♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.330 シューベルト:「美しき水車小屋の娘」 by ジェラール・スゼー&ボールドウィン

先日、フォーレの「夢のあとに」をジェラール・スゼーの歌で聴いたのが契機となり
スゼーの歌唱と声質の虜になってしまったようです。
スゼーによるシューベルト歌曲集美しき水車小屋の娘」のディスクが
目に付きましたので求めてみました。
2枚組でCD1 が「美しき水車小屋の娘
CD2 にはシューベルトの歌曲が収録されています。

シューベルトの三大歌曲集で一番のお気に入りの「水車小屋」。
お気に入りの作品や演奏家になると幾度も当拙ブログに登場するようになってきました。
「水車小屋の娘」は既に3回も登場していました。
今回はスゼーの歌声で。
第1曲の「さすらい」が流れ出した途端に惹き込まれてしまう魅力ある「水車小屋」です。


             シューベルト歌曲集美しき水車小屋の娘
          ジェラール・スゼー~Schubert: Favourite Liederより


             330「水車小屋」Schubert: Favourite Lieder

                   ジェラール・スゼー(Br)
                   ダルトン・ボールドウィン(P)
                     (録音;1964年6月)


1823年5月から11月の間に作曲されたそうです。
ドイツの詩人ミューラーの「ワルトホルン吹きの遺稿からの詩集」に
付曲をされた20曲からなる歌曲集

             330「水車小屋の娘」
               Johann Ludwig Wilhelm Müller
              (1794年10月7日-1827年10月1日)

ミューラーはベルリン大学で言語学を学んだ詩人で
ギムナジウムの教師などをしていたそうです、
後期ロマン派の詩人の中では最も人気があり
素朴で清新な叙情味のある詩の作風は大衆に喜ばれたとのことです。
「ワルトホルン吹きの遺稿からの詩集」はミューラーの代表作の一つで
1821年に出版されたそうです。

シューベルト詩集のプロローグとエピローグを省略し3つの詩を
取り入れずに付曲をしたそうです。
題名と歌詞のごく一部に変更を行ったほかは大きな改変はないとのことです。

ミューラー詩集への作曲に際しては次のようなエピソードがあるそうです。
曲集が書かれた年の5月頃にシューベルトは友人でオーストリアの
テノール歌手、作曲家のラントハルティンガー(1802-1893)を訪問したそうです。
友人が帰宅するのを待つ間に机の上に置いてあった一冊の詩集を開いたとのこと。
それがミューラーの「ワルトホルン吹きの遺稿からの詩集」。
シューベルトは興味を抱き友人が帰るのを待たず無断で詩集を借りて帰ったそうです。
翌日、ラントハルティンガーがシューベルトを訪ねると詩集の中の3つが
既に作曲されていたそうです。
シューベルトは無断の借用を詫び、出来上がった歌を歌ってみせたとのこと。
このエピソードはラントハルティンガーにより伝えられているそうです。

詩集への付曲は一時中断されたそうです。
歌劇「フィエラブラス」の作曲、その頃から顕著になってきた慢性病にて
入院するという事情があったとのこと。
全曲の完成は秋の終わり頃になったそうです。
完成された正確な日付けとしては第15曲「妬みと誇り」に
1823年10月と記されているのみとのことです。

曲集はアマチュアテノール歌手の友人カール・フォン・シェーンシュタインに
捧げられたそうです。


曲集第1曲の「さすらい」が流れ出すといつも気持ちが晴々とするものを感じます。
スゼーの歌唱でも、また 然り です。

この曲集のほとんどの曲が気に入っています。
特に気に入っているものだけの感想になりますが以下に。

第1曲「さすらい」では人生の旅に出る若者が希望に胸を膨らませている心情を
弾むように歌うスゼー。
詩の終節の「さすらいは私の楽しみ・・・」という個所では希望の中に
一抹の不安を抱いているような心情も伝わるスゼーの歌唱に感じます。

第2曲「どこへ」:「小川よ、どこへ行くのか話しておくれ」の歌詞では
若者が小川に問いかけ、語りかける情景が鮮明に眼に浮かぶようです。
小川に沿って旅を続ける若者の心情を美しく、時には囁きかけるように
そっと歌い上げるスゼー。

第4曲「小川への感謝」:見つけた水車小屋で見習いをすることを決心した若者。
柔和な穏やかさで小川に感謝の気持ちを歌い上げるスゼーの歌唱を耳に
この曲集中では昔から一番のお気に入りの一曲でしたが
より一層、この曲が好きになりました。

