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2019.05/04(Sat)

Op.470 シベリウス:「ヴァイオリン協奏曲」(オリジナル版と現行版) by カヴァコス;ヴァンスカ&ラハティ交響楽団

ふとしたキッカケで或る作品が自分の心の中で燦然と輝く存在に。
このシベリウスの曲はお気に入りではあってもあまり聴く機会のない作品でした。

「この曲って、こんなに良かった?」と感じることが時々あります。
年月を経て、改めて耳にしては「この曲って、こんなに良かった?」と
同じ想いを抱き感銘を新たにするのがシベリウスヴァイオリン協奏曲
多々あるヴァイオリン協奏曲の中でもお気に入りの1曲です。

過日、この曲を必要に迫られシェリング、ロジェストヴェンスキー&ロンドン交響楽団の演奏で聴くハメになってしまいました。
例えお気に入りの曲であっても・・・致し方なく耳を傾け始めた筈なのですが
今までに抱いたことのない新鮮な感銘を受けました。
余談ですが、カプリングがプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番でした。
プロコフィエフ・・・苦手な作曲家の筈でしたが・・・プロコフィエフに対しての認識が一転しました。

ふとした事からシベリウスヴァイオリン協奏曲に改めて嵌り込んでしまった次第です。
手持ちのディスクを探し出し色々と聴いておりました。
こちらのカヴァコスヴァンスカラハティ交響楽団初稿版と現行版の2種が収められたディスクがショップで目に付きました。
今頃になり是が非でも聴きたくなり早速入手をして聴いてみました。
それにしても、この曲は演奏者により受ける印象にかなりの違いがあるように感じてしまうのですが。

シェリング;ロジェストヴェンスキー&ロンドン交響楽団に端を発したシベリウスヴァイオリン協奏曲への再燃。
カヴァコスヴァンスカラハティ交響楽団の演奏で。
初稿版に興味津々の心持ちを抱きつつ。

シベリウスヴァイオリン協奏曲ニ短調
by
カヴァコスヴァンスカ&ラハティ交響楽楽団

470シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 Op. 47 (原典版/改訂版)(カヴァコス/ラハティ響/ヴァンスカ)
(収録曲)

シベリウス
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47(1903-04年オリジナル版)
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47(1905年 現行版)

レオニダス・カヴァコス( Vn)
オスモ・ヴァンスカ指揮
ラハティ交響楽団
(録音 オリジナル版:1991年1月 現行版:1990年11月
     ラハティ聖十字架教会)


第1楽章:Allegro moderato ニ短調 2/2拍子
第2楽章:Adagio di molto 変ロ長調 4/4拍子
第3楽章:Allegro ma non tanto ニ長調 3/4拍子
    オリジナル版表記は Allegro (ma non tanto)



いつものように以前、綴ったことと重複しますが。
作曲されたのは1903年、シベリウス38歳の時だそうです。
1903年に初稿での初演の後1905年にブラームスのヴァイオリン協奏曲が発端となりシベリウスはこの曲の改訂をしたとのこと。
推敲を重ね、初稿の完成から2年後の1905年に改訂され、今日演奏されている型になったそうです。

因みにシベリウスは若い頃にヴァイオリニストを志したそうで、14歳でヴァイオリンを学んでいたとのことです。
1892年から1901年には母校ヘルシンキ音楽院の作曲、及びヴァイオリンの教師をしていたそうです。
この曲でもヴァイオリンの能力を充分に駆使した華やかな演奏効果にも欠けるものはない、とのこと。

シベリウスは1899年作曲の交響詩「フィンランディア」などにより
既に独自の地位を築いていた頃にこの曲は書かれたとのことです。
ヘルシンキ、ライプツィヒそしてパリで音楽を学んだ指揮者のロベルト・カヤヌスと
ヘルシンキ管弦楽団とともにヨーロッパ各地を演奏旅行しシベリウスの名声は国際的に認められるようになったそうです。

オリジナル稿の初演は1904年2月8日。
ヴァイオリン独奏はヴィクトル・ノヴァチェク。
曲の完成が初演間際であったためノヴァチェクは練習時間を十分に得られず初演は悲惨なものだったとのこと。
改訂された現行版の初演は1905年10月19日。
リヒャルト・シュトラウスの指揮、ベルリン王立宮廷楽団
ヴァイオリン独奏(兼コンサートマスター)カレル・ハリーシュにより執り行われ
大成功を収めたとのことです。


カヴァコスヴァンスカラハティ交響楽団で聴くシベリウスのヴァイオリン協奏曲
オリジナル版と現行版の簡単なメモとして。

ショップの記述によると
オリジナル版はシベリウスの遺志を汲み、初演以来公開をされていなかったとのこと。
こうしてオリジナル版を聴くことができるることに感謝。

先ずオリジナル版と現行版の演奏時間。
●オリジナル版 39分14秒
  19分28秒/9分58秒/9分34秒
●現行版 34分44秒
  16分47秒/10分02秒/7分40秒


