♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.349 ベートーヴェン:「ヴァイオリン協奏曲」 by シュトゥッキ;シェルヘン&チューリヒ・ベロミュンスタースタジオ管弦楽団

ベートーヴェンの作品が続いています。
ベートーヴェンの世界から抜け出せなくなってきたようです。
今回もまたベートーヴェン。今日はヴァイオリン協奏曲です。

演奏は目下大きな関心を寄せているシェルヘンの指揮です。
ヴァイオリンはアイダ・シュトゥック。
ヴァイオリニストのシュトゥッキよりもシェルヘンを聴きたく求めたディスクです。
が、聴いてみると・・・シュトゥッキのヴァイオリンにも耳を奪われてしまいました。

ヴァイオリンのシュトゥッキは初めて目にする名前です。
アンネ・ゾフィー・ムターの師だったそうです。
チューリヒ・ベロミュンスタースタジオ管弦楽団もまた初めてです。


               ベートーヴェンヴァイオリン協奏曲
                           by
     シュトゥッキシェルヘンチューリヒ・ベロミュンスタースタジオ管弦楽団


          349:ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 シュトゥッキ、シェルヘン指揮
                         (収録曲)

          ベートーヴェンヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
          J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042


                (ベートーヴェン)
               アイダ・シュトゥッキ(Vn)
               ヘルマン・シェルヘン
               チューリヒ・ベロミュンスタースタジオ管弦楽団
                 (録音:1949年12月30日 モノラル)

                 (J.Sバッハ)
               ワルター・バリリ(Vn)
               ヘルマン・シェルヘン&ウィーン国立歌劇場管弦楽団
                 (録音:1953年7月 モノラル)


            第1楽章:Allegro ma non troppo ニ長調 4/4拍子
            第2楽章:Largetto ト長調 4/4拍子
            第3楽章:Rondo allegro ニ長調


ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は以前にも綴っていますので重複しますが。
いつものように自分の復習を兼ねて再度以下に。
作曲されたのは1806年だそうです。
ベートーヴェン36歳頃でしょうか。
曲のスケッチが始められた時期について詳しくは解らないそうですが
交響曲第5番の第1楽章のスケッチの中に、この協奏曲の第1楽章の輪郭と
第3楽章の冒頭主題を記したものが認められるそうです。

作曲のスピードはかなり早く進められていたとのこと。
この曲と並行して書かれていたのは
交響曲第4番、第5番、弦楽四重奏曲「ラズモフスキー」だそうです。
この作品が書かれたのは1802年の「ハイリゲンシュタットの遺書」から
精力を取り戻し創作力を漲らせた「傑作の森」と言われる中期の名作が
続々と作曲されていた時期とのことです。

この曲は「ヴァイオリン独奏をもつ交響曲」と言われることもあるそうです。
後のロマン派の時代に書かれるようになった技巧誇示の華やかな
巨匠協奏曲ではなく、ヴァイオリンにかなりの技巧を要求しながらも
豊かな抒情性があり気品をもって壮大に進んでゆくことを所以としてとのこと。

初演は1806年12月13日にウィーン、アン・デア・ウィーン劇場において
フランツ・クレメントの独奏により行われたそうです。
初演の時までに曲が完成していなかったとのことでクレメントは初見で
この曲を演奏にて大きな喝采を受けたそうです。

                 349:ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲Franz Joseph Clement
                  Franz Joseph Clement
             (1780年11月18日-1842年11月3日)

オーストリアのヴァイオリニスト、ピアニストであり作曲家でもあったクレメントは
8歳の時にウィーンでヴァイオリニストとしてデヴューを飾ったそうです。
1802年からはアン・デア・ウィーン劇場のオーケストラのコンサート・マスターに
就任していたとのこと。
演奏は優雅で柔和な表情をもっていたそうです。
この作品の作曲時にベートーヴェンはしばしばクレメントに相談をし
草稿を彼に捧げたそうです。
然し、1809年に初めて楽譜が出版された時にボン時代からの親友の
シュテファン・フォン・ブロイニングに献呈してしまったことでベートーヴェンと
クレメンとの実質的な交際もこの協奏曲で終わってしまったそうです。
しかし、ベートーヴェンはクレメンとの存在を忘れることなく
1824年の会話帳で彼のことに触れているそうです。
1827年には死期の迫ったベートーヴェンをクレメントは見舞ったとのことです。


