♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.328 フォーレ:「ヴァイオリン・ソナタ第2番」 by R.カピュソン&アンゲリッシュ

今日もまたフォーレです。
フォーレの室内楽作品全集を求めたお目当ての曲に
2曲のヴァイオリン・ソナタがありました。
お寄せいただきましたコメントを拝読し改めてヴァイオリン・ソナタを聴いてみました。
第2番が心に響くものを感じましたので今回は第2番を。
ルノー・カピュソンのヴァイオリン、アンゲリッシュのピアノです。

           フォーレヴァイオリン・ソナタ第2番 ホ短調 Op.108
                  フォーレ室内楽作品全集より


             324フォーレ室内楽作品全集 カプソン兄弟、ダルベルトエベーヌ四重奏団etc.
                         (収録曲)

                     
            フォーレヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調 Op.13
                  子守歌 Op.16
                  ロマンス Op.28
                  アンダンテOp.75
                  ヴァイオリンとピアノのための初見視奏曲
                  ヴァイオリン・ソナタ第2番ホ短調 Op.108

                     ルノー・カピュソン(Vn)
                     ニコラ・アンゲリッシュ(P)
                        (録音:2010年)


           第1楽章:アレグロ・ノン・トロッポ ホ短調 9/8拍子
           第2楽章:アンダンテ イ長調 3/4拍子
           第3楽章:フィナーレ アレグロ・ノン・トロッポ ホ長調2 /2拍子


作曲されたのは1917年。フォーレは71-2歳頃でしょうか。
1875年にヴァイオリン・ソナタ第1番が作曲されてから42年後に書かれたそうです。
1896年にフォーレはパリ音楽院の作曲家教授に任命され
1905年から1920年までパリ音楽院の校長を務めていたとのことです。
この曲は校長在任中に書かれたそうです。
献呈はベルギー王妃エリザベート・ド・バヴィエールに。
王妃はフォーレと親交のあったウジェーヌ・イザイとも知り合いであり
自身でヴァイオリンを弾いたそうです。
またフォーレの熱心なファンでもあったとのことです。

初演は1917年11月10日、国民音楽協会演奏会に於いて
リュシアン・カぺーのヴァイオリン、アルフレッド・コルトーのピアノにより
行われたそうです。

ヴァイオリン・ソナタ第1番の方が第2番よりも演奏される機会も多く
知名度においても第2番は1番よりも劣るとのこと・・・ですが。
個人的には聴いていて第2番の方が気に入っています。


この曲もまた初めて聴くものです。

ピアノの低音の切迫感が漂う響きで始まる第1楽章。
すぐに加わり第1主題を歌い始めるヴァイオリン。
流麗な趣が漂うヴァイオリンの調べ。
ピアノは華麗に、そしてアルペッジョは
煌めくような美しさでヴァイオリンに呼応。
第2主題ではヴァイオリンとピアノは自由を満悦しているかのようです。
素朴な抒情性を湛えているようで心に残る調べです。
ヴァイオリンとピアノが激しさを感じさせる掛合いも現れ
激情が噴出しているようにも感じられます。
この激しさのうちに迎える楽章の終わり。

ピアノが語るかのように始まる第2楽章。
続くヴァイオリンの調べ。
優しさ、美しさを感じさせる主題です。
この主題は交響曲ニ短調Op.40の緩徐楽章から転用されたとのこと。
中間部でのヴァイオリンとピアノの語り合い。
優しい歌を歌い続けるヴァイオリン。
ピアノは時折、低い響きでヴァイオリンに強く応答するかのように。
この楽章の美しい旋律を耳にしつつ
天空から音符たちが五線紙の上に舞い降りてきたかのような情景を
想い描いてしまいます。
楽章中、歌い続けるヴァイオリン。
常にヴァイオリンに寄り添うピアノ。
ヴァイオリンとピアノの一体感。
2つの楽器の響きは低音になり静かな調べを奏しつつ終わる第2楽章。

軽やかなヴァイオリンとピアノの旋律で始まる第3楽章。
歌うヴァイオリンとピアノ。
時に歌はヴァイオリンとピアノの呟きのようにも。
一抹の寂寥感が漂う悲歌のようにも感じられるようです。
第1楽章で耳にした動機が現れ、ふと懐かしい気分に。
経過句でのヴァイオリンとピアノの上昇する響きから伝わる力強さ。
高揚感が漂っているようです。
再び続くヴァオリンとピアノの流麗な歌。
力強く締め括られ曲の終わりに。


この曲の第2楽章に耳を傾けつつ・・・どうも、フォーレの曲を聴いていると
ついつい「美しさ」というものに想いを馳せてしまいます
柄にもなく、「美とは何ぞや?」の世界に入り込んでしまうようで。
フォーレの音楽に漂う美しさ。

第2楽章に思い浮かぶ言葉は
幻の美しさ。
綺麗な花を見つけ摘もうとすると花は消え虚空を掴むだけの自分の手。
花は蜃気楼。
フォーレの曲を聴くと曲ごとに美しさに対する概念が変わってしまいます。
初めて感じたのは、透明な美しさ。
そして今は、幻の美しさ・・・その旋律美には言葉を寄せ付けないものを
感じるばかりです。

