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2019.06/29(Sat)

Op.472 ベートーヴェン:「チェロ・ソナタ第4番」 by マイナルディ&ゼッキ

エンリコ・マイナルディの演奏を初めて聴く機会がありました。
マイナルディのBoxは2種発売されているようですね。
2013年リリースの「DG&アルヒーフ録音集成Box」(14枚組)及び
2017年リリースの「マイナルディ~名演集」(DOCUMENTS;10枚組)の廉価盤。
入手をしたのは廉価盤大好き故に「マイナルディ~名演集」です。
収録曲はお気に入りの作品がほとんど。
中でも「無伴奏チェロ組曲」とベートーヴェンチェロ・ソナタ全集は是非、聴いてみたいものでした。
最初に「無伴奏チェロ組曲」を聴き、今まで耳にしていた演奏とはかなり異なり
ゆったりとした遅いテンポで魅了されるものがありました。
シューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ」も然り。
そしてベートーヴェン
ベートーヴェンチェロ・ソナタでこれほど心に染み入る演奏を聴いたのは初めてのような・・・。
どの作品も、遅いテンポ設定で語りかけるような演奏に惹かれる一枚一枚。
マイナルディ・・・もっと早く出会いたかった、と思うチェリストになりました。
マイナルディのチェロ、ピアノはカルロ・ゼッキでベートーヴェンチェロ・ソナタ第4番を。


ベートーヴェンチェロ・ソナタ第4番
エンリコ・マイナルディ~名演集より


472ベートーヴェン チェロ.ソナタ第4番:エンリコ・マイナルディ名演集10CD
(収録曲)

ベートーヴェン
  チェロ・ソナタ第4番
  チェロ・ソナタ第5番
 
シューベルト
  アルペジョーネ・ソナタ D.821
(録音:ベートーヴェン 1957年 DG原盤)

曲の構成についてのメモ
(ディスク他、2楽章の記載)
第1楽章・Andante – Allegro vivace
第2楽章・Adagio – Tempo d'Andante - Allegro vivace

(門馬直美氏による、5つの部分から構成されている単一楽章として)
第1部:Andante ハ長調 6/8拍子 
第2部:Allegro vivace 2/2拍子 
第3部:Adagio ハ長調 4/4拍子   
第4部:Andante 6/8拍子
第5部:Allegro vivace ハ長調 2/4拍子


472ベートーヴェン チェロソナタ第4番(wikiドイツ)Beethoven-Porträt von Louis Letronne aus dem Jahr 1814.
作曲をした頃のベートーヴェン 1814年

草稿によると作品102の2曲、Op.102-1 第4番、Op.102-2 第5番は
共に1815年に完成したそうです。
第4番の方が第5番よりも少し早く7月の終わり頃に書き上げられたとのことです。

この第4番の草稿には「ピアノとチェロのための自由なソナタ」と記されているとのことで
曲の構造もかなり自由なものだそうです。
全曲は5つの部分から構成されてはいるが5楽章の形を取ることはなく
最初から最後まで通奏される単一楽章の幻想曲風ソナタの観を呈している、とのこと。

また、門馬直美氏によると、
初めの2つの部分、Andante と Allegro vivace を休みなしに演奏した後に
1小節の休止符を挟み、続いて3つの部分、Adagio、Tempo d'Andante そして Allegro vivace が休みなく演奏されるので、曲は2楽章の形を取っていると思われる、とのことですが
冒頭のAndante の再帰から考えると、5つの部分から構成される単一楽章のソナタとした方が妥当、と氏は記述をされています。
CDジャケット他もこの曲を2楽章構成として扱っているようです。
無知な私は、云々、細かいことよりも・・・聴いて、曲が良ければそれでイイ・・・と、単純に。

作曲された1815年はウィーン会議が開催された年だったそうです。
会議は9ヶ月に及んだとのことです。
この会議による社会のお祭り騒ぎやベートーヴェン自身の体調不良などもあり
作曲の筆は進まなかったとのこと。

曲は第5番と同様にラズモフスキー家のシュパンツィヒ四重奏団のチェリスト、ヨーゼフ・リンケのために書かれたそうです。
リンケは優れたチェロ奏者であり作曲もしたそうです。

献呈はエルデーディ伯爵夫人に。
伯爵夫人はベートーヴェンの音楽の良き理解者であり、ベートーヴェンを助け
嬉しい時にはともに歓び、悲しい時には労わり、慰めたそうです。

出版は1817年にボン、及びケルンのジムロック社から。
1819年にはウィーンのアルタリア社からも出版されたとのこと。



マイナルディ&ゼッキで聴くベートーヴェンのチェロ・ソナタ第4番
門馬直美氏の 5つの部分から構成される単一楽章のソナタ を道標に聴いてみました。

第1部のAndante。序奏。
冒頭に表情指定として teneramente(優しく、愛情深く)及び dolce canntabile と記されているそうです。
チェロがゆっくりと語りかけるような優しい旋律で始まり
ピアノも和やかに加わりチェロとピアノの穏やかな語りかけを聴くよう。
穏やかさの中に静かな美しさも漂っているような幻想的な雰囲気の調べ。
3分弱の序奏ですが、印象深く心に残ります。
他の演奏で今までも聴いている筈なのですが、とても心に残るものがあります。
この曲では最もお気に入りのパート。

続く第2部の Allegro vivace では第1部から一転してリズミカルさ、躍動感そして力強さ。
マイナルディの切り込むような鋭い弓さばきからは
妥協を許さない凛とした印象を受けるようです。
力強い推進力に圧倒されるよう。

第3部のAdagio。
この第3部と次の第4部は第5部に対する序奏と見ることができる、とのことです。
チェロとピアノの対話のように始まる第3部。
深みのあるチェロの響き。
伸びやかに歌うチェロ。寄り添うピアノ。
第1部のAndante とともに幻想的で印象に残るようです。

第4部のAndante は冒頭、第1部のAndanteの主題を用いているとのこと。

迎える第5部、Allegro vivace。
曲のクライマックスを迎え、凛とした力強い高揚感。
チェロとピアノで気迫を伴い築き上げられているよう。


曲が終わり、第1部のアンダンテに想いが吸い寄せられるようです。
嘗てベートーヴェンのチェロ・ソナタ全般に対して抱いていたのは
明るいと言う印象。
今回、マイナルディの演奏を聴き、各曲に散りばめられている美しい旋律に耳を奪われ
嘗て感じたことのない、曲に対する共鳴、感銘を受けたように想います。
ベートーヴェンのチェロ・ソナタに対するイメージがかなり変わってきたようにも。
「チェロ・ソナタ全集」としての愛聴盤になったようです。

今頃になり知り得たチェリスト、エンリコ・マイナルディ。
この廉価盤Boxの10枚、私としては異例の短時間でほとんどを聴き終え
愛聴Box になりそうです。

マイナルディのメモを。
1897年5月19日 ミラノ生まれ。
1976年4月10日 ミュンヘンにて死去。
イタリアのチェロ奏者、作曲家、指揮者。
ゲオルク・クーレンカンプやエドヴィン・フィッシャーらとトリオを結成し、室内楽での名声を高めた、とのこと。

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タグ : ベートーヴェン チェロ・ソナタ マイナルディ

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