♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.57 ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」全曲 by C.クライバー

夏から連想するものと言えば・・・未だに、「夏休み」と「宿題」です。
夏休みの宿題とはすっかり縁がなくなりましたが、
今年は自分に夏の「宿題」を課してみました。
ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」を全曲聴くこと。

ワーグナーの作品で何が一番苦手かと申しますと、「トリスタン」なのです。
6月下旬頃に「トリスタン」に挑戦!と思いつつ・・・月日が経ちまして焦りが出てまいりました。

「さぁ、今度こそ、聴いてみる!」と、7月下旬に決心をしました。
第1幕の前奏曲を聴いているうちに、ウトウトと…子守唄に。
いつまで経っても第1幕の途中までの繰り返しをしているうちに、とうとう8月に入ってしまいました。
この分だと、全曲鑑賞制覇は・・・完全に不可能・・・ということは、自分を許せず一発奮起をしました。


               ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」
                   C.クライバー;DG録音全集より


                C.クライバー DG録音全集

                トリスタン:ルネ・コロ
                マルケ王:クルト・モル
                イゾルデ:マーガレット・プライス
                クルヴェナール:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
                ブランゲーネ:ブリギッテ・ファスベンダー
 
                シュターツカペレ・ドレスデン
                ライプツィヒ放送合唱団

               (録音:1980年~1982年ドレスデン、ルカ教会)
   


いろいろな解説書を開いてみました。
苦手な原因は、どうもこの辺りにありそうです。
 
 「半音階的な進行、無限旋律と呼ばれるメロディのつなぎ目をなくした手法が
  駆使され、古典的な調性は崩壊の寸前にまでつきつめられている。
  それによってこの作品は、現代音楽の扉を開いたとされる。」
                (「オペラ・ハンドブック」より引用)


半音階、無限旋律、古典的な調性の崩壊寸前、現代音楽の扉を開く!
これらの文字はクラシック音楽から逃避したくなる要素ばかりです。
苦手な要素の塊なのです。
「トリスタンとイゾルデ」の全曲鑑賞は、拷問のようにも・・・。
    何も、そのような思いをしてまでも聴かなくてもよいものを
     でも、C.クライバーなのでどうしても聴きたいし  


上記と重複しますが、この作品の特徴として、
1.詩によって音楽が統一されている
2.示導動機の徹底的な使用
3.旋律が休みなく、成長し溶け合う無限旋律の使用
4.半音階とエンハーモニックの夥しい使用
と解説されています。

ワーグナーがこの作品を作曲した当時、妻であったミンナとの不幸な結婚に悩んでいたそうです。
愛の幸福の体験がなく、(その反動?で)作品の中に愛情の湧き出る劇を作ろうと考え、誕生したのが「トリスタンとイゾルデ」だったそうです。
また、人妻マティルデ・ベーゼンドンクとの遂げられない恋の苦悩もまた、作品の基礎ともなっていたとも。

オペラ鑑賞では粗筋よりも音楽、などといつものように気楽にはいかなくなりました。
先に粗筋を読むことに。
そして、いつもの虎の巻からの引用です。

【作曲】1857-59年
【初演】1865年6月16日(他の本では10日の記も)ミュンヘン宮廷歌劇場
【原作】ゴットフリート・フォン・シュトラースブルクの同名の叙事詩
【台本】作曲者自身
【時・場所】伝説上の中世
【構成】3幕 約3時間50分
【主な登場人物】 
   トリスタン:コーンウォールの騎士、マルケ王の甥
   イゾルデ:アイルランドの王女
   マルケ王:コーンウォールの王
   クルヴェナール:トリスタンの従者
   ブランゲーネ:イゾルデの侍女
【物語】
 第1幕:アイルランドからコーンウォールへ向かう船上
アイルランドの王女イゾルデはコーンウォールの王マルケの元に嫁ぐために、
王の甥トリスタンが舵を取る船で王の元へ向かっている。
かつて、トリスタンはイゾルデの従兄で許婚のモロルトを戦場で殺した。
その際、自らも深傷を負い、身元を偽ってイゾルデの元に助けを求めてきた。
看病するうちにイゾルデは許婚の敵であることに気付くが、すでに彼を愛していたので逃がした。
他ならないその男、トリスタンが恩を忘れ、イゾルデを王の妻にするために連れに来たのである。
イゾルデはトリスタンを激しく責め立て、ともに死ぬことを決意する。
イゾルデは侍女のブランゲーネが差し出した薬を共に飲む。
差しだされたのは、ブランゲーネが命じられた毒薬ではなく愛の薬だった。
トリスタンとイゾルデの間に愛が燃え上がる。
船はコーンウォールに到着する。

 第2幕:コーンウォール城内。王妃イゾルデの部屋の前の庭。
狩りに出る王の一行の角笛の音。
イゾルデはトリスタンとの逢引の時を待っている。
トリスタンがやって来る。
見張り役のブランゲーネの警告も二人の耳には届かない。
マルケ王の家臣メロートが手引きした王の一行がやって来る。
マルケ王は二人の裏切りを嘆く。
トリスタンはイゾルデに一緒に夜の国へ行ってくれないかと話す。
耳にして怒ったメロートはトリスタンに斬りかかる。
トリスタンは剣を落とし、深い傷を負う。