花冷えのこの数日来です。
このような日には殊更にフォーレの曲は合っているような気がしています。

第2楽章の主題についての大宮真琴氏の記述に心を打たれました。
 「歌に溢れ、歌に生きていきた72歳のフォーレが生涯の想いを賭けたかと
  思われるばかりの、無比の歌と言ったらよいであろうか」

このソナタを聴きつつルノー・カピュソンのヴァイオリンの音色に惹かれました。
温もりを感じさせる音色。柔和、ふくよかな音色。
清楚で克明な輪郭の旋律を紡ぎ出しているように感じられます。
ヴィブラートをまったく掛けない、ように聴こえるのですが
ノン・ヴィブラート奏法が曲想を生き生きと、また虚飾なく伝えているように感じます。
アンゲリッシュのピアノはチェロ・ソナタ第2番でも聴いていましたが
好感を抱くピアニズムです。


いつもの蛇足です。井戸端会議のオバサン話。自分のメモとして。
ルノー・カピュソンが使用しているヴァイオリンに好奇心が沸々と湧いてきました。
カピュソンは1737年製のグァルネリ・デル・ジェス「パネット」(「Vicomte de Panette」パネット子爵の意味?)を使用しているそうです。
この「パネット」はアイザック・スターンが使用し、ほぼすべての録音で使用したヴァイオリンとのことです。
カピュソンは「パネット」の前には1721年製のストラディヴァリウスを使用していたとのこと。
スイス・イタリア銀行が2005年12月にカピュソンのために、この「パネット」を購入したそうです。
フォーレのこの曲の録音は2010年とのことですのでカピュソンが使用しているヴァイオリンは「パネット」・・・だと思うのですが?

蛇足の蛇足メモ。
グァルネリ「デル・ジェス」についても好奇心が湧いてきてしまいました。
無知故にグァルネリについてのお勉強を・・・・。
グァルネリ一族の中では高名な三代目のバルトロメオ・ジュゼッペ・アントーニオ・グァルネリ
彼が制作したヴァイオリンには聖ベルナルディーノが掲げた徴「IHS」(イエス・キリストを表す)の3文字の略語が胴の中に貼るラベル記されていることから「デル・ジェス」(del Gesu :イエスの)と呼ばれているそうです。
製作された「デル・ジェス」の本数は200程度と言われているとのこと。
「デル・ジェス」を使用しているヴァイオリニストの一覧とニラメッコを。
お気に入りのヴァイオリニストの名前を見つけてはニコッとしています。
 ユーディ・メニューインは1742年製デル・ジェス「ロード・ウィルトン」
 ヨゼフ・スークは1744年製デル・ジェス「オレンジ公(Prince of Orange)」
他のヴァイオリニストでは。
 アイザック・スターン:1737年製デル・ジェス「Vicomte de Panette」
              (前述のカピュソンが使用しているヴァイオリン)
 レオニード・コーガン:1726年製デル・ジェス「エクス・コラン」と
              1733年製デル・ジェス「エクス・ブルメスター」
 ナイジェル・ケネディ:1735年製デル・ジェス「ラフォン」
 ヤッシャ・ハイフェッツ:1740年製デル・ジェス「Ex.David/Heifetz」
 フリッツ・クライスラー:1740年製デル・ジェス
 ウジェーヌ・イザイ:1741年製デル・ジェス「イザイYsaye」
 ヘンリク・シェリング:1743年製デル・ジェス「ル・デューク」
 ニコロ・パガニーニ:1742年製デル・ジェス「カノン」
 サルヴァトーレ・アッカルド:1734年製デル・ジェス
 ピンカス・ズッカーマン:1734年製デル・ジェス
 チョン・キョンファ:1734年製デル・ジェス
 五嶋みどり:1734年製デル・ジェス「エクス・フーベルマン」 他、略。
現存する「デル・ジェス」は著名な演奏家の大部分に使用されている、とのこと。

                 
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Comment

Re: カピュソンのフォーレ、やはり良いですね

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

burleskeさまが前回お寄せ下さいましたコメントを拝読しR.カピュソンの演奏を聴いてみました。
第1楽章の冒頭部分だけチョッピリ聴いた時と、今回じっくり耳を傾けて聴いてみるのとではまったく違うものですね。
初めて聴いた時には曲そのものからピンと来るものがなくて・・・。
burleskeさまのお気に入りのフランチェスカッティ&カザドッシュ盤。
フランチェスカッティのヴァイオリンもこの曲に合っているのでしょうね。
第1番ですが・・・未だに、あまり・・・なのですよ。
ティボー&コルトーの演奏で機会がありましたら聴いてみたいです。

burleskeさまがこちらのフォーレ室内楽作品全集をご紹介くださいまして、多くのフォーレの室内楽作品を聴くことができるようになりました。
「次はこの曲を聴いてみよう」と少しづつ聴いています。
ありがとうございました。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2016.03/28 19:57分
  • [Edit]

カピュソンのフォーレ、やはり良いですね

カピュソンの第2番のソナタ、改めて聴いてみましたが、やはり良いですねぇ。音色の美しさに聴き惚れてしまいますね。
フォーレのヴァイオリン・ソナタでは他にフランチェスカッティ&カザドシュ盤もお気に入りです。
ちなみに、第1番のソナタならティボー&コルトー盤が絶品です。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2016.03/27 20:05分
  • [Edit]

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