♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.373スメタナ:弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」 by スメタナ四重奏団

偶然、耳に入ってきた旋律。
スメタナの弦楽四重奏曲第1番から第4楽章だったようです。
スメタナがお目当てで求めたディスクは嘗て一度もない有様。
「わが祖国」「モルダウ」など有名な曲があるにも拘らず
疎遠を通り越して無縁な作曲家だったように思います。

スメタナの弦楽四重奏曲第1番を是非、聴いてみたくなり
今更ながらにスメタナ四重奏団のディスクを入手してみました。
ディスクが届いてから毎日、耳を傾けている我が身の変わり様です。
スメタナの音で綴った弦楽四重奏曲第1番をスメタナ四重奏団で。

             スメタナ:弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」
                       スメタナ四重奏団


             (373)スメタナ.弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」スメタナ四重奏団

                          (収録曲)
           スメタナ:弦楽四重奏曲第1番 ホ短調 「わが生涯より」
                 弦楽四重奏曲第2番 ニ短調

                       スメタナ四重奏団
                    (録音:1976年2月12日-16日 プラハ)


          第1楽章:Allegro vivo appassionato ホ短調 4/4拍子
          第2楽章:Allegro moderato a la polka ヘ長調 2/4拍子
          第3楽章:Largo sostenuto 変ニ長調 6/8拍子
          第4楽章:Vivace ホ短調-ホ長調 2/4拍子


スメタナが遺した2曲の弦楽四重奏曲のうち第1番。
作曲の着手は1876年10月、同年暮れに完成したそうです。
曲の完成時には「わが生涯より」との副題は付けられていず
1879年3月25日の公開初演の際に付けられたとのことです。
自叙伝的な標題音楽とのこと。

この第1番についてスメタナは親友で著述家ヨゼフ・スルプ=デブルノフ
(1836-1904年)宛ての書簡の中で
「私の人生の思い出と、完全な失聴というカタストロフィーを描いた」
と述べているそうです。

スメタナの生涯についてまったく無知ですので
メモとしてCDの結城亨氏の解説からの引用を。
 「スメタナの生涯は実に波乱に富んだ一生であった。恋人カテルジナと結婚して幸福だったのも束の間、4人の娘のうち3人までもが次々病死したのに加え、愛妻も胸を病んで若死にしてしまった。
そして更にスメタナ自身も40歳頃から耳の病に冒されて次第に悪化、最後は精神異常を来して病院で60歳の生涯を閉じたのであった」

重複しますが手持ちの解説書からも引用を。

1849年、スメタナはカテジナ・コラジョヴァーと結婚。1859年に死別。
1874年7月、スメタナ54歳の時に失聴の微侯を自覚したそうです
8月には幻聴と強い耳鳴りに悩まされるようになり
秋が深まる頃には完全に失聴をしたとのことです。
名医たちの診察や治療を受けたそうですが効果はなく
スメタナの生涯における最も輝かしいページは終焉を迎えたそうです。
あらゆる公的な地位から引き下がり余生を作曲に送るしかなくなったとのこと。

1876年6月からスメタナは娘夫妻を頼りプラハの北東部にある村ヤブケニツェに
隠匿をして作曲に専念をしたそうです。
ヤブケニツェに於いて交響詩組曲「わが祖国」の完成
そしてプラハからヤブケニツェに転居をした4カ月後に誕生したのが
この弦楽四重奏曲第1番だそうです。

初演は1877年4月から6月にかけて(1879年3月26日の説も)
プラハのヨゼフ・スルプ=デブルノフの家で何回か試演をされていたそうです。
その時にはヴィオラをドヴォルザークが受け持ったとのこと。
公開初演は1879年3月29日、プラハの神学校の講堂で4名の奏者により
行われたそうです。
4名の奏者はスメタナが隠遁前に指揮者を務めてた国民劇場完成までの
仮劇場の管弦楽団の中心メンバーたちだったそうです。
この公開初演は成功を収めたとのこと。
公開初演は元来1877年2月のプラハ室内楽協会発足記念の演奏会で
初演される予定だったそうですがドイツ系の人々との反対があり
また、技術的に難しすぎて弾けない、様式的に問題がある、などの
言いがかりを付け外されたと推測されるそうです。

スメタナは友人のスルプ=デブルノフ宛ての書簡において
この作品の標題について詳しい説明を書いているそうです。
各楽章の冒頭にメモとして書簡に記されたスメタナの説明を引用。


第1楽章
「私の青年時代の強い芸術愛好、ロマンティックな雰囲気、自分ではよく分からない何かへの言い表し難い憧れ、それに、将来の不幸の知らせをも描いている」
 
ヴァイオリンが小刻みで弱く奏されるなか
ヴィオラが奏する第1主題の動機で始まる第1楽章。
第1主題の不安、緊張感。劇的な趣も漂っているよう。
第2主題では第1ヴァイオリンが奏する抒情性漂う調べ。
この主題の穏やかな旋律は第1主題の緊張感を解すかのようです。
印象に残る調べ。
ヴァイオリンの力度が強くなり情熱的な雰囲気に。
展開部で現れる第1主題からは激しい感情の高まりが感じらるよう。
この楽章の内省的で多様な心の在り様、時には激しく、時には寂しげな趣が
パノラマのように展開する楽章でしょうか。


