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2018.10/20(Sat)

Op.462 ベートーヴェン:「交響曲第7番」 by クレンペラー&フィルハーモニアO.

「春眠暁を覚えず」とは言うものの、「秋眠暁を覚えず」という言葉はないのにも拘らず
「秋眠暁を覚えず」のこの頃。
あの酷暑の日々を何とか生き抜いた・・・大げさな表現ですが、実感でもあります。
秋らしさを感じるこの頃。
ホッとした気分になり陥ってしまう「秋眠暁を覚えず」。
ブログもお休みを、などと怠け心が芽生えてしまった今日。
ですが、この曲を聴くうちに今の処は怠け心が消えたようです。

ベートーヴェン交響曲第7番。
クレンペラー&フィルハーモニアO. の演奏で聴いてみました。
お気に入りのクレンペラーのBox。
手持ちのディスクと重複するものが多々ありながらも昨年、夏に予約注文をしたもの。
入手してからすでに一年以上が経ってしまいました。
ほとんど未聴のまま眠らせてしまっていた Box からです。

ベートーヴェン交響曲第7番
クレンペラー~オットー・クレンペラー・ザ・コレクションより

462 ベートーヴェン 交響曲第7番 オットー・クレンペラー・コレクションより
(収録曲)
ベートーヴェン

交響曲第1番ハ長調 op.21(録音:1960年6月7日)
交響曲第7番イ長調 op.92(録音:1960年6月2日)
「プロメテウスの創造物」序曲 Op.43(録音:1960年6月2日)

オットー・クレンペラー指揮
フィルハーモニア管弦楽団


第1楽章:Poco sostenuto 4/4拍子 – Vivace イ長調 6/8拍子
第2楽章:Allegretto イ短調 2/4拍子
第3楽章:Presto - Assai meno presto ヘ長調 3/4拍子
第4楽章:Allegro con brio イ長調 2/4拍子


曲の断片的なスケッチは1806年頃のノートに見られるそうです。
「ラズモフスキー四重奏曲」や「交響曲第4番」が書かれた時期とのこと。
本格的に作曲が始められたのは1811年秋。
完成は1813年5月13日だそうです。
前作の交響曲第6番の作曲以来、3年以上交響曲から離れていたとのことです。

以前、綴ったことと重複しますが。
この3年間にベートーヴェンは多々の苦労を味わったそうです。
1809年4月9日にオーストリアとフランスが交戦状態に入り
5月21日にナポレオン軍はウィーンに侵入。
ベートーヴェンのパトロン達はウィーンから逃れ、ベートーヴェンは財政的な保護を受けられなくなったとのこと。
また精神的には落ち着かず、健康状態も良好ではなく創作も思うようにはかどらなかったそうです。

1809年に戦争の終結。11月にはフランス軍は退去したそうです。
戦禍から逃れていた貴族たちは翌1810年1月にウィーンに戻ってきたとのこと。
この時期の心境を反映して書かれたのがピアノ・ソナタ第26番「告別」。
このソナタが作曲され、戦争の終結とともにベートーヴェンの創作力は次第に回復したそうです。
その創作は空白期間を取り戻すかのようであったとのこと。

1811年から12年にかけて作曲されたものは明るい長調のものばかりだそうです。
その中で誕生した交響曲第7番はディオニソス的な歓びを持ち、明快なリズムにより人々の心を浮き立たせるこの曲をワーグナーは「舞踏の聖化」と呼んだ、とのこと。

非公開初演は1813年4月20日にルドルフ大公の私邸にて行われ
公開初演は1813年12月8日に、ベートーヴェン自身の指揮により
ウィーン大学講堂に於ける戦争傷病兵のための慈善演奏会にて。
この公開初演では「ウェリントンの勝利」も取り上げられ、愛国的な雰囲気が高まっていた時期で、この2曲は大成功を収めたとのこと。
アンコールでは交響曲第7番の第2楽章だったそうです。

出版は1816年。

献呈はフリース伯爵に。
462:ベートーヴェン交響曲第7番Graf Moritz von Fries
(フリース伯爵夫妻 1801年)
Moritz Christian Johann Reichsgraf von Fries
(1777年5月6日-1826年12月26日)


クレンペラー&フィルハーモニアO.で聴くベートーヴェンの交響曲第7番

力強く重厚な響きで始まる第1楽章の序奏。
序奏を聴き即、クレンペラーの「音」と感じ入ってしまう。
ゆったりとしたテンポで堂々と。
トゥッティでの高揚するドラマティックさ。
轟くティンパニの、はち切れんばかり、とはこのこと?
躍動的なリズム。
堅固な足踏みで前進する音楽。
グイグイと押しまくる演奏ではなく、しかりと地に足の着いた演奏。
コーダの堅牢で覇気を持って閉じられる第1楽章。
改めてこの曲の素晴らしさ、クレンペラーのタクトに魅了を。

