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2018.06/16(Sat)

Op.444 ベートーヴェン:「ピアノ三重奏曲第7番<大公>」 by ソロモン、ホルスト&ピーニ

ベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴くシリーズ」は終了しましたが
またベートーヴェンです。
ベートーヴェンピアノ三重奏曲の中で一番好きな第7番をソロモン他で。
ソロモンの演奏でベートーヴェンのピアノ・ソナタのディスクをショップで探していた頃、偶然目に付き入手をした副産物のディスク。
ソロモンのピアノで「大公トリオ」を聴くことができるなんて、まるで夢みたい・・・と、膨れ上がる期待で手にしたディスク。
ソロモン、HMV初期録音集1942-43」に収録されている一曲です。
演奏者でヴァイオリンのヘンリー・ホルスト及びチェロのアンソニー・ピーニは初めてです。

ベートーヴェンピアノ三重奏曲第7番「大公
ソロモン~HMV初期録音集1942-43 より


(HMV)444ベートーヴェン ピアノ三重奏曲第7番 ソロモン Solomon The First Hmv Recordings 1942-3
(収録曲)

ショパン:練習曲Op.10-9
ショパン:練習曲Op.25-2
ショパン:練習曲Op.25-3
ショパン:夜想曲第8番
ショパン:舟歌
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番Op.97「大公

 ソロモン・カットナー(P)
 ヘンリー・ホルスト(Vn)
 アンソニー・ピーニ(Vc)
(録音:1942年-43年 モノラル 
     ベートーヴェン:1943年9月9-11日) 


第1楽章:Allegro moderato 変ロ長調 4/4拍子
第2楽章:Scherzo: Allegro 変ロ長調 3/4拍子
第3楽章:Andante cantabile ma pero con moto ニ長調 3/4拍子
第4楽章:Allegro moderato - Presto 変ロ長調 2/4拍子


大公トリオ」は3年程前に、ルービンシュタイン、ハイフェッツ&フォイアマンの演奏で登場していたようです。
いつものように当時の記事を参照、コピーのようになりますが自分のメモとして

作品が完成したのは1811年だそうです。
曲の草稿にはベートーヴェンの自筆で最初の部分に「1811年3月3日」の日付。
また最後の部分には「1811年3月2日完成」の日付が記されているそうです。
ノッテポームによると1810年にすでにこの曲のスケッチが幾つかあり
実際には草稿に記された日付けより以前に構想されたものであることが実証されているとのことです。

初演は1814年4月11日にウィーンのホテル「ローマ皇帝」にて行われたと伝えられているとのこと。
ピアノはベートーヴェン自身、ヴァイオリンはシュパンツィヒ弦楽四重奏団のイグナーツ・シュパンツィヒ、チェロがヨーゼフ・リンケの3人による演奏だったそうです。
初演当時、ベートーヴェンの聴力はかなり低下をしており、この初演がピアニストとしてのベートーヴェンの最後の公開音楽会になったとのことです。

出版は作品の完成後かなり年が経過した1816年9月。ウィーンのシュタイナー社より。
自筆譜はベルリン国立図書館に保存。
献呈はルドルフ大公に。


ソロモン、ヘンリー・ホルスト&アンソニー・ピーニで聴くベートーヴェンの
ピアノ三重奏曲第7番(簡単な感想で)

1942年から1943年に当時の英グラモフォンに録音されたものだそうです。
ソロモンは40歳頃の演奏でしょうか。

大好きな「大公トリオ」ですが、今まで聴いてきた演奏とは違うように感じられ妙に印象に残っています。
初めて聴いた時に落ち着かない状態でしたので改めてじっくりと。
初めて聴いた時と同様に印象に残る「大公トリオ」です。

この曲の躍動感や堂々とした趣が気に入っています。
今まで出合った演奏は躍動感があり聴いていて心がときめくようなものが伝わってきました。
そのような耳に馴染んでいる「大公トリオ」。
が、ソロモン、ホルストピーニによる演奏は今まで聴いてきた演奏よりも「静」を感じるようです。
落ち着きがあり静かな印象を受ける演奏でしょうか。
最初、聴いた時には物足りなさを感じてしまったものです。