第3幕:ブルターニュにあるトリスタンの居城カレオーレ。
 トリスタンの従者クルヴェナールは重傷を負った主人をここまで運び、
傷を癒す事ができる唯一の人、イゾルデを呼びにやった。
イゾルデの到着。
トリスタンは立ち上がって包帯を剥ぎ取りイゾルデの到着を喜ぶが、それは彼にとって死を意味した。
イゾルデが駆け付けた直後にその腕の中で息絶える。
マルケ王一行が到着する。
クルヴェナールは孤軍奮闘して王の従者と戦うが、メロートを倒したところで力尽きる。
そこにすべての事情を知って二人を許すためにやって来た王が登場。
しかしマルケ王がそこで見たのは、トリスタンたちの亡骸だった。
トリスタンを失ったイゾルデにはもう何も目に入らない。
「イゾルデの愛の死」を歌い、トリスタンの亡骸の上に崩れ落ちる。


第1幕、前奏曲
解説書によりますと、ワーグナーはこの曲に次のような「標題」を与えているそうです。
 
  「トリスタン自ら結婚仲人としてイゾルデを叔父の元へ連れて行く。
   実は二人は愛し合ってる。
   静めることのできない欲望の最も控え目な訴えに始まり、
   望みのない愛の告白の極めて繊細な慄きから、
   このような愛の最も恐ろしい爆発に至るまで、
   内なる灼熱に対する無益な戦いのあらゆる段階の感情が貫いてる。
   そして、この感情は気を失って己の中に沈んでしまい、
   死の中に消え去るほかないようになる。」

この第1幕前奏曲を漠然と聴いておりました時には、ウトウトしてしまいましたが。
2度、3度と何回も繰り返し聴きますうちに、かつて耳にしたことがある旋律が。
以降は、順調?に鑑賞をすることができるようになりました。

第1幕第3場、イゾルデがブランゲーネにトリスタンとの出来事の回想を歌う部分。
イゾルデ役のマーガレット・プライスの楚々とした声に、内なる苦しみ、悲しみが秘められているように感じました。

第2幕、第2場、マルケ王の城内のイゾルデの部屋の前の庭で、イゾルデとトリスタンが歌う有名な愛の二重唱「ああ、われらを閉ざせ、愛の夜よ」。
トリスタン役が最高のワーグナー・テノールとの先入観があるせいでしょうか、ルネ・コロのトリスタンが素晴らしく耳にも心にも響きます。

第3幕第1場でのクルヴェナールとトリスタンの二重唱。
クルヴェナール役のディスカウ。
ディスカウが持つ本来の声質がトリスタンの忠実な従僕としてのクルヴェナールには相応しいのでしょうか、トリスタンを気遣うクルヴェナールの温かい心を感じるようです。

同、第3場、意識を失いトリスタンの死骸の上に倒れたイゾルデが、ブランゲーネの腕の中で再び意識を取り戻し、
イゾルデが歌う「イゾルデの愛の死」。
有名な「イゾルデ愛の死」なのですが、どうも・・・詩が哲学的すぎて、理解には程遠い有様です。

この作品で一番心に残りましたのは、
第1幕の前奏曲であり、第3幕の序曲でした。
第3幕、序曲、底なしの奈落を連想させるかのように深々と奏される低弦。
前奏曲を聴き、ウトウトとしていましたことが、まるで嘘のようにいつしか作品に引き込まれてしまいました。
緊張感、緊迫感に溢れ、一時も余裕を与えない演奏。
これもC.クライバーの手腕の為せる技でしょうか。



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Comment

コメントありがとうございます

burleskeさま、こんばんは。

はい、もう、やっと、と言いますか・・・執念?と言いますか。
今まで「トリスタン」の一部しか聴いていなかったのですが、
やはり全曲通して聴いてみて本当に良かったです。
一筋縄ではいかない作品とのことで、今でも実際に理解をできているのかどうか、自分でも覚束ないのですが。

早速、フルトヴェングラーで探してみました。
1952年のフィルハーモニカ管との録音が、いろいろなレーベルからリリースされているのですね。
「凄い演奏」と拝見しますと、必聴ですね。e-343
グルヴェナールはフルトヴェングラー盤でも、ディスカウなのですね。
グルヴェナールの存在が妙に頭に焼きついています。

ベームの「トリスタン」ですか。
どのような感じでしょうか。
また、ご感想の記事を楽しみにさせていただきます。(^^♪
  • posted by lumino
  • URL
  • 2010.08/09 20:03分
  • [Edit]

ついに《トリスタン》ですね

こんばんは。
とうとう《トリスタン》聴かれましたか。
一筋縄ではいかない作品ですが、一度引き込まれると魅力の虜になってしまいますよね。
できれば今度はフルトヴェングラーに挑戦してみてください。これも凄い演奏です。

実は僕もベームの《トリスタン》を購入したのですが、未だ聴いていません。これを機会に聴いてみようと思います。

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