♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

Entries

Op.393 ベートーヴェン:「弦楽四重奏曲第7番『ラズモフスキー第1番』」 by エマーソン弦楽四重奏団

最近、私にとっての作曲家3Bはベートーヴェン、ブラームスそしてブルックナーに
なってきているようです。
今日はベートーヴェンです。
弦楽四重奏曲から
久し振りに昔々から好きだった「ラズモフスキー」を聴いてみました。
今日は「ラズモフスキー第1番」を。
聴いてみたいと願っていたエマーソン弦楽四重奏団です。


        ベートーヴェン弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」
      エマーソン弦楽四重奏団ベートーヴェンン、弦楽四重奏曲全集より


            392:ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番 全集エマーソンSQ
                         (収録曲)

         弦楽四重奏曲第7番 ヘ長調 Op.59-1「ラズモフスキー第1番」
         弦楽四重奏曲第8番 ホ短調 Op.59-2「ラズモフスキー第2番」

                    エマーソン弦楽四重奏団
                  (録音:1994-95年 ニューヨーク)
    
      第1楽章:Allegro ヘ長調 4/4拍子
      第2楽章:Allegretto vivace e sempre scherzando 変ロ長調 3/8拍子
      第3楽章:Adagio molto e mesto ヘ短調 2/4拍子
      第4楽章:Theme Russe, Allegro ヘ長調 2/4拍子



1年半ほど前に登場したベートーヴェンの弦楽四重奏曲第9番
ラズモフスキー第3番」。当時と重複をしますが覚書として。

ベートーヴェンの作品59の3曲の「ラズモフスキー」はベートーヴェンが
35-6歳の時、1805年から翌1806年にかけて作曲されたそうです。
着手については「ラズモフスキー第1番」の草稿に「1806年5月26日着手」と
記されているとのことです。

この作品59-1、「ラズモフスキー第1番は」3曲の「ラズモフスキー」の中で
特に雄大な作品で手法も各所に革新的なものが見られ
当時の評判は悪かったそうです。
弟子のチェルニーは曲の初演の際に
居並ぶ人々がベートーヴェンが戯れにこのような作品を書いたのだ、と
笑っていたと伝えているとのことです。

曲が書かれた1805-6年のベートーヴェンの足跡他をメモとして。

1805年:前年の1804年初頭からベートーヴェンの関心はオペラ創作に集中。
     1805年も初夏から郊外のヘッツェンドルフに引きこもり「レオノーレ」
     (後の改題「フィデリオ」))の作曲に没頭。
     11月、フランス軍のウィーン占領。
     11月15日、「レオノーレ」初演の5日前、ナポレオンがシェーンブルク宮殿を
     占領し軍司令部に。
     11月20日にオペラ「レオノーレ」(第1稿)初演。大失敗。
     12月、関係者がベートーヴェンに「レオノーレ」の短縮改訂版を承諾させる。
1806年:3月25日「レオノーレ」(第2稿)に第3番序曲を付けて上演されるが失敗。
     12月23日クレメント主催の音楽会でヴァイオリン協奏曲の初演。
     この年、1806年から始まるベートーヴェンの傑作の森。


              319ラズモフスキー伯爵
               Andrei Kirillowitsch Rasumowski
               (1752年11月2日-1836年9月23日)

作品59の3曲はウィーン駐在のロシア大使ラズモフスキー伯爵の私設弦楽四重奏団
のために伯爵の依頼により作曲されたそうです。
少し寄り道を。改めて備忘録として。
伯爵の私設四重奏団はオーストリアのヴァイオリニストでベートーヴェンの
師であり友人でもあったイグナーツ・シュパンツィヒが率いる四重奏団で
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の多くを初演しているそうです。
シュパンツィヒが1808年暮れに創設したラズモフスキー四重奏団は
プロとしては初めての四重奏団と考えられているとのこと。
このラズモフスキー四重奏団が誕生するまで、四重奏曲はアマチュアや
プロの音楽家が必要に応じ集まり演奏されるのが主だったそうです。

曲の献呈はラズモフスキー伯爵に。


エマーソン弦楽四重奏団で聴くベートーヴェン「ラズモフスキー第1番」

第1楽章は400章節で展開部だけでも163小節の長大な楽章だそうです。
ヴィオラの小刻みな伴奏に乗り第2ヴァイオリンが緊張感を伴いつつ
奏する第1主題で始まる第1楽章。
すぐに現れるチェロ。繰り返す第1ヴァイオリン。
冒頭から小刻みな伴奏を続けるヴィオラは緊張感を煽り立てるようにも感じられます。
力強く奏される第1ヴァイオリン。
第2主題になり第1ヴァイオリンが奏する柔和な優しい歌。
展開部での第1主題をモティーフのようにして
4つの楽器たちの語り合いは多様に変容をする変奏のようにも。
第1主題が各楽器で生き生きと奏され力強く閉じられる第1楽章。
各楽器の生き生きとした対話。
克明なリズムから感じられる躍動感。
活き活きとした溌剌さに満ちている楽章。

第2楽章はソナタ形式で書かれているそうですが、実質的にはスケルツォとのこと。
前述と重複しますが、この楽章の構造は変わったものであり、また複雑さや
新奇さのゆえに当時の人々には評判が悪かったそうです。

