♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.331 ベートーヴェン:「弦楽四重奏曲第11番 『セリオーソ』」 by タネーエフ四重奏団

イタリア語の “serioso” は「厳粛に」「非常に真面目に」という意味だそうで
そのような曲を聴いてみたくなりました。
ベートーヴェン弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」を聴いてみました。
いつになく、この曲が心に迫ってきます。

手持ちの数種のベートーヴェン弦楽四重奏曲全集の中から聴き
ブダペスト四重奏団タネーエフ四重奏団の演奏が印象に残りました。
二者選択でタネーエフ四重奏団で。
数年前に求めたディスクですが既に廃盤になっているようです。

          ベートーヴェン弦楽四重奏曲第11番 「セリオーソ
       タネーエフ四重奏団ベートーヴェン弦楽四重奏曲全集より


             331ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番タネーエフ
                       (収録曲)CD5
           弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 Op.74「ハープ」
           弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調 Op.95「セリオーソ
                      (録音:1987年)

         第1楽章:アレグロ・コン・ブリオ ヘ短調 4/4拍子
         第2楽章:アレグレット・マ・ノン・トロッポ ニ長調 2/4拍子
         第3楽章:アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ・マ・セリオーソ
                                  へ短調3/4拍子
         第4楽章:序奏~ラルゲット―アレグレット・アジタート ヘ短調


作曲は1810年10月だそうです。
ベートーヴェン40歳頃でしょうか。
この年、ベートーヴェンはゲーテの悲劇「エグモント」のための付随音楽に
力を注ぎ6月頃までに完成をしていたそうです。

              331ベートーヴェン:フランツ・ブレンターノ
             Francesco Domenico Maria Josef Brentano
               (1765年11月17日-1844年6月28日)

この年の5月にベートーヴェンはテレーゼ・マルファッティに求婚をし
断られたとのこと。
また、ゲーテと親交のあったべッティーナ・ブレンターノが来訪し
彼女の兄、フランツ・ブレンターノ、妻のアントーニエと交際をするように
なったそうです。
フランツ・ブレンターノはウィーンの文化人の代表の人物で
妻のアントーニエはマリア・テレジアとヨーゼフ皇帝の
寵臣であったヨーゼフ・フォン・ビルケンシュットック伯の令嬢とのこと。

この曲の草稿には “Quartett serioso” と記入されていたとのことですが
出版の際に削られてしまったそうです。理由は不明。
“Quartett serioso” の呼称はベートーヴェン自身が付けたとのこと。
この曲の完成した後、10年余り弦楽四重奏曲を書くことはなかったそうです。
セリオーソ」の完成に続いて筆を進めたのがピアノ三重奏曲「大公」とのことです。

曲が書かれたのは中期作品の様式を上りつめた頃に当たるとのことで
作風は中期と後期とも異なる独特の様式になっているそうです。
その特色として次の点が挙げられるとのこと。
  構成が著しく緊縮されている。
  情緒的な要素は一層細やかになっている。

初演は1814年5月にウィーンのシュパンツィヒ四重奏団の演奏会において
行われたそうです。

曲はハンガリーのチェロ奏者兼作曲家のニコラウス・ズメスカル(1759-1833)に捧げられたそうです。
ズメスカルはウィーンで若いベートーヴェンと知り合い親交が結ばれ
ベートーヴェンに細やかな好意を示したとのことです。
ベートーヴェンがズメスカル宛てに書いた多くの多くの手紙は
現在も保存されているそうです。
最後にズメスカル宛に手紙を書いた5週間後にベートーヴェは死去。
2人の親交はベートーヴェンの死に至るまで変わることがなかったそうです。


力溢れる演奏で始まる第1楽章。
開始の動機は力強く、また激しさを感じさせます。
この開始動機が全曲の中心の楽想になっているとのこと。
対照的に現れる第1主題は歌うような趣の旋律。
展開部での開始動機を奏するチェロの力強さが印象的です。
楽章の終わりは弱く静かに。
緊張感と力に満ちている楽章の中で第1主題の歌心、和やかな調べが印象的。
激しさと歌の対比が互いの旋律を際立たせているように感じられます。

チェロの規則的なリズムでゆったりと始まる第2楽章。
続く第1主題を奏する第1ヴァイオリンの穏やかさ。
第2主題では4つの楽器のフガートに聴き入ってしまいます。
楽章導入のチェロの規則的なリズムが再び現れ我に帰る想いに。
展開部での楽器たちの対話に耳を傾けつつ
時々使われるトリルが印象的。
静かに終わる第2楽章。そのままアタッカで第3楽章に。

第3楽章の発想記号に記されている “serioso” の文字。
曲の解説の引用です。
「ベートーヴェンが全曲に付けた標題がこの言葉であったのを思い合わせると、
この楽章の気分が全曲の中核として考えられていたのであろう」。

力強い緊張感を伴い始まる第3楽章。
第1主題の跳躍感。
第2主題の伸びやかで美しい調べ。
主題を奏する第1ヴァイオリンに花を添える第2ヴァイオリン。
活力をもって閉じられる第3楽章。