ソロモンの淀みのないピアニズム。
録音の所為でしょうか、ヴァイオリンとチェロの存在感が弱く感じられてしまいます。
ヴァイオリンのヘンリー・ホルスト(1899-1991年)はデンマークのヴァイオリニストとのこと。ベルリン・フィルのコンサート・マスター(1922-31年)や他のオーケストラのコンサート・マスター等々、音楽大学などの教授も歴任したそうです。
ホルストのヴァイオリンは地味な音色でしょうか。温か味を感じるヴァイオリン。
チェロは控え目すぎ(?)のようにも。

この3人の演奏で印象に残るのは第3楽章でしょうか。
第3楽章で主題をピアノが静かに奏し、続くヴァイオリン。
落ち着きのある響きでヴァイオリンのしっとりとした歌は胸に染み入るようです。
変奏の部分でもヴァイオリンの美しい歌に寄り添うソロモンのピアノも印象的。

初めは躍動感があまり伝わらず物足りなく感じた演奏でしたが、
何回か耳を傾けるうちに味わいのある「大公トリオ」のように感じられてきました。
躍動感に満ちたパートでも落ち着きがあり、高貴な美しさが漂う「大公トリオ」でしょうか。
耳に馴染んでいる心躍らせる演奏も好きですが
この3人が生み出す「静」の「大公トリオ」に新たな魅力を見い出したように感じています。

このディスクを求めたお目当ては「大公トリオ」でしたが・・・。
ソロモンが紡ぎ出すショパンの「練習曲」に耳を傾け
初めてショパンの「練習曲」に好感を抱くことができたように思います。
抜粋ではなく「練習曲」全曲を聴きたくなりショップ・サイトでディスク探しをするほど気に入ってしまいました。
そして「夜奏曲」の何と美しいこと!
「舟歌」の心に沁みる調べ。
ソロモンが紡ぎ出すショパンの虜に。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタのお陰で出合うことができたソロモン。
今でも、いつまでも、ソロモンはお気に入りのピアニストの一人に。


蛇足。いつものオバサンの井戸端会議。
ソロモンについてWikipediaを参照しつつ、自分のメモとして。

本名はソロモン・カットナー(1902年8月6日-1988年2月2日)
ロンドンのイーストエンドに7人兄弟の末っ子として誕生
5歳でクララ・シューマンの弟子、マチルダ・ヴェルンに師事
1912年、10歳でデビュー(プログラムはベートーヴェン、ピアノ協奏曲第3番。指揮ヘンリー・ウッド)
その後、ロンドンにデヴュー(チャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番)
これらのコンサートの成功から「神童ソロモン」と呼ばれ、以後ファースト・ネームの「ソロモン」で活動。
演奏活動での成功にも拘らず、ソロモンは演奏活動を中断。
パリに渡り、マルセル・デュプレ 及びクララ・ハスキルの師でもあるラザール・レヴィに学ぶ。
19歳、演奏活動の開始。
1929年、初めてのレコーディング。
1953年、来日。あまり話題にならなかったとのこと。但し、音楽評論家の吉田秀和氏は彼を高く評価。最高のベートーヴェン弾きとして著作にて言及。
ソロモン、EMIと契約を結ぶ。
1951年からベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の録音に取り組む。
1956年夏、脳梗塞。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集は未完。
引退を余儀なくされる。
           (以上)

                  
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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ベートーヴェン ピアノ三重奏曲 大公 ソロモン ホルスト ピーニ ルドルフ大公

20:56  |  ベートーヴェン  |  TB(0)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●Re: 大公は第一楽章しか聴き覚えがありませんでした

龍さま、こんばんは。
いつもコメントをありがとうございます。

ソロモンの「大公トリオ」がお目当てで求めたディスクでしたが、ショパンにかなり惹かれてしまいました。
ショパンのエチュードでは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタの時に旋律が似ている、とのコメントをお寄せ下さいましたね。
「練習曲」となると、ピアノ演奏者向けの曲と想うのですが龍さまが仰るように「芸術性が高い」のですね。
と言いつつもまだソロモンのこちらのディスクに収録されている3曲程しか聴いていないのですが。

