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2018.08/25(Sat)

Op.454 ベートーヴェン:「エロイカ変奏曲」 by アラウ;カツァリス

前々回の「ベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴くシリーズ」の終了後も
気になっていたベートーヴェン変奏曲を聴いてみることにしました。
ベートーヴェン変奏曲を聴くシリーズ」になるのでしょうか。
変奏曲のうち先ずはピアノ用変奏曲から聴いてみました。
大好きな交響曲題3番に因み「エロイカ変奏曲」からスタート。
と意気込みだけはあるのですが・・・果たしてどうなりますか。

今までベートーヴェン変奏曲を聴くにしても
何となく「聞く」ことはあっても、じっくりと耳を傾け「聴く」ことは殆どなく年月が過ぎました。
ブログを拝読させていただいているうちに次第に変奏曲に関心を抱き始めるようになった昨今。

ベートーヴェンの交響曲で最初に好きになったのが第3番「英雄」。
遥か昔々のLP時代のこと。
第3番は「ベートーヴェンの交響曲全曲を聴いてみよう」との気持ちを抱かせてくれた作品です。

アラウの演奏(1968年、2回目録音)です。

ベートーヴェン:エロイカ変奏曲
アラウ~フィリップス録音全集より

(HMV)445シューベルト ピアノソナタ第19番 アラウ フィリップス録音全集
(収録曲)
ベートーヴェン

創作主題による15の変奏曲とフーガ 変ホ長調 Op.35 「エロイカ変奏曲
創作主題による32の変奏曲
創作主題による6つの変奏曲 Op.34
ロンド ト長調 Op.51

クラウディオ・アラウ(P)
(録音:「エロイカ変奏曲」1968年)


作曲されたのは1802年とのことです。
ベートーヴェン32歳頃でしょうか。
ベートーヴェンはピアノ・ソナタの他にも数多くの名作をピアノのために作曲したそうです。
その中でも変奏曲は注目されるものであり、ベートーヴェンはブラームスと並びこのジャンルに傑出した手腕を見せた作曲家に数えられるそうです。
ベートーヴェンはピアノのための独立した変奏曲を20曲ほど作曲したとのこと。
交響曲やソナタにおいても変奏曲の書法を巧みに採り入れたとのことです。

ベートーヴェンの創作の中期に移行する時期に書かれたこの作品の正式なタイトルは「創作主題による15の変奏曲とフーガ」。 
後に同じ主題が交響曲題3番の終楽章に用いられたことから「エロイカ変奏曲」として親しまれることになったそうです。
ベートーヴェンのピアノ用変奏曲の中では、晩年に書かれた「ディアベリ変奏曲」とともにベートーヴェンのピアノ変奏曲の双璧をなす力作とのこと。

この主題は1800-1801年頃に作曲された「12のコントルダンス」WoO14 の第7曲と
バレエ音楽「プロメテウスの創造物」の終曲にも用いられているそうです。

ベートーヴェンの変奏曲には作品番号が付けられた曲は少ないそうですが
この「エロイカの主題による変奏曲」は作品番号が付された数少ない変奏曲の一つとのこと。

献呈はリヒノフスキー侯爵に。

初版出版は1803年にライプツィヒのブライトコプフ&ヘルテル社から刊行。
自筆譜はボンのベートーヴェン・ハウスに保存されているそうです。


アラウ(1968年録音)で聴くベートーヴェンの「エロイカ変奏曲

曲は「テーマの低音による序奏」に始まり、2声、3声、4声の3つの変奏をともなっているそうです。
このように序奏が置かれることは変奏曲としては珍しいとのこと。
主題はベートーヴェンが気に入っていた旋律とのことです。

低音域の力強い打鍵で始まる序奏。
交響曲題3番の終楽章で耳に馴染みのある主題が力強く奏され
後に続く変奏は2声、3声、4声の変奏になっているとのこと。
2声部では右手が奏する愛らしい響きに惹かれ
声部が追加され3声、4声の変奏になるにつれて
祝典的な明朗な旋律も漂う生き生きとした雰囲気に。

変奏に入り、繰り広げられる15の変奏。
聴いていて私には各変奏の正確な区切りが分かりませんので一括しての感想として。
第7変奏でのチャーミングな趣。
最後の第15変奏ではラルゴで静かに穏やかに奏され
次第に雰囲気に変化が出て即興的な趣も。
印象的な変奏でお気に入りになりました。
奏される主題が重々しく怒涛のような響きを経て変奏が終わりフィナーレに。
フィナーレは自由な形式による3声からなっているとのこと。
雅やかな雰囲気する感じるよう。
フーガは力強く。
主題が装飾的な趣で奏され生き生きとした姿を見せ
豪壮な趣で力強い打鍵で迎える曲の終わり。
    

私自身が好きな主題旋律ですので聴き入ってしまいました。
アラウはこの作品を1952年と1968年に録音しているようです。
こちらのボックスにはこの2種の演奏が収録されていました。
1952年の録音はやはり音質が少々落ちるようですが
大らかでゆったりしたテンポのタッチはいかにもアラウ。
1968年の演奏を主として聴きました。
こちらの録音の方はブックレットに、序奏、15の変奏そしてフィナーレとトラック番号が各々に付されており鑑賞上参考になりました。
因みに1952年の演奏時間は26分52秒
1968年、26分10秒と記載されておりました。

アラウとは別に昔、求めたシプリアン・カツァリスでも聴いてみました。
こちらは交響曲題3番とのカプリングになっています。
「エロイカ変奏曲」の演奏時間は23分07秒。
ディスクを入手し年月が経ちながらも「聞く」だけだった変奏曲。
交響曲第3番に続きこの作品を聴いているとかなりの緊張感に。
カツァリスのタッチの鋭さ、闊達さ。
気迫、推進力にグイグイと引かれ、アッと言う間にディスクの終了になっておりました。
聴き終え、かなりの緊張感。
心地よい緊張感であることが救い?

