と同じメンバーにより
行われたとのこと。


ピアノのアルペッジョで始まる第1楽章。
煌めくようなピアノのアルペッジョが続く中、第2ヴァイオリンが加わり
奏される第1主題。
このパートが耳に入った瞬間から曲の虜に。
愁いを含んだような美しさ。
耳にするのが初めてのように感じられる透明な美しさ。
この「美」の虜になってしまいました。
次第に他の弦も加わり厳かな趣さえも。
展開部での弦楽器たちが奏する郷愁を帯びた調べ。
耳を傾けているうちに弦楽器たちの調べが恰も悲鳴、慟哭のように
耳に響いてくるようにも。
高ぶる感情を訴える続けるかのような弦楽器。
ピアノの低音域が全体を支えるかのように強く響く中
緊迫感を抱かせるような弦楽器。
ピアノにアルペッジョが再び戻り高ぶった感情も落ち着きを取り戻すよう。
静かに悲哀を訴え続けるかのように終わる第1楽章。
透明で美しく印象に強く残る楽章です。
お気に入りの楽章になりました。

第2楽章について丸山茂氏の次のような記述が目に付きました。
「溢れる悲愁はフォーレの失われていく聴覚を惜しむ気持ちの表れだろうか。
この透明な音の果てにひそんだ情感こそ音楽の至高な領域に根差すものだ」

第1ヴァイオリンが奏する静かな調べに始まる第2楽章。
第1の楽想でゆっくりと弦楽器たちが奏する旋律に寄り添うピアノ。
5つの楽器たちは静けさの中で言葉を交わしているようです。
その美しさ。第1楽章と同じような透明な美しさを感じます。
第2の楽想になり、動的な旋律を奏する楽器たち。
その旋律に憂愁が漂っているようにも感じられます。
前楽章と同じように弦の調べが慟哭のようにも。
音を引き延ばすようにゆっくりと楽章の終わりに。


楽章の始まりからスケルツォ楽章と感じてしまう第3楽章。
コミカルな表情を見せるピアノ、弦楽器のピッツィカートも同様にコミカルな趣で。
軽妙に語り合う楽器たち。
音量が上がり、躍動的に奏される旋律。
重量を感じさせるようなピアノ。
力強さを感じさせる弦楽器たち。
耳を傾けていて前2つの楽章よりもホッとする気分になるようです。
伸びやかに歌う弦楽器たち。軽やかに寄り添うピアノ。
この曲中では最も生き生きとしたパートでしょうか。
ピアノと弦楽器が奏する調べからは強い生命力と
喜々とした気分が伝わってくるようです。
喜びを感じさせつつ閉じられる曲。


初めて聴いたフォーレのピアノ五重奏曲第1番。

今まで、何気なく普通に使っていた「美しい」という言葉。
この曲、特に第1楽章を聴きつつ「美しさって何?」と自問をしてしまいました。
少なくとも、今まで自分が文字にしたり口にする「美しさ」とは
異質のものを感じてしまいました。
この曲の「美しさ」を言葉で表現しようとすると
曲に漂う「美」を汚してしまうような危惧すら抱いてしまいます。
言葉にできない、言葉にしたくないような「美」でしょうか。
それでも敢えて・・・美しい、という言葉を使って。
透明な美しい曲に感じられます。

ピアノのダルベルトそしてエベーヌ四重奏団の演奏も初めて耳にするものです。
ダルベルトのピアノの美しさに魅了されてしまいます。
第1、第2楽章に漂う透明な美しい曲想が伝わってくるようです。
第3楽章で変化する曲想もダルベルトエベーヌ四重奏団の演奏から
軽妙に生き生きと伝わってくるようです。

フォーレの作品に、またまた心惹かれる曲、演奏に出合うことができたように
感じています。
フォーレ室内楽全集、大切にじっくりと、そしていつまでも共に歩みたいと思う
ディスクたちになりました。

                  
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Comment

Re: フォーレの室内楽は癖になりますね

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

こちらのフォーレの室内楽作品集をご紹介くださいましてありがとうございました。
ピアノ五重奏曲第1番を聴き、またまたフォーレに目覚めた感じがしています。
ピアノ五重奏曲ではユボー&ヴィア・ノヴァ四重奏団がお気に入りだそうですね。
私には未知の演奏者ですが、やはり作品が気に入ると他の演奏も聴いてみたくなりますね。
第2番の方は途中で「?」状態になってしまって、改めてじっくりと聴いてみたいと思います。

フォーレのピアノ曲も魅力的とのことですね。
やはり聴いてみたくなってしまいました。
早速、ショップ・サイトで探してカートに入れてきました。
多くのピアノ曲があるのですね。どのような曲かと興味をそそられます(^^♪
  • posted by lumino
  • URL
  • 2016.02/29 19:41分
  • [Edit]

フォーレの室内楽は癖になりますね

エベーヌSQ、ダルベルト他のフォーレの室内楽作品集、気に入っていただけたようで、なによりです。
フォーレにしては少し雄弁なような気もするのですが、なんか演奏に引き込まれてしまいますよね。
フォーレの室内楽は、luminoさまのおっしゃる通りの〈透明な美しさ〉が魅力的で、癖になってしまいます。
ちなみに、ピアノ五重奏曲ではユボー&ヴィア・ノヴァ四重奏団の演奏も気に入っています。

それから、フォーレは「舟唄」や「夜想曲」などのピアノ曲も魅力的なので、よろしければ聴いてみてください。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2016.02/28 19:55分
  • [Edit]

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特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
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