第1ヴァイオリンが静かに語るように始まる第4楽章。
その夢心地の調べを破るかのように登場する軽やかなロンド主題。
愛らしさが感じられる第2主題。
時に激しさを見せる流麗な趣が漂う楽章。
活発に躍動的に迎える曲の終わり。


タネーエフ四重奏団で聴いた「セリオーソ」。
数年前にこちらの全集を求め数曲聴き「全集を求めて失敗した?」と思い
長い間、眠らせたままのディスクでした。
ふと思い出して取り出したタネーエフ四重奏団
他の演奏に比べ荒削りで繊細さには欠ける気がするようにも感じますが。
そしてまた、味気なさも・・・などと書くと、良い点がないようにも・・・。
闊達で、大胆、恰幅の良い演奏でしょうか。
スッキリした演奏のようにも。
「歌」が実直に伝わってくるような演奏が気に入ってしまいました。

対照的に感じられるブダペスト四重奏団の「セリオーソ」。
端正で温か味を感じさせる “serioso” のように感じられます。
じっくり耳を傾けたい時にはブダペスト四重奏団を選ぶと思います。


                 
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Comment

Re: タネーエフQも気になりますが・・・

birleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

「セリオーソ」をブダペスト四重奏団でお聴きになられたのですね。
ブダペスト四重奏団、良い演奏ですよね。タネーエフは聴く必要がないかも・・・。
今回、手持ちのディスク総動員で「セリオーソ」を聴いてみたのですがどの四重奏団(タネーエフ以外)も魅力的ですね。

天災は忘れた頃にやってくる・・・などという言葉がありましたよね。
通用しない言葉ですね。
九州で大きな地震があった記憶がなく、今回は驚きました。
東日本大震災の次に警告がされていたのが南海トラフでしたものね。
何処で何時、大地震があっても不思議ではないのですね。
熊本、大分・・・地震の早い収束を願うばかりです。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2016.04/18 19:54分
  • [Edit]

Re: こんにちは…

rudolfさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

当地も昼前後からの強風もやっと収まりました。
14日の熊本の地震・・・rudolfさまと同じように、被害が大きくならないように、と・・・。
ニュースで伝えられる現況に、言葉が出なくなりつつあります。
「自然の力には人間など抗う力を持ち合わせていませんね」とのrudolfさまのお言葉に同感です。
天災に加え2011.3.11のように人災が起こらないことをひたすら願っています。
川内原発の稼働停止がされないことに対して内心は怒りでいっぱいなんです。

> 「セリオーソ」は中期の曲では一番よく聴く四重奏曲です
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集でrudolfさまの一番のお勧めはズスケ四重奏団(先月頃の記事で拝読させていただいた記憶が正しければ)でしたでしょうか。
ズスケ四重奏団も求めてありましたので「セリオーソ」他を聴いてみました。
ズスケ四重奏団やゲヴァントハウス四重奏団の「セリオーソ」もお気に入りになりました。
タネーエフ四重奏団は他の四重奏団の演奏とは異色なものを感じてしまいます。
素っ気なさ、味気なさ・・・故に「歌」が妙に心に残りました。

> 生きていないと、きっと音楽も聴けないのでしょうね… 大きな自然災害が起こると、「今を生きる」がどれほど大切かと思いますね…
そうなのですね、すべては命ある間だけ。この2年ほど身内の不幸が続いていますので「死」を以前にも増して身近に感じるようになりました。
今回のような大きな自然災害によっても死生観に変化が起きてきています。
そうですね、「今を生きる」。自分なりに精一杯、今を生きること・・・大切なことなのですよね。

人生をも狂わせてしまう自然災害に見舞われている御方々が、一日も早く穏やかな生活に戻れることを祈りつつ。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2016.04/17 20:24分
  • [Edit]

タネーエフQも気になりますが・・・

タネーエフQは聴いたことありませんが、ブダペストQはベートーヴェンの全集を持っているので「セリオーソ」を改めて聴いてみました。
端正で、じっくり聴かせてくれる名演ですね。
タネーエフQも気になりますが、ショップのサイトをみたら、旧ソ連の作曲家の録音が多いみたいですね。

それにしても、また地震。本当にいやですよね。
何事もなく過ごせるだけで充分幸せだと、つくづく感じさせてくれますね。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2016.04/17 19:49分
  • [Edit]

こんにちは…

luminoさま こんにちは…

こちらは今は晴れてきていますが、風が強いですよ、木曜の夜からの地震には驚き、自然の力には人間など抗う力を持ち合わせていませんね…
被害が大きくならないように祈るばかりです

「セリオーソ」は中期の曲では一番よく聴く四重奏曲です
どの弦楽四重奏団の演奏も素晴らしいものが多いですね… ブダペストは聴いたことがありますが…タネーエフは聴いたことがありません

生きていないと、きっと音楽も聴けないのでしょうね… 大きな自然災害が起こると、「今を生きる」がどれほど大切かと思いますね…
(ミ`w´)彡━━┛~~ ' ぷっくぷく~~~
  • posted by rudolf2006
  • URL
  • 2016.04/17 11:47分
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特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
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