ティンパニのゆっくりと刻むリズムで始まる第1楽章。
木管楽器の奏する柔和な第1主題。
第2主題も同じく木管が奏する伸びやかな調べ。
オーケストラの力強い演奏に続いて悠とした牧歌的な雰囲気に。
独奏ヴァイオリンが現れ奏する美しく高貴な歌。
落ち着いた響きのオーケストラ。
弦楽器の印象的なピッツィカートを伴奏に歌うヴァイオリン。
美しい音色。美しい調べです。
遺憾なく発揮される独奏ヴァイオリンの魅力。
曲が盛り上がり壮大な趣のオーケストラ。
そしてティンパニの響きの力強さが印象的です。
カデンツァでは芯のある響き、力強さを感じさせる独奏ヴァイオリン。
カデンツァを終え弦のピッツィカートとヴァイオリンが奏する静かな調べ。
力強く閉じられる第1楽章。

弦楽器で静かに奏し出される第2楽章。
穏やかな静けさを湛えた主題は田園の長閑さのようです。
ヴァイオリンの美しい調べに融和するようなクラリネット。
平穏なヴァイオリンとクラリネットが歌い紡ぐ調べ。
主題がバス―ンに変わり美しく歌い続けるヴァイオリン。
穏やかな2者の対話。
トリオでは弦のピッツイカートを伴奏に歌うヴァイオリン。
オーケストラが奏する平穏な旋律は安らぎを与えてくれるようです。
ヴァイオリンの短いカデンツァを経て静かに奏されるヴァイオリンとオーケストラ。
弦のゆったりと優しいピッツィカートをバックに静かに歌うヴァイオリンが印象的。
しみじみと語るような独奏ヴァイオリンの美しさが心の琴線に触れます。
オーケストラも繊細な印象を与える演奏。
美しい楽章・・・いつになく美しく響いてきます。
アタッカで第3楽章に。

第3楽章は軽快なヴァイオリンが奏する主要主題での始まり。
オーケストラも力強く軽快に。
オーケストラからは渾身の力が感じられるようです。
独奏ヴァイオリンとオーケストラが奏する印象的な主要主題の旋律です。
主要主題の合間を縫う副主題ではヴァイオリンは時に甘く美しく歌を歌い。
時には伸びやかな歌を。
独奏ヴァイオリンに呼応するかのようなオーケストラは一貫して力強く。
カデンツァを経て軽快な木管とヴァイオリンの対話。
雄大な趣のオーケストラと独奏ヴァイオリンが力強く切り込むかのように奏され
迎える曲の終わりに。


このディスクの音源はシュトゥッキが所有をしていた78回転盤だそうです。
1949年の録音とのことですが、聴き始めは時代の古さを感じていました。
が、早々に演奏に惹き込まれ録音年代を忘れさせるものでした。
この曲はベートーヴェンの作品の中でもお気に入りの一曲で
機会ある毎に幾多の演奏で聴いてきました。
シュトゥッキとシェルヘン&チューリヒ・ベロミュンスタースタジオO. の演奏は
強く印象に刻まれるものになりました。

              (349)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲Aida Stucki
                       Aida Stucki
                (1921年2月19日-2011年6月9日)

シュトゥッキのヴァイオリンは表情豊かに感じられます。
芯の強い太さ、強さを感じさせるかと思えば
繊細な美しさが発揮された演奏に聴き入るばかりです。
第2楽章を耳にしつつこの楽章の美しさを再認識させてくれたシュトゥッキです。

尚、シュトゥッキは「ヴァイオリン演奏の技法」の著者で、名ヴァイオリニストを
多く育てたカール・フレッシュの弟子だったそうです。
アンネ=ゾフィ・ムターの師でもあったとのこと。
ムターは「この録音はあらゆる弦楽器奏者と音楽愛好家にとって
絶対に必要なもの」と述べているそうです。

さて、関心を寄せているシェルヘン。
前回、ベートーヴェンの交響曲第1番では驚愕を感じたシェルヘンでした。
この協奏曲ではどのような演奏を聴かせてくれるのか興味津々。
シェルヘンの真価(など自分で解っているのかは疑問です)を
感じさせるもののように思われます。
ヴァイオリンの背面からオーケストラの響きが聴こえてくるような録音で
オーケストラは少々、聴き取りにくい個所もありますが
この曲が「ヴァイオリン独奏をもつ交響曲」と言われる所以が理解できるように感じられます。
シェルヘンの指揮棒はオーケストラを真摯に精緻に、渾身の力での演奏を
導き出しているように思われます。

