♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

Entries

Op.397 モーツァルト:「フルートとハープのための協奏曲」 by ゴールウェイ、ロブレス;マリナー&アカデミー室内管弦楽団

モーツァルトのクラリネット協奏曲から始まり、モーツァルトの管楽器による協奏曲
聴く日々が続いています。
今回もまたモーツァルト。「フルートとハープのための協奏曲」です。
この作品も昔々のLP時代に出合いお気に入りの曲です。

モーツァルトの管楽器による協奏曲作品のディスクを求めているうちに
フルートとハープのための協奏曲」も手元に3種。
ゴールウェイ、ロブレス;マリナー&ASMF のマリナー
ゴールウェイ、ヘルミス;カラヤンベルリン・フィルカラヤン
シュルツ、サバレタ;ベーム&ウィーン・フィルのベーム
この3種の中でマリナー盤を軸にして。


           モーツァルトフルートとハープのための協奏曲
             ゴールウェイ、ロブレス;マリナー&ASMF


           (397)モーツァルト フルートとハープのための協奏曲 ゴールウェイ.マリナー&アカデミー室内管弦楽団
                       (収録曲)
             フルート協奏曲第1番 ト長調 K.313
             フルート協奏曲第2番 ニ長調 K.314
             フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299

                 ジェイムズ・ゴールウェイ(Fl)
                 マリサ・ロブレス(Hrp)
                 サー・ネヴィル・マリナー指揮
                 アカデミー室内管弦楽団
                     (録音:1995年)


              第1楽章: Allegro ハ長調 4/4拍子
              第2楽章:Andantino ヘ長調 3/4拍子
              第3楽章:Rondeau – Allegro ハ長調 2/2拍子


作曲されたのは1778年4月と推測されているようです。
モーツァルトの管楽器のための協奏曲でフルート、オーボエ、ホルン、バスーンの
各協奏曲に引き続き着手されたとのことです。

モーツァルトは母アンナ・マリアに付き添われ1778年に3度目のパリ訪問をしたそうです。
母アンナはパリ到着して約2週間後の1778年4月5日、レオポルド宛の手紙に
次のような記述があるとのことです。

「ヴォルフガングは仕事をいっぱい抱えています・・・・ある公爵のために協奏曲を
2つ書かなければなりません。フルートのためのとハープのための、とです」

書簡の「2つの協奏曲」というのはアンナの思い違いで、モーツァルトが受けたのは
2つの楽器、フルートとハープのための協奏曲1曲の注文だったとのこと。
書簡中の依頼主の「公爵」というのは、ベルリン、次いでロンドン在住フランス大使を
務めた外交官アドリアン・ルイ・ボニエール・ド・スアストル・ド・ギーヌ伯爵(1735-1806)のことだそうです。

モーツァルトがド・ギーヌ侯爵と知己を得たのは、前2回のパリ滞在時
パトロンだったグリム男爵の引き合わせによるそうです
ド・ギーヌ侯爵について1778年5月4日にモーツァルトは父レオポルドに
次のような報告の手紙を記しているそうです。
「ド・ギーヌ侯爵はなかなか大したフルートの名手です。その令嬢に僕は
作曲を教えていますが、彼女もハープをとても上手に弾きます」

フルートとハープという珍しい組み合わせのこの作品は上流階級の
素人芸術家ド・ギーヌ伯爵とその令嬢をソリストに想定して書かれたそうです。

3楽章全体に置かれたカデンツァは本職の演奏家ではない独奏者のために
モーツァルトがあらかじめ全部の音符を書き出しているそうですが
モーツァルト自身によるカデンツァは消失してしまっているとのことです。
カール・ライネッケが書いたカデンツァがしばしば演奏されてきたそうです。
古楽器演奏では新たに演奏家がカデンツァを書くこともあるとのこと。

ここで少々、私自身苦手な音楽史を。メモとして。
このモーツァルトの作品のように複数の楽器を持つ協奏曲はバロック時代の
コンチェルト・グロッソに端を発しているそうです。
古典派の時代になるとソナタ形式の交響的楽章に協奏曲の技法を融合させた
サンフォニー・コンチェルタントに姿を変えモーツァルト滞在当時のパリでは
ことのほか持てはやされていたそうです。
尚、協奏交響曲と訳されているサンフォニー・コンチェルタントは
フランス語「サンフォニー」は「交響曲」というよりも「大規模な管弦楽曲」や
「合奏曲」との意味合いになるそうです。
このフルートとハープのための協奏曲は交響曲風な要素はほとんどなく
控え目なオーケストラを背景に2つの独奏楽器が主役として競い合う
あくまで純粋な協奏曲の部類に属しているとのことです。