オリジナル版を聴くのは初めてです。
現行版ですら聴き込んでいるとは言えないながらも
オリジナル版と現行版を聴き自分なりの印象を。
ショップのレビューを読むと現行版の方が良い、との声が多いようです。
私自身はオリジナル版の方に興味を引かれ、強いて言えばオリジナル版の方がお気に入りに。
特に第1楽章での独奏ヴァイオリンの重音奏法などの技巧に耳を奪われます。

尚、レビューで音量調節が煩わしいとのお声に同感。
レンジが広いのでしょうか。
通常、スピーカーから聴く時には小音量に設定しています。
このディスクは音量調節に四苦八苦。ヴォリュームを上げたり下げたり。
本来ダイナミックレンジの広さは大歓迎なのですが・・・。
心ゆくまで聴くにはやはり愛用のヘッドフォンになってしまいます。

初稿と現行版を聴き殊に印象に残っているのは第1楽章。
初稿では再現部の第3主題の前にもカデンツァが置かれていたそうですが
改訂により削除されたとのこと。
この削除された部分・・・だと思うのですが前述しましたが重音奏法のフレーズがかなり長く続き、カヴァコスの技巧に聴き入ってしまいます。
聴いている方は良いのですが、ヴァイオリニスト泣かせ?かも、と余計なお世話の心配も。

第1楽章ばかりに集中してしまいますが。
第1楽章はオリジナル版の方が現行版より5分程長いようですが
聴いていて冗長さを感じることはありません。
第2楽章はオリジナル版の方が現行版より2分程長いようです。
短縮され完成度の高い現行版よりもオリジナル版の方に
シベリウスの溢れ出る豊かな楽想が生き躍動をしているように感じられます。
現行版、オリジナル版ともに魅力を湛えた曲。

カヴァコスの雄弁な独奏ヴァイオリンと
ヴァンスカ&ラハティ交響楽団が織りなすシベリウス。
目下の愛聴盤の一つになっております。
        
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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : シベリウス ヴァイオリン協奏曲 カヴァコス ヴァンスカ ラハティ交響楽団 初稿

21:47  |  シベリウス  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●Re: お早うございます

rudolfさま、こんばんは。
いつもコメントを誠にありがとうございます。
連休には縁がなく、いつもと変わらずで、家族(インコたち)中心の毎日です。
せめて気分だけは「連休気分」を味わっています。

私もシベリウスのヴァイオリン協奏曲はいつも耳にする曲のみだと思っていました。
過去、記事として綴った時に初稿はすでに廃棄されたものと勝手に思い込んでいました。
今回、初めてオリジナル版と改訂、現行版が録音されたヴァンスカ盤のディスクがあることを知り喜々としてしまいました。

> 今朝もメンデルスゾーンを聴いていて思ったのですが、有名な作曲家の作品でも すべてを聴くことができないのに、他の作曲家のものは もっと無理だなと… 

確かにそうですよね。
先日、rudolfさまの記事を拝読させていただきメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲を初めて聴くことができました。
聴くことができるのは音楽作品の氷山の一角の曲だけなのですよね。
マイナーな作曲家の作品でも素晴らしいものがあるのでしょうが、全てを聴くには人生の時間は短い、短か過ぎですね。

> 人生は長いようで短いものかもしれませんね 

本当に本当にそう思います。
出合うことができた曲、まだ出合うことのない曲、数々の作品を想う時「芸術は長く、人生は短い」との言葉が切に感じられる数年来になりました。
私事になりますが、今年になり元気で動くことができるうちにと思い「墓じまい」をしました。
改葬そして永代供養墓への生前申し込みもしました。
長いように思い感じていた人生。
何と短いものか、と実感しています。
そしてこの短い人生、本当にいろいろな事がありますね。
逃げ出してしまいたい時や事象もあったり・・・。
短い人生、音楽との出合いが「明」そのものかも、です(^^♪
lumino | 2019.05.06(月) 20:22 | URL | コメント編集

●お早うございます

luminoさま お早うございます

連休でしょうか?
こちらは先週も ありました…爆

シベリウス のコンチェルト オリジナルと 改訂版があったのですね 知りませんでした…
今朝もメンデルスゾーンを聴いていて思ったのですが、有名な作曲家の作品でも すべてを聴くことができないのに、他の作曲家のものは もっと無理だなと… 

人生は長いようで短いものかもしれませんね 
●(^▽^)●
rudolf2006 | 2019.05.06(月) 09:28 | URL | コメント編集

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