シュトゥッキとシェルヘン&チューリヒ・ベロミュンスタースタジオO. の演奏で
一つまたこの作品の素晴らしい演奏に出合うことができました。
尚、カプリング曲のJ.S.バッハ、ヴァイオリン協奏曲第2番。
馴染み深いこの曲でもシェルヘン&ウィーン国立歌劇場O. の演奏には
魅了されるものがあります。


蛇足。いつもの井戸端会議のオバサン話。メモとして。
このCDのTahraレーベルはよく目にしていたのですがレーベル名しか知りませんでした。シェルヘンの娘ミりアム・シェルヘンと夫のルネ・トレミヌが主宰するフランスの歴史的復刻レーベルとのこと。2014年2月に社主のルネ・トレミヌ氏の急死により、ミりアム・シェルヘンはTahraレーベルの活動を停止したそうです。2014年5月の新譜発売を最後として他商品も再プレスは行われないとのことで残念です。初めてTahraレーベルからリリースされたのがシェルヘンのディスクだったとか。
 
もう一つ。
このディスクに関してのショップ・サイトに掲載されていた平林直哉氏の記述を抜粋引用を。

「昨年末のこと、レコード会社の担当者から「アイダ・シュトゥッキ(Aida Stucki)というヴァイオリニスト、ご存知ですか?」、こう言われて私は反応出来なかった。担当者は続ける、「ムターの先生らしいですよ」。渡されたCDはTAHRAの663という番号のもの。それでも私はピンとこなかった。
 彼女の略歴はTAHRAの解説のよると以下の通りだ。1921年、ヴィンタートゥール出身の父とシチリア出身のもとでカイロに生まれる。母は美声の持ち主であり、シュトゥッキの名前アイダはイタリア・オペラ好きの母からさずけられた。彼女の最初の先生はドイツの指揮者、ヴァイオリニストのErnst Woltersだった。1937年、母の病気のためシュトゥッキはヴィンタートゥールに戻るが、その後カール・フレッシュに師事、さらにチューリッヒではバルトークと交友のあったStefi Geyer(1888-1956)にも師事している。彼女はハスキルともしばしば共演していたらしいが、その後の詳しい活動については触れられていない。
 シュトゥッキとムターとの出会いは1974年、ヴィンタートゥールでムターがメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を弾いた時である(この時、ムターは11歳)。演奏の直前に楽器の調子が悪くなり、それを救ったのがシュトゥッキだった。これがきっかけとなり、ムターは彼女に教えを乞うことになったらしい。
 さて、このCDに含まれる演奏だが、1949年12月30日、ヘルマン・シェルヘン指揮、ベロミュンスター・スタジオ管弦楽団、曲目はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲である。音源はシュトゥッキ自身が所持していた78回転盤(恐らくアセテート盤であろう)とのことで、音揺れや歪みもあり、特に伴奏の音は強い音が終始割れ気味で、決して良いとは言えない。だが幸いなことに、独奏はマイクに近いようで、極めて鮮明に捉えられている」(以下、略)

                   
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Comment

Re: シュトゥッキは・・・

burleskeさま
コメントをありがとうございます。

シュトゥッキは私も初耳でした。
シェルヘンのディスクを探していて偶然に出合うことができましたのでシェルヘンのお陰ですね。
そうですね、ムターの師匠ということでも興味が湧きますよね。
ジワリと心に沁み入るような感銘を受けとても良かったです。
機会がありましたらお聴きになってくださいね。

「改めて聴いてみたい」と思いつつもキッカケがないと、なかなか・・・という事がありますよね。
1回聴いてしまうと・・・。推理小説を改めて読む気にならないのと似ているのかも、ですね。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲が心の中で美しく響き渡り、未だ余韻に浸っています。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2016.08/22 19:42分
  • [Edit]

シュトゥッキは・・・

シュトゥッキは名前すら聞いたことがありませんでしたが、こういうヴァイオリニストがいらしたんですねぇ。
ムターの師匠だそうで、興味が湧きますね。どんな演奏か聴いてみたいです。

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲といえば、以前コメントで書いたズーカーマンの演奏を改めて聴いてみたいと思いながら、まだ聴いていません。
これを機会に聴いてみようと思います。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2016.08/21 19:53分
  • [Edit]

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