第6曲「うたがい」:この曲も嘗てからのお気に入りです。
静かに抒情的に歌い上げるスゼー。
「愛する小川よ、私の知りたいのは、たっと一言なのに、なぜ今日は黙っているのだ。
愛するl小川よ、どうしてお前はそんなに変わってしまったのだ」の歌詞では
抒情的な調べから若者の心の影が伝わってくるようです。

第8曲「朝の挨拶」:素朴に語りかけるように、しっとりと歌われ印象深く残ります。

第12曲「休み」:明るかった若者の心に射す翳。
「竪琴を壁に掛け、緑のリボンを結んだ。胸はいっぱいでもう歌えないし、
どう詩を作ってよいのか分からない」と歌うスゼー。
暗鬱で悲しみが滲み出るようです。聴いていて胸を突かれます。

第13曲「緑のリボンで」:昔々、初めてこの曲集を聴いた時から親しみを感じた曲。
「きれいな緑のリボン。壁に掛けたまま色が褪せてしまうのは惜しい。
『緑は私の好きな色』と恋人が言った。
すぐほどいてお前に上げよう。さあお前の好きな緑だよ」
明るく生き生きと歌い上げるスゼー。

第16曲「好きな色」:悲哀に包まれた若者の悲しみに包まれた心情。
「緑の芝草のなかに私を埋めておくれ。恋人は緑が好きだから。
黒い十字架も、色とりどりの花もいらない。ただ緑一色で彩っておくれ。
恋人は緑が好きだから・・・」
スゼーの歌唱から若者の悲痛な気持ちがひしひしと伝わってきます。

第20曲「小川の子守歌」:今回、スゼーの歌唱で聴き気に入った曲です。
「憩え、目を閉じて。疲れた旅人よ。お前は今、家に帰ったのだ。
ここには真実がある。小川が海に流れ込む日まで、私の側でお休み。
おやすみ。
すべてが目の覚めるまでに、喜びも悲しみも眠りの中で忘れておしまい。
満月は昇り、霧は晴れ、それは何と高く広いことだろう。」 
穏やかにしみじみと歌われるスゼーの歌唱と歌詞が心に染み入ります。

    
この歌曲集を初めて聴いたのはLP時代の遠い昔。ディースカウでした。
長年、「水車小屋」を聴く時の定番ディスクも主にディースカウでした。
他にはプライやヴンダーリヒ、シュライアーも印象深く心に残りお気に入りです。
スゼーの歌で聴き、ディースカウの歌唱と重なり合うようです。
発音がディースカウのように鮮明なことに好感を抱きました。
曲集の素朴さ、抒情性はスゼーの歌唱でより一層、曲が生かされ
親しみ深く心に響くようです。

微妙なニュアンス、繊細な歌い回し。
言葉の一つ一つを慈しみつつ音に変化させ
単語の持つ意味だけに留まらず心が伝わってくるようです。
そしてスゼーの恵まれた声質。
「美しい水車小屋の娘」の素晴らしさを再認識することができたように思います。
スゼーの歌声に出合うことができたことに感謝です。

                    
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Comment

Re: スゼー、お気に召されたようですね

burleskeさま、こんばんは。
いつもコメントをありがとうございます。

そうなのですよ。スゼーがとても気に入ってしまいました。
ですが、発売、取り扱いされているディスクが少ないようで・・・。

> こういうお気に入りの演奏家ができると、なんか嬉しくなりますね
本当にそうですよね。
ディスクを多々聴きたくなり、その演奏家についても知りたくなり好奇心満開状態に突入しています。

ディースカウとヴンダーリヒの「水車小屋」もとても良いですね。
スゼーの「水車小屋」も勝るとも劣らないものと思います。
機会がありましたらスゼーの「水車小屋」をお聴きくださいね。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2016.04/11 19:41分
  • [Edit]

スゼー、お気に召されたようですね

luminoさまはスゼーがお気に召されたようですね。
こういうお気に入りの演奏家ができると、なんか嬉しくなりますね。
僕はスゼーはフォーレの歌曲しか聴いたことありませんが、他の作曲家の作品も聴いてみたいですね。
「水車小屋」はディースカウとヴンダーリヒを持っていますが、スゼーでも聴いてみたくなりました。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2016.04/10 17:45分
  • [Edit]

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特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
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