♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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「カラヤンとともに生きた日々」~エリエッテ・フォン・カラヤン著

相変わらず、カラヤンに関する書籍を探しては読んでいる月日です。
興味がありましたカラヤン夫人エリエッテ・フォン・カラヤン著作の、
カラヤン回想記カラヤンとともに生きた日々」

              
            「カラヤンとともに生きた日々」エリエッテ.フォン.カラヤン

エリエッテ夫人は書籍の前書き=「序曲」として、
夫カラヤンの名誉のために書かれている、と記されています。
また、この本が「彼の100歳の誕生日への私からのプレゼントです。」と。

感動する書籍に、最近出合うことがほとんどなかったのですが、
こちらの書籍には・・・読む前の予想を超え、感動しました。
本を読み終える頃が近づくに従って、やっと親しくなった友人と別れるような、一抹の寂しさのような感情も。
読み終えました時には、涙腺が緩みかけてしまいました。
 
人と人との絆・・・いろいろな絆。
カラヤンとエリエッテ夫人の「夫婦の絆」の強さ、という言葉ではまだまだ言葉不足を感じます。

魂の一致・・・なにか歯が浮くような気障な表現になりますが。
ここまで人と人の魂が一つに成り得るのだろうかと思うほどです。
エリエッテという女性に出会えたことが、カラヤンの最大の幸せだったようにも。

と綴りつつ、この本を手にしまして本の裏カバーに記されていましたエリエッテ夫人の次の言葉・・・。
  
  「ヘルベルトは、その尖鋭な理解と能力で音楽を頭で「聴く」ことができる、
   そして作品の深みと意義を知ることができる一方、
   私は人間の高みと深さ、そしてエモーションのドラマとその行間にある感情で
   作品を感じることができました。
   この意味において、私たちは互いに完璧に補いあえたのです。」

カラヤンが創り出した音楽はエリエッテとの共同作業?
エリエッテ夫人の存在があればこそ?
エリエッテ夫人がいなかったら?・・・カラヤンの音楽は・・・違ったものになっていた?
などと、空恐ろしいことまで考えてしまいました。

エリエッテ夫人のこの回想記を通しまして、カラヤンの音楽に対する姿勢、情熱がとてもよく伝わってきました。
今まで数冊のカラヤン関係の書籍に書かれていた、同じ一つの事柄につきましても、
エリエッテ夫人の文章を読み、初めてその「事柄」の背景、経緯をより一層、知ることのできる糸口にもなりました。
単なる事実だけではなく、人間カラヤンが目に浮かぶように伝わってきました。
エリエッテ夫人の目を通して、まるでカラヤンを見ているような錯覚も抱きました。
書籍タイトル「カラヤンとともに生きた日々」が示すように、
共に生きた者だけが綴ることのできる、実像のカラヤンが伝わってくるように思いました。

夫人が回想記を書き留めていたサン・トロぺ。
サン・トロぺはお二人の出会いの場所でもあったのですね。
ここには毎年6月と9月、年2回2か月をお二人で共に過ごされていたそうです。
カラヤンはこのサン・トロぺの部屋からよく海を眺めていたとのこと。
また、カラヤンがヨットの錨をおろしていた突堤も遠くに見えるそうです。
文章を読みつつ、海を眺めるカラヤンの姿が目に浮かぶようでした。
海を眺めつつ、カラヤンの脳裏には何が?

最もエリエッテ夫人に深い感銘を受けましたのは、
カラヤンが抱く「情熱」を共有することができた夫人の素晴らしさです。
夫人もまた、カラヤン同様「情熱の人」であるように思います。
二人が出会って結婚に至る前に、エリエッテは、
 「ヘルベルトの人生そのものである音楽と一生懸命に取り組もう・・」
との記述は正に彼女の素晴らしい情熱(「愛」という言葉を使うべきかもしれませんが)が伝わってきました。

クラシック音楽に対するカラヤンの情熱。
カラヤンがリハーサルに立ち会いを許すのは唯一人、
エリエッテ夫人だけだった、そうですね。
リハーサルが行われた晩には、カラヤンとエリエッテ夫人、お二人は徹底的に論じ合っていた、とのことです。
夫人は1000回ほど、オーケストラのリハーサルに立ち会っていたそうです。
リハーサルに立ち会うことは、カラヤンから夫人への人生を豊かにする贈り物の中でも一番のプレゼントだったとも綴られていました。