ゴールウェイ、ロブレス;マリナー&ASMFで聴くモーツァルトの
フルートとハープのための協奏曲

独奏楽器のフルートとハープそしてとオーケストラが奏し始まる第1楽章。
この冒頭の第1主題の華麗さと清明な雰囲気。
曲の開始から心が洗われるような爽やかさになります。
第2主題ではホルンやオーボエの響きも。
第1主題同様にやはり華麗な趣。
主旋律が独奏フルートとハープのアルペッジョで。
華麗なハープの伴奏に独奏フルートからは愛らしさも。
マリナー&ASMF、オーケストラの控え目な響きが心地よく耳に響きます。
ハープの伴奏で歌うフルートを弦楽器たちのピッツィカートが支え
生き生きとした調べとして感じられるようです。
展開部に入り独奏フルートが奏する調べに漂う憂愁の面影。
ハープとフルートが一時交互に弾むように現れ
再びハープの伴奏で歌うフルート。
2つの独奏楽器が休みオーケストラだけが奏された後に
ハープで始まるカデンツァ。
フルートは高音域を主として奏し優雅に伴奏をするハープ。
優雅さから呟くように趣が変わるフルートとハープも印象的です。
カデンツァが終わりオーケストラの主導で閉じられる第1楽章。

第2楽章ではオーボエとホルンを除き弦楽器だけの伴奏になっているそうです。
弦楽器たちが奏する低音域でゆったりと始まる第2楽章。
悠々と流れるような調べを奏する弦楽器たち。
独奏楽器が現れフル―トとハープが奏する主題。
優美な歌を歌うフルート。
弦楽器たちと2つの独奏楽器が交互に現れては
束の間の会話を楽しんでいるかのよう。
フルートとハープが交互に主奏しての対話を経て加わる弦楽器。
カデンツァになり物想うような趣で奏し始めるハープ。
しばし沈黙をするフルート。
フルートが奏し始め伴奏に徹するハープ。
高音域で清明な調べを歌うフルート。
フルートのトリルでカデンツァを終えて弦楽器たちとの合奏に。
2つの独奏楽器と弦楽器たちで静かに閉じられる第2楽章。

弦楽器たちで奏され始まる第3楽章。
このロンド主題の踊るような軽やかさ。
管楽器が現れロンド主題を反復。
弦と管楽器のリズミカルな応答。
やっと登場する2つの独奏楽器。
ハープとフルートの典雅な雰囲気で奏される独奏楽器同志の対話。
ハープは新たに管楽器との対話に。
再び独奏楽器が奏するロンド主題に。
フルートのトリルから始まるカデンツァ。
ハープは主題を一音一音爪弾きつつ奏し、恰もピッツィカートのように聴こえます。
高音で主奏をするフルート。
カデンツァを終え独奏楽器とオーケストラで力強く華やかに迎える曲の終わり。


優雅、優美、典雅・・・何と雅やかな曲。
マリナー盤、カラヤン盤、ベーム盤の3種の演奏を聴き
少々気になったことから。
第1楽章冒頭の第1主題がマリナー盤とカラヤン盤、ベーム盤では異なって
いるように聴こえるのです。

モーツァルトFlute And Harp Concerto K.299 1stmov
この譜面では曲の開始から独奏楽器もオーケストラと同時に。
マリナー盤ではこの譜面通りに演奏されています。
ですがカラヤン盤とベーム盤では独奏楽器のフルートとハープが登場するまでに
序奏でもあるかのようにオーケストラのみの演奏があります。
カラヤン盤で1分30秒位、ベーム盤で1分33秒くらいでしょうか。
オーケストラの演奏が終わってから独奏楽器が現れるのですが。
マリナー盤、カラヤン盤とベーム盤のこの演奏の違いに「???」になっています。
私の聴き違いなのかと思い聴き直してみても・・・やはり、違うのですが・・・。

早々に脱線をしました。
3種の演奏を聴き個人的な好みでマリナー盤を中心にしてみました。
華麗さと素朴さの中庸の演奏のように感じます。
オーケストラのこじんまりとした佇まいの演奏は聴いていて落ち着きます。
ゴールウェイのフルートはやはり大らかな伸びやかさ、輝きがあり魅力的。
ハープのマリサ・ロブレスは初めて耳にする演奏でしたが流麗でフルートとともに
耳を奪うような演奏で聴き入ってしまいました。
ゴールウェイはこの作品の演奏は5回目の録音になるそうです。

以下に簡単ですがカラヤン盤とベーム盤を。

            モーツァルト:木管楽器のための協奏曲集より
                    カラヤン&ベルリン・フィル

            397:モーツァルト 木管楽器のための協奏曲集 カラヤン&ベルリン・フィル
                         (収録曲)

                フルートとハープのための協奏曲 K.299
                フルート協奏曲第1番 ト長調 K.313
                オーボエ協奏曲 K.314
               
                   ジェイムズ・ゴールウェイ(Fl)
                   フリッツ・ヘルミス(Hrp)
                   ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
                   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
                    (録音:1971年 サンモリッツ)

過日、ゴールウェイのフルートではカラヤン&ベルリン・フィルの録音があるとの
コメントをお寄せいただき求めたディスクです。
カラヤン盤では独奏楽器とともにオーケストラも大活躍でしょうか。
テンポもサクサクと進み明朗で華麗な演奏。
オーケストラの響きの豊かさに負けないゴールウェイのフルート。
スケールの大きな「フルートとハープのための協奏曲」に出合うことができたように思います。 


