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2017.10/28(Sat)

Op.411 J.S.バッハ:「チェンバロ協奏曲第1番」 by レオンハルト&レオンハルト・コンソート

たまたまCDラックに並べてあるディスクを見ていて聴きたくなったディスク。
15以上前に求めたレオンハルトの「ゴルドベルク」(録音、1964年頃)です。
嘗て聴いた筈ですがあまり・・・そのまままたラックに。
今回、聴き直してみて、いつものパターンです。
「あれ?!こんなに良い演奏だった?」。
レオンハルトが演奏するバッハの多くの作品を聴いてみたくなりました。
ショップで探し出合ったのがレオンハルトの20枚組Box、J.S.バッハ鍵盤作品集成。
限定盤とのことで既に完売。他のショップでも取り扱い終了の表示にガッカリ。
やっと中古に出合い・・・目下、喜々として耳を傾けています。
今日はこのBoxよりチェンバロ協奏曲第1番を。

              J.S.バッハチェンバロ協奏曲第1番
            レオンハルト~J.S.バッハ鍵盤作品集成より

          411チェンバロ協奏曲第1番 レオンハルト~J.S.バッハ鍵盤作品集成
                        (収録曲)
                       J.S.バッハ
  
              チェンバロ協奏曲第1番 ニ短調 BWV1052
              イタリア協奏曲 へ長調 BWV971
              トッカータ ニ長調 BWV912
              トッカータ ニ短調 BWV913
              フーガ イ短調 BWV944
              幻想曲 ハ短調 BWV906
              半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903

                 グスタフ・レオンハルト(Cem.)
                 レオンハルト・コンソート
            (録音:19781年11月 ハーレム ルーテル教会)
        (使用チェンバロ:1728年製 ハンブルク クリスティアン・ツェル)

               第1楽章:Allegro ニ短調 2/2拍子
               第2楽章:Adagio ト短調 3/4拍子
               第3楽章:Allegro ニ短調 3/4拍子


作曲されたのは1738年から1739年頃にかけてと推定されているそうです。
楽器構成は独奏部がチェンバロ、合奏部が第1、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音。

ブックレットの解説を参照しつつ。
チェンバロ協奏曲というジャンルはJ.S.バッハによって成立したそうです。
その成立にはチェンバロを通しイタリア音楽に学んだバッハの創作によるものとのことです。
新しいジャンルとしてのチェンバロ協奏曲はバッハの息子たちによって継承されたそうです。
次男のカール・フィリップ・エマヌエル・バッハは60曲近い優れた作品を残しているとのこと。
18世紀後半には新しい楽器、ピアノがチェンバロを駆逐するようになり
チェンバロ協奏曲は50年程で命脈を終え古典派のピアノ協奏曲に引き継がれたとのことです。
因みにメンデルスゾーンは1832年にピアノ協奏曲として演奏し
シューマンもこの作品を評価する文章を残しているそうです。

チェンバロ協奏曲の形式発展に関し、バッハの創作を3つの段階として区分されるそうです。
1)他の作曲家のヴァイオリン協奏曲を無伴奏の鍵盤楽器に移した時期
2)自作のヴァイオリン協奏曲を無伴奏の鍵盤協奏曲とした時期
3)オリジナル協奏曲の創作
現存する伴奏つきチェンバロ協奏曲は大半が第2期、ライプツィヒ時代の1730年代に
作曲されたそうです。

バッハは1729年から40年にかけ、テレマンが創設したライプツィヒの学生の
演奏団体であるコレギウム・ムジクムを指揮していたそうです。
コーヒー店を借りての演奏会の呼びものはバッハが独奏する協奏曲だったとのこと。
バッハはその演奏会のためにヴァイオリン協奏曲を編曲して用いたそうです。
このチェンバロ協奏曲第1番もヴァイオリン協奏曲からの編曲とのことですが
原曲が何時、誰により作曲されたかについては諸説が対立しているそうです。

バッハはこの原曲を1720年代末に2つのカンタータに転用
1735年以降にチェンバロ独奏用の稿を作成したそうです。
解説の執筆者、磯山雅氏は次の文章でこのチェンバロ協奏曲第1番についての
記述を閉じられています。
「バッハが原曲をいかに高く評価していたかを示すものであろう。独奏部の巨匠性、単一楽想に基づく緻密な構成、明確な個性美を示す主題など、バッハの代表作の一つとして指を指を屈するに恥じない、まことに印象的な協奏曲である」


