♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.370 ベートーヴェン:「チェロ・ソナタ第5番」 by カザルス&ホルショフスキー

嘗てベートーヴェンチェロ・ソナタの第1番、2番を
カザルス&ホルショフスキー(1939年録音)の演奏で聴き
いつか第3番以降も聴きたい・・・と望みつつ
やっと「いつか」が訪れました。
気が付けば5年も経ってしまいました。
今回はベートーヴェンチェロ・ソナタ第5番を。

               ベートーヴェンチェロ・ソナタ第5番
                  カザルス&ホルショフスキー
         パブロ・カザルス・エディション 第2集《プラド音楽祭》より


          (HMV)370ベートーヴェン.チェロソナタ第5番カザルス.エディション第2集
                         (収録曲)

         
          J.S.バッハ: 無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV.1009
          ベートーヴェン::チェロ・ソナタ 第5番 ニ長調 Op.102-2
          ベートーヴェン:『仕立て屋カカドゥ』の主題による
                       変奏曲とロンド Op.121a 19:50

                 パブロ・カザルス(Vc))
                 ミエチスラフ・ホルショフスキ(P)
          (録音:チェロ・ソナタ第5番 1953年6月)     

          第1楽章:Allegro con brio ニ長調 4/4拍子
          第2楽章:Adagio con molto sentimento ニ短調 2/4拍子
          第3楽章:Allegro ニ長調 3/4拍子


ベートーヴェンのチェロ・ソナタ作品102は2つのソナタでできているそうです。
第4番 作品102-1
第5番 作品102-2
2曲とも作曲されたのは1815年とのこと。
作品102の2つの曲の完成はベートーヴェンの記録に依ると
第4番が1815年7月末ごろ、第5番が8月初旬になっているとのことです。
ベートーヴェンの最後のチェロ作品になるそうです。

作品102の2曲のチェロ・ソナタが作曲された1815年は
ウィーン会議が開催された年だったそうです。
会議は9カ月に及んだとのこと。
この会議による社会のお祭り騒ぎやベートーヴェン自身の身体不調などで
ベートーヴェンの作曲の筆は進まなかったそうです。

             370:ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番(作品102の2曲)Joseph Linke
                     Joseph Linke
               (1783年6月8日-1837年3月26日)

この2曲はイグナーツ・シュパンツィヒが第1ヴァイオリンを担当する
ラズモフスキー家の弦楽四重奏団のチェロ奏者ヨーゼフ・リンケのために
書かれたとのことです。
ラズモフスキー伯爵が1808年にウィーンにいたリンケを自邸の管弦楽団の
奏者として迎え入れたそうです。
同時にシュパンツィヒとリンケを中心に弦楽四重奏団を組織させたとのこと。
リンケは優れたチェロ奏者であり作曲もしたそうです。
彼は1814年にズモフスキー家が火災で全焼し四重奏団が解散するまで
四重奏団の一員として残っていたとのことです。

曲の献呈はエルデーディ伯爵夫人に。
伯爵夫人はベートーヴェンの音楽の良き理解者であり相談相手でもあったそうです。
ラズモフスキー家の弦楽四重奏団の技量を高く評価し
楽員とも親しく付き合っていたとのことです。
伯爵夫人はルドルフ大公、キンスキー侯爵そしてロブコヴィッツ侯爵の3人が
設定したベートーヴェンの年金問題についても尽力をしたとのことです。

ベートーヴェンはリンケのため、及びこの年の5月に息子を亡くし
ピアノが達者な伯爵夫人を慰め、感謝をする意味で
2曲のチェロ・ソナタを作曲するに至ったそうです。


上行するようにピアノが奏し活気を感じさせる第1主題で始まる第1楽章。
続くチェロも軽快に始まり、すぐに荘重な調べに。
ピアノとチェロの力強い応答を経て第2主題に。
跳ねるかのような愛らしさも感じる第2主題。
この主題の歌のような調べは心に残ります。
ピアノとチェロは伸び伸びと生き生きと会話を弾ませているよう。
コーダでピアノがクレッシェンドしてゆく様は華々しくまた力強さを感じます。
この盛り上がりのなか閉じられる第1楽章。

