♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.334 バッハ:「インヴェンションとシンフォニア」by シフ

J.S.バッハの作品は耳を傾けているととても落ち着いた気分になります。
昨年、バッハの作品をシフの演奏で聴きたいと思い求めたディスクからです。
12枚組のディスクのうちで未聴の「インヴェンションシンフォニア」。
穏やかな雰囲気が漂い親しみを感じつつ耳を傾けています。
気に入った作品になり繰り返し繰り返し、飽きもせずに聴いている数日来です。

              J.S.バッハインヴェンションシンフォニア
        アンドラーシュ・シフ~J.S.バッハ鍵盤楽器のための作品集より


                J.S.バッハ:鍵盤楽器のための作品集byアンドラーシュ・シフ
                        (収録曲)

             インヴェンションシンフォニア BWV.772-801
             4つのデュエット BWV.802-805
             半音階的幻想曲とフーガ BWV.903

                   アンドラーシュ・シフ(P)
                    (録音: 1982-83年)   


タイトルの「インヴェンション」と「シンフォニア」についてですが
インヴェンションは2声部、シンフォニアは3声部の対位法的に
書かれた様々な性格を持つ小曲だそうです。
シンフォニアは3声部のインヴェンションと呼ばれることもあるそうです。

「インヴェンションとシンフォニア」は共に15曲から構成され
作曲技法的には主題以外の素材をまったく使わずに
ひとつの主題だけで曲全体を展開し曲集全体を貫いているとのことです。

                334:バッハ フリーデマン・バッハ
                 Wilhelm Friedemann Bach
               (1710年11月22日-1784年7月1日)

「インヴェンションとシンフォニア」はバッハが長男フリーデマンの音楽教育のために
フリーデマンが9歳2カ月だった1720年1月22日に書き始めたそうです。
バッハは最初から組織的な曲集を考えたのではなく
折々の必要に応じて曲を書き込んでいったそうです。

初稿は「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集」(Klavierbüchlein für Wilhelm Friedemann Bach)の
後半部に含まれているそうです。
フリーデマン曲集では「2声のインヴェンション」は「プレアンブルム;Preambulum」
「3声のインヴェンション」は「ファンタジア;Fantasia」と題されていたそうです。
因みに1722年にまとめられた「平均律クラヴィーア集第1巻」の初稿は
前半部に含まれているとのこと。
その翌年、1723年に「インヴェンションとシンフォニア」の自筆浄書譜が完成。
最終自筆稿には次のような表題が記されているそうです。

「率直な手引き、これによってクラヴィーアの愛好家、とりわけその学習希望者たちに対し
(1)2声部をきれいに演奏することのみならず、さらに上達して
(2)3つのオブリガート声部を正確かつ快適に処理することを学び、
それにあわせて同時に良い着想(インヴェンツィオーレ)を得ることだけではなしに、
それを快適に展開できるようになる。
しかし何よりもカンタービレの奏法を会得し、あわせて作曲することの喜びを強く予感することようになるための、はっきりとした方法が示される。
アンハルト=ケーテン領主殿下の楽長たるヨハン・セバスティアン・バッハ作。
1723年」

この曲集に携わっていた1720年にバッハは最初の妻、マリア・バルバラと死別。
バッハがカールスバートに発つ時には元気に見送ってくれたバルバラの急死。
カールスバートから帰ると既に彼女は埋葬されていたとのことです。
バッハ35歳。
作品では「無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ」の自筆楽譜が書かれ
自筆譜が消失している「無伴奏チェロ組曲」もこの頃に書かれたと
考えられているそうです。
翌1721年12月にツァイツの宮廷トランペット奏者ヨハン・カスパル・ヴィルケの娘
アンナ・マグダレーナと再婚したそうです。


さて、この曲集を初めて耳にした時には
バッハが作曲した練習曲集の一つ、と感じただけでした。
幾度か聴いているうちに印象がガラリと変わってしまいました。
2声のインヴェンションは15曲のほとんどが1分少々。
シンフォニア、15曲も1-2分の曲が多く短い曲ばかりです。
繰り返し聴いているうちに次第に惹き込まれしまいました。
一つの主題だけで他の素材をまったく使用せず、ということですが
一曲、一曲が個性的。
新鮮な調べとして耳に響いてきます。
穏やかで愛らしく可憐な趣の曲集。

シフはこの曲を1977年、及び1982年から83にかけて録音しているようですが
私が聴いたディスクは後者の録音。
いつもながらのシフの演奏。
自然体、端正、緩やかに流れるようなピアニズム。
弱音での優しいタッチ。
装飾音の一音一音にも心根を注ぎ込むように。
聴く毎に新たな印象を受け魅力を感じる演奏です。
シフのピアノで聴くバッハ・・・私にとってのベスト盤です。

このBOXに収録されている「平均律」第1、第2の全曲、「フランス組曲」
「ゴルドベルク」、いずれもお気に入りになっています。
「インヴェンションとシンフォニア」もお気に入りになりました。


いつもの蛇足になります。井戸端会議のオバサン話。自分のメモとして。
インヴェンションの研究で有名なランツホフ(1874-1941年)という人がいるそうです。
ランツホフはバッハのインヴェンションについて次のように述べているとのこと。

「バッハはインヴェンションによって芸術的にも歴史的にもきわめて重要な
新形式を達成した。
ここに見られる手法、つまり数音の小さなモティーフの胚胞主題が成長する。
そしてその主題があちこちに向きを変え、分割、変形され、その内容がくまなく汲みつくされるまで、対位法のありとあらゆる技法によって展開されてゆき、そしてついに全体が部分部分の完全に釣り合った楽曲に仕上げられる。
といった手法はバッハ独自の発見であり業績である。
今日までの器楽すべてが、この有機的なモティーフ展開に負うている。
ヘルマン・クレッチマー(1848-1924年)の言うように
『ドイツ音楽の優越はまさにこの原則に基づくのであり
それはバッハのインヴェンションに始まる』のである。」


                 
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Comment

Re: 「インヴェンションとシンフォニア」は・・・

burleskeさま
コメントをいつもありがとございます。

シフの演奏でのバッハの鍵盤作品集の中で、他の作品ばかりを先に聴き「インヴェンションとシンフォニア」は後回しになってしまい、やっと今頃になって、という感じです。
>なんとなく聴き流してしまって、あまり印象に残っていません
とのご感想を分かる気もします。
気に入っている演奏者で聴いてみると・・・印象も変わるかも、ですね。
ヒューイットは嘗てburlekeさまの記事を拝読させていただいてから
いつかは聴いてみたいと思っていながら・・・特に「平均律」は聴いてみたいです。

burleskeさまとは逆にシフのディスクはこちらのデッカ盤で聴いていましたので
他の録音でも聴いてみたく思っています。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2016.05/09 19:55分
  • [Edit]

「インヴェンションとシンフォニア」は・・・

「インヴェンションとシンフォニア」はピアノでグールドとヒューイット、チェンバロでレオンハルトを持っているのですが、なんとなく聴き流してしまって、あまり印象に残っていません。
まずはお気に入りの演奏家のヒューイットで、改めてじっくりと耳を傾けたいと思います。

シフのバッハはパルティータと平均律の再録音盤は持っていますが、デッカ盤の方は聴いたことありません。
機会があればデッカ盤も聴いてみたいですね。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2016.05/08 19:34分
  • [Edit]

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特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
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