         管楽器のための協奏曲&セレナードとディヴェルティメント集より
                     ベーム&ウィーン・フィル


           397モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ゴールウェイ:ベーム
                        (収録曲)
             フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299
             オーボエ協奏曲 ハ長調 K.271

                  ヴォルフガング・シュルツ(Fl)
                  ニカノール・サバレタ(Hp)
                  カール・ベーム指揮             
                  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
         (録音:1975年5月 ウィーン、ムジークフェライン 大ホール)

演奏の好みとは順不同で最後になってしまいましたが、ベーム盤。
3種の中では最も地味な演奏に感じました。
シュルツのフルートの落ち着きのある音色。
ニカノール・サバレタのハープの堅実なサポート。
ベームの遅めのテンポで進む演奏からは風格すら漂い
味わいも感じられるようです。

三者三様の「フルートとハープのための協奏曲」に耳を傾け
真夏日の毎日との闘いにホッとした潤いのひと時を過ごすことができました。

                  
関連記事

Comment

Re: おはようございます

ruodlfさま、こんばんは。
いつもコメントをありがとうございます。

連日の厳しい暑さに集中力も散漫になってしまいそうです。この2日ほどは夏日にはならずに凌ぎやすいのですが。
そうですね、このような時期にはエアコンで涼しい部屋で聴くのには最適な曲ですね。
雅で本当に美しい曲ですね。

> ランパルさんの演奏が懐かしいですね

rudolfさまのコメントを拝読しランパルの名前が目に入り、本当に懐かしいです。
昔々のLP時代に初めて購入したこの作品の演奏者はランパル&ラスキーヌ:パイヤール室内O. だったのです。
初めて聴き、即お気に入りになったものでした。
そして次に求めたLPが「フルート四重奏曲」。ランパル(スターン、シュナイダー&レナード・ローズ)でした。
モーツァルトの室内楽の世界に初めて誘ってくれたランパル。
rudolfさまのコメントを拝読し、ランパルでモーツァルトを聴いていた云十年前の日々を想い出し懐かしい限りです。
ランパルでもまた聴いてみたくなりました(^^♪

まだ続く酷暑、どうぞご自愛をなさってお過ごしくださいね。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2017.07/27 20:05分
  • [Edit]

おはようございます

luminoさま お早うございます

夏に入っていますね
そういう時は クーラーの効いた部屋で
この曲を聴くのがピッタリのような気もしますね
本当にどの楽章も美しいです
フルートとハープの曲の代表作でしょうね…
ランパルさんの演奏が懐かしいですね

ミ(`w´彡)
  • posted by rudolf2006
  • URL
  • 2017.07/27 08:27分
  • [Edit]

Re: 三者三様、よいですね

burleskeさま
いつもコメントをありがとうございます。

今回の3種の演奏すべてburleskeさまもお持ちでお聴きになられていらっしゃるのですね。
第1楽章冒頭の件ですが、疑問に感じたことをburleskeさまのコメントを拝読し改めて聴き直し・・・お書きくださったようにフルートとハープの音はカラヤン盤とベーム盤では「オーケストラの響きに埋もれて、聴こえにくい」だけだったのですね。
譜面と演奏が違う、なんて思ってしまい本当にそそっかしいですね、私は。
いつもありがとうございます。

そうですね、三者三様の魅力がありますよね。
ご指摘をくださいましたように独奏ソロ楽器を楽しむにはマリナーになりそうですね。
カラヤン盤は「オーケストラとソロが一体」とお書きくださいましたように独奏楽器とオーケストラの一体感がスケールの大きさを感じさせる演奏になっているのでしょうか。
ベーム盤の地味な演奏には素朴さも漂っているようで、やはりベーム盤も良いですし・・・。

ベームのモーツァルトをこのように聴き続けるのは初めてのことです。
安堵感、ホッとして耳を傾けられるベームのモーツァルト・・・良いですね。
一曲一曲と聴き進むうちにますます惹かれています。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2017.07/24 19:50分
  • [Edit]

三者三様、よいですね

ゴールウェイのフルートとハープのための協奏曲は、マリナー盤ももっていますが、フルートとハープのソロを楽しむのには、カラヤンよりマリナーの方がよいかもしれませんね。
カラヤン盤はオーケストラとソロが一体となっているような感じでしょうか。
ベーム盤も少し地味かもしれませんが、味わい深くてよいですよね。

ちなみに、第1楽章冒頭のフルートとハープはカラヤンとベームも演奏しているのですが、マリナー盤ほど目立たず、オーケストラの響きに埋もれて、聴こえにくいみたいです。
譜面と違うというわけではないと思いますよ。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2017.07/23 20:41分
  • [Edit]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 現在非公開コメント投稿不可です。

左サイドMenu

プロフィール

lumino

Author:lumino
音楽が日々の活力源になっています。
特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
日々の生活に無くてはならないのが音楽と本です。
また2羽の小桜インコの兄弟は大切な家族です。

最新記事

lumino

右サイドメニュー

♪ こんにちは ♪

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

ブログ内検索