前楽章から一転してチェロとピアノが静かに暗い旋律を奏して始まる第2楽章。
第1部で主題に漂うチェロの調べの深い寂寥感。
チェロに寄り添うホルショフスキーのピアノからは
優しく慈しむような感じも受けます。
ふと気付くと旋律に漂う暗鬱さは長閑な趣に。
第2部になり穏やかに語るチェロ。
チェロとピアノの調べには明るさが感じられるように。
優美な雰囲気も醸し出されているよう。
第3部になり再び第1部のような暗さが戻り。
沈み込むチェロとピアノの調べ。
チェロが深く長い呼吸をするかのように奏され
ピアノも断片的な想いを語るかのよう。
耳を傾けていると心が静まるような気がする楽章です。
曲の中ではお気に入りの楽章に。

チェロ、次にピアノが音階風に奏され始まる第3楽章。
2つの楽器が奏するフーガ主題からは躍動的な雰囲気が。
活発に「動」を感じさせるチェロとピアノ。
チェロの奏する新たな主題の登場で
奏される2つの楽器からは壮大な趣を感じます。
鋭い切れとともに力強く迎える曲の終わり。


厳格さを感じさせるような第5番。
この曲の中では第1楽章の第2主題が歌を感じさせ趣で心に残ります。
第2楽章ではカザルスの凛とした趣で奏されるチェロを
優しく包み込むようなホルショフスキーのピアノが印象的です。
第3楽章のフーガでは一糸乱れないカザルスとホルショフスキー
聴いていて緊張感を抱きつつも耳を奪われてしまいます。

昨年、出合った書籍で感銘を受けた一冊に
アルバート・E・カーン著「パブロ・カザルス 喜びと悲しみ」があります。
この書の中でホルショフスキーについてのカザルスの一文を通し
ホルショフスキーに関心を抱き始めました。
プラド音楽祭の演奏を聴いてみたい、との想いが募ってきた折りに
こちらの カザルス・エディション第2集を知り求めてみました。
昨年来、少しづつディスクを聴いているお気に入りのBox の一つです。
この Box に収録されているカザルス&ホルショフスキーの演奏他に
これからもじっくりと耳を傾けてゆきたいと思うこの頃です。

                
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Comment

Re: カザルス、良いですね

buleskeさま
コメントをいつもありがとうございます。

ベートーヴェンのチェロ・ソナタではカザルス&ゼルキンとの全集がお気に入りだそうですね。
カザルス・エディションの収録曲を探してみましたら、ゼルキンとの5曲(1953年録音)が見つかりました。
あと、ロストロポーヴィチ&リヒテルの5曲(Ⅰ961-63年)も手元にありました。
カザルス&ゼルキンの方は未聴ですので聴いてみますね。
ロストロポーヴィチ&リヒテルは全曲を聴いていないので、この機会に聴いてみたいと思います。
コメントを拝読しなければ手持ちのディスクの確認をせず、聴き逃すところでした。
ありがとうございました。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2017.01/17 19:57分
  • [Edit]

カザルス、良いですね

カザルス&ホルショフスキーの第5番のソナタは1958年のライヴを持っています。カザルス晩年の演奏なので、技術的にはぎこちないところがありますが、独特の味わいがありますね。
カザルスのベートーヴェンのチェロ・ソナタはゼルキンとの全集がお気に入りですが、ホルショフスキーのピアノも良いですね。

ベートーヴェンのチェロ・ソナタでは最近改めて聴いたロストロポーヴィチ&リヒテルの演奏も気に入っています。

  • posted by burleske
  • URL
  • 2017.01/16 17:33分
  • [Edit]

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