2017.01/28(Sat)

Op.372 ベートーヴェン:「ピアノ・ソナタ第16番」 by アシュケナージ

前回、ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第6番を聴き
アシュケナージのピアノを聴きつつベートーヴェンピアノ・ソナタ
アシュケナージの演奏で聴いてみたくなりました。
中期以前のピアノ・ソナタを聴いてみたくなり第16番を聴いてみることに。
たぶん初めて耳にする曲ではないかと・・・。
曲が流れ始めた瞬間、明るさに惹かれてしまいました。

                  ベートーヴェンピアノ・ソナタ第16番
          アシュケナージベートーヴェンピアノ・ソナタ全集より


                 372(345) ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第16番 全集 アシュケナージ
                          (収録曲)

           ベートーヴェンピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 Op.27-2
                     ピアノ・ソナタ第15番 ニ長調 Op.28
                     ピアノ・ソナタ第16番 ト長調 Op.31-1

                  ウラディミール・アシュケナージ(P)
                      (録音:1977年 ロンドン)


              第1楽章:Allegro vivace ト長調 2/4拍子
              第2楽章:Adagio grazioso ハ長調 9/8拍子
              第3楽章:Rondo, Allegretto ト長調 2/2拍子


第16番 作品31-1。
作品31は3曲のソナタでなっているそうです。
 作品31-1 ト長調 第16番
 作品31-2 ニ短調 第17番≪テンペスト≫
 作品31-3 変ホ長調 第18番
これらの3曲のソナタは1801年から翌1802年にかけ並行して
書かれたそうです。
1802年の初めには完成、或いは大体の作曲は完了していたとのこと。
最初に出版をされたのは第16番、17番。
1803年4月にチューリッヒの出版社、ハンス・ゲオルグ・ネーゲリにより
彼の編集する「クラヴサン奏者演奏曲集」として出版されたそうです。
第18番は1804年5月或いは6月にピアノ・ソナタ第8番≪悲愴≫との組み合わせで
出版されたとのことです。
1804年にジムロック社から作品31の3曲がまとめて出版されたそうです。
自筆譜は紛失しているとのこと。
尚、この作品31には献呈者がいないそうです。


アシュケナージで聴くベートーヴェンのピアノ・ソナタ第16番。

弱音のピアノで軽やかに始まる第1楽章。
この第1主題は軽快な動機と付点リズムの動機からなっているそうです。
軽快さに付点リズムが溌剌とした雰囲気を加味しているような第1主題。
耳と心を釘付けにされる第1主題の晴れやかさ。
第2主題では弾むようなピアノ。
耳を傾けているうちにアシュケナージの指が鍵盤の上で
軽やかに舞っているような連想を。
この第2主題の軽快に弾む明朗さと親しみやすい旋律がとても印象的。
展開部では第1主題が主役でしょうか。
強音と弱音が交互に現れる第1主題。
経過部での華麗なピアノの旋律も印象に残ります。
コーダは独特な感じで、第1主題が度重なる休止を挟み奏されつつ
柔和な雰囲気で終わる第1楽章。

第2楽章は古くから南ヨーロッパの情緒を多くの人に連想させたそうです。
ピアノのトリルで始まる第2楽章。
この楽章は三部形式とのことで第1部では右手が奏する旋律の歌の優しさ。
歌は左手に移り変わることのない歌の甘美な趣。
夢見るかのような穏やかで優しい調べに聴き入ってしまいます。
中間部に入りスタッカートで奏されるゆったりとした旋律。
右手と左手が奏する鍵盤の対話からは無邪気な雰囲気も感じられるよう。
第3部ではスタッカートがあたかも通奏低音のように奏されつつ耳に届く旋律も
また歌を聴いているようです。
静かにゆっくりと閉じられる楽章。

優しく歌いだされるロンド主題で始まる第3楽章。
優しい歌から明るく活発な雰囲気に。
ロンド主題に似た趣の第2主題では盛り上がりも。
再びロンド主題に。
展開部では音楽が拡張されるような趣を感じます。
コーダでは変化するテンポの「動」と「静」。
左手の重々しく迫力のあるトリルを経て速いテンポで力強く
そして華々しく迎える曲の終わり。