再びアラウに戻ります。
やはりホッとできる演奏。
テクニックについても無知ですが、緊張感を強いることなく
と言って弛緩したタッチではなく
どっしりとした重厚な雰囲気が漂う「エロイカ変奏曲」でしょうか。
自分が想い描いている「エロイカの主題による変奏曲」がアラウにより見事に再現をされたように感じています。
このアラウの演奏に出合うことができて幸い、と感じる程。
まだ、この作品を多々の演奏で聴いていませんが
手元にあるディスクからじっくりと聴いてみたく思います。

                
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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ベートーヴェン 変奏曲 エロイカ変奏曲 ディアベリ変奏曲 アラウ カツァリス リヒノフスキー侯爵

21:57  |  ベートーヴェン  |  TB(0)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●Re: こんにちは

ruodlfさま、こんばんは~。
涼しく感じる日、はたまた夏日になったりジェットコースターのように目まぐるしい気温の変化の当地です。
今年はとにかく暑いですね。

ベートーヴェンの作品でも変奏曲になると長い間、難しそう、難解みたい、敬遠していました。
rudolfさまが「ディアベリ変奏曲」などを記事にされていらっしゃるのを拝読させていただいているうちに、変奏曲に関心を抱くようになった昨今です。

「エロイカ変奏曲」も初めて聴くに等しい作品でした。
変奏曲に抱いていた先入観は消え去り、聴いてみると惹き込まれてしまいました。
rudolfさまも「エロイカ変奏曲」がお好きなのですね。
ギレリス、ユージナのお名前を拝見し・・・ギレリスの録音もあったのですね。
手持ちのディスクにはないと思っていたのですが嬉しい事にギレリスの演奏が見つかりました。
早速、聴いてみますね(^^♪

アラウのBoxからrudolfさまはいろいろとお取り挙げになられていらっしゃいますね。
アラウ・・・お気に入りのピアニストなのですが、「本当に理解をしてアラウの演奏を聴いているのか?」と時に自問をすることも・・・。

ユージナは以前、rudolfさまがBoxからいろいろの作品をお取り挙げになられていらっしゃいましたね。
記事を拝読させていただいた当時にショップのリストにユージナのBoxを登録していました。
気が付いたらすでに廃盤に。
かなり個性の強い御方、演奏も・・・「驚くような演奏」とrudolfさまのコメントの文字を目に、やはり関心を抱いてしまいます。
お寄せくださいましたコメントにてユージナのBoxが発売されることを知りました。
早速、ショップ・サイトで探してみました。10月に発売予定なのですね。
情報をありがとうございました。今度こそ買い逃さないようにしなくては、です。
「悪魔の囁き」ではなく「天使の囁き」です\(^o^)/。
lumino | 2018.08.29(水) 20:20 | URL | コメント編集

●こんにちは

luminoさま こんにちは

残暑お見舞い申し上げます。
ご無沙汰しております <(_ _)>
こちらはまだまだ暑いですよ

「エロイカ変奏曲」 私も好きですね
ギレリス、それに ユージナの演奏を思い出します

アラウの演奏も良いものです 
アラウは 指揮者のショルティと同じく   どの録音のレベルも高いと思います、あれほど多くの録音をしていながら…

ユージナのBOXが発売されるようですよ(悪魔の囁きかもしれませんが…爆) 
驚くような演奏です ミ(`w´彡)
rudolf2006 | 2018.08.29(水) 11:02 | URL | コメント編集

●Re: ベートーヴェンの変奏曲は・・・

burleskeさま
いつもコメントをありがとうございます。

ベートーヴェンの変奏曲は「ディアベリ変奏曲」以外はあまりお聴きにはならないとのことですね。
変奏曲は何か他の作品の「おまけ的」(作曲家に失礼ながら)に考えてしまっていたのですが、聴いてみると魅力があるものですね。
「エロイカ変奏曲」でburleskeさまはリヒテル、ケンプでディスクをお持ちなのですね。
2人の演奏を聴きたく思いましたが、手持ちの中に残念ながらありませんでした。
特にケンプでは聴きたいですね。
アニー・フィッシャーの演奏が見つかりましたので聴いてみるつもりです。

過日、シューベルトのピアノ・ソナタでピリスの第16番&21番をご紹介くださいましてありがとうございました。
明日届く予定でので楽しみです。やっと聴くことができます(^^♪
lumino | 2018.08.27(月) 20:07 | URL | コメント編集

●ベートーヴェンの変奏曲は・・・

ベートーヴェンの変奏曲はディアベリ変奏曲以外あんまりまともに聴いてないんですよねぇ。
アラウの「エロイカ変奏曲」、僕も聴いてみましたが、ソナタ同様、なんか安心して聴いていられて良いですね。
僕も「エロイカ変奏曲」、他の演奏でも聴いてみたくなりました。
とりあえず、リヒテルとケンプで聴いてみようと思います。
burleske | 2018.08.26(日) 22:16 | URL | コメント編集

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