2018.07/07(Sat)

Op.447 シューベルト:「ピアノ・ソナタ第4番」 by シフ

シューベルトピアノ・ソナタを聴くシリーズ」。
1817年に作曲された6曲のピアノ・ソナタで完成した5曲のうち
前回は最後のソナタ第9番D.575をケンプの演奏で聴いてみましたので
今回は1817年に作曲されたソナタのうち最初の第4番D.537をシフで聴いてみました。

シューベルトピアノ・ソナタ第4番
シフシューベルトピアノ・ソナタ全集より

(447)シューベルトピアノソナタ第4番 シフ~ピアノ・ソナタ全集
(収録曲)
シューベルト

ピアノ・ソナタ第4番イ短調D.537
ピアノ・ソナタ第20番イ長調D.959(遺作)

アンドラーシュ・シフ(P)
(録音:全集1988-1993年)


第1楽章:Allegro ma non troppo イ短調 6/8拍子
第2楽章:Allegretto quasi andantino ホ長調 2/4拍子
第3楽章:Allegro vivace イ短調 3/8拍子


作曲されたのは1817年3月とのことです。
1815年頃からピアノ・ソナタを作曲し始めたシューベルト
1817年には6曲のソナタを書き上げ、そのうち完成されたのは5曲だそうです。
このソナタ第4番は6曲のソナタのうち最も早く3月に作曲されたとのこと。

曲の構成は3楽章とのことですが終楽章は主調で書かれ
一応完成した作品と考えられるそうです。
シューベルトは生涯に短調のソナタを5曲完成させているとのことです。
5曲のうち3曲がイ短調で書かれているそうです。
イ短調はシューベルトが最も好んだ調性だったとのこと。

初版は1852年頃、ウィーンのC.A.シュピーナ社から出版。
自筆譜はパリのコンセールヴァトワールに所蔵。
写本はウィーンの国立図書館に。


シフで聴くシューベルトのピアノ・ソナタ第4番

流麗、優美な旋律で始まる第1楽章。
美しい旋律と切れの良い力強い和音が応答するような第1主題。
この主題の後半は力強い躍動を感じるようで印象に残り、また気に入っています。
続いて現れる第2主題の素朴な調べ。
この調べに漂う抒情性はいかにもシューベルト特有の旋律のように感じられます。
この第2主題もまた印象深く心惹かれる調べ。
展開部は初期の作品の中では例外的に長く、また動機操作ではないとのこと。
即興曲を聴いているような。
自由で伸び伸びとした雰囲気。
ドラマティックな面影も見せているような展開部。
再現部では第1主題がニ短調、第2主題がイ長調で主調以外での再現とのことです。
コーダでは第1主題を奏しつつ凛とした趣で閉じられる第1楽章。

静かに右手が奏する抒情的な主題で始まる第2楽章。
この主題の抒情性を湛えた素朴さは強く印象に残ります。
第2部は性格的には展開部と言えるものだそうです。
第3部では左手の規則的な伴奏に乗り右手が奏する簡潔な調べ。
可憐の一言に尽きるような。
愛らしく閉じられる第2楽章。
心に残り、お気に入りの楽章になりました。
因みにこの楽章の主題は第20番の終楽章に引用されているとのことです。

力強いユニゾンで始まる第3楽章。
上行するユニゾンのすぐ後に続く柔和な雰囲気の主題。
経過部の辺りになるのでしょうか、雄姿を連想するような旋律が現れ楽想に変化が。
第2主題では愛らしい響きの旋律が現われ
その愛らしさに惹かれ耳を傾けていると、すぐに現れる第1主題の後半の部分。
この楽章では特に展開部を置かないようで再現部を経てコーダに。
コーダでも姿を表す第1主題の素材。
力強く迎える曲の終わりに。


このソナタ第4番に耳を傾けつつ初期のソナタとはまったく感じることができませんでした。
充実した印象を与えるソナタのように思います。
全体として形式に嵌らない自由さ、伸びやかな雰囲気を感じるようです。

このソナタが耳に飛び込んだ瞬間に第1楽章冒頭の流麗さ、華麗さに耳を奪われてしまいました。
シフのタッチも流麗そのもの。
第2楽章ではまるで別人のような面を見せるシフ。
軽く触れるようなシフのタッチ。
そしてピアノの音色の愛らしさが印象的。
第3楽章で感じられる力強さからも心配りの感じられるタッチ。
各楽章ごとに変容するシフのピアニズムに聴き入るばかり。

演奏時間は約20分程の短いソナタですが
シューベルトの溢れる楽想が散りばめられているソナタではないでしょうか。

                 
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タグ : シューベルト ピアノ・ソナタ 第20番 シフ

21:31  |  シューベルト  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●Re: 第4番の第2楽章は・・・

burleskeさま
コメントをいつもありがとうございます。
過日は地震。今回は豪雨災害で被害の甚大さにニュースを見ては気になっておりました。
コメントが安否確認(?)のようで・・・大きな被害がないことを願っております。

このソナタの第2楽章の旋律が第20番の終楽章に用いられていることを今回、初めて知りました。
第20番は聴いていたのですが・・・見事に思い出すことができず、でした。
ケンプでお聴きになられたのですね。
ケンプでも第4番と20番を聴いてみますね。

シフのフォルテピアノで演奏された第18番と21番のディスクをお持ちとのことですね。
今回、第4番の第2楽章を奏するシフのピアノの音色が何となくフォルテピアノに似ているように感じつつ耳を傾けていました。
フォルテピアノだとより一層、良さそうな感じですね。
シフのフォルテピアノでの演奏も数年前から聴きたいと願いつつ・・・まだ実現せずのままで。
burleskeさまと同じように、やはり聴いてみたいと思っています。
lumino | 2018.07.09(月) 20:15 | URL | コメント編集

●第4番の第2楽章は・・・

第4番D.537の第2楽章、馴染みがあると思ったら、第20番の第4楽章と同じ旋律だったんですね。
僕はケンプで聴いてみましたが、こちらもよかったですよ。

シフのシューベルトは全集は聴いたことがないのですが、2014年録音の第18番と第21番のディスクは持っています。
フォルテピアノでの演奏で、独特な音色が魅力的で気に入っています。
全集盤もいつか聴いてみたいですね。
burleske | 2018.07.08(日) 21:12 | URL | コメント編集

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