第2楽章
「ポルカ風の楽章で、私の心に楽しかった青年の日々を甦らせる。その頃私はダンス音楽を作曲し、至るところで熱烈なダンス狂として知られていた。」

第1楽章の趣からは一転して4つの楽器たちが明朗に奏し始める第2楽章。
何とも愉しげな雰囲気。
ポルカのリズムで軽快で明朗に楽器たちも愉しげに奏されているよう。
第2ヴァオリンが現れ引き延ばすように奏され独特な雰囲気が。
この第2ヴァイオリンのパートには「トロンバ風のソロ」と記され
ポスト・ホルンのファンファーレのような響きが求められているそうです。
このパートはスメタナの旅行好き表しているとのことです。
そして明朗なトリオに。
主題の回想をするコーダを経て閉じられる第2楽章。


第3楽章
「このクァルテットを弾かれた方々のご意見では、演奏不可能という楽章であるが、のちに私の忠実な妻となった少女との初恋の幸福な思い出を私によみがえらせてくれる」。

威厳を感じさせるく暗いチェロの調べで始まる第3楽章。
静かで寂寥感を湛えた調べは美しくもあり、悲しげでもあり心に沁みる。
一時、4つの楽器が揃って奏され激しさも。
静かに閉じられる第3楽章
回顧するような趣で心に残る楽章。
スメタナにとっては「幸福な想い出」とのことですが・・・。
悲しみのベールに包まれた旋律として耳に響きます。


第4楽章
「民族的な要素を音楽で扱う未知を見いだし、せっかく仕事が軌道に乗り出して喜んでいたところへ、失聴になるというカタストロフィーが襲いかかってきて、挫折させられるまでを描く。それと、悲惨な先の見通しや、一抹の回復への希望も描いている。だが、それにしても、それまでの私の先行きが楽しみだった経歴を思い出すと、やる方ない無念さが胸に込み上げてくる」

軽快でリズミカル、溌剌と始まる第4楽章。
この第1主題の明るさ、活発さ。
第2主題では第1ヴァイオリンが主奏する旋律の何と愉しげな雰囲気。
この曲の中で最も愉しさを感じさせる旋律。
楽器たちも愉しげに弾む心で歌っているよう。
展開部では活き活きとした主題の変容。
再現部での愉しげな雰囲気が終わる頃に
速度を上げた後、奏されるトレモロ。
第1ヴァイオリンから金属的な高い音が出され
これは失聴の始まりを告げる突き刺すような耳鳴りの音、とのこと。
激変する音楽。
コーダでは暗澹とした雰囲気を経て現れる穏やかさ。
静かに消え入るように奏され、無音の中でチェロが弱いピッツィカートを3回奏し
迎える曲の終わり。


曲を聴き終え追悼番組でも観終えたような後味です。
曲の終わりのチェロのピッツィカートからは心臓の鼓動を連想し
鼓動が止まるように曲も終わりを迎えるように感じます。

第2番は第1番の姉妹作とのことですので
第2番にもじっくりと耳を傾けてみたいと思います。

スメタナ四重奏団の4者対等な演奏。
スメタナの息吹が伝わってくるようであり
スメタナの生涯を観ているような想いも抱きます。
目下、繰り返し聴いていたくなる一曲、演奏です。

                  

Comment

Re: スメタナのスメタナは・・・

burleskeさま
いつもコメントをありがとうございます。

この曲を聴き、今までスメタナの作品に耳を傾けることのなかった長い年月に悔いの念を抱いてしまいました。
遅まきながら、出合うことができて本当に良かったです。
スメタナ四重奏団で聴く前に手持ちのディスク(ヴェーグ四重奏団)が目に付きましたので、聴いてみましたが・・・。
スメタナ四重奏団の演奏を聴き印象が俄然として変わりました。
スメタナ四重奏団のこの演奏、ディスクは名盤ということに頷いてしまいます。
burleskeさまはターリヒ四重奏団の演奏もお気に入りとのことですね。
この曲もいろいろな演奏で聴いてみたい一曲になりました。

スメタナの作品にピアノ三重奏曲があるそうですが、その存在すら知りませんでした。
是非、聴いてみたくなりました。
ボザール・トリオのBoxに収録されているのことで・・・気付かず、でした。
お知らせくださいましてありがとうございます。
早速、聴いてみますね。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2017.02/06 19:50分
  • [Edit]

スメタナのスメタナは・・・

スメタナSQの「わが生涯」は定盤の名演ですよね。
久しぶりに聴いてみましたが、やっぱり良いですね。演奏に引き込まれてしまいました。
他ではターリヒQの演奏もお気に入りです。

スメタナの室内楽ではピアノ・トリオも良いですよ。ボザール・トリオのBOXに収録されているので、よければ聴いてみてください。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2017.02/05 20:10分
  • [Edit]

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特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
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