♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.398 モーツァルト:「オーボエ、クラリネット、ホルン、バス―ンと管弦楽のための協奏交響曲」 by ジュリーニ&ベルリン・フィル

毎回、続いているモーツァルトの作品。
当拙ブログが「モーツァルトを聴くシリーズ」化してきたようです。
今日は、「オーボエ、クラリネット、ホルン、バス―ンと管弦楽のための協奏交響曲」K.297b です。
この曲を書き上げてから着手されたのが前回聴いた「フルートとハープのための協奏曲」とのことです。

協奏交響曲」K.297b。
ジュリーニベルリン・フィルで聴いてみました。
独奏管楽器奏者たち4人はベルリン・フィルの首席奏者とのことです。
 
           モーツァルト:管楽器のための協奏交響曲K.297b
                   ジュリーニベルリン・フィル


            (398)モーツァルト 管楽器のための協奏交響曲K.297b ジュリーニ&BPO
                        (収録曲)

                       モーツァルト
            交響曲第39番 変ホ長調 K.543
            管楽器(オーボエ、クラリネット、ホルン、バス―ン)の
                  ための協奏交響曲 変ホ長調 K.297b

                 ハンスイェルク・シュレンベルガー(Ob)
                 アロイス・ブラントホーファー(Cl)
                 ノルベルト・ハウプトマン(Hrn)
                 ダニエーレ・ダミアーノ(Bassoon)

                 カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
                 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
             (録音:1991年2月 ベルリン イエス・キリスト教会)


          第1楽章:Alegro 変ホ長調 4/4拍子
          第2楽章:Adagio 変ホ長調 4/4拍子
          第3楽章:Andantino con variazioni 変ホ長調 2/4拍子


作曲されたのはモーツァルトの父宛ての書簡により1778年4月5日から4月20日の間
と推定されるようです。
過日に綴ったことと重複する点もありますが。
成人になり故郷のザルツブルクに飽き足りなくなったモーツァルトは
才能を存分に発揮できるより良い仕事の場を得るために
1777年9月から母アンナ・マリアに付き添われ初めて父レオポルドに伴われること
なくパリに旅立ったそうです。
この旅行では本来の目的を果たすことはできなかったとのこと。

寄り道になりますが。
この旅行中の7月にモーツァルトの旅に付き添っていた母マリア・アンナが病に倒れ
世を去ったそうです。
彼女はフランス語を話すことができず、パリで地位を得ようとして奔走する息子
モーツァルトを一人宿の中から見守り続け、息を引き取ったそうです。

話を元に。
パリに到着したモーツァルトは4人の名管楽器奏者たち
フルートのヨハン・バプティスト・ヴェンドリング、オーボエのフリードリヒ・ラム
バス―ンのリッター、ホルンのヨハン・シュティヒ(通称ブント)たちとの交友を
得たそうです。
4人のために1曲の協奏交響曲を作曲したのがこの作品とのことです。

曲を書き上げ1725年以来テュイルリー宮殿で行われる音楽会、コンセール・スピリチュエルで演奏するために総監督のジャン・ル・グロに自筆譜を売り渡したそうです。
演奏会用のパート譜作成の段階で自筆譜が紛失し作品は演奏されることがなかった
とのことです。

この作品はそのまま消失されたものとされていたそうです。
20世紀の始めに19世紀のモーツァルト研究家オットー・ヤーンの遺品の中から
1曲の協奏交響曲の筆写譜が発見されたとのこと。
その筆写譜ではフルートではなくクラリネットが用いられていたそうです。
ヤーンの「モーツァルト伝」(1905年、第4版)の校訂者ダイタースは
その中でこの筆写譜こそ消失したと思われていた協奏交響曲の編曲譜である
との説を提出したとのことです。
その説の根拠になっているのはモーツァルトの1778年10月3日付けの書簡にて
鮮明に記憶に残っているこの作品を帰郷後にもう一度書き下ろすつもりだ、と述べているそうです。
ダイタースのこの説は広く承認されたとのこと。
ケッヘル目録第2版では、おそらく真作として「Anh9」 の番号が付され
音楽学者アインシュタインが1937年に刊行したケッヘル目録第3版では
「K.297b」 の番号が与えられたとのことです。
この曲がモーツァルトの作品であるという客観的証拠がなく
真偽についての議論は絶えることがない、とか。
近年ではモーツァルトの作品ではないとの評価の方が多くなっているそうです。
1964年のケッヘル第6版では完全に偽作とされ番号も変えられ新全集からも
除外されたとのこと。
1990年代にはコンピュータを利用してこの曲をフルートを含む形に
編曲し直す復元の試みも為されたそうです。
尚、ヤーンの遺品から発見された筆写譜はベルリン国立図書館に所蔵。

CDのブックレットに吉成順氏の次のような記述がありました。
「曲そのもの、音楽の歓びに溢れた極めて魅力的な作品であることは間違いない。
その魅力があればこそ、多くの人々がモーツァルトの作品だと確信したのである」