レオンハルト&レオンハルト・コンソートで聴く
バッハのチェンバロ協奏曲第1番


弦楽器たちが奏する力動的な主題で始まる第1楽章。
チェンバロが登場し弦楽器たちとの対話。
弦が奏する主動機はしばしば耳にする機会があり馴じみの旋律のようです。
弦との対話でチェンバロは装飾的な演奏を。
主役がチェンバロに。
チェンバロのアルペッジョの煌めくような華麗さ。
主役が交代しつつも対等な存在として奏されるチェンバロと弦楽器たち。
楽章中、チェンバロの長い独奏演奏には力強さ、殊に左手が印象的。
弦が奏する主題で閉じられる第1楽章。

弦楽器たちが思索をしつつ歩を進めるかのように奏され始まる第2楽章。
弦の旋律を装飾するかのようなチェンバロ。
途切れることのない低く落ち着いた弦の調べ。
弦が紡ぎ出す歌。
チェンバロに移る歌。
穏やかな歌でもあるかのように奏される調べに惹かれます。
冒頭の旋律が再び奏され終わる楽章。

活気のある弦の主題で始まる第3楽章。
加わるチェンバロも弦とともに奏する活力を湛えた旋律。
活き活きとした息吹に満ているよう。
チェンバロとオーケストラとの対話は次第に荘厳な趣が漂うように。
チェンバロの独奏パートでは雄弁な語りを。
間もなく弦も現れ復活する活力ある弦とチェンバロの対話。
楽章の終わりに近付きチェンバロの独奏には気迫に近いものを感じます。
弦とチェンバロの活力の溢れる雰囲気で迎える曲の終わり。


前述したことに重複しますが
こちらのBoxを求める契機になったレオンハルトの演奏する「ゴルドベルク変奏曲」(録音、1964年頃)。
このBoxが届き一番先に聴いたのが「ゴルドベルク」(録音、1976年)です。
このチェンバロ協奏曲第1番に耳を傾けつつ昔求めた「ゴルドベルク」から受けた印象に似たものを感じていました。
チェンバロの音は一粒一粒克明でありながらも
流れる歌のように感じるレオンハルトのタッチ。
この協奏曲でも第2楽章の歌謡性を感じさせるチェンバロがとても印象に残ります。

チェンバロ協奏曲第1番は他に1965年、キルヒハイム、フッガー城の糸杉の間で
録音された他のチェンバロ(1730年頃、パリ ブランシェのモデルによるウイリアム・ダウト製)の演奏も収録されていました。
まだ聴いていませんが楽しみです。

チェンバロに対する認識を新たにされたレオンハルト。
遅まきながら今頃になりレオンハルトに目覚めたようです。

                 
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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : バッハ チェンバロ協奏曲 レオンハルト レオンハルト・コンソート

21:21  |  J.S.バッハ  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●Re: レオンハルトのチェンバロは・・・

burleskeさま
いつもコメントをありがとうございます。

burleskeさまはこちらのBoxを既にお持ちだったのですね。
私の方は中古ですがやっと出合い入手できて本当に良かったです。
レオンハルトは本当に良いですね・・・遅まきながら気付きました。
「ゴルドベルク」を始めバッハの鍵盤作品は私もピアノで馴染んでいましたが、レオンハルトの演奏を聴きチェンバロの演奏にも魅了されるようになりました。

そうなんですよね。チェンバロ協奏曲は第1番しか収録されていなくて残念ですね。
レオンハルトでバッハ以外にも他の作曲家の作品も聴いてみたくなってきました。

チェンバロ協奏曲集ではシュタイアー&フライブルク・バロック・オーケストラの演奏がお気に入りだそうですね。
ソロ作品ではヴァルヒャがきき応えがあるとのことですね。
ヴァルヒャはモダン・チェンバロを使用しているそうですが(確か)、まだ聴いたことがなくいろいろと興味が湧いてきてしまいます。
lumino | 2017.10.30(月) 19:53 | URL | コメント編集

●レオンハルトのチェンバロは・・・

レオンハルトのこのBOXは僕も持っていますが、購入した当時は、バッハの鍵盤作品はピアノで聴く方が面白いと思っていました。
最近改めて聴いてみましたが、レオンハルトのチェンバロ、良いですねぇ。
luminoさまと同じく、こんなに良い演奏だったかと認識を改めてしまいました。
チェンバロ協奏曲は第1番しか収録されていないのが残念ですね。
チェンバロ協奏曲集では、シュタイアー&フライブルク・バロック・オーケストラ盤がお気に入りです。
チェンバロ・ソロの作品集では、最近購入したヴァルヒャのセットも聴き応えがありましたよ。
burleske | 2017.10.29(日) 21:18 | URL | コメント編集

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