たまたま聴いてみたベートーヴェンのピアノ・ソナタ第16番。
微塵の屈託も感じさせない明るい第1楽章。
第2主題はとても心に残り曲が終了してもこの主題が
脳裏の中で木霊をしているようです。
第2楽章ではトリルとスタッカートの多用さで動的な趣が印象的。
明るく活気を感じさせる第3楽章。
軽快で明るく、元気溌剌とした雰囲気が曲全体に感じられ
肩の凝らないソナタでしょうか。
あまりにも明るい曲で物足りなく感じる・・・という
贅沢な気持ちも微かに抱きつつも
ベートーヴェンのピアノ・ソナタの新たな一面に触れることができたように思います。

アシュケナージ、40歳頃の若い日の演奏になるのでしょうか。
ピアノの音色の美しさ、力まない軽やかなタッチにも惹かれます。
アシュケナージに抱いているイメージに
この曲はに合っているような気もしていますが。

                  
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タグ : ベートーヴェン ピアノ・ソナタ アシュケナージ

19:27  |  ベートーヴェン  |  TB(0)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●Re: お早うございます…

rudolfさま、こんばんは。
もう2月なのですね、本当に早いこと。
今年もアッというまに一年が過ぎ去ってしまいそうです。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタはrudolfさまとは逆に、長年、苦手なジャンルでした。
第16番も暗中模索の状態で選んで聴いてみた有様です。
ruodlfさまのブログを拝見して求めたBoxで Rudolf Serkin plays Beethoven を出してきました。
まだ、ゼルキンで第16番は聴いていませんでしたので聴いてみたく思います。

> アシュケナージは若い頃の録音くらいしか聴いたことがありません 
> 色々と聴きたいと思いますが… なかなか
そうですよね、聴きたいものがあっても・・・。
多くの曲を聴きたくて求めても聴くのが追い付かずでしたり。
本当に、なかなか・・・ですね。

ありがとうございます。
ruodlfさまもどうぞご自愛をなさってくださいね。(*^_^*)
lumino | 2017.02.01(水) 20:16 | URL | コメント編集

●お早うございます…

luminoさま
お早うございます…
もう2月に入りましたね…

ベトベンのピアノ・ソナタ
相当に聴いてきたと思うのですが、16番と聞いても 思い出せませんでした…爆
それで 今朝はゼルキン師の録音を聴いてみました
少し思い出しました…爆
アシュケナージは若い頃の録音くらいしか聴いたことがありません 
色々と聴きたいと思いますが… なかなか

寒くなっていますから お身体をご自愛くださいね
ミ(`w´彡)
rudolf2006 | 2017.02.01(水) 07:47 | URL | コメント編集

●Re: ピアノ・ソナタ第16番は・・・

burleskeさま
コメントをありがとうございます。

第16番をアラウでお聴きくださったのですね。
早速、アラウ(第2回目の録音の全集から)で聴いてみました。
アシュケナージとは受ける印象がだいぶ違うように感じました。
アラウ・・・良いですね。
大のお気に入りの第1楽章の第2主題では殊更に耳を釘付けにして聴いていました。
素朴な趣も感じられより一層好きな主題になりました。
第2楽章もじっくり耳を傾けたくなる演奏で・・・。
コメントを拝読させていただき聴いたアラウの演奏には
温かな情感が漂う第16番のように感じられ、とても気に入りました。
聴いてみて良かったです、ありがとうございました。
lumino | 2017.01.30(月) 19:55 | URL | コメント編集

●ピアノ・ソナタ第16番は・・・

ピアノ・ソナタ第16番は滅多に耳にしない作品ですが、改めて聴くと魅力的ですね。
とりあえずアラウで聴いてみましたが、他の演奏でも聴いてみたくなりました。

アシュケナージのピアノは最近はベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタとピアノ・トリオでしか聴いていませんが、美しく明快でよいですね。
久しぶりにソロの演奏も聴いてみようと思います。
burleske | 2017.01.29(日) 20:51 | URL | コメント編集

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