ジュリーニベルリン・フィルで聴くモーツァルトの「オーボエ、クラリネット、ホルン
バス―ンと管弦楽のための協奏交響曲」

オーケストラが雄大に奏され始まる第1楽章。
雄大さ、重厚な響き。いかにも「交響曲」の開始のように感じられます。
弦楽器で奏される軽やかで生き生きとした第1主題。
オーボエと掛け合う第1ヴァイオリンと
オーケストラの重々しい響きが対照的な雰囲気。
管楽器たちの掛け合いにオーケストラは相の手を入れているかのよう。
第2主題の優美さも印象的。
ホルンとバス―ンが現れ始まる展開部。
4つの独奏管楽器たちの雄弁な会話。
オーボエの調べが印象的です。
生き生きとした雰囲気の中にも素朴さが漂っているように感じられます。
4つの独奏管楽器たちによるカデンツァでの楽しげな雰囲気を終え
オーケストラが雄々しく奏され閉じられる第1楽章。

弦のユニゾンで始まる第2楽章。
先ずバス―ンでゆったりと奏され始まる第1主題。
独奏楽器はバス―ンから次々と交替。
調べには美しさが漂う歌のよう。  
第2主題ではポーボエとクラリネットの対話。
この対話も穏やかな歌のよう。
展開部で歌い出すバス―ン。応えるオーボエ。
美しさと寂寥感が混じり合ったような趣を感じます。
ゆったりと歌う独奏管楽器たち。
じっくりと心ゆくまで語り合うような独奏管楽器たちの響きに惹かれます。
静かに淡々と支えるオーケストラ。
独奏楽器たちが静まりオーケストラが奏し始め静かに閉じられる楽章。

第3楽章は主題と10の変奏から成る楽章だそうです。
10の変奏は独奏者の技巧を引き出すためにさまざまな音型や楽器の組み合わせで
巧妙に書かれているとのこと。

前楽章から一転して愛嬌を感じさせる第3楽章の始まり。
明るく弾むような独奏管楽器たち。
弦やオーケストラも軽快な伴奏で。
この楽章からは独奏楽器たちが戯れているかのような印象を受けます。
戯れる楽器たちをしっかりと見守るように奏されるオーケストラ。
第10変奏で軽快な趣から速度を落とし、引き締めるように奏されるオーケストラ。
すぐに元のコミカルな軽妙さに。
生き生きと軽やかに迎える曲の終わり。


華麗な雰囲気より明朗で生き生きとした曲。
明朗さの中にも素朴な雰囲気が漂っているのも魅力に感じます。

今回、ジュリーニベルリン・フィルとベーム&ウィーン・フィルの演奏を
聴いてみました。
ベーム&ウィーン・フィルでは各独奏楽器の演奏に魅力を感じます。
他の曲と同様に味わい深い趣を感じる演奏。
好感を抱きつつ繰り返し聴いておりました。

ジュリーニ&ベルリン・フィルのモーツァルトも気になっていたので聴いてみました。
こちらのディスクは廃盤になっているようです。
録音当時、ジュリーニは80歳を目前にしていた頃でしょうか。
独奏楽器の4人の奏者たちはジュリーニから見れば子供や孫のような世代とか。
ジュリーニは独奏楽器奏者たちを引き立て、時にオーケストラは
一歩引き下がるような控え目さを示しつつも
オーケストラから重厚な響きを引き出し
軽やかさ、生き生きとした雰囲気も見事に醸し出しているように感じられます。
独奏楽器奏者たちとオーケストラとの息もピッタリ。
若き日のモーツァルトの作品。
演奏からも若々しさが溢れている協奏交響曲のように思います。
聴き始めた時よりも繰り返し聴いているうちにベーム盤と同様に
お気に入りの演奏になってきました。

                 
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Comment

Re: 協奏交響曲というと・・・

burleskeさま
いつもコメントをありがとうございます。

モーツァルトの「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」の方が耳に馴染み深いですよね。
好きな作品の一つです。
「管楽器のための協奏交響曲」は今回、初めて聴いた気がします。

カラヤン&ベルリン・フィルの録音もあるのですね。
burleskeさまのお気に入りはアバド&オーケストラ・モーツァルトだそうですね。
この作品も他の演奏でも聴いてみたい、と思う曲になりました。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2017.07/31 19:52分
  • [Edit]

協奏交響曲というと・・・

モーツァルトの協奏交響曲というと、ヴァイオリンとヴィオラのための方を思い浮かべてしまいますが、この管楽器のための協奏交響曲も素敵な作品ですよね。
残念ながらジュリーニ盤は聴いたことありませんが、ベーム盤も魅力的ですよね。カラヤン&ベルリン・フィルも面白いですよ。
他に、アバド&オーケストラ・モーツァルト盤も僕のお気に入りです。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2017.07/30 21:02分
  • [Edit]

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