エリエッテ夫人の話ばかりになってしまいましたが、
クラシック音楽愛好家としてやはり興味深いのはカラヤンと縁のあった指揮者のことです。

「夫の大きなお手本」とエリエッテ夫人が記し、第一番に挙げられたアルトゥール・トスカニーニの名前。

フルトヴェングラーについては、「夫は特にそのカリスマ性ゆえに尊敬していました。」と。
他にも少々記述はありますが、私自身、フルトヴェングラー&カラヤンの関係については書籍でのみしか知ることができませんので…二人の指揮者の関係、ゴタゴタにはあまり興味はありませんので、ここまで。

次に登場するのが、ヴィクトル・デ・サバタ。
大切な助言者だったそうで、カラヤンが世界の第一線を行く指揮者になることを、最初に予言した一人とか。

次のお一人の指揮者は飛ばさせていただきまして。

ジョージ・セル。
カラヤンが「真の競争相手」としていた、ということを私は初めて知りました。
次に続くお二人の指揮者も飛ばし・・・。

カルロス・クライバーです。
カラヤンに最も熱い尊敬の念を傾けていたのが、クライバーだったそうです。
但し、エリエッテ夫人は「たぶん」と前置きをされていましたが。
また、カラヤンもクライバーを高く評価していたそうですね。
カラヤンの死後、クライバーの次のような一つのエピソードをエリエッテ夫人は綴っています。
 
  「ヘルベルトの死後、数週間経ったある日、
   夕方私がアニフにある我が家の近くで散歩をしていると、
   カルロス・クライバーが歩いてくるではありませんか。
   彼は私に丁寧に話しかけ―私だとは気がつかないで―カラヤンの家はどこですか、
   と訊くのです。彼だと分かったことは伏せて、私は道を教えて差し上げました。」

トスカニーニを尊敬していたカラヤン
カラヤンを尊敬していたカルロス・クライバー
お気に入りの指揮者御三方の名前が「尊敬」という言葉で結び付き、何やら嬉しいものが。

一人の人物について書籍のみを通して何処まで、真実、実像に迫れるものでしょうか。
ましてや、すでに存命していない人については、不可能にすら近いのかも知れません。
もしかしたら、実像を知らない方が・・・ということも・・・。
それでも、やはり カラヤンを知りたく思います。
まだ、当分はカラヤン関係の書籍を読みたいと思っています。
そして、カラヤンの音楽に少しでも近づくことができたら・・・。

書籍の中で、1958年10月から始まるカラヤンとベルリン・フィルとのドイツ国内ツァーを控え、
ツァーを遂行する際の、カラヤン哲学(?)を次のように夫人は紹介されています。
 
  「音楽のある人生のみが、
   特に数ある音楽レパートリーの中でも重要な作品とともにある人生こそが、
   満たされた人生である。」


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Comment

コメントありがとうございます

burleskeさま、こんばんは。
いつもコメントをありがとうございます。

エリエッテ夫人のことでは私も知らないことばかりでした。
カラヤンとエリエッテの簡素だった結婚式では
、カラヤンの1957年録音の「トリスタンとイゾルデ」より「愛の死」が流されたそうです。
初めて知りまして、ますます「トリスタン」を必ず、絶対、聴かなくてはと・・・。
エリエッテ夫人、さすがにカラヤンが選んだ人、素晴らしい御方だと思いました。
いつか機会がありましたら、是非。(*^_^*)
  • posted by lumino
  • URL
  • 2010.07/14 20:37分
  • [Edit]

カラヤンは知ってるようで知らないです

こんばんは。
カラヤンの真の競争相手がセルだというのは、興味深い話ですね。どちらも完璧主義を目指していたということでしょうか?

エリエッテ夫人については何も知らなかったのですが、これは興味が湧きますね。機会があれば読んでみたいと思います。

トスカニーニ、カラヤン、クライバーとなると共通するのは「歌」ですか。オペラ好きのluminoさんらしいですね。好みがはっきりしていらっしゃいます。さすがですねv-266

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特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
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