チェロが奏する独特な趣のリズムと第2ヴァイオリンで奏され始まる第2楽章。
印象に残る第1主題です。
この主題のチェロの開始動機は曲の全曲の至るところに現れるとのこと。
チェロのこの動機がこの第1番を印象的な曲としているように感ます。
ヴィオラと第1ヴァイオリンで繰り返される主題。
曲の中間を過ぎ展開部以降のエマーソン弦楽四重奏団の演奏からは
奔放さのような、荒々しさも感じられるようです。
コーダでは冒頭部分が力強く奏され終わる第2楽章。

前楽章から一転して静かにゆっくりと奏される第1ヴァイオリンで始まる第3楽章。
この第1主題を繰り返すチェロ。
美しさの中に悲哀感、悲嘆が漂うような第1主題。
心に残る調べの主題です。
チェロが歌う第2主題に。
静かに詠嘆の調べが続くこの楽章。
再現部で奏し続けられるチェロのピッツィカートを伴奏に
第1ヴァイオリンの調べが印象的。
コーダでは第1ヴァイオリンが奏する素早い動きのカデンツァを経てトリルに。
途切れることなくアタッカで第4楽章に。

前楽章の第1ヴァイオリンのトリルからこの楽章に移るパートを聴いていると
心が踊るようです。
チェロが奏するロシア民謡を主題とした旋律で始まる第4楽章。
この第1主題の明朗なリズミカルさ。躍動感が溢れる趣。
この曲で一番の盛り上がりを感じさせるようです。
第2主題になり第2ヴァイオリンが奏する柔和な歌。
第2主題の調べに寛いで耳を傾けていると、再び戻る躍動感。
展開部に入り一層の躍動と力強い生命力を感じるようです。
一気呵成に進む喜ばしげな力強さ。
コーダで静かに楽器たちが奏するのも束の間
すぐに音力を強め雄々しく力強く迎える曲の終わり。


曲が終わると、つい出てしまう溜め息。
溜め息にも2種。
美しさに感動した時に出る溜め息。
一気呵成に息もつかせない演奏を聴き終えた時の溜め息。
この演奏は後者。

久し振りに聴いた「ラズモフスキー」の第1番。
昔々、初めて聴いた時の感動が鮮明に甦るエマーソン弦楽四重奏団の演奏。
昨今、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲をいろいろな演奏で聴くことが
趣味の中でも一番の趣味になってきたようです。

兼ねてからベートーヴェンの弦楽四重奏曲では一番のお気に入りだった
「ラズモフスキー」の3曲。特に第2番。
ですが、作品59への熱が下火になり・・・・。
エマーソン弦楽四重奏団で「ラズモフスキー第1番」を聴き
「ラズモフスキー」から久し振りに受けた感動と歓び。
私にとっては目が覚めるような演奏です。
印象に残るのは第2楽章での精緻な演奏に加味された奔放な趣。
第4楽章のリズムの刻みの鋭角的な趣。
快速、快演、精緻。
4つの楽器が繰り広げる四重奏の域を脱したようね大きなスケール感。
大のお気に入りの「ラズモフスキー第2番」がますます楽しみになってきました。
エマーソン弦楽四重奏団の演奏を聴き
ラズモフスキー熱が再燃してきたようです。


                   
関連記事

Comment

Re: ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は・・・

burleskeさま
こんばんは。遅くなってしまいました。
いつもコメントをありがとうございます。

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集ではbuleskeさまはエマーソンSQの演奏もお気に入りだったのですね。
私もお気に入りの全集が一つ増えました。
burleskeさまがおっしゃるように、明快さ、切れの良さ、新鮮な感じ・・・。
いろいろな演奏を聴いてきて、とても新鮮に感じています。
この全集に出合うことができて、本当に良かったです。
「ラズモフスキー」以外もじっくりと聴いてみたいと思っています。

ハンガリー四重奏団の全集をお求めになられたそうですね。
「ラズモフスキー」は躍動感がありお気に入りの演奏になったとのことで、嬉しくなりました。

> それにしてもベートーヴェンの弦楽四重奏曲には本当に魅力的な演奏が多くて、どれを聴こうか迷ってしまいますね。

そうですよね。弦楽四重奏曲全集を一つ、また一つと求め・・・聴き、「この全集を求めて良かった」と各々の全集に同様の感想を抱いてしまいます。
各全集にそれぞれの魅力があって・・・当分の間は、最近求めたハンガリーQ と エマーソンSQ をじっくりと聴いてみたいと思います。
次はどのような演奏に出合うことができるかということも楽しみになってきました。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2017.06/26 20:39分
  • [Edit]

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は・・・

エマーソンQのベートーヴェンの全集は僕も持っていますが、明快で切れがよく、新鮮な感じがして好きな演奏です。
エマーソンのラズモフスキー、しばらく聴いていないので、久しぶりに聴いてみたくなりました。

ラズモフスキーの第1番では、以前luminoさまが紹介されていたハンガリーQの全集を購入して聴いてみたのですが、躍動感があってお気に入りの演奏になりました。
まだラズモフスキーしか聴いていませんが、他の曲を聴くのが楽しみです。

それにしてもベートーヴェンの弦楽四重奏曲には本当に魅力的な演奏が多くて、どれを聴こうか迷ってしまいますね。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2017.06/25 20:27分
  • [Edit]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 現在非公開コメント投稿不可です。

左サイドMenu

プロフィール

lumino

Author:lumino
音楽が日々の活力源になっています。
特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
日々の生活に無くてはならないのが音楽と本です。
また2羽の小桜インコの兄弟は大切な家族です。

最新記事

lumino

右サイドメニュー

♪ こんにちは ♪

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

ブログ内検索