ショパンの作品とは疎遠のまま長い時間が過ぎ去ってしまい、ピアノ協奏曲や「夜想曲」位しか聴いていないのです。
ショパンの「バラード」や「スケルツォ」は聴いたことがないと思います。
エチュードだけでなくバラード第1番、スケルツォ第2番も聴いてみたいと思います。

龍さまがショパンの最高峰とされているピアノ・ソナタ第3番も聴いたことがない筈ですので・・・。
コメントを拝読しピアノ・ソナタ第3番を是非、聴いてみたくなりました。
残念ながらアシュケナージのショパンのディスクを持っていませんので、他の演奏者で聴いてみたいと思います。
私にとってはどの作品も初めて聴く曲で楽しみです。
lumino | 2018.06.19(火) 20:35 | URL | コメント編集

●大公は第一楽章しか聴き覚えがありませんでした

 こんばんは。

 大公はCDを手にしてませんが、第一楽章だけは聴き覚えがあります。何処かで聴いていたんですね。
記事にありますショパンのエチュードは、指の練習曲というジャンルですが、芸術性が高いですね。そして何回聴いていても飽きがきません。
ノクターンは、地味な1番と華麗な13番が好みです。
舟歌はショパンの最高の作品と言う方々がいるようですが、中村紘子の演奏CDで聴いてはいるんですけれども、心にグッときません。
ショパンでしたらバラード1番。サビのところで気分が高揚しちゃいますし、スケルツオ2番も魅力がいっぱい詰まっていますね。そして、私にとってショパンの最高峰と決めているピアノソナタ3番が.....泣かせてくれます。
勿論、ショパンはアシュケナージの演奏がピッタシきます。
龍 | 2018.06.18(月) 22:40 | URL | コメント編集

●Re: 『大公』も良いですね

burleskeさま
いつもコメントをありがとうございます。
今朝、御地方では大きな地震がありましたね。大丈夫でしたでしょうか。

ベートーヴェンのピアノ三重奏曲の「街の歌」は私も近年、お気に入りになりました。
「大公」ともどもお気に入りのピアノ三重奏曲になりました。
「大公」をburleskeさまはカザルス・トリオでお聴きくださったのですね。
カザルス・トリオのディスクを探してみましたら、手元にありました。
聴いてみますね。

ショパンの「舟歌」はburleskeさまのお好きな曲だそうですね。
ショパンのピアノ曲はほとんど聴くことがなくなり、「舟歌」はタイトルしか知らずでした。
アラウのBoxに収録されているとのことで、こちらも聴いてみたく思います。
昔はアラウのディスクを求める機会が多くあり、その中でショパンの「夜奏曲」全集の曲に耳を傾けジーンがした想い出があります。
アラウは「練習曲」は録音していなかったとのことで・・・聴いてみたかったです。

また、地震の話に戻ってしまいますが、今後余震もある様子ですのでどうぞお気を付けてくださいますように。
当地も先週来、隣県や近県で震度4や5弱などの地震があり、隣県の地震は自分でも注意をしている最中です。
日本列島、地震列島のようで気が抜けませんね。
lumino | 2018.06.18(月) 20:13 | URL | コメント編集

●『大公』も良いですね

ベートーヴェンのピアノ・トリオでは、最近は『街の歌』がお気に入りだったのですが、『大公』も久しぶりに聴くとやっぱり良いですね。
カザルス・トリオで聴いてみましたが、聴き惚れてしまいました。
ソロモンも『大公』トリオを録音していたんですね。ちょっと聴いてみたいです。

ショパンの『舟歌』も僕の好きな曲なので、気になりますね。
ちなみに、アラウのショパンもけっこう面白いですよ。デッカ録音全集に収録されていると思いますので、聴いてみてはいかがでしょうか?
でも、『舟歌』と『夜想曲』はありますが、残念ながら練習曲』は録音していないみたいです。
burleske | 2018.06.17(日) 21:10 | URL | コメント編集

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