荘重に重々しく始まる第2楽章。
次第に増加する楽器たち。
分厚くなる響きに並行するかのような抒情性漂う調べ。
嘗ては退屈をしてしまったこの楽章。
いつの頃からかこの曲では最もお気に入りの楽章に。
自由な三部形式とのことで第2部での穏やかな明るさには寛ぎの気分に。
変奏風な第3部も印象的。
悠然とした雰囲気で終わる第2楽章。

第3楽章はスケルツォに相当するとのこと。
軽快に始まる第3楽章。
跳躍をするような明朗な趣。
トリオの長閑な雰囲気が漂う民謡風な旋律は低部オーストリア地方の巡礼の歌によるものと言われているとのこと。
管楽器が奏する正に長閑な調べ。
楽章の締め括りは凛として。

力強く奏される和音に続き現れる第1主題で始まる第4楽章。
明るい力強さを感じさせる主題。
第2主題のユーモアのある躍動感。トゥッティでの高揚感。
重厚な響きで力強い高揚感のうちに迎える曲の終わり。


クレンペラーの第7番はこちらのBoxには4種の録音が収録されています。
1)フィルハーモニアO.  1960年6月2日
2)フィラデルフィアO. に客演 1962年11月3日
3)コンセルトヘボウO. 1956年
4)コンセルトヘボウO. 1951年
この4種の録音から 1)の1960年、フィルハーモニアO. との演奏を聴いてみました。

因みにショップの解説記事によると
クレンペラーはウィーン芸術週間に出演のためにフィルハーモニアO.を率いてウィーンを訪れ、ムジークフェラインザールでベートーヴェンの連続演奏会を行い大成功だったとのことです。


演奏が終わりすぐに飛び交う「ブラボー」と拍手。
感激の渦でブラボーの言葉すら失う自分。
嘗てこの第7番はベートーヴェンの交響曲の中では
聴いていて疲労感を抱いてしまい、あまり好みではなかった曲。
最近になり遅まきながらやっと目覚めたところです。
個人的には第2楽章がやはり一番魅力的。

好みではないと言いつつも人気曲でもあり
かなり多くの演奏に出合ってきた云十年。
最近出合ったチェリビダッケの演奏を機に意識的に聴くようになった作品。
クレンペラーがお気に入りとの先入観もあるのでしょうか
クレンペラー&フィルハーモニアO. は今の処一番のお気に入りの演奏です。

クレンペラーは各楽器に十分歌わせつつ奏され、生み出される音楽。
旋律線の克明さ。
推進力、気迫を前面に打ち出した演奏とは一線を画するものを感じます。
悠然とした中にも見事に表現される高揚感。
一つ一つの楽器を大切に生かし扱うクレンペラーのタクト。
クレンペラーのタクトが生み出す重厚でガッチリとした音楽。
やはり私にとっては魅力的な第7番です。
まだ、この1960年の録音しかじっくりと耳を傾けていないのですが
他の3種の演奏も楽しみです。

                 
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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ベートーヴェン 交響曲 クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団

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Comment

●Re: クレンペラーの1960年のベートーヴェンは・・・

burleskeさま
いつもコメントをありがとうございます。

こちらのウィーン芸術週間のクレンペラーのベートーヴェンをbulreskeさまもお持ちだったのですね。
クレンペラーには本当に惹き込まれてしまいますね。
クレンペラーは第7番を数多く録音していたのですね、コメントを拝読してビックリしました。
burleskeさまがお挙げくださいました録音を、手持ちのディスクで探してみました。
クレンペラーのベートーヴェンの交響曲全集でフィルハーモニアO.との1955年-1963年録音のディスクがありました。
ニュー・フィルハーモニアO.のディスクはたぶん持っていなかったと思いますが、これから探してみますね。
録音が新しいものほどテンポが遅くなっているとのことで、今回聴いた1960年のライヴでさえ遅いと感じていたのですが・・・1969年のニュー・フィルハーモニアO.との演奏は是非、聴きたくなってきました。
いつもいろいろな情報をありがとうございます。
lumino | 2018.10.22(月) 20:07 | URL | コメント編集

●クレンペラーの1960年のベートーヴェンは・・・

クレンペラーの1960年のウィーン芸術週間のベートーヴェン全曲演奏会はかなり評判が良いみたいですね。
僕も持っていますが、1960年の割には音質がイマイチですが、それ以上に演奏が素晴らしくて、惹き込まれてしまいますね。

クレンペラーのベートーヴェンの第7番は他にセッション録音でフィルハーモニアoとの1955年と1960年盤、ニュー・フィルハーモニアoとの1969年盤を持っています。
録音が新しいものほどテンポが遅くなっていて、比べてみると面白いですよ。
burleske | 2018.10.21(日) 21:11 | URL | コメント編集

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