2017.09/09(Sat)

Op.404 ベートーヴェン:「大フーガ」(弦楽合奏版)クレンペラー&フィルハーモニア管弦楽団

先日、ベートーヴェン弦楽四重奏曲第16、14番をバーンスタイン&ウィーン・フィル
弦セクションの弦楽合奏版を聴き感銘を受けました。
その際、お寄せいただいたコメントにクレンペラーの「大フーガ」の文字。
クレンペラーの演奏なら是が非でも聴いてみたくなります。
幸い手持ちのディスクにクレンペラーフィルハーモニアO.弦楽合奏の演奏が
収録されていましたので早速聴いてみました。

          ベートーヴェン:「大フーガ」(弦楽合奏版)
        クレンペラーベートーヴェン 交響曲全集、序曲集より

           403ベートーヴェン「大フーガ」~ベートーヴェン交響曲全集、序曲集 クレンペラー
                       (収録曲)
         
                     ベートーヴェン
              交響曲第3番 変ホ長調 op.55 「英雄」
              大フーガ Op.133(弦楽合奏版)

                  オットー・クレンペラー指揮
                  フィルハーモニア管弦楽団
              (録音:「大フーガ」1956年3月 ステレオ)


弦楽四重奏曲第13番を聴いた際にこの作品は一昨年ブログに登場していたようで
重複する内容になりますがいつものように自分の復習を兼ねて。

この作品は本来、弦楽四重奏曲第13番の終曲として書かれたものを
ベートーヴェンが死の直前に改作。
新たな作品番号である 133 を付けて単独で世に出る運命になったそうです。

弦楽四重奏曲第13番が完成した際に終曲の第6楽章に置かれたフーガは
巨大なものだったそうです。
第13番が1826年に初演された際には概ね好評だったとのことですが
長大なフーガは一部に不評だったとのこと。
ベートーヴェンは周囲の忠告や楽譜の売れ行きを懸念した出版社アルタリアの
意向などによってフーガに代わる新しい終曲を書くことになったのがこの作品。
新たに作曲された終曲は1826年9月から11月にかけて書かれたとのことです。
弦楽四重奏曲第16番とともにベートーヴェンの最後の作品だそうです。

終曲の装いを新たにして完成した第13番はベートーヴェンの死の直後に
初演、出版されたそうです。
1826年3月21日、シュパンツィヒ弦楽四重奏団により弦楽四重奏曲第13番の
終曲として演奏されたのが初演に当たるそうです。
曲は独立した作品133として出版されたとのこと。

献呈はルドルフ大公に。

           133大フーガManuskriptseite der Großen Fuge.
                     大フーガの原稿ページ

「大フーガ」は性格の異なった3つの要素を重要な主題として
序奏部に始まり、以下、第1のフーガ、第2のフーガ、第3のフーガ
第2フーガの再現、第3のフーガの再現 そして コーダ の7つの部分から構成され
2種のテンポ、Allegro molto e con brio と Meno mosso e moderato が
交互に現れるそうです。
741小節の巨大なフーガとのことです。


クレンペラー&フィルハーモニアO.の弦楽オーケストラ版で聴く
ベートーヴェンの「大フーガ」

荘重な趣で始まる序奏部が響き出した瞬間から耳を奪われてしまいます。
3つの旋律の明快さ、躍動的な活発さ、荘重な雰囲気。
これらが多様に変容する姿に聴き入ってしまいます。
低弦が加わる部分ではスケール感が増し曲に精彩を与えているように感じます。
明快さを感じさせつつ力強く閉じられるクレンペラーの「大フーガ」。

教科書的な演奏、との表現には語弊があるかも知れませんが
楽器が克明に音を刻む旋律の明瞭さ。
見通しの良い演奏。
大フーガでの耳に馴染みのある、あの明快な旋律は精彩さを伴いつつ奏され
曲の中でも際立っているように感じます。
7つの部分から構成されているとのことですが、序奏部以降は聴いていても
聴き分ける力量もない自分。
全体としての「音楽」に耳をそばだててしまいます。

クレンペラーには大きな関心を抱きお気に入りの指揮者ですので
演奏を聴く前から興味津々でした。
バーンスタイン&ウィーン・フィルの弦セクションによる弦楽合奏
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14、16番を聴き弦楽合奏版に惹かれ
続いて聴いたクレンペラーの「大フーガ」。
またまた弦楽合奏による四重奏曲に対しての好感度が増大してきたようです。

弦楽四重奏団の演奏では四重奏団の性格、持ち味が良きにつけ、悪しきにつけ
前面に出てしまうように感じるこの頃。
多々の四重奏団の演奏でベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴いているうちに
嘗てはお気に入りだった四重奏団が・・・今では「う~ん、ちょっと・・・」に。
評価も高い或る四重奏団・・・4人のソリストが凌ぎを削り合うような演奏。
力量の誇示のようにも感じてしまうようになりました。
そのような演奏とは対照的な演奏を聴かせてくれる四重奏団に惹かれるこの頃。

弦楽合奏で聴くベートーヴェンの弦楽四重奏曲には個人的に四重奏団に求める
理想(?)の演奏が感じられるように思います。
本来の曲想を失うことなく角が取れたようなまろやかさ、大らかさ・・・とでも?

2年程前に聴いたワインガルトナー編、A.ブッシュ指揮&ブッシュ・チェンバー・プレイヤーズの演奏。
暫く聴くことがなく月日が過ぎ去ってしまいました。
これから改めて聴き直してみることにします。
当時、聴いた時とは違う印象を受けるような気がしています。

                  
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タグ : ベートーヴェン 弦楽四重奏曲 大フーガ 弦楽合奏 クレンペラー フィルハーモニアO.

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Comment

●Re: クレンペラーの大フーガ、お聴きになられましたか

burleskeさま
いつもコメントをありがとうございます。

クレンペラーの「大フーガ」、とても気に入りました。
ありがとうございました。
ブッシュ・チェンバーO. の「大フーガ」も久し振りに聴いてみました。
それぞれの良さ・・・ワインガルトナーの編曲ということもあるのでしょうか。
ブッシュ・チェンバーO.は凛とした趣があるようにも・・・。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタの第29番もワインガルトナーの編曲の録音があるそうですね。
興味をそそられ早速、ショップ・サイトで探してみました。
ワインガルトナー&ロイヤル・フィルのディスクが見つかりました。
ピアノ・ソナタ第29番は原曲のピアノ演奏で聴き・・・未だになかなか馴染むことができない曲ですが、オーケストラ版にはかなり関心が湧いてきました。
できるだけ早くディスクを求めなくては・・・是非、聴きたいと思います。
注文をする前から楽しみになってきました。
いつもいろいろな情報をありがとうございます。
lumino | 2017.09.11(月) 20:02 | URL | コメント編集

●クレンペラーの大フーガ、お聴きになられましたか

クレンペラーの大フーガ、早速お聴きになられたのですね。
気に入っていただけたようでなによりです。
そういえばブッシュのワインガルトナー編曲の大フーガもあったんですよね。すっかり忘れていました。
改めて聴いてみたら、こちらの演奏もよいですね。クレンペラー盤より親しみやすいような気がします。
ちなみに、ワインガルトナーにはベートーヴェンのハンマークラヴィーア・ソナタのオーケストラ編曲の録音もあって、録音は古いですが面白いですよ。
burleske | 2017.09.10(日) 21:26 | URL | コメント編集

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