♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.360 ベートーヴェン:「ヴァイオリン・ソナタ第5番『春』」 by スーク&パネンカ

ベートーヴェンの作品では弦楽四重奏曲と共に愛着を抱き
お気に入りになっているのがヴァイオリン・ソナタです。
最近、出合ったベートーヴェンヴァイオリン・ソナタ全集のお気に入り
スークパネンカで第5番を。

            ベートーヴェンヴァイオリン・ソナタ第5番『
      スークパネンカベートーヴェンヴァイオリン・ソナタ全集より


             (360(HMV)390 ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第5番~ ヴァイオリン・ソナタ全集 スーク パネンカ)
                         (収録曲)

               ヴァイオリン・ソナタ第4番 イ短調 Op.23
               ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調 Op.24「
               ヴァイオリン・ソナタ第6番 イ長調 Op.30-1

                     ヨーゼフ・スーク(Vn)
                     ヤン・パネンカ(P)
                   (録音:1966-67年 プラハ)


          第1楽章:Allegro ヘ長調 4/4拍子
          第2楽章:Adagio molto espressivo 変ロ長調 3/4拍子
          第3楽章:Scherzo Allegro molto ヘ長調 3/4拍子
          第4楽章:Rondo Allegro ma non troppo へ長調 2/2拍子


作曲されたのは1801年だそうです。
前作のヴァイオリン・ソナタ第4番と同じ時期に書かれたとのこと。
この曲が作曲された時には第5番も作品23に含まれ
作品23は第4番と第5番の2曲だったそうです。
この2曲は1801年10月にウィーンのモロ社から出版され
献呈はモーリツ・フォン・フリース伯爵に。
その後、1802年に第4番は作品23、第5番が作品24と改められたとのことです。

周知にことながら「」というタイトルはベートーヴェン自身が付けたものではなく
曲を聴いた人が後に付けたニックネームだそうです。



流麗な調べの第1主題で始まる第1楽章。
曲の始め、4小節目と6小節目に現れる下降する音型で
2つの音の後の方の音が下がる音型は「願望の動機」とも言われているそうです。
少し長い寄り道になりますが。
「願望の動機」はバロック時代からの一つの書法として定着してきたものとのこと。
ベートーヴェンはこの動機を好み多くの作品に使っているそうです。
その例としては交響曲第9番第3楽章の25小節目からの第2ヴァイオリンと
ヴィオラによるアンダンテ・モデラートの主題などは「願望の動機」だけで書かれているそうです。
この動機はヴァイオリン・ソナタ第1番第1楽章の46小節目、第2主題の中でも使われているとのことです。
ベートーヴェンは「願望の動機」にかなりの愛着を抱いていたようです。

第1楽章に戻り・・・。
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタでは最も有名で耳に馴染み深いこの第1主題。
明るく、柔和、温もり、心が寛ぐような調べ。
一度、耳にしたら忘れられない旋律。
スークパネンカが奏する第1主題が耳に入った瞬間に
今まで聴いてきた演奏からは感じられなかったものが呼び起こされるようでした。   
第2主題が現れ力強さとともに跳躍するような軽妙な趣も。
ヴァイオリンとピアノの軽やかさ。
スークのヴァイオリンの調べには今まで聴いてきた演奏とは違う清明さが
感じられるようです。 
力感をもって閉じられる第1楽章。

ゆったりと奏されるピアノで始まる第2楽章。
また、脱線です。
より一層の幸せの時を望んでいるかのように
前楽章同様この楽章でも20、21小節目に「願望の動機」が使われているそうです。

主旋律を奏するピアノに加わるヴァイオリンはピアノに寄り添うように。
このゆったりとした旋律に流れる穏やかな優しさ、美しさ。
ピアノが奏する調べを反復するヴァイオリン。
静かで穏やかなピアノとヴァイオリンの対話は幸せ物語でしょうか。
この対話の中で一時、ピアノの左手の低音域が強調され
その長い響きの余韻は2つの楽器の対話の背景音のようで印象深いものがあります。
余韻が消え穏やかに続く2つの楽器の対話。
ヴァイオリンとピアノが呼吸を合わせるように奏され閉じられる第2楽章。
心和む調べ。幸福感に満ち溢れた楽章。 
ヴァイオリンとピアノが紡ぎ出す幸せ物語の楽章でしょうか。 

第3楽章は短く、第2楽章から第4楽章へのブリッジ、或いは
間奏的なものだそうです。
軽快なピアノで始まる第3楽章。
ピアノを追うヴァイオリンも軽快に。
トリオではヴァイオリンとピアノが生き生きとした活力を醸し出しているよう。
楽章の終わりも活力を感じさせつつ。

明るいピアノの旋律で始まる第4楽章。
ピアノとヴァイオリンの奏する明朗な第1主題。
ピアノのトリルは弾むような喜びを感じさせるかのよう。
第2主題では重量感を垣間見せるピアノ。
ヴァイオリンとピアノが活発に奏されつつ閉じられる曲。
軽やかなステップで前進するような楽章。


この曲はいつ聴いても和みを感じます。
作曲された時期も近い所為でしょうか
1799年から1800年にかけて書かれた弦楽四重奏曲作品18の6曲のうち
特に作品18-5の第5番に共通するような明るさに好感を抱きます。

スークのヴァイオリンの渋味を感じさせる音色
淡々と奏される調べに清明な趣が感じられ印象深く心に響きます。
他の演奏者では華やかな明るさを感じることが多く
スーク&パネンカの「」が耳に届いた時にハッとするものがありました。
スークの清明な演奏にパネンカのピアノが表情付けに貢献しているようにも
感じられます。
遅まきながら今頃になって出合ったスーク&パネンカの「」。
一番のお気に入りの「」になりました。
手持ちのヴァイオリン・ソナタ全集では座右のディスクの仲間入りをしました。

                
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Comment

Re: スーク、良いですね

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。
今日は立冬なのですね・・・なのに、ベートーヴェンの「春」になってしまいました。

ヴァイオリン・ソナタ全集はスーク&パネンカがburleskeさまのお気に入りとのことですね。
遅過ぎましたがこの演奏に出合うことができて本当に良かったです。
カッチェンのBoxにブラームスのヴァイオリン・ソナタ、スークのヴァイオリンでも収録されていました。
コメントを拝読して早速、第1-3番を聴いてみました。
大好きな第3番の第2楽章は、もう言葉にならないくらいです。
スークのヴァイオリンで聴いていると静かに回顧をしてしまう心境でした。
カッチェンのピアノが回顧に心酔してしまう気分を目覚めさせてくれるようで。
スーク&カッチェンのブラームスも良いですね。
コメントを拝読しなければ、まだ聴いていなかったかと思います。
ありがとうございました。

スークはブラームスのヴィオラ・ソナタも演奏されているのですね。
ディスクは手持ちのものがあるのですが・・・またもや演奏者を忘れてしまいました。
改めて、ヴィオラ・ソナタも聴き直してみますね。

ブラームス・・・やはり良いですね。再び目覚めてきました。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2016.11/07 20:06分
  • [Edit]

スーク、良いですね

この季節に『スプリング・ソナタ』というのもまた一興で面白いですね。
スーク&パネンカのベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集は僕もお気に入りです。渋くて良いですよねぇ。

スークといえば、確かカッチェンのセットにブラームスのヴァイオリン・ソナタが収録されていると思うのですが、お聴きになられたでしょうか?
僕は聴いたことないのですが、スークのブラームスのヴィオラ・ソナタが素敵な演奏だったので、この演奏も気になっています。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2016.11/06 20